京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

渡るべき河

6月26日 木曜日 晴れ

混合診療解禁にそれほど恨みがあるわけではありませんが・・厚生労働省のサイトを見ているとこんなものがありました。 ”薬事法違反の疑いがあるインターネットサイトの情報をお寄せ下さい” っていうHPです。結構やりますね、厚労省も。小生大学院の時にがん免疫療法の研究をしていたのですけれど、この分野って結構(というか、かなり)怪しげな民間療法が跳梁跋扈しています。最近インターネットを見ているとブラウザの機能の一部なのか、良くわからないのですが、自分が最近検索したり、購入しようとしたりしていた事に関する広告がまとわりついてくるという経験、ありませんか?そこに出てくる免疫療法のサイトが酷かったりします。だめですよね、人の弱みに付け込んで商売をしようなんて・・・。

先日23日は沖縄の「慰霊の日」でした。毎年自分に課している”8月は悲惨だった大戦に思いを馳せる読書をする習慣”。ことしの課題読書は何にしようかな・・・。あ、またタイトルに言及する前に終わってしまった(泣)。このブログ、タイトルと、本文と、挿絵と、あとがきがバラバラ・・・・

 

ウレシイ瞬間

6月24日 火曜日 晴れ

明日は早起きさん達が多い事でしょうね。結果はどうあれ頑張れ日本チーム!

さてさて、最近の医学の教科書は本当に色々なものがあって、ためになるものが多いなあと思います。私が研修医の頃などはもう、ぶ厚〜い教科書で一冊数万円するようなものばっかりでした。それでもって、感染症等を勉強しようとするのなら・・・「微生物のなりたち」みたいな(例えば)ところから頁を繰っていかなくてはならないので、その章が終わる頃には既にすっかり睡眠学習状態になっているわけです。今なら、もっと実用的な内容で、とっつきやすい書物がたくさん書店に並んでいます。我々が学んできた(というか教えられてきた)、あるいは見よう見まねで習得してきた知識や理論は、すでに過去のものになっている事柄も少なからずあります。それと同時に、日々の診療でよく遭遇する、ちょっとした疾患や処置方法なのだけれど、なかなか教科書に載っていないことって、結構あると思うのです。そういった事は、日々の診療の中で自分なりに工夫しながら、こうするのが良さそうだな・・と思って経験しながら実践しているのですけれど、そいういうちょっとした小ワザが、これまたちょっとしたコラムみたいな形式で書物に掲載されているのをみると嬉しいものです。

 

新国立競技場の原案、ちょっと漂流しているようですね。賛否両論いろいろあるようです。みなさんはどう思われますか?

 

混合診療のことなど

6月23日 月曜日 くもりときどき晴れ

以前にも少し触れましたが、混合診療解禁の話題です。患者申立て療養制度っていうのでしたか、呼び名は違えど、実質は混合診療解禁ということなのでしょう。賛成派の理屈は「反対派は既得権益を守ろうとしているだけだ!!」などと言いますし、反対派は「一旦認めてしまうと、皆保険制度が崩壊し、医療格差が大きくなるだけの最悪の政策だ!」と言って譲りません。が、それらはあまりにも極端な理論なのだと思います。もうすこしそれぞれの言い分を見てみましょう。そもそも混合診療とは、保険診療と自由診療の混在する状態をさす言葉です。これが認められない場合(現在そうなのですが)どうなるのか・・・例えば、現存の治療ではなす術の無い状況になった進行がんなどの場合を考えて下さい。外国では認められているけれど、我が国では保険未承認のがん治療が存在するという場合に、入院して保険診療と合わせてその治療を受けると、保険診療分も合わせて全額自己負担になるのです。その結果、保険診療分が20万円、保険外診療が10万円だったとしますと、混合診療が認められない状況では、全額自己負担になりますから支払総額は30万円ということになります。一方で混合診療が認められると、保険診療分の20万円は3割負担の場合、6万円プラス保険外診療が10万円で合計16万円ということになり、その差が14万円ということになります。すなわち、保険外診療をオプションとして受けたい場合は混合診療解禁の恩恵をそれだけ被る事ができるというわけです。ならば、さぞかし難病の患者さん達は喜んでいるのだろうと、思いきや・・・事実はさにあらず。全国82の難病患者団体が加盟する「日本難病・疾病団体協議会」はそれに反対だというではありませんか。かれらの主張を読むと、保険外診療の妥当性の判断を審査する期間の短縮は患者の願いではあるが、数週間という短期間で、そのリスクを本当に判断できるのか?という疑念や、公に自由診療が認められると、本来保険収載されるべき治療まで非保険診療のまま据え置かれるのではないか?という懸念を抱いているようです。そして、そのような疑念や懸念は、まさに解禁反対派の論拠となっている所なのです。すなわち、自由診療のままに据え置かれても利用者が生まれるということによって、製薬会社は保険診療承認への面倒な臨床試験を行うモチベーションを失い、結果として、自由診療などに手の届かない人たちが、本来保険収載されるべき治療を受けられずに、その余波を食うのではないかということ。さらには、そもそも国の保険財政が厳しい事から、国自身も自由診療枠を拡大して、保険負担部分を減らしたいという思惑があるのではないかとみるむきもあるようです。そこへ持ってきて、TPPなどとの絡みで株式会社の医療への参入等が起これば、株式会社◯◯病院では、自由診療部門がきらびやかな入り口で高級感あふれる建物と医療を提供しつつ、裏口の保険診療部門では経済的ゆとりの少ない人々が待ち時間でごった返しているというようなことが現実になるのではないか、ということまで想像している方もおられるようです。果ては国民皆保険制度の破綻に繋がるのでは・・という懸念まであったりして。まあ、話はどんどんと広がって行くので、小生にもどこまでが真実なのかはよくわかりません。ただ、今回のお話が成長戦略という文脈で提案、決定されようとしている事がひっかかるということだけは申し述べておきたいと思います。

