京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

クールでリアルな指導法

5月9日 火曜日 晴れ?

連休も終わり、やや陰鬱な感じでスタートした今週ですが、1日経つともう一緒ですね。こうやって一日一日、やがて一年がすぎていくわけです。さ、頑張りましょ。でもって、ニュースサイトを覗いていると・・・

<食中毒>アニサキス 生の魚介類で猛威 10年で20倍

おっと、ネットの文字をコピーすると巨大な文字になったな・・・。アニサキス、ご存知の方もおられるかもしれませんが、サバなどの内臓にいる寄生虫です。生きたまま人体に入ると、胃粘膜などに侵入して激痛の原因となるのです。寄生虫なので、冷凍処理の施された生食では死滅しているので安全なことが知られています。でも、寿司ネタを冷凍するなんて無粋な・・・て方のために!

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4392844/

Is the Quality of Sushi Ruined by Freezing Raw Fish and Squid? A Randomized Double-Blind Trial With Sensory Evaluation Using Discrimination Testing

っていう論文があるのですね。神戸大の岩田先生らの原著論文です。つまり・・お刺身(鯖とイカ)は冷凍することによって台無しになるのかどうか?ということを調べた研究論文です。台無しになんないよ・・っていう結論で、なおかつ安全性が担保されるので良いのではなかろうかという問題提起です。れっきとした真面目な医学英文誌に発表されているのです。イカす研究だなと思いました。建前を損なわずに、利得を得る・・クールでリアルな岩田先生ならではの着想だな。

臨床医のお仕事は、ことほど左様に患者さんに実のあるアドバイスをいかにできるかということに尽きるのだと思います。血糖値が高い人を捕まえて来て、「おい!お前さんの食生活はなっとらん。食欲に任せてたくさん食うな!」って絞り上げるだけが能ではないのです。その人その人の事情に応じて、現実的な対応法を共に考えて差し上げるというスタンス・・・これこそが臨床医の奥義であろうと思うわけです。限られた診察時間内で、いかにちょっとした細かいけれど、有益な助言ができるかどうか・・・甘い菓子パンが好きで・・ていう人がいたならば、某コンビニのこんなこんなやつ・・・甘くて美味しいけれど、実は1個79kcalでヘルシーですよ〜とか・・なるべく具体的なことを教えてあげたいなと日々考えています。なので、コンビニの商品棚に並んでいる食品のおおよそのカロリーは大体諳んじていうことができるという特技を習得しました・・ワタクシ。つまりは、怒鳴って叱るだけなら医者はいらぬ!と思ってるわけですな。で、時々並診していただく眼科の先生が、ガツンとやってくれますので、小生などはその効果も十分に活用させていただいたりしております。ま、時に怒ってみせることも必要ってことは認めざるを得ませんね・・・眼科の先生、ありがとうございます!

prevailing rotavirus

5月3日 水曜日 晴れ

お休みをいただいております。診察はカレンダー通りに行いますので、次の土曜日が診察日となります。ご不便をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

今日は憲法記念日、日本の憲法の誕生日ですね。中学校の時に前文を暗記させられたような記憶があります。最近の積ん読本の中に、九州大の南野教授とAKB48の内山奈月さんの対話形式の憲法の本があるのでちょっと引っ張り出して来てお勉強してみました。日本国憲法の3原則とか、問われてすぐに思い出せなかったりします・・・。3原則ではなくって、実はそれに国際協調を加えた4原則だよっていう論もあるそうです。現状を鑑みると、守ろう憲法ではなくって、守らせよう憲法、っていうスローガンが時代に即しているなあという感想デス。

ウイルス性胃腸炎・・冬場のノロだけではなく、これからの時期はロタウイルスが流行するということになっております。手洗いうがい予防策万全で、みなさまよい休日をお過ごしください・・・

20億年先の未来

4月27日 木曜日

ブラックホールが撮影されたってよ・・。詳しくいうといわゆる事象の地平線が撮影されたということらしいのですけれど、そう言われても、何のことやらサッパリ・・・。ま、その位置が地球から20億光年とか。光が一生懸命頑張って走って行っても、20億年かかるのですね。今夜空に明かりを放っている星々の光も、場合によっては数年とか数十年とか前に発せられたものだったりするわけですから。事象の地平線と呼ばれるブラックホール周囲のこともこれから徐々に明らかになっていくのでしょうか。私には何のことやらさっぱりとわかりません・・・。私たちの目撃している光が実は20億年前に発せられた光であるということ。もちろん、いまその星が(あるとして)発した光は、20億年後の地球上の人々に確認されるという筋書きなわけですね。ちょっと想像を絶するな。

