京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

発熱 fever

4月21日 金曜日

身体の発熱ってなんだろう・・・。熱が出ると関節が痛くなる、頭がいたい、しんどくて身の置きどころがない、などなど悪いところだらけですね。そもそも発熱はなぜ発生するのでしょうか。よく言われる(言う)ことは二つあります。一つは、身体に寄生しようとするウイルスや微生物の増殖活動を抑えるため。もう一つは微生物を撃退するために活躍してくれている免疫細胞の働きを高めるということがあります。何が何でも発熱を抑えるのが得だと言うことにはならないのがわかります。ましてや解熱剤を服用して発熱がおさまったから病気が治った・・・とはならないわけです。問題はその発熱の原因に対してのアプローチが重要だということです。まあ季節性のかぜなどというウイルス性疾患では原因への薬物療法は存在しないこともあるのですけど。しかし子どもさんたちがなんらかの感染症に罹患して、39度以上の発熱があってふうふう言いながら食事ができない状態は脱出させてあげた方が良いことも多いわけですね。特にコロナ禍が始まってからと言うものの、発熱・感染症に対して、患者さんたちと共に診療に取り組むことが増えたので、解熱剤処方とか、発熱原因の検索などばかりやっているような気がしてしまっているこの2−3年間でした。なかなか発熱の原因が解明できなくて高次医療機関にお世話になったり、これだと思っていてもそれとは異なる疾患であったり、苦労する(しているのは実際には患者さんなのですが)ことも多いです。あと開業医あるあるなのですが、例えばあるコミュニティとか学校でインフルエンザとか胃腸かぜが流行っているとします。そこで外来をしていると、一人また一人とそれらしき患者さんが来院されます。そして三人目・・・発熱ね、はいインフルとなりがちなのですが、立ち止まってよーく考えると微妙に病像が異なるのです。翌日翌々日と典型的な経過からは逸れてきて、結局多数のインフルに埋もれて誤診してしまっていた別の疾患であった、と言うこともあります。こういうのは何バイアスというのだったでしょうか・・・。週末に向けて今日も一日穏やかな日となりますように。

スプレーとゴーグルと

4月20日 木曜日

月日はスイスイと進んでいきますね〜。さて最近のお話ですが、診察のついでにちょっと「お腹がかゆい」と言っておられたので見てみると、小さな黒いものが。ルーペでよく見てみると2ミリくらいの小さな円形の周りに細い毛のようなものが何本か出ています。そして円形の部分は少しだけ皮膚に食い込んでいるのがわかります。これは・・・マダニさんですね。虫体が残らぬように除去してさしあげました。何日か経つと吸血してだんだんと大きくなってきますのでその時点で来られるケースが多いのですが、拡大視すると見分けるのは容易です。山菜採りにちょっと山に入る時など、ちょっとした草むらでも、普段けもの道があるような場所ではマダニが生息していることがあります。ぜひ虫除けスプレーと露出部にタオルを巻いて衣服の中に虫が入らないような身だしなみで行かれることをお勧めします。あと草刈りの際のゴーグルも大事です。エンジンで駆動する草刈機で小石が飛んで眼球に当たるという事故は時々救急室でも経験しました。角膜にとどまらず眼球内に入り込んでしまうと手術が必要となります。万が一の時の備えは怠りなきように・・・さて今日は朝から生暖かい外気です。良い一日になりますように。

