京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

ただより高いものはある?

4月24日 月曜日

まだまだ朝は暖房をつける生活です。まあまだ4月ですからね、今週は土曜日が祝日のようですから、一日早くお休みを頂けるので少しウレシイ。朝から雑用とお勉強をすこししてから診察の準備に取り掛かっています。この数ヶ月定期的に色々と情報を集めていたテーマがあるのですが、いくつかそれに関する書物を購入して読んだり、動画をみたりしていました。ところが最近知人に教えていただいたサイトに、無料の資料が作られていて誰でもダウンロード可能な資料が公開されていることを知りました。早速目を通してみたのですが、今までの学習内容がさらに綺麗にまとめられていてわかりやすかったです。まあそれまでの学習の補完にもなってよかったのかなと思っているところです(はじめからそれだけでよかったんちゃう?っていう天の声には耳を塞いでいる・・・)。とある官公庁とその傘下の団体の作成のものなのですが。医療関係、特に最近のコロナ関連の資料は一枚のスライドに文字がモリモリで、ただでさえわかりにくい業界用語の羅列に加えて一目見てすぐに読む気をなくすものが多かったのですが、所変われば品変わるで、良質の資料を作成公開してくれているのも多いのですね。特に〇〇白書と称するものはなかなか情報量が多くて参考になるものがありますニャ。では新しい1週間の始まりです。みなさん良い4月最終週をお過ごしください。

耳目を引く記事

4月23日 日曜日

良いお天気ですけど少しひんやり。最近なんだかざわざわしている話題があります。元芸能人の方がご高齢となり、実は万引きで逮捕されていたとのこと。背景に認知機能の低下(いわゆる認知症)があったことが報じられています。最近は近親者と離れ離れの生活になってしまい、気分が落ち込む日が多かったためとその記事は続いていました。識者のコメントとして掲載されていた内容には、「認知症になると物事の善悪の判断がつかなくなり、理性がコントロールできなくなったりして、目の前のものが欲しいという衝動にからめ取られてしまうケースがある」とあります。記事の作者の文章ですからどの程度正確にそのインタビューが記載されているのかはわかりませんが、この記載内容だと、何も知識のない方が認知症という疾患を誤解してしまう可能性があるかもしれない、と述べられている先生もおられて、私もそう思いました。認知症というのは物事の善悪の認識がなくなるとか、衝動的な行動が増えるとか、理性がなくなるというのはあまり正しくないのだと思います。主症状はあくまでも近時記憶という、ついさっきの行動や現象に対する記憶ができなくなる病態です。ですので、このような「未払い症状」と呼ばれる症状が出てしまうのです。あるいは支払いのやり方とか、店での買い物のプロセスそのものが記憶からなくなってしまうわけです。よほど進行してくると、失行失認という症状になり、部屋への入室時に、きちんと揃えて置かれたスリッパが何をするためのものかわからなくなってしまって、立ちすくんでしまうというような現象や、汚物を汚物と認識できなくなり不潔行為に至ってしまうという現象は生じますが、社会生活をそれなりに営んでおられるレベルの症状の方が、理性を無くして衝動的な行動に走ってしまうということはありません。私たち医療者の中では、前述のような行動を「万引き」と呼ぶのには違和感があります。もちろん警察に通報して事件として扱うことはできれば避けたいと思います。認知症の初期の方は、すぐに失ってしまうつい先ほどのメモリーを自覚しながら、戸惑い、哀しみ嘆きながら過ごしておられます。そして周りには何事もないような、いわゆる取り繕い現象を呈しながら過ごされますので、にこやかに話をされますし、すぐにはそれだとは認識されないのですね。そんな中で店内のものを買い物かごに入れて、会計を通らずに平然と出ていかれるともちろん周りからは万引きに見えてしまうのも仕方がないところです。今は地域によっては「認知症患者さんへの初期支援チーム」というのが存在しており、何かおかしいぞ?と気付かれた方やご家族からご一報いただくと、主に行政のチーム員がお宅を訪問しインタビューに行って状況把握に行かれます。もちろん警察やお店とも連携しながら、周囲へのご理解を頂きながらその方が無事社会生活を送っていかれるようにするのが目標の活動です。週刊誌ネタとしては目をひく記事になりがちな、高齢となられた元芸能人の万引き事件・・・から、ぜひ多くのかたが認知症への正しい理解と配慮ができるような社会になっていけば良いなと考えています。