ちょっと頂きました・・・ボーズのスピーカー。関係諸氏の方々ありがとうございます(ペコリ)。わたしの持っておりましたスピーカーに比べて圧倒的なその音質、さすが坊主(^^) 。試しにエアロスミスとかのビデオを撮ってみたのですけど、容量が大きすぎてアップできず(泣)

 

 

ちょっと今日の診察の時に患者さんから伺ったお話。関節痛の名医を語る院長の病院が日本のとある地方にあって、みなさんがそこに通っておられるとのこと。もちろん興味があって、ちょっとインターネットの巷の情報を集めて見ましたが。やっぱしテレビ番組での放映があって、HPの内容を拝見してもあまり医学的根拠がはっきりと述べられてはいなかったです。ま、企業秘密もあるのかもしれませんから、小生などには理解できないことがあるのかもしれませんけどね。でも、ちょっと疑問な点が多々ありました。こういう病院や、治療方法が大々的に取り上げられて、全国各地から患者さんが集まっていかれるということには、多くの医師が違和感を感じているのでありましょう・・・決して負け惜しみではございません。

みんなもっと、ちゃんとやらんと!!!!(ちょっとだけ怒っている私・・・決して負け惜しみではございませんのよ)

未だ知らない誰かのためにすること

4月26日 火曜日 雨

知っているようで、自分の預かり知らぬことは多いものである。自身のいないところで交わされている会話とか、会話にならない人々の気持ちとかを斟酌したり忖度したり・・・言葉の定義はよく知りませんが、最近はやりの単語のようです。自分の知らないところで、地球は回っているのだ・・・”それでも町は廻っている”っていうマンガが最近のお気に入りなのですけど。

前回の文章で取り上げた村のルポルタージュ番組では、齢90を数えるばあちゃんが、90度近くに曲がったお腰に、鍬と鋤を抱えて畑に向かう姿が映し出されていました。冬場に溜まった用水路のゴミや泥を取り除くのだそうです。自分ちの田畑はもう休耕地帯になっているというのに・・・。「自分ちの用水路で、流れてくる水が滞ってしまったら、下流の田畑が潤わないから」だとか。自分はもうすぐあの世に行ってしまうことはわかっているのだけれど(たぶん)、生きてる限り、まだ見ぬ誰かさんのために、できることをやりましょっていう気持ちは、尊いなと・・・。「誰に見られているわけでもないけれど、これだけはやっとかないと自分の心のおさまりがつかんのじゃ。」

東北復興のお偉い方が仰っていたこと・・やっぱそうだったんですね、お金の問題なんですよ、とどのつまり。こっちに火の粉が降りかかったら大変なことだ・・・みたいな、あっちとこっちの問題意識。でも、この構図、在日米軍基地と沖縄の問題にも通底することのような気がします。あっちには発電所と基地で、こっちは万博とかオリンピックでホクホク。ことの根本はお〜んなじ成り立ちで、私たちの心の中にもそんな考え方が潜んでいるんじゃないのかな・・よく胸に手を当てて考えてみましょ!

とある村のおはなし

4月23日 日曜日 晴れ

GWの前の週末は快晴である。朝、TVを見ていると国東半島の農村での、ため池運営についての番組が流れていた。御多分に洩れず過疎に向かう村なのだが、2年前に東北震災でリンゴ農園を廃業せざるを得なくなった40代くらいの御夫婦がそこに移住し、現在稲作をしているというお話である。当地は昔から日照りによる干ばつにやられていたため、100以上のため池が作られ、そこから農水路を使ってそれぞれの田を潤しているそうだ。移住後1年目は、まだその水をうまく引くことができずに、大部分の稲を枯らしてししまったそうで、2年目には住民の協力を得て、改良に取り組んでいるらしい。元々の住民の高齢化が徐々に進む中で、今後こういった移住の若い世代が地域の主役として頑張って行くのであろう・・。それなりに現実味のある過疎地域の一つの生存戦略ではないだろうか。そういったお話の裏には、様々な葛藤や対立など色々な問題が存在しているのだろうけれど、おらが村の縄張りをうち解いて外に向かって開放できるかどうか、新しいものを受け入れていくことができるかどうか、村の人たちも試されているのかもしれない。

そういえば、小生も新参者のうちの一人である・・・。何となくつけた番組に見入ってしまった理由には、自分と少しかぶる部分があったからなのかもしれないな。

力でね・・・

4月18日 火曜日

診療後は、月例の会議を終えて(これは毎月のお楽しみ業務です)その後地域連携の勉強会(ケアカフェと呼んでいます)に参加。色々な職種の方たちの貴重なご意見や情報提供・・・。同業種の先生のご苦労話を伺ったりして、小生もまだまだ弱音を吐いていられる状況ではないなと反省(別に弱音を吐いたことはないと思いますけど)。こういう場で発言するのですけど、いつも終わった後に、その内容について後悔しているワタクシ・・・。小心者決定戦があったら多分間違いなく一位になれる自信ありますよ!