シッコ

ま、アクセスの良さは日本の医療制度の優れた点でもあったのですが、それも大病院の初診料自己負担化などで揺らいで行かざるを得ないのですね。財政面を考えると、やはり便利だから・・だけでは成り立って行かない困難な状況にある事だけは間違いないので、我々一人一人の問題として考えて行かねばなりません。

 

そんなこと言われましても・・

6月16日 月曜日

ニッポン初戦敗退しました・・・ね。残念です。でも、小生は逆に良かったんじゃないかなと思っていたりもします。理由は内緒です。さてさて、介護保険を利用して、デイサービスや入浴介助などを利用されている患者さんは多いです。訪問しながらたびたび耳にするのは、「昨日は血圧が◯◯で、入浴できないと言われました。」なんて台詞です。次にくる質問は⇒「先生、血圧どのくらいまでなら安全にお風呂に入れるのですか?」なのですね、ほぼ100%に。お答えは・・・悲しきかな 「わかりません」となりますが、さすがにそうは言えないので「どうでしょうね〜 云々かんぬん」となってしまいます。でも!!そんな質問に明確な答えのできる医師がいるのなら、是非その答えを聞いてみたいです。evidence based medicineもその質問には答えられないのではないでしょうか。ましてや血圧なんて、時々刻々と変わっているわけですから、どの時点をもってその時の血圧というのか良くわからないですしね。正直な答えとしては・・「入浴前に血圧を測定するのをやめてみてはどうですか?」になります、ハイ。いえ、決してふざけているわけではありません。とにかく、風呂に入りたいから入る、気持ちがよいから入れてあげたい。それで良いのではないかなあと思っています(決して公な場では口にはしませんが)。それくらいの認識を、介護する側される側、医療者が共有できればよいなあと思います。

http://www.youtube.com/watch?v=FFgfW5mSzYI

あいかわらず我が家では、伊坂幸太郎祭りです。映画化されたオー・ファーザーもはやくiTuneライブラリーに載せてくれないかな・・・

 

よしなしごとども書いてみる・・・

6月13日 金曜日 くもり ”13日の金曜日”も無事すぎた(そう)

