京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

空からくる災難

4月18日 木曜日

今日はやや気温低めです。さて、先日ウチの人と一緒に気に入って見ていたドラマがあるのですが、その中で飛行機に宇宙ゴミが衝突して航空機事故を引き起こすというエピソードがありました。ドラマ自体の結構大事なプロットなのですけど、それはそれとして。宇宙ゴミ(スペースデブリというそうです)っていうのが起こす事故って本当にあるのだろうか?と思っていたところ、米国フロリダ州での事故があったというニュースを目にしました。4月12日付けの「サイエンティフィク・アメリカン」の記事からの引用でした。3年前に宇宙ステーションから廃棄された宇宙ゴミが、米国フロリダ州に住むアレハンドロ・オテロさん(?)の自宅に落下して、屋根から床に刺さったとされています。命に関わる事故にはならなかったようですが、恐ろしいですね。今回NASAが公式に、その落下物を3年前に宇宙ステーションから廃棄されたものが軌道から逸脱して、地球の大気圏に再突入して落下したものであると認めたそうです。地球の洋上にはたくさんの船舶が航行しているわけですから、他にも洋上に落下するスペースデブリが事故を起こすことだって今後生じうるわけですね。ドラマで設定されていた飛行機との事故というのはより確率は低そうですが、あながち絶対にないとは言えないような気もします(わかりませんけど)。こういう事故による被害の賠償責任がどのように決着するのか未知数なのですが、これは長い目で国際的な取り決めを促す事件になるのでしょう。えらいこっちゃ・・・

変わりゆく制度

4月17日 水曜日

ニュースでちょっとした話題になっている、診療報酬単価の地域別設定です。そもそも医師偏在といって、地方では医療過疎が問題になっている一方で、都会では多くの医療機関があるという事実が背景にあるようです。そういった地域間の医療格差を是正する目的もあって、なるべく診療所や病院を地域にも誘致したいわけですね。すでに動き始めている大学医学部の地域枠というのもその対応策の一つになります。将来その大学の存在する都道府県の地域医療を担うことを約束して、入学試験を受けたり、奨学金を受けたりすることができるようになっています。かなりの自治体、大学でこの制度は採り入れられていると思います。それだけではなかなか事態は改善しないこともあってか、今回は財務省の財政審で、診療報酬単価を地域ごとに設定する仕組みを提案しているようです。現在は日本全国一律で、診療報酬は設定されているのですが、これを地域ごとに異なる仕組みにしようというわけです。2018年の骨太方針でもすでにこのことは触れられていたのですが、より一歩実現に向けて舵を切る意思表示と捉えて良いだろうと思います。当面は医療費抑制効果も兼ねて(?)、都会での診療単価を下げるというのが最もあり得そうな一手になるのでしょう。2024年は医療従事者の働き方改革のモラトリアム期間が終了したり、物流問題も同様に残業規制が動き出したり、多くの業種業界で変わっていく年になりそうですね。一斉にいろんな規制改革が進められた時代に一区切りつけられ、今度は人口変化などに適合させるべく、いくつかの規制がかけられていくというような時期に入っていくような気がします。それはそれで、私たち自身も不便やある程度の不自由さも含めて、受け入れていかねばならないと思います。しかし、それを立案施行する政治の世界や行政の世界に対しても、厳しい目を持って注視していかねばならない時代になったのかもしれません。

年度替わりの雑感

4月15日 月曜日

昨日は昼間に半袖でウロウロできるくらいに気温が上がりました。春を飛び越えて、という枕詞が出てきそうな気候です。さて、年度替わりの最近です。病院での担当医がまた変わりました・・と、渋い表情でお話をお聞きすることが増えるタイミングです。それはしかし毎年の光景でもあります。先日口座を作っている銀行の支店窓口が閉鎖となり、不便になったのだとおっしゃる患者さんもおられました。郵便局がなくなり、代わりにコンビニエンスストアがその代役を果たすようなところもあります。人口減少、とりわけ働く世代が減ってきているので、いずれの地域でも、企業や行政はある程度の合理化をしながら、統合合併をしながらその機能を維持しようとしています。もちろん使い勝手は悪くなるので、文句の一つでも言いたくなるのではありますが、一方で受け入れていかなければ仕方ない部分でもあると思っています。医療の世界も御多分にもれず、地域格差が生じてきているようです。当地はどちらかというとその皺寄せを食いやすい地域であると思います。学校も統廃合がこの数年で進んでいます。教育、行政、医療、色々な生活サービスへのアクセスが困難になりつつあります。10年後、いや5年後にどのような着地をしているのか、まだまだ見えて来ない部分がありますね。一方で、それらをただただ受け身の姿勢で眺めているのではなく、ある程度私たちユーザーなりの受け止め方で捉えて、育てていくという気持ちや気概も必要なのではないかと考えています。教育で言うと、教員の働き方改革を支援して、先生たちの働きやすい環境を整えることになるべく協力することが、システムの崩壊を防ぐことにもなるでしょうし、医療でも、主治医が変わることをただ嘆くのではなく、それでもある一定の医療を受けられるような地域でいられるようにサポートする気持ちを持つことも必要なのかもしれません。医療者側の肩を持つつもりはなく、彼らの側も必要な努力を怠ってはならないのではありますが、利用する側も、将来にわたり持続可能なシステムを維持できるような協力関係をうまく作っていくことができれば・・・と思っています。

