京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

医師の教養

4月13日 土曜日

朝もあまり寒さを感じない程度に気温が上昇してきました。昨日は少し前にオンエアされていたテレビドラマのラスト2回分をいっき見しました。期待通りのストーリーでもあり、良いものを見させていただいたと満足しています。テレビドラマはほとんどフォローして来なかったので、最近のヒット作でもあるらしい「不適切にも・・」とか、なかなかの傑作があるのだと再認識しているところです。Youtubeでよく見る動画について一言・・定期的にゆっくり視聴するのは、奄美大島と千葉で臨床医をされている、平島修先生と矢吹拓先生の対談形式の「医師の教養」と言うチャンネルです。基本は一冊の本をネタに毎回対談をされるという構成です。小説からノンフィクションまで色々なジャンルの作品を題材に取り上げておられます。トークも幅広く色々な事柄を織り交ぜてされており、自分としては頭の体操的になかなかの勉強になっています。やはり医学だけを完璧にしていても(もちろんそれは一番大事なのですけど)不十分で、柔軟な思考と、やみくもに対立することなく対談したり、お互いの考えをやりとりするような能力も臨床医にとっては大切な要素になるのでしょうね。両先生とも自分よりも少し若いくらいの年代なのですが、共感できることも多く、時間のゆとりのある時にゆっくり視聴しています。一番最近のタネ本はVE・フランクルの「夜と霧」でした。昔から本棚に置いてあるのですが、これを機に完読しないと・・・。

感染症あたり年?(泣)

4月12日 金曜日

今日はやや暑くなりそうです。先日宮崎市のHPで百日咳の児が増えているというアナウンスがあったようです。今年は本当に色々な感染症の続いた年でした(正確には去年から今年にかけてのシーズンですが)。コロナ禍での感染症抑制と関連があるのではないかとも考えられていますが、詳細な理由がわかっているわけではありません。今回の百日咳ももしかすると、全国的な広がりになる可能性もないとは言えなさそうです。百日咳は乳幼児期に4回の4種混合(現在は5種混合になっていますが)が定期接種になっています。学童期・思春期にはこの抗体価が低下する子供が多いと言われています。海外ではすでに学童期に追加接種をするスケジュールが導入されていますが、日本ではまだその時期に追加接種するのは「破傷風」と「ジフテリア」の2種類だけとなっています(2種)。2018年に小児科学会が、3種混合ワクチンを利用したこの時期の追加接種を推奨する声明を出していました。もしくは、学童期に定期接種となるDTワクチンを3種で代用すると言う案もあります(任意接種となりますが)。今後百日咳患者さんが増えると、再度フォーカスされてくるかもしれません。

予測

4月11日 木曜日

今日はそこそこ気温が上がるようです。朝はまだ暖房を入れたくなりますが、昼間は上着が不要になるかもしれないですね。昨日の午後はちょっと予期せぬことがありまして対応しばし。仕事ってある程度ルーチンに回っている時には、少々忙しくてもどうってことないのですが、一つイレギュラーなことが発生すると途端に歯車がギシギシと音を立ててきますね。焦ると余計にことがうまく運ばなくなったりして。予想どおり、ルーチンにできるっていいです。先ほど書いたお天気でも、予想が外れると鞄の奥にしまってある折り畳み傘を引っ張り出してくる必要があったり、カッパを取り出して羽織ったりしないといけなくなります。予想って当たってなんぼな感じですね。そういえば昨日の夜に枕元のスマホが鳴るので何かと思えば、ドル円チャートが一時153円に上昇して34年ぶりの円安を記録したのだとか言うのが速報で流れてきました。別にそんな速報出して欲しいって頼んでたわけではないのですけど、わざわざ教えてくれていたのでした。朝のニュースでは、米国雇用者統計での失業者数が高く発表され、利下げ観測が後退したためであると解説されていました。それも一つの予測・・・。思えば毎日何気なく過ごしている私たちの頭の中って、無限に予測・行動・結果をぐるぐるフィードバックしながら回転し続けているような気がします。確かにPCの集積回路と同じような感じですね。それがどうした・・?ってことですけど。