もう6月に入って2週間になるのに、これが初投稿である。さぼりぐせが再発している・・。腰を据えて書く事はないのであるが、とりとめもなくつぶやいてみよう。

サッカーワールドカップ始まる。テレビもラジオも新聞も、サッカー一色になっていくのかな。楽しみだけれど少し憂鬱だったりもする、さすがひねくれ者の私。   梅雨入る。入ってから何となく雨が少なくなったような気もするが。まあこういう現象はよくある事だ。にわか雨も、外にお出かけしたとたんにどしゃ降りに変わったり・・。   政治もややこしい。集団的なんとか、おじいちゃんやおばあちゃんや赤ちゃんを守りたいのは、万人共通の願いである事は違いないのだが、何となくしっくり来ない感じではある。   医療を取り巻く環境も。何となくすご〜く大事な事が、矢継ぎ早に決まって行く怖さ。決められる政治と責任与党は、かつて待ちこがれた合い言葉だった筈なのだが、いざそんな世間になるとちょっと怖い(って思いませんか?)。混合診療解禁・・・先進医療、未承認の薬剤が保険診療と切り離して使えるようになる。ふむふむ、難病患者さんには福音か。どうやら最近の報道によると、混合診療ではなく”患者申出療養制度”っていう名称になるらしいのだが、よくよく読むと、「患者の申し出にあたっては、医師が治療の内容や安全性/有効性等を患者に充分説明し、患者が理解、納得している事が前提」って書いてあるようですが、そもそも有効性や安全性がはっきりしているのなら保険診療にすれば良いだけの事で、それがわかっていないから自由診療という事なのではないのだろうか?そして、それが成長戦略の文脈で語られている事もよくわからない・・・。薬品や材料メーカーの開発競争などを指しているのだろうけれど、医療はやはり経済成長とは分けて考えるべきものではないかと思っている。古い考え方なのだろうな、小生。答申を取りまとめた規制改革会議のメンバーを眺めてみる。ふむふむ、企業の取締役や会長など、偉い方々ばっかりだな。おまけに医療側からは、創薬ベンチャーの旗手の方のお名前が・・。経済政策として決まってますな、こりゃ。そういえば、TPPはとんと聞こえて来なくなったのだがどうなっているのだろう。そしてワールドカップに皆が酔いしれている間に、このような、今後の日本のあり方に関わる重大事が、どんどんどんどん決まろうとしてる。               ペシミスト・いとう

initial coke

 

けっこう見つかる「TSUYOSHIさんとサッカーしましょう」コーラ (^^)

なにかが足りない

5月30日 金曜日 暑っ

映画とか音楽とか、小説とかって人それぞれの好みが大きいと思うのですが・・・。よくよく考えると自分の好みって、コロコロと移り変わるなあと思いました。特に音楽はヘビーローテーションが3ヶ月単位くらいでころりころりと・・・・。今日のミュージックステーションではコブクロとaikoが出ておられましたが、どちらもマイフェイバリット。でも、そのアーティストの完成度が高まれば高まるほど、好きの度合いが下がって行くような感じがしております。コブクロの曲も、最近のものは美しいストリングスも入って、とっても良いのですけれど、自分としては元々のやや荒々しい感じのある曲調の方が好きなのだなあ〜って今日実感しました。そう、あとひとつ何かが足りないのかもっていう状況が結構好ましかったりする・・・。

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奥さんのお勧めで読み始めた作品。伊坂さんの作品らしく、疾走するキャラクター、天衣無縫の構成!息をつかせぬストーリー展開・・・でした。アメリカで住んでいたアパートの壁の中から、次から次に湧いて出てくるレディーバグを、思い出しました。いろんな伏線が張り巡らされているのもとっても面白いのですが、そいういうのを追いかけるのが苦手なのでして、でも何か一つ骨太のテーマが貫かれているように思うのですよね、彼の作品って。

ブログ更新のピッチが上がっているときは・・・私の深層心理として、前の投稿を早く消したいって言う心理が働いているのでは、っていうことに気付きつつある最近です。というか、自覚しつつやっているのですけれど。

たかが◯◯、されど◯◯

5月27日 火曜日 晴れ

暖かい・・というか、暑い日でした。日本男子サッカーはキプロス戦を戦っているようです。キプロス・・・最新ランキング130位? 日本・・・47位? これ正しいでしょうか?小生サッカーには非常に疎いのです(泣)。正しいのなら勝負あった。結末は明白な気がしますが、それはスポーツの機微を知らない素人の言ですね。なにせ来るべきワールドカップの前哨戦にもなるわけですので、油断することなく着実に勝利を期待したいところです。たかがキプロス、されどキプロス。今日の一日は、たかが「うおのめ」、されど「うおのめ」の一日でした。何を隠そう小生、ちまちまと足裏をカミソリで剃り剃りするのが、嫌いではないのです・・。というか、どちらかというと、好きなのです。まあ、それだけのお話ですが。