医師の教養

4月13日 土曜日

朝もあまり寒さを感じない程度に気温が上昇してきました。昨日は少し前にオンエアされていたテレビドラマのラスト2回分をいっき見しました。期待通りのストーリーでもあり、良いものを見させていただいたと満足しています。テレビドラマはほとんどフォローして来なかったので、最近のヒット作でもあるらしい「不適切にも・・」とか、なかなかの傑作があるのだと再認識しているところです。Youtubeでよく見る動画について一言・・定期的にゆっくり視聴するのは、奄美大島と千葉で臨床医をされている、平島修先生と矢吹拓先生の対談形式の「医師の教養」と言うチャンネルです。基本は一冊の本をネタに毎回対談をされるという構成です。小説からノンフィクションまで色々なジャンルの作品を題材に取り上げておられます。トークも幅広く色々な事柄を織り交ぜてされており、自分としては頭の体操的になかなかの勉強になっています。やはり医学だけを完璧にしていても(もちろんそれは一番大事なのですけど)不十分で、柔軟な思考と、やみくもに対立することなく対談したり、お互いの考えをやりとりするような能力も臨床医にとっては大切な要素になるのでしょうね。両先生とも自分よりも少し若いくらいの年代なのですが、共感できることも多く、時間のゆとりのある時にゆっくり視聴しています。一番最近のタネ本はVE・フランクルの「夜と霧」でした。昔から本棚に置いてあるのですが、これを機に完読しないと・・・。

感染症あたり年?(泣)

4月12日 金曜日

今日はやや暑くなりそうです。先日宮崎市のHPで百日咳の児が増えているというアナウンスがあったようです。今年は本当に色々な感染症の続いた年でした(正確には去年から今年にかけてのシーズンですが)。コロナ禍での感染症抑制と関連があるのではないかとも考えられていますが、詳細な理由がわかっているわけではありません。今回の百日咳ももしかすると、全国的な広がりになる可能性もないとは言えなさそうです。百日咳は乳幼児期に4回の4種混合(現在は5種混合になっていますが)が定期接種になっています。学童期・思春期にはこの抗体価が低下する子供が多いと言われています。海外ではすでに学童期に追加接種をするスケジュールが導入されていますが、日本ではまだその時期に追加接種するのは「破傷風」と「ジフテリア」の2種類だけとなっています(2種)。2018年に小児科学会が、3種混合ワクチンを利用したこの時期の追加接種を推奨する声明を出していました。もしくは、学童期に定期接種となるDTワクチンを3種で代用すると言う案もあります(任意接種となりますが)。今後百日咳患者さんが増えると、再度フォーカスされてくるかもしれません。

予測

4月11日 木曜日

今日はそこそこ気温が上がるようです。朝はまだ暖房を入れたくなりますが、昼間は上着が不要になるかもしれないですね。昨日の午後はちょっと予期せぬことがありまして対応しばし。仕事ってある程度ルーチンに回っている時には、少々忙しくてもどうってことないのですが、一つイレギュラーなことが発生すると途端に歯車がギシギシと音を立ててきますね。焦ると余計にことがうまく運ばなくなったりして。予想どおり、ルーチンにできるっていいです。先ほど書いたお天気でも、予想が外れると鞄の奥にしまってある折り畳み傘を引っ張り出してくる必要があったり、カッパを取り出して羽織ったりしないといけなくなります。予想って当たってなんぼな感じですね。そういえば昨日の夜に枕元のスマホが鳴るので何かと思えば、ドル円チャートが一時153円に上昇して34年ぶりの円安を記録したのだとか言うのが速報で流れてきました。別にそんな速報出して欲しいって頼んでたわけではないのですけど、わざわざ教えてくれていたのでした。朝のニュースでは、米国雇用者統計での失業者数が高く発表され、利下げ観測が後退したためであると解説されていました。それも一つの予測・・・。思えば毎日何気なく過ごしている私たちの頭の中って、無限に予測・行動・結果をぐるぐるフィードバックしながら回転し続けているような気がします。確かにPCの集積回路と同じような感じですね。それがどうした・・?ってことですけど。