特例の終了が意味するもの

4月10日 水曜日

今日は全国晴れマークの1日のようです。午後からおそとの日なのでとても良い。最近利用した通販の商品をたまたま不在票として受け取ったのですが、今までは配送会社の帳票であったのが、通販サイトの名前で入れられていました。最近新聞で見る色々な企業の連携などのニュースがありますが、実生活に反映されるのがとても早いな〜と思いますね。特に販売運送業などで著しいような気がします。それだけ情報の拡散が強まったのか、世の中の変わるスピードが変わったのか分かりませんけど。素早い変化が要求されるようになってはいるのでしょうね。一方では、相変わらず少し遅れてわかることも多いです。感染症動向も定期的に入手しようとしているのですが、コレがなかなかタイムリーには利用できにくいですね。実感と2週間くらい乖離しているように思います。動向が手元に入るころには、やっぱりね・・・という、後付け確認となってしまいます。まあ、自分たちが前線と言えば前線なので仕方がないことかもしれません。先日ひょんな事から、知っている医療機関のHPをみることがありました。年初から発熱外来が一般外来を圧迫しているということで、早朝の診察時間枠を設けているとのアナウンスがなされていました。今はかなり落ち着いているのですが、当院でも年末年始は結構な”圧”を受けていました。職員皆の協力を得て、ギアを上げて対応していたように思います。今から振り返ると、その頃はかなり追い詰められた感覚で仕事をしていたような気がします。なんであんなこと考えていたんだろう・・・?と思うことも少なくないですが、そういうアナウンスを見ると、どこの医院でもそうだったんだな〜と、今更ながら思います。もう今日はこれ以上診察できません、予約不可!という態度で診療する医療機関もあったと思いますが、一応当院は今まで来院される方は可能な限り対応するという方針でやってきました。発熱外来が立て込むということは、かかりつけの一般外来の患者さんたちに皺寄せがいくということでもあります。要するに、一見さんのために、お得意さんを袖にする・・・と言うと言い過ぎかもしれませんが、そんなような思いで、やっていました。それもまた私たちの義務であろうとも考えていました。なかなか困難なコロナ禍とその余波でありました。過去形で書いていますが、この春でほぼ全てのコロナ特例の診療報酬制度が終了となっています。特別扱いはしないですよと言う国からのメッセージでもあります。なんかちょっと脱力・・・。

さくら

4月9日 火曜日

今日は朝から雨、気温も低いそうです。桜はまだ満開を経ていないためか、かなりの雨の勢いですが持ち堪えているように見えます。風が強くなると花びらが飛んでしまうのかもしれませんが、今年は学校などの入学式にぴったりの開花を見せてくれているように思います。傍らに桜の咲く校門に立て掛けられた「入学式」と書かれた看板の横で撮られた写真が目に浮かびます。笑顔で楽しい学校生活が始まると良いですね。

かわいいにもほどが

4月6日 土曜日

昨日は車を運転している時に、お昼に近くの桜の名所を通りがかりました。午後2時頃だったでしょうか、結構な車列ができていたのですが、庭園では木の下でシートを敷いて陣取っている方達がおられました。夕方からお花見の予定なのでしょうか。結構寒いと思うのですけど、今が見ごろのようです。その前にとある場所で見かけた、見慣れない赤い小さなクマのマスコットがかわいいなと思っていたのですけど。どうやら「チーバくん」という名前の、千葉県のキャラクターのようでした(ウチの人なんでも知ってるな・・・)。「どうも、こんにチバ〜」という掛け声で始まるYouTube動画も見てしまいました。横から見ると千葉県の形になるように作られているのだとか。常にペロって舌が出ています。なかなかツボのキャラです、コレ。

ちょっと可愛さが伝わらないショットかもしれない・・・

内部留保にもほどが

4月5日 金曜日

昨日は物価高のお話を書いてみましたが、今日は会社の賃金のお話がTLに流れていましたのでちょっと。毎年厚労省は「法人企業統計調査」の結果を公表するのですが、そこで2021年度2022年度と「利益剰余金」いわゆる内部留保金が過去最高記録を更新しているとのことだそうです。法人企業が税金や株主配当金などを支払った後に残る金額が520兆円と言う、ほぼ年間のGDPに相当するレベルになっているということですね。その割にはあまり新聞報道はなされていないような大ニュースのような気もしますが・・・。貯金ということで言うと、一時期日本人の預貯金率の高さが話題になったことがありました。欧米に比して、私たちは貯めてばかりで投資をしない・・と言うことでした。新しい制度ができた今、投資が注目を浴びることにつながっています。企業も同様にして、インフラや人材に投資せよという意見であったり、そもそも賃金を上乗せせよと言うことで、今春のベースアップの議論につながっているようです。先月頃から、大企業のベア満額回答!とか、中には10%というような報道も紙面を賑わすようになっています。これからの問題はその流れが中小企業にまで波及していくことができるのかどうかということなのでしょう。特に大企業の下請けなどを担う中小企業は、発注元である大企業に対して物価上昇に伴う価格転嫁ができないのだそうです。価格を上げると注文が来なくなるので、怖くて値段を上げられないと言うことなのでしょう。それでは賃金上昇など夢のまた夢となりますね。ここは一つ世論とか、メディアとか、公正取引委員会とかに頑張っていただいて、中小企業の業績を上げてもらわねばなりません。そして本当のデフレ脱却、賃金上昇という好循環を達成できるのか、向こう10年間の私たちの国の行く末がかかっている状況なのかもしれません・・・・しらんけど。

