6月16日 日曜日

昨日は夜に大雨となりました。市内のお話ですけど。というのも・・・私が医学部卒業後3年目に、外科医のひよっことして赴任した初めての病院で出会った、今は眼科で活躍中の”スーパードクター”と、昔から、多くのご恩を頂いている先生とのお食事会を持つ機会があったのです。みな家族連れで総勢6名で机を囲むことになりました。むかし話とか、近況とか、とりとめのないおしゃべりで大変楽しかったというわけです。もうかれこれ30年近くの月日が流れていますので、なんだか不思議な感覚でしたね。翌朝は奥さんからの課題図書(笑)を頂いて、パラパラ斜め読みしながら、いつものパターンで本屋さんへ。先日他界された小澤征爾さんの娘さんである、セイラさんの手記が掲載されているという「文藝春秋」を購入してみました。目次を見ると、なかなか面白そうな記事が並んでいます。いつもこの手の文芸誌は興味のある記事だけ読んで、他の難しい記事は目を通さないことが多いのですけど、今回は読めるものが比較的たくさんありそうです。中にはちょっと・・・なものも目に入りました。「開業医の既得権を打破せよ」という、筆者が「憂国グループ2040」という特定されていない論文でした。やはり立場上、思わずはじめにこれから読んでしまいましたね。内容は最近私もしばしば使用する「リフィル処方箋」を推すものでした。あとは、今までにも何度か耳にしたような、風邪薬や痛風や花粉症の治療薬を診察なしで購入できるようにしてはどうか・・という提言であったり。日本の危機の本質と銘打たれている割には、それほど内容が太くないなあと感じてしまいました。もちろん患者さんに使い勝手の良い制度の構築は必要だと思うので、提案の意図については賛成するところであります。既得権という言葉も、そもそもは大阪の首長さんが盛んに訴えられたのが、始まりだったような気もしますが、わかりやすい反面で、対立を招きやすいワードのようにも思います。既得権を奪い取って、他に移管した場合には、そこにまた既得権が生まれるわけなので、既得権そのものは永遠に無くならないのですから、その権利を持つこと自体が悪いのではなく、それをできる限り、公平な枠組みにすることが大切なのですよね。まあ、私のようなものが意義ある提言をできるわけでもありませんので、自分のできることを、決められた枠組みで医師の倫理に基づいて粛々と実行するだけなのですけど・・・。