認知症初期集中支援チーム

行ってみたいなデンマルク

4月23日 土曜日

朝から寒いです。顔も相変わらず痒いですね。実際今年は目の痒みとか皮膚炎症状の強い方が多い印象を持っています。花粉の飛散と黄砂の飛来状況なども関与しているのかもしれないなーと思っています。さて先日日経新聞のヘッドラインに流れていたのは「社会保険料率30%時代」というものでした。確かにお給料にグッと負担感のある社会保険料、みなさん日頃から実感されていることかと思います。健康保険・雇用保険さらに年金や介護保険料などが上乗せされてくると、自分は保険料を納めるために働いているのか・・・とすら感じられます。北欧の福祉国家の代表例としてよく名前が挙げられるのがデンマークです。高い税負担と引き換えに、医療費や教育にかかる負担はかなりの部分が無料となっているため、高負担高福祉として概ねよく国民に受け入れられているようです。もちろん人口が1000万人に大きく満たない規模の国と日本を比較するわけにはいかないのでしょうけど、これから人口減少フェーズに入っていく中で、私たちの社会が今までの制度に軋みが生じてきている中で今後どのような形態に移行していくのが良いのかを考えないといけないのでしょう。さて1週間早いものでもう土曜日です。気温は少し低く、風も強めです。みなさんよい週末をお過ごしください!

発熱 fever

4月21日 金曜日

身体の発熱ってなんだろう・・・。熱が出ると関節が痛くなる、頭がいたい、しんどくて身の置きどころがない、などなど悪いところだらけですね。そもそも発熱はなぜ発生するのでしょうか。よく言われる(言う)ことは二つあります。一つは、身体に寄生しようとするウイルスや微生物の増殖活動を抑えるため。もう一つは微生物を撃退するために活躍してくれている免疫細胞の働きを高めるということがあります。何が何でも発熱を抑えるのが得だと言うことにはならないのがわかります。ましてや解熱剤を服用して発熱がおさまったから病気が治った・・・とはならないわけです。問題はその発熱の原因に対してのアプローチが重要だということです。まあ季節性のかぜなどというウイルス性疾患では原因への薬物療法は存在しないこともあるのですけど。しかし子どもさんたちがなんらかの感染症に罹患して、39度以上の発熱があってふうふう言いながら食事ができない状態は脱出させてあげた方が良いことも多いわけですね。特にコロナ禍が始まってからと言うものの、発熱・感染症に対して、患者さんたちと共に診療に取り組むことが増えたので、解熱剤処方とか、発熱原因の検索などばかりやっているような気がしてしまっているこの2−3年間でした。なかなか発熱の原因が解明できなくて高次医療機関にお世話になったり、これだと思っていてもそれとは異なる疾患であったり、苦労する(しているのは実際には患者さんなのですが)ことも多いです。あと開業医あるあるなのですが、例えばあるコミュニティとか学校でインフルエンザとか胃腸かぜが流行っているとします。そこで外来をしていると、一人また一人とそれらしき患者さんが来院されます。そして三人目・・・発熱ね、はいインフルとなりがちなのですが、立ち止まってよーく考えると微妙に病像が異なるのです。翌日翌々日と典型的な経過からは逸れてきて、結局多数のインフルに埋もれて誤診してしまっていた別の疾患であった、と言うこともあります。こういうのは何バイアスというのだったでしょうか・・・。週末に向けて今日も一日穏やかな日となりますように。

