京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

その一言をかける前に・・・

7月9日 火曜日

それほど大したことでもないけどな・・というちょっとした体の変調に気づくことありますね。背中がちょっと痛かったとか、今朝ほど一瞬みぞおちが痛んだけどすぐによくなったとか。そこから病院を受診してみよう・・になるまでには個人差があるかと思います。もう誰が考えても受診したほうが、の事例もあれば、半分の人が、それは気にしすぎ?と考える事例とか。一般的に何が正しい行動であるかというのを決めるのは困難ですので、大きなメディアほど、「〇〇です。ただし、まれに〇〇なこともありますので、できれば医療機関を受診して医師に相談されるのが良いと思われます」と締め括られがちです。そしてそれは間違ってはいないのですけど。実際にはそこから自分でネット検索をしたり、知人に話して相談してみたりという行動になるのだと思います。ネットに出てくるのが的確なこともあれば、そうでないこともあるでしょう。思いのほか心に響きやすいのが、知人からの一言でもあります。「あんたそれ癌かもしれへんで」とか、「背中曲がってるな」とか、「ちょっと痩せた?」(これは反対もあります)などがそのキラーワードとしては頻出なものでしょうか。その一言を気にして病院を訪れましたという方が結構多いものです。知人の方にしてみれば、何気なくつい口をついて出てしまう言葉なのかもしれないのですけど、意外と相手の行動変容を促すきっかけになっているのだということは、もう少し自覚されていてもいいのかなと思います。もちろん良い助言もありますし、単に不安を煽ってしまっているだけのこともあります。大げさでなく、それを言われたばっかりに一日中考え込んでしまって・・・というケースも実際に経験します。日常生活の何気ない一言が、呪いの言葉にならないように、人間関係注意してお付き合いするのが良さそうですね。さて、鬱陶しい梅雨空も後半戦(?)、暑さに負けず今日も良い1日をお送りください。

地味で面白くないですが

7月8日 月曜日

健康寿命を延ばしましょうということで、ありきたりですが、ウォーキングと脚力を維持するトレーニングを最近おすすめするようにしています。ウォーキングも仲良しでおしゃべりしながらのんびりと・・というのではなく、真剣にモモをしっかりと上げて、自分で少し息が上がるくらいのスピードで行うのがオススメですね。筋トレのほうは、スクワットとか、座位で足を伸ばしたまま水平に上げて数秒間保持するもの、股関節の可動域を広げるためのストレッチ運動なども良いと思います。短い診察時間の中ではありますが、少し説明すると、次の時に覚えていてもらえることもあるようで、何よりも地道に毎日少しずつ継続するのが大切だと考えています。地味で面白くないのですが、やはり続けることが大事です。ご高齢の方で、転倒トラブルを契機に体調を崩されることが多いので、平均寿命が伸びている時代に心得ておきたいことだと思います。気温もこのところ異常に高い日が続いています。新しい1週間、みなさんお元気にお過ごしください。

メディア断ちのういーく

7月6日 土曜日

梅雨の中休みでしょうか。明けの予想もちらほら囁かれるようになってきました。あと少し・・・。ここ数日は太平洋側中心に30度後半の気温を記録したとか聞いていますので、ちょっとこれは尋常ではないですね。気をつけないと。ぼやぼやしてる間に今年も半分がすぎました。年初は北陸能登の大地震で明けたわけですが、まだまだ復興が進んでいないそうです。今になると、当初のボランティアの入地制限のようなアナウンスが逆効果だったのかもしれないという意見もうなずけるように思います。大きな意味で考えるとある種SNSの弊害とも言えるのかもしれませんね。ということで・・・今週はSNSを大幅制限して過ごしてきました。別になくても生きていけますな。むしろ雑音だったのかもしれないとも感じます。貴重な情報とするのか、時間の浪費となるのかは結局のところ、運用次第だなというあたり前の結論に到達しつつ、やっぱり自堕落な性格の者は(←ワタクシのことです・泣)、器の問題ではなく、内面と行動の問題に陥るのだな〜・・・