少し前に往診途中に車窓から撮った桜です。この間テレビで、日本って素晴らしいよね、四季があって・・みたいなことの取り上げられ方をしていたのですけど、地球上の同緯度の国々(南北それぞれ)、たくさんありますから・・・。そんでもって、来日されている某国副大統領が、”戦略的忍耐”の時代は終わった・・平和は力によってのみ初めて達成されるとか仰っているようです、マジか・・・。

食べない方が良いもの

4月11日 火曜日 さむっ

夜は食物アレルギーに関する講演を聴取した。5年前と比べて、大きなパラダイムシフト・・だが、まだまだよくわからないことも多い分野であるという印象。民間療法にどっぷり浸っておられる方へのアプローチはなるほど同感・・だった。

さて、ニュースで乳児ボツリヌス症のことが流れていました。熱に強いボツリヌス菌が蜂蜜を食べることによって体内に入り、菌が産生する毒素によって発症します。腸管粘膜の未発達な乳児期には、蜂蜜を食べさせてはいけません。

あと妊婦さんが生チーズを食して感染する可能性のあるリステリア菌にも注意が必要です。こいつは加熱により予防できるのですが、いわゆるナチュラルチーズとか生ハムなどの食品は妊娠中は避けた方が無難なのだと思います。

厚労省のサイト

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000070272.pdf

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000161404.pdf

これらを参照ください。

 

明日は、真央ちゃんの引退の記者会見だそうですね。今さらながら、ソチ五輪のフリー演技は感動的です。彼女ほど、いわゆる敵のいない人物も珍しいなと・・・。

巨星たち

4月10日 月曜日 晴れ

今日はちょっと寒かったですね。最近は風邪の流行もひと段落のようですから、診察もさほど大慌てでやる必要もなくのんびりです。私たちの業務が忙しいということは、すなわち病気の人が多いってことで、そのぶん医療費もかさんでいるっていうことにつながりますので、財務省や厚生労働省もピリピリされますでしょうし、ま、喜ばないといけないですね、のんびりってやつを。忙しい=喜ばしいということにならない、倒錯した業界に棲み着いてかれこれ、20年余。商売繁盛で笹持ってきてはダメな・・・私たち、当たり前ですね。そ、医療は商売ではないのです。そこんとこ、きちんとわきまえてやらないといけないのです。

「もし私たちが空想家のようだと言われるならば、救い難い理想主義者だと言われるならば、できもしないことを考えていると言われるならば、何千回でも答えよう”その通りだ”と。全ての人間が自分の卑しさを乗り越えながら、前進することが可能なのだと答えよう」フィデルカストロと袂を分かった、チェ・ゲバラ(彼もお医者さんですよね)はカストロの追悼集会広場に、「 ”現れて” そう言った・・・」。

アメリカの一度は捨てられた英雄、モハメド・アリは震える右手で、アトランタオリンピックの聖火を握った。

カストロ、リンドバーグ、ケネディ、ゲバラ、アリ、力道山・・こんな人々はもう出てくることはあるまい。昨日、荒野の七人を見ながら(奥さんが購入してくれてたやつなのですけど)、スティーブマックイーンやユルブリナーを見ながら・・・確信しました、昔のものって、シンプルに良いなと。

 

最強の映画・・・?