特例の終了が意味するもの

4月10日 水曜日

今日は全国晴れマークの1日のようです。午後からおそとの日なのでとても良い。最近利用した通販の商品をたまたま不在票として受け取ったのですが、今までは配送会社の帳票であったのが、通販サイトの名前で入れられていました。最近新聞で見る色々な企業の連携などのニュースがありますが、実生活に反映されるのがとても早いな〜と思いますね。特に販売運送業などで著しいような気がします。それだけ情報の拡散が強まったのか、世の中の変わるスピードが変わったのか分かりませんけど。素早い変化が要求されるようになってはいるのでしょうね。一方では、相変わらず少し遅れてわかることも多いです。感染症動向も定期的に入手しようとしているのですが、コレがなかなかタイムリーには利用できにくいですね。実感と2週間くらい乖離しているように思います。動向が手元に入るころには、やっぱりね・・・という、後付け確認となってしまいます。まあ、自分たちが前線と言えば前線なので仕方がないことかもしれません。先日ひょんな事から、知っている医療機関のHPをみることがありました。年初から発熱外来が一般外来を圧迫しているということで、早朝の診察時間枠を設けているとのアナウンスがなされていました。今はかなり落ち着いているのですが、当院でも年末年始は結構な”圧”を受けていました。職員皆の協力を得て、ギアを上げて対応していたように思います。今から振り返ると、その頃はかなり追い詰められた感覚で仕事をしていたような気がします。なんであんなこと考えていたんだろう・・・?と思うことも少なくないですが、そういうアナウンスを見ると、どこの医院でもそうだったんだな〜と、今更ながら思います。もう今日はこれ以上診察できません、予約不可!という態度で診療する医療機関もあったと思いますが、一応当院は今まで来院される方は可能な限り対応するという方針でやってきました。発熱外来が立て込むということは、かかりつけの一般外来の患者さんたちに皺寄せがいくということでもあります。要するに、一見さんのために、お得意さんを袖にする・・・と言うと言い過ぎかもしれませんが、そんなような思いで、やっていました。それもまた私たちの義務であろうとも考えていました。なかなか困難なコロナ禍とその余波でありました。過去形で書いていますが、この春でほぼ全てのコロナ特例の診療報酬制度が終了となっています。特別扱いはしないですよと言う国からのメッセージでもあります。なんかちょっと脱力・・・。

さくら

4月9日 火曜日

今日は朝から雨、気温も低いそうです。桜はまだ満開を経ていないためか、かなりの雨の勢いですが持ち堪えているように見えます。風が強くなると花びらが飛んでしまうのかもしれませんが、今年は学校などの入学式にぴったりの開花を見せてくれているように思います。傍らに桜の咲く校門に立て掛けられた「入学式」と書かれた看板の横で撮られた写真が目に浮かびます。笑顔で楽しい学校生活が始まると良いですね。

かわいいにもほどが

4月6日 土曜日

昨日は車を運転している時に、お昼に近くの桜の名所を通りがかりました。午後2時頃だったでしょうか、結構な車列ができていたのですが、庭園では木の下でシートを敷いて陣取っている方達がおられました。夕方からお花見の予定なのでしょうか。結構寒いと思うのですけど、今が見ごろのようです。その前にとある場所で見かけた、見慣れない赤い小さなクマのマスコットがかわいいなと思っていたのですけど。どうやら「チーバくん」という名前の、千葉県のキャラクターのようでした(ウチの人なんでも知ってるな・・・)。「どうも、こんにチバ〜」という掛け声で始まるYouTube動画も見てしまいました。横から見ると千葉県の形になるように作られているのだとか。常にペロって舌が出ています。なかなかツボのキャラです、コレ。

ちょっと可愛さが伝わらないショットかもしれない・・・

内部留保にもほどが

4月5日 金曜日

昨日は物価高のお話を書いてみましたが、今日は会社の賃金のお話がTLに流れていましたのでちょっと。毎年厚労省は「法人企業統計調査」の結果を公表するのですが、そこで2021年度2022年度と「利益剰余金」いわゆる内部留保金が過去最高記録を更新しているとのことだそうです。法人企業が税金や株主配当金などを支払った後に残る金額が520兆円と言う、ほぼ年間のGDPに相当するレベルになっているということですね。その割にはあまり新聞報道はなされていないような大ニュースのような気もしますが・・・。貯金ということで言うと、一時期日本人の預貯金率の高さが話題になったことがありました。欧米に比して、私たちは貯めてばかりで投資をしない・・と言うことでした。新しい制度ができた今、投資が注目を浴びることにつながっています。企業も同様にして、インフラや人材に投資せよという意見であったり、そもそも賃金を上乗せせよと言うことで、今春のベースアップの議論につながっているようです。先月頃から、大企業のベア満額回答!とか、中には10%というような報道も紙面を賑わすようになっています。これからの問題はその流れが中小企業にまで波及していくことができるのかどうかということなのでしょう。特に大企業の下請けなどを担う中小企業は、発注元である大企業に対して物価上昇に伴う価格転嫁ができないのだそうです。価格を上げると注文が来なくなるので、怖くて値段を上げられないと言うことなのでしょう。それでは賃金上昇など夢のまた夢となりますね。ここは一つ世論とか、メディアとか、公正取引委員会とかに頑張っていただいて、中小企業の業績を上げてもらわねばなりません。そして本当のデフレ脱却、賃金上昇という好循環を達成できるのか、向こう10年間の私たちの国の行く末がかかっている状況なのかもしれません・・・・しらんけど。

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