やめてみた

7月4日 木曜日

蒸し暑さが最高潮になっています。身体もなんとなく重いかんじで鬱陶しい日が続きます。色々な情報を収集する(主に仕事関連ですけど)ために、SNSなども頻繁に利用していますが、その情報にもやはり玉石混交であると感じる場面がありますね。というか大体その情報に踊らされて、後から、あの時のあれってどうやったんやろ・・・って思い直すことがあります。なのでちょっと前からアクセスをやめてみています。完全にやめている訳ではないのですが、もう最低限度に絞っている感じです。自分でその分考えるようにしなくてはと思いますが、少し身軽になった気もしています。こうあらねば・・・あそこにも手入れをしなくては・・・と感じるのが少なくなると、少し気分が変わっているような・・・さほど変わってもいないような。まあそのぶん、別の媒体での活字を追ったり、お勉強をしたりする時間が増えるのは悪くはないのかなと。では今日もまた一日頑張りませう。

ともにはたらく社会

1日2時間45分、1週間で19時間・・・これはスイスの男性が平均で育児に費やしている時間だそうです。さて自分の子育て時代はどうであったのか?思い出そうとしましたが、全くもって優等生の回答にはなりそうにないので億劫になりますね。ちなみにこれはノルウェー、スウェーデンについで、先進国第3位の数値だそうです(ネット記事swissinfo.ch 「ご飯の支度はお母さん スイスで家事分担が公平にならないのはなぜ?」より)。それでも女性のそれと比べると、週10時間の差があるとのことでした。彼の国の社会学者の一人が述べるに、さらに仕事の内訳を見ると、やはり手間と時間がかかるものは女性が担いがちで、分担の内容そのものが、まだまだ公平とは言い難いとのことでした。ジェンダーフリーの先進国と考えられがちな北欧の国でも、まだまだ男性が大黒柱となり、女性が家を守るという意識が根強く、その収入面でも女性のそれは補助的に捉えられる傾向にあるとの意見に、かなり意外な印象を受けました。女性の社会参加は進んでいるとはいえ、やはりパートタイムの占める割合が多いらしく、改善の余地があるとされていました。日本でも状況は少しずつ変わってきているようでして、今では診察に来られる若い女性の方も、ほとんどがなんらかの職についておられることが多いと感じます。昔とは比較にならないほど、状況は変わってきているとはいえ、まだまだ過渡期であり、今後もその傾向が強まっていくのだと思います。それは社会がどうあるべきか論の問題ではなく、否応なく、その圧力が社会経済的に強まっていることの証左なのでしょうね。

ヲワリダイジ

7月2日 火曜日

毎日ジメジメとした日が続きます。梅雨の本領発揮ですね。今日は手短に・・・。新聞の一応一面の片隅にひっそりとした記事がありました。「税収72.1兆円 4年連続最高」昨年度の決算で一般会計の税収が過去4年連続で増えており、72兆を超えたとのことです。好調な企業業績を背景に法人税や所得税が伸びたとあります。2009年のほぼ倍の収入のようですね。「国民への還元策を求める議論が活発になる可能性もある」「社会保障費などの歳出が拡大しており、厳しい財政運営が続くことに変わりはない」(日経新聞2024年7月2日朝刊)なんだかどっちつかずの結論ぽいことが書かれてありました。国の予算の時には一面にデカデカと「過去最大の・・」と書かれるのですが、「4年連続最高の」はなんで片隅にひっそりと書くのだろう。わたしたちの家計を考えるとき、決算っていちばん大事な気にするところですよね。議員さんも、予算どりには必死だけれど、決算一生懸命分析して発表しましたって言うのはあまり聞かないです。わたしたち、もっと終わりを大事にせんとあかんのかもしれませんね。