4月7日 金曜日 雨

最強の二人・・っていうのを観てみました。

最強の・・映画のうちの一つでした。対比的に描かれたストーリー・・・健常者と障碍者だったり、富豪とスラム出身の若者だったり、建前と本音だったり、奔放と束縛、ふざけと真面目、自然と人工物・・・そして、男と女もそのテーマだったような気がします。根底には、イスラム移民の生き様が描かれているような・・そんな作品ですね。スラムで育ったイスラム系の有色人種の若者が、フランス富豪の頸髄損傷を負ってやや屈折した生き方を選んでいる人の介護人となって互いに心通わせるっていうプロット。

マセラッティの爆音が・・・カッコよい

まあ、あんまりうまくお伝えできませんが・・とにかく良い作品でした〜。

で、夜にインターネットを見ると、シリアにミサイルが放たれたとのこと・・。シリアからの叫びっていう書物を読んでいた矢先にて・・衝撃的。ロシアとアメリカとアサド大統領がどうだこうだっていうわけ知り顔のニュースですけど、ことここに至るまでの当地の悲惨な出来事を、もっと伝えておいてしかるべきだったのではないのでしょうかね。こんなニュースばっかりだから、ミサイルを撃つとかってことにあまり現実感も感じられなくて、即座に爆撃を支持するとか表明してしまったりしているようですが。過去の大量破壊兵器の存在を錦の御旗に踊ってしまったことのおさらいもしていないのに・・・。我が国の北のいざこざに飛び火しなければ良いのだけれど。

おっと、最近ちょっとかなり前のめりの内容が・・って思われてるかもしれませんが。今年は”ちゃんと自分の考えを表明できる人になること・・”目指してますんでね(悪しからず)。でも、意見の異なる人の声にもしっかり耳を傾けるっていう方針ですので誤解のなきように。医療もまさしく、自分から見てぜ〜んぜん違った考えの人の意見をいかに聞いて差し上げるかっていう作業の連続なのでして、両者には共通項があるのですぞ。

 

 

コンフリクト

4月5日 水曜日 晴れ

いつの間にやら暖かくなっており、往診にもジャケットが不要となってきた。二十四節気でいう晴明であるところのこの日は、春分から数えて15日目であるとな。何やらお外に出ると気分が良い・・。一方で、世の中必ずしも気分の良い話題ばかりではなさそうである。少し前に、当ブログでも触れていた日本の研究出版物の凋落傾向の話題・・浪速大学の仲野先生が触れられていた。最新の研究をリードされている先生には、予想を超えてはるかにより深刻な事態として受け止められているようである。確かに、その一因は研究開発に投じられる資金の不足に帰せられるようなのだが、かと言ってそれを増やせば必ずしも解決されるとも考えられない・・というところがその事態をより深刻にさせているように感じられる。ただでさえ、台所事情の厳しい我が国の予算であるからして、資金不足すら解決の見通しはないのであるが・・。まあ、今の所こんな危機感はごく一部の人々にしか共有されておらず、いつかきた道をこれからも辿っていくのかもしれないなと、小生などはいつもの如く悲観的に眺めている。ほんの数十年後にはほぼ確実に一億を割り込んでいくであろう我が国の人口を考えると、世界第何位とかの経済規模を維持することすらおぼつかないであろうと思っているが、そんなことは間違っても政治家の人たちは口にはしない(できない)であろうし、メディアもそんな勇気はないのだろう。もちろん、そう言った悲観論を打ち破るような奇跡的な未来が来てくれると良いとは小生も思っているが、たといそうはならなくとも、そんなにふさぎ込む必要はないのだろうとも思っている。だって、地球上に約200の国があったとして、経済統計の上から順番にしか幸せが実感できないというわけではないのだから・・。もし仮にそうだとするならば、100位以降の国々の人が可哀想でならないのだけど、絶対そのくらいに位置しているところの人たちも私たち以上に幸せ感を感じてる人・・いますよ、たくさん(^ ^)

なんでだろう・・・いまのお仕事の形態になってから、本当に世界で起こっている不幸な出来事が気になって仕方がないのだ。NHKの映像の世紀はそんな大切なことを教えてくれる(加古さんの音楽と、山田孝之さんのナレーションでまずやられてしまうんですよね)。

〜昔の記憶が薄れてしまうと、若者は、戦争とはロマンチックな冒険だと、考えがちであった・・・

〜 弱いものたちを犠牲にしてはいけないのだ!!

でも、一見一様に見える世界の紛争も、よくよく考えると微妙な温度差があるな。ヨーロッパとかアジアは、宗教とか民族の対立が多いのだけど、ラテンアメリカにいくとその原因は貧富の差だったり、治安の問題だったりする(それに麻薬のビジネスがプラスα!)。しかもそんなラティーノの世界観の形成に、アメリカはロサンゼルスが一枚噛んでるような気もしたり・・・。私たちが考えている以上に、この世界とは・・暴力とか、差別とか、貧富の差とか、〇〇とかに支配されているのかもしれない・・・( ~ ~);

??なんでこんなに力んでしまっているのだろう・・・ワタクシ、また明日から平常営業に戻りマス

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