純粋に、青春の一曲挙げよ!と言われれば(言われてはないですが)これです。言わずと知れた(?)レインボーというバンドの一曲です。主役はギタリストのRitchie Blackmoreという、ギタリスト界の神のような存在ですが、そのバンドがいきなり無名のJoe Lynn Turnerという若いボーカルを採用して放った一枚のアルバムがこの曲の収まっているDifficult to cureというものでした。それまではグラハムボネットとかロニージェイムス・ディオという大御所を起用していたのですけれど、それまでのファンにとっては驚きの一作であったわけです。まるで小沢一郎が小泉進次郎を党首に抜擢するようなおはなしかも知れません(???たとえがワル過ぎか)。ちなみにドラムのお気に入りはCozy Powellというイギリス出身の渡り鳥ドラマーです。これがよかった!!でもわたしがレインボーというバンドで一番好きなパートはキーボードなのです。ディープパープルの時代から・・・。メロディアスなソロが大好きです。BurnとかHighway starとか・・・80年代ヘヴィ・メタルを語らせるとすこし手が付けられない私なのでした。

あ、イヤーフォンをつけるなり、ボリュームを絞るなりしてお聞き下さい。ウルサいのを好まれない方は、ただちに右上の×印をクリックして下さいね・・。

正常と異常のはざま

5月25日 日曜日 晴れ

当番日にて診療していました。このところ新聞などのメディアで度々目にされるのではないでしょうか、「高血圧の新基準」。とある週刊誌では人間ドック学会理事長の告白スクープ記事なるものが目を引きます。この話、最近、人間ドック学会と高血圧学会の双方で高血圧に関する基準やガイドラインの見直しがあった事が契機となっています。

http://www.ningen-dock.jp/other/release

先ほどの記事で言えば、人間ドック学会と健保連が行った「新たな健診の基本検査の基準範囲についての150万人メガスタディー」と銘打って発表したものに関連するもののようです。この記事によると、従来収縮期血圧(上の血圧)の正常値であった130未満というものが、実は「健常者」での統計をとると147まで健康であったというもので、果ては、学会理事長がついに告白 ”高血圧なんて本当は気にしなくていい” なんていうタイトルが付いたものだったようで(小生は読んでおりませんが)す。さすがにそのインパクトは大きなものであったらしく、色々な誤解も招く結果となったようで、同学会も早速HP上で週刊誌編集元に抗議の声明を発表しています。

さらにそもそもの元ネタとなった、4月4日のプレスリリースに関しては、あくまでも単年度結果であり、今後の追跡調査が必要であるとの追加発表も行っているようです。

すなわち、これらの発表の元データは、健康だと思われる健診受診者を大勢集めて、「今現在の」血圧を解析すると、147までに分布していたと言う事ですので、それを放置しておくと10年後にどうなるのかという事については、何ら情報を示唆してくれるわけではありません。将来の脳卒中や心筋梗塞を予防しようとして治療している患者さんには、そのまま当てはめる事ができないという事がご理解頂けるのではないかと思います。われわれ高血圧患者さんを日々診療している身からすると、ややお騒がせな感じのある唐突な発表であった事は否めないのですが、これを機会に高血圧とは如何なるものなのか、あるいは日々の健康管理とはどうあるべきなのかを考え直す良い機会かも知れません。ちなみに2014年(つまり今年)改訂された、日本高血圧学会のガイドラインの定める正常血圧の境界は130/85と何ら変更はありません。しかしそもそも血圧とは多くの患者さんが日々戸惑っておられるように、時々刻々と変化するものでありまして、さっき150だったものが5分後に再測定すると120などということも平気で起きるのです。そんなとき、ほとんどの方が、血圧計が壊れているのかなあ?と思われるのも無理無い事でしょう。そもそも白衣高血圧などという言葉もあるくらいですから、病院で緊張しながら測る血圧と、家庭でゆっくりとリラックスした状態でのそれでは、当然のことながら大きく異なってもおかしくないわけです。大まかに「診察室血圧」「家庭血圧」「仕事中の血圧」などと分けて考えるとわかり易いかもしれません。では測定方法についてはどうなのでしょうか?学会(この場合は日本高血圧学会です)の定めるその方法を見てみると、1)静かで適当な室温の環境で 2)原則背もたれ付きの椅子に足を組まず座って1−2分後に測定 3)会話をしない環境 4)測定前には煙草、お酒、カフェインは取らない 5)カフ(腕をしめつける風船ですね)の高さは心臓に という条件となります。また、一度に2回測定し、その平均値をとるということになっています。結果については、朝と晩それぞれ5日以上の平均値と、そのそれぞれの値について評価すること・・・実際に、こんなややこしい事を毎日できる方はあまりおられないと思います。それならどう高血圧とつきあって行けば良いのでしょうか・・・長くなってきましたので続きはまた後ほど。