インフレにもほどが

4月4日 木曜日

晴れるのかと思いきや、今日はすっきりしない空模様です。桜の開花は明日からが本格的になりそうです。さて、兼ねてから私たちの社会が目標にしていた(らしい)物価上昇率2%ですが・・アメリカではちょっととんでもなくインフレになっているようです。一躍有名になった大リーグドジャースですが、メインスタジアムでは築地銀だこさんのたこ焼き(ドジャースタジアム限定品だそうです)が売られているのだそうで、値段がちょっと驚きです。一舟13.99ドル→151円換算で2112円也。6個入りっぽく見えるので、1個がなんと350円ということになりますね。ちなみに今わたしたちがフードコートで普通に買うと600円だそうです。限定品がどう違うのかよくわからないですけど、なんかチーズとかワカモレトッピングがなされているようですね。なかなか大変な世の中ですな・・・。

むじゅんしてる

4月3日 水曜日

いつの頃からでしょうか。自己責任という言葉が語られるようになり、規制緩和、既得権益を見直すという方針とセットで、いわゆる新自由主義的な社会の方向性が主流になっていったように思います。かつての住専処理問題でノンバンクが倒産し、メインバンクはそれではいけないと護送船団方式とも呼ばれた公的資金注入で救済されました。そのトラウマもあってか、その後の小さな政府、自己責任社会に突入していったように思われます。社会人として私がすすんできた、まさにその時代の生き証人でも、我々はあるはずです。現在大きな問題となっている、トクホと機能性表示食品の違いもまさにそこに関わることなのかもしれません。企業は自分たちが作り出す商品に、様々な付加価値をつけることで商品価値を高め、売り上げを伸ばそうとします。企業の経済活動が盛んになれば、国民の生活も潤い、税収も上がり、国民と企業と国が三方よしとなるというのが理想的な想定設計図であったのだろうと思います。機能性表示食品は、トクホで定められたような基準の取得に際しての査読論文データとか、大きなサンプルでの試験や、申請後の消費者庁での検査なしに、企業が所定の手続きを経れば、届出のみでそのタイトルを謳うことができる立て付けになっているそうです。悪くいうと言うたもん勝ちの世界かもしれません。何せ官庁の実質的な審査がないのですから、企業は正直で善であると言う建前でなされた制度設計とも言えるのはないでしょうか。今回命を落とした方もおられるようだとの現状を踏まえて、消費者・食品安全担当大臣は「制度の検証が必要だ」と仰っているようです。そして、全ての機能性表示食品の緊急点検を行うと表明されています。結局制度設計の時に想定されていた、性善説に基づく部分が破綻しつつある現状です。何かの規制というのは、必ずしも誰かの既得権益を守るためにできてきたものではなくて、私たちの社会が、自分たちの身を守るために一つ一つ考えて構築されてきたものであるという見方をする保守主義的な考え方をする方がおられます。そしてそれはいっときの賛成反対の多数決のみで簡単に崩していくのではなく、丁寧に吟味しながら、歴史的な経緯を尊重して評価していくのが良いのではないだろうかと仰います。最近の政治を見聞きしていると、保守主義と位置付けられる党派の方ほど、既得権益を打破して、改革を行わなければならないという論陣を立てておられる方が多いように思います。今回のことは、その矛盾を浮き彫りにしているのかもしれないなと思いました。私たちもよーくその辺りの制度的なことを知っておかないと、痛い目に遭うことがあるかもしれないっていうことなのでしょうかね・・・しらんけど。

今日は一日雨模様のようです、昼からおそと・・・大ぶりにならなければ良いのですが。

名ばかりの?

4月1日 月曜日

やっぱりというニュースでした。お産を扱う分娩病院の多くで、宿直・日直を休息とみなして労働時間に入れないという宿日直許可という申請をされているということだそうです。実際に緊急の処置や対応をしている時間だけを算定することで、総労働時間を減らして、働き方改革の規定を満たすという苦肉の策なのでしょう。おそらく労働時間の上限の基準を満たすには、経営的にもマンパワー的にも不可能なため、当面そういう策を労しないとやっていけないのだと推測されます。病院側も好んでこれを採り入れているわけではないのでしょう(たぶん)。しかしながら、妊娠出産・新生児周産期医療は日本の高度で優れた医療の金看板でもあったはずなので、それを支えている医療従事者の労働環境は良いものにしてあげないとなりません。ついでに・・異次元の少子化対策の中で取り上げられていた「出産費用の保険適用」についても、医療政策学者や産婦人科医の方達の中には、慎重に考えるべきであると主張されている方も少なくありません。保険を適用して3割負担とすることで、出産一時金よりも却って負担額が大きくなってしまったり、保険適用された場合に、分娩出産をこれまで通り行うとする医療機関が少なくなる懸念があるようです。今のところは、少子化対策万歳ともろ手を挙げて賛成できるほどの確固たる根拠が乏しいのではないかと思います。何か聞こえも良さそうだし・・ということで、勢いで賛成するのではなく、ちょっと立ち止まって冷静に考えていただいた方が良いのではないでしょうか。

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