スプレーとゴーグルと

4月20日 木曜日

月日はスイスイと進んでいきますね〜。さて最近のお話ですが、診察のついでにちょっと「お腹がかゆい」と言っておられたので見てみると、小さな黒いものが。ルーペでよく見てみると2ミリくらいの小さな円形の周りに細い毛のようなものが何本か出ています。そして円形の部分は少しだけ皮膚に食い込んでいるのがわかります。これは・・・マダニさんですね。虫体が残らぬように除去してさしあげました。何日か経つと吸血してだんだんと大きくなってきますのでその時点で来られるケースが多いのですが、拡大視すると見分けるのは容易です。山菜採りにちょっと山に入る時など、ちょっとした草むらでも、普段けもの道があるような場所ではマダニが生息していることがあります。ぜひ虫除けスプレーと露出部にタオルを巻いて衣服の中に虫が入らないような身だしなみで行かれることをお勧めします。あと草刈りの際のゴーグルも大事です。エンジンで駆動する草刈機で小石が飛んで眼球に当たるという事故は時々救急室でも経験しました。角膜にとどまらず眼球内に入り込んでしまうと手術が必要となります。万が一の時の備えは怠りなきように・・・さて今日は朝から生暖かい外気です。良い一日になりますように。

He that will lie will steal…

4月19日 水曜日

今日は午後からおそとの日です。さて昨日の続きでCNNのサイトをのぞいてみました。ライブニュースは米国の一大law suitの決着を報じています。2020年の大統領選挙で不正があったのではないかと、選挙システムを担当したドミニオン社に対する虚偽に基づく誹謗中傷を行ったとして、同社がFOXニュースを相手取って行われた17億ドルの損害賠償請求が和解に達したとのことです。虚偽を認めたFOXニュースの代理人は7億ドルでの和解を受け入れたそうです。およそ1000億円の損失を受け入れることになった事件とは何だったのでしょうかね・・・。分単位で報道されるニュースのタイムラインでしたが、中でも印象的だったCNNのアンカーマンの一言「フォックス社が和解を受け入れないことによって彼らが恐れたのは、それ以上に膨らむ可能性がある賠償金額だけではなく、rating とviewingさえ稼ぐことができればどんなニュースでも報じるという、おおよそジャーナリズムとして受け入れ難い事実が明らかになることではなかったのか」という手厳しいものでした。それにしても、嘘に対して非常に厳しい米国社会の裁定を再認識するようなニュースでした。一方で、それはあまりにも・・・とも思えるような内容でも、堂々と真実であると言い張る鋼メンタルの持ち主でもあるなと感じることもあり、嘘と真実あるいは事実の判断って難しいよな〜と考えさせられるようなニュースでありました。さてさて、back to work! 今日も(は?)穏やかな一日でありますよーに!

ごみベルト

4月18日 火曜日

太平洋ゴミベルトってご存知でしょうか? きのうCNNのサイトで動画が流れてきたので初めて知りました。The Great Pacific Garbage Patchというそうですが、太平洋の一定の海域に存在する浮遊ごみの多発集積帯の地域ということです。陸や海上で廃棄されるプラスチックごみの多くが海流や気圧などの影響で1〜5年の期間をかけてこの領域に集まってくるのです。太陽光線で一部は分解されてプラスチックデブリという微粒子になり、クラゲなどがプランクトンとともに捕食して、それが色々な食物連鎖をへて海洋生物に蓄積していくことになります。海洋ゴミというとぷかぷか水面に浮かんでいるペットボトルを連想してしまいますが、実際には色々な形での生態系への影響があるわけですね。CNNのニュースでは、これらをなが〜いバンド状の捕捉網(うまく魚たちを逃すような工夫がされているようです)で捕捉除去するような試みをしている研究者たちが紹介されていました。目の前にあることをなんとかしようとする人たちや、遠くの普段は見えない問題に対処しようと頑張っている人たち・・いろんな人がいるものだな。動画終わって次のストーリー・・・続くインフレに上がらない賃金という、なんとも暗いニュースでした。