のすたるじい

6月30日 日曜日

昨日はイギリス人医師の医学教育講演をウェブで聞いていました。言語は英語と日本語と混在したような感じで面白いものでした。症例提示が行われて、それについて指導医が(答えを知らない)絞り込んでいくという立て付けのものです。今もやっているのでしょうか?NHKのGドクターのような感じの作りですね。当院でも年に1例程度あるかな・・という頻度の疾患で、その経過がかなり稀なものになっていくというケースでした。最終的にMRI検査でその謎解きがされていったのです。その状況変化の結果としてわかった病態は、特徴的な画像診断所見を呈するもので、比較的新しい病態概念を生み出したのです。しかしながら、その病態がわかったとしても、特異的な治療方法があるわけではなく、というか治療をせずとも自然に寛解していくと言うものなのです。その病態を解き明かす、新たな疾患概念を確立する必要があったのかどうか?言い換えると、それがわかったところで、何か医療に貢献するものがあったのかどうか?考える必要があるのではないかと言う結論に至りました。その一方で、その検査にはそれ相応の時間と人手と医療費を必要とするのです。なかなか考えさせられる視点が織り込まれた秀逸な講演であったと思いました。そもそもMRI検査へのアプローチは、世界でも我が国や、隣国である韓国、あるいはオーストラリアなどではとても容易なのですが、英国やアメリカでは、健康保険などの縛りから、そうはたやすくできる検査ではないのですね。純粋な医学的見地からは、もちろんそのような新病態の解明は進歩になるのでしょうけれど、もしかすると社会が成り立つと言う上では必要のない進歩なのかもしれません・・・。最後の雑談コーナーで、英国の指導医が自ら受けていた教育期間の回顧をされていました。研修医はとにかく、怒られ、怒鳴られ、休みなく働き・・・みたいなことを仰っていたのが、なんだか自分の若い頃を思い出すようで、感慨に浸ってしまいました。彼も今は言います「研修医のみならず、勤務医は、勤務時間が終われば直ちに帰宅の途につくべきである、いや・・つかねばらない」と。欧米での10年前の常識が、ようやく我が国でもこの4月から担保されようとしているようです。頑張れ全国のトレイニー達!

 

デジタルノマド

6月29日 土曜日

デジタルノマドなる言葉があるらしい。ノマドと聞いてすぐに思い出したのは「ノマドランド」と言う2020年のアメリカ映画であった。あのリーマンショックに端を発した経済危機に瀕して、労働者が職を失って、バンに乗って日雇職を転々としながら移動生活すると言う世界を描いた作品である。今私たちの国では、地方の過疎と大都市への一極集中が進んでいるとされているのだが、一方で少数ながらその道と反対の方向に向かって歩んでいる人たちの群れがあるのだという。パソコン一つでリモート完結できる職を請け負いながら、生活拠点を色々と移動しながらソロで生活している。それなりに全国にそのような方達の利用する宿泊・仕事のできる施設もあるそうである。そこに向かう人たちの理由や道筋はそれぞれではあるが、行き着いた先での思いに共通するものがあるようだ。一方で、毎日決まった電車に乗って、都会のビル群の一つに入って仕事をして、暗くなる時間まで仕事をする毎日を過ごす人もいる。Z世代の人たちは、今大きく変わる時代の波に揉まれながら、皆一生懸命に世間を渡ろうとしている。何が良くて何が悪いのかと言う問題でもなければ、あれが正しくて、これが誤りであると言うこともわからない。ただ一つ言えるのは、やってみないとわからないし、やらないと仕方がないと言うことである。こうやって毎日診療所で働いていても、それなりにいろんな起伏や良いこと悪いことが起こるもので、何が安定で、何が不安定なのかは人生終わってみないとわからないな〜と思うことが増えた。ちなみにZ世代の次のα世代と言うのはまた違う環境に放り込まれているわけで、この何々世代という区切りも、今どんどん短くなっているような気がしている。いやいや、ANNのドキュメンタリー番組にはなかなか考えさせられるものがあります・・・。ちょっと土曜日の朝からぼんやりと考えてみましたが、さて超現実に戻ってあと1日おしごとがんばることといたしませう。皆さん良い週末をお過ごしください!!