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そもそも正常(健康)と異常(病気)って誰がどうやって決めるのでしょうか?たくさんの人を集めるとその結果は平均となる数値を中心にして、富士山のようなかたちに分布する(正規分布というそうです)と仮定すると、その裾野の部分が両端に存在するわけですが、この裾野の両端に存在するデータ(±2SD)を異常値として考えるのが通例となります。う〜ん、富士山型に分布しない場合、心の問題や、完全に定量的に考えられない部分はどう割り切れば良いのだろうか・・・なかなかに正常と異常というのは深い問題です。

がってん効果

5月16日 金曜日

以前から気になっていた事・・・。ガッテン効果です。某準国営放送の有名な健康関連の番組なのですけれど。毎週色々な特集を組んで視聴者の興味を惹く制作をされているようです。診察の時にも「このあいだの◯◯番組で・・・というような検査を受けたら▽▽という病気がすぐにわかるって言ってたので・・・」というようなリクエストを仰って来られる患者さんがおられます。浅学非才の小生には、初耳!!みたいな内容を仰る事もしばしば。これからはテレビ番組の健康特集ももらさずフォローしなくてはいけないのでしょうかね(泣)。

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でもでも、何となく時々に来られる患者さんのお話をお聞きすると、ビミョーにそれに関連する新薬の発売時期に呼応しているなあ〜って感じるのは私だけでしょうか・・・(例えばDPP-4とか、骨粗鬆症の抗体注射薬とか、はたまたごく最近では、新しい作用機序の睡眠導入剤とか・・)。最近のテレビ番組とか報道って・・・・あ、陰謀論者の私ではありませんので誤解無きように。

里山資本主義再考

5月12日 月曜日 風雨強い

京都と丹後をむすぶ縦貫道路の中間地点に和知という町があります。山あいの所々に山桜があり、ふもとには豊かな田畑をいただくように点在する農家。のどかで本当にのんびりとした雰囲気で、好きな場所の一つなのですが・・。大分前に、自民党の元幹事長の加藤紘一さんが、とあるビデオニュース(2004年頃撮影)で話しておられたインタビューを思い出しながらドライブをしました。地方都市の商店街がシャッター街と揶揄されて久しい昨今ですが、そのきっかけとして大きなものが、いわゆる大店法という大型店舗出店の足かせになっていた法律が廃止となった事であったと思われます。そもそもそれを後押ししたのは、トイザラスというアメリカの大型玩具店が日本で出店をしようとした際に、小売店の反対をうけたためそれができなかったということが契機であったのですが、現在トイザラスの店舗を日本で見かける事はめったにありません。結果として漁夫の利を得たのが、日本の大手小売店であったのでしょう。そして、駅前にはシャッター街が生まれ、一方では郊外の高速道路建設とそのインターチェンジ近くに立地している巨大ショッピングモールが繁栄し、それに伴い、食生活や商習慣、子供達の遊び場等も大きな変貌を遂げてしまったという点では、一産業の隆盛のみに留まらず、日本人のライフスタイル全般に大きな影響を与えた政策転換だったのではないかと思います。加藤紘一さん曰く、「当時は、アメリカに後押しされたというのもあったが、日本の消費者利益を考えながら決断をしたことだったのだが、果たしてそれでよかったのかどうか、今から考えると内心忸怩たるものがある(小生の解釈を含みます)」とのことでした。う〜む・・政治家の回顧録としてはとっても考えさせられるものであります。

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安いものをたくさん買おう!アメリカの企業に負けない日本企業を育てよう!という思いだけで突っ走ってしまったつけは、現在いろいろな所に出ているのかもしれません。一つの価値観にとらわれて硬直化してしまうことの危険性を我々はこの事から学ばなければならないのではないでしょうか??近くサッカーのワールドカップが開かれます。日本チームを応援することと、他国を攻撃して必要以上にナショナリズムを高揚させることは別問題でありまして、肥大化しすぎた自我を有する国民とならないようにしなければ・・・てなことを考えながら一瞬でお気に入りの里山を通り過ぎて行った週末でした。里山の風景も、縦貫道路が完成するとまた違ったものになるのでしょうね。便利になるのですけれど・・

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