binge watching

4月17日 月曜日

またまた週の始まりを迎えました。今日は少しひんやり。今朝は関東以北では雪が舞ったところもあったのだとか?これでおそらく平年並みの気温なのだろうと思いますが。またすぐに最高気温20度近くになりそうなので、しばらくは寒暖の差に体調をこわさぬように注意しなくてはなりません。お休みの午後はうちの映像ソムリエのオススメのドラマを観たり、ノンフィクションものを読んだりして過ごしました。ドラマの方は、地道な仕事を細部にこだわって追求した人が、ひょんなことから同じ境遇の同業者と知り合って、お互いに助け合いながら問題解決に向かうというストーリーです。そして、その結果が距離と時間を隔てて窮地に陥っていた一人の若者を助けることになるという、なんとも地味ではありますが、前向きな気持ちになれる物語でした。平川師匠が「人は自分のために生きているのではない、他人のためにしてあげたいと思うことがあって初めて生かされているのだということに気づく」というような趣旨のことを仰っていたのを思い出しました。まあでも、そのためには自分も健康で元気でないといけませんので、食べ物と運動と生活習慣に気をつけて日々過ごさなくては・・・と考えています。読書の方は、投資詐欺事件の被告として体験された一部上場企業の社長さんのノンフィクション書籍を一気読みしてしまいました。まあある種の推理小説というかエンターテイメントものとして読んでいるわけですけど、当事者にしたらそんなどころの騒ぎではない事件であったのだと思います。もちろん真実が何かは当人しかわからないのですから、読者としてはそういう立場でしか読めないのだと思っています。最近読んだ他の書物の中には、似たようなものがあって、普段の生活に潜む一般市民が巻き込まれ得る法的な問題について考えさせられることがありました。こういうのを読むと本当に日常生活がちょっと怖くなったりします。そういえば、シリーズもののドラマを週末に続けて観ることをbinge watchingというそうですね。まさにそれを地でいく感じの日曜日でございました。さて、今週も穏やかな良い1週間になりますように・・・

読み返してみた

4月15日 土曜日

朝から雨模様です。思い切って濃いコーヒーを飲みながら、タブレットじゅんさんのゆるいトークを聴きながら書いてます。ライダー原作者の他の作品を振り返ろうということで・・・昨日は009を引っ張り出して読み返してみました。1巻のはじめの部分ってあまり意識していなかったのですが、1960年代に書かれたこの作品のテーマって、冷戦構造下における世界大戦の抑止とか、武器ビジネスへの批判が起爆剤になっていたのですね。悪の枢軸である死の商人が描く未来戦争計画の中で、戦闘兵器として開発されるサイボーグがチーム009です。全世界からスカウトされて集められサイボーグにされた9人の孤独な戦士の物語です。未完の名作なのですけど、もう一度通して読んでみようかな・・・。

 

腹から音楽

4月14日 金曜日

金曜日は何となくうれしい気分になりますね。翌日がお休みだった勤務医の時代の名残りかも(というか多分そう)。お腹の底から音楽が聞こえてくるという患者さんが来たらどうなるだろう。そういうお話が現実であったそうです。まあ昨今ソーシャルメディアの情報は鵜呑みにしない方が良さそうなのですけど、これは本当なのかな? とある救急病院の待合室で男性が持つスマホの音量を上げてみると確かにお腹から音楽が聞こえてきます。最後にレントゲン写真でイヤホンが写っている画像が示されます。救急診療での思わぬレントゲン映像というのは古今東西、医者あるあるですが、映像と音源という二本立てモノは現代ならではということですね。このかた、内視鏡をしたのか、出てくるまで待ったのかどうか・・・。私ならどうするだろう?(ちなみに幼児の水銀電池誤飲は直ちに治療介入必要です)

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