検診のことなど

6月27日 木曜日

朝の太陽はすでにお隠れになったようです。さて、今や一生のうちに二人に一人ががんに罹患するといわれる時代です。がんセンターの統計を見ても確かに、一生のうちにがんと診断される人の割合は、男性で65%、女性で51%とされています。一方で、がんで死亡される人の割合は、それぞれ25%と17.5%になります。つまりがんと診断されたとしても、実際にはそれ以外の疾患で亡くなられている方の割合の方が多いことになります。もちろん、がんがあればこその疾患で死亡されることもあるでしょうから、広い意味で言うと数字はまた異なると思います。男性のがんの1位は現在前立腺となっています。それに続いて大腸、胃、肺がんとなります。女性の1位は乳がん、大腸がん、肺がんとなります。これらは罹患率なのですが、死因の方から見ると、男性は肺がん、大腸がん、胃がん、すい臓がんで、女性は大腸がん、肺がん、すい臓がんとなります。男女ともに罹患率1位の前立腺がんや乳がんは、罹患はするけれども死亡はしないという傾向があることになります。それだけ治療の選択肢も多く、治療効果も高いということになります。もちろん統計ですからいろいろな例外があるのはその通りです。一般的に早期発見が困難で、治療も難しいとされているものの代表格はすい臓がんでしょう。未だに統計的に有効性が証明されているような、効果的な検診方法はありませんし、治療成績もあまり良くないのが現状です。毎年CT検査をしたらいいのでは?と問われることもあるのですが、それも必ずしもイエスとは言えないのです。一般的にがん検診には功罪があると言われています。検診を受けると聞くと、それは良いこと!と考えがちなのですが、必ずしもそうとは言えないものもあると言うことです。もちろん自治体の実施しているものは、有効性が証明されているものですから良いのですが、一般に健診のオプションなどで選択できるものの中には、賛否両論のものも含まれているようです。がん検診の功罪のうちの罪って何があるのでしょうか?例えば先ほどのCT検査で言うと、被曝するX線の問題があります。いわゆる2次発癌などの問題です。あるいは使用する造影剤によるアレルギーなどもあり得ます。また無視できないのは、偽陰性、偽陽性の問題です。偽陰性、すなわち本当は検査で検出できないレベルで存在するがんを見逃すことによって、その後数年の間油断してしまい、次に検診を受けた際には進行しているがんで見つかる可能性ですね。初めの検診で陰性と診断されたので、少々のことに無頓着になって受診が遅れてしまったり、生活習慣の改めに繋がらなかったりする可能性があるということです。また、偽陽性はもう少し頻度が多く見られます。よくあるのは、がんの血液マーカーが少し基準値を上回っていた場合などです。基準値を超える数値で陽性ですとなった場合、それからはどこかにあるかもしれないがんの検査に終始することとなります。結果全ての検査でがんは見つからなかった、となっても疑心暗鬼で過ごさなくてはならないかもしれないのです。少し考えただけでも、がん検診が全てにおいて有用であるとは言えないのですね。なので、おすすめは、正しく証明されたものを受けておくと言うことになります。そのために有用な情報源として良いと思われるのは、国立がん研究センターの管理運営する「がん情報サービス」と言うウェブサイトでしょう。

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蒸し虫・・

6月26日 水曜日

さすが梅雨入りしただけあって、今日も曇っています。週間予報も安定の曇り・雨マークの連打です。唯一沖縄県だけがず〜っと晴れマークが並んでいますね。ウラヤマシイ・・・。梅雨入り直後の雨は、シトシトではなく、ジャージャー降りという、風情も何もないものでしたが、今年の梅雨は一体どんな感じで、いつまで続くのでしょうか?いずれにせよこの季節、個人的には一番嫌いな時期でもあります。同時に虫刺されの患者さんが受診される時期でもあります。毛虫の一種であるチャドクガと呼ばれる幼虫の持つ毒針によるひどい発疹を発症して来られたりすることもあります。直接接触した認識がなくても、樹木の剪定作業などをしているときに、毒針が風に飛んで皮膚に触れるということで発症することもあると言われています。襟や袖口を閉めておいて、なるべく皮膚を露出しないような服装で外作業をすることも重要ですね。あとは幼少期の方で、蚊に刺された後にひどく腫れてくることもしばしば見られることになります。蚊に刺された後の反応には、即時型と遅延型の二つがあるようです。ぷくっと腫れて痒くなるのが前者で、大人によく見られるものです。これに対して、幼児の場合に、外遊びをした翌日朝起きてみると、手足がひどく腫れていることに気づかれることがあります。これが遅延型の反応ですね。まれに全身の発熱などに至るアレルギー反応もあるようですが、多くの場合にはそこまでに至らず、数日で治るとされています。やがて年齢が大きくなってくると、双方の反応が弱くなるということのようです。外作業、外あそびは、なるべく皮膚の露出を少なめにして、虫除けスプレーで虫刺されを予防しながら行うのが良いでしょう。では・・・

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