He that will lie will steal…

4月19日 水曜日

今日は午後からおそとの日です。さて昨日の続きでCNNのサイトをのぞいてみました。ライブニュースは米国の一大law suitの決着を報じています。2020年の大統領選挙で不正があったのではないかと、選挙システムを担当したドミニオン社に対する虚偽に基づく誹謗中傷を行ったとして、同社がFOXニュースを相手取って行われた17億ドルの損害賠償請求が和解に達したとのことです。虚偽を認めたFOXニュースの代理人は7億ドルでの和解を受け入れたそうです。およそ1000億円の損失を受け入れることになった事件とは何だったのでしょうかね・・・。分単位で報道されるニュースのタイムラインでしたが、中でも印象的だったCNNのアンカーマンの一言「フォックス社が和解を受け入れないことによって彼らが恐れたのは、それ以上に膨らむ可能性がある賠償金額だけではなく、rating とviewingさえ稼ぐことができればどんなニュースでも報じるという、おおよそジャーナリズムとして受け入れ難い事実が明らかになることではなかったのか」という手厳しいものでした。それにしても、嘘に対して非常に厳しい米国社会の裁定を再認識するようなニュースでした。一方で、それはあまりにも・・・とも思えるような内容でも、堂々と真実であると言い張る鋼メンタルの持ち主でもあるなと感じることもあり、嘘と真実あるいは事実の判断って難しいよな〜と考えさせられるようなニュースでありました。さてさて、back to work! 今日も(は?)穏やかな一日でありますよーに!

ごみベルト

4月18日 火曜日

太平洋ゴミベルトってご存知でしょうか? きのうCNNのサイトで動画が流れてきたので初めて知りました。The Great Pacific Garbage Patchというそうですが、太平洋の一定の海域に存在する浮遊ごみの多発集積帯の地域ということです。陸や海上で廃棄されるプラスチックごみの多くが海流や気圧などの影響で1〜5年の期間をかけてこの領域に集まってくるのです。太陽光線で一部は分解されてプラスチックデブリという微粒子になり、クラゲなどがプランクトンとともに捕食して、それが色々な食物連鎖をへて海洋生物に蓄積していくことになります。海洋ゴミというとぷかぷか水面に浮かんでいるペットボトルを連想してしまいますが、実際には色々な形での生態系への影響があるわけですね。CNNのニュースでは、これらをなが〜いバンド状の捕捉網(うまく魚たちを逃すような工夫がされているようです)で捕捉除去するような試みをしている研究者たちが紹介されていました。目の前にあることをなんとかしようとする人たちや、遠くの普段は見えない問題に対処しようと頑張っている人たち・・いろんな人がいるものだな。動画終わって次のストーリー・・・続くインフレに上がらない賃金という、なんとも暗いニュースでした。

binge watching

4月17日 月曜日

またまた週の始まりを迎えました。今日は少しひんやり。今朝は関東以北では雪が舞ったところもあったのだとか?これでおそらく平年並みの気温なのだろうと思いますが。またすぐに最高気温20度近くになりそうなので、しばらくは寒暖の差に体調をこわさぬように注意しなくてはなりません。お休みの午後はうちの映像ソムリエのオススメのドラマを観たり、ノンフィクションものを読んだりして過ごしました。ドラマの方は、地道な仕事を細部にこだわって追求した人が、ひょんなことから同じ境遇の同業者と知り合って、お互いに助け合いながら問題解決に向かうというストーリーです。そして、その結果が距離と時間を隔てて窮地に陥っていた一人の若者を助けることになるという、なんとも地味ではありますが、前向きな気持ちになれる物語でした。平川師匠が「人は自分のために生きているのではない、他人のためにしてあげたいと思うことがあって初めて生かされているのだということに気づく」というような趣旨のことを仰っていたのを思い出しました。まあでも、そのためには自分も健康で元気でないといけませんので、食べ物と運動と生活習慣に気をつけて日々過ごさなくては・・・と考えています。読書の方は、投資詐欺事件の被告として体験された一部上場企業の社長さんのノンフィクション書籍を一気読みしてしまいました。まあある種の推理小説というかエンターテイメントものとして読んでいるわけですけど、当事者にしたらそんなどころの騒ぎではない事件であったのだと思います。もちろん真実が何かは当人しかわからないのですから、読者としてはそういう立場でしか読めないのだと思っています。最近読んだ他の書物の中には、似たようなものがあって、普段の生活に潜む一般市民が巻き込まれ得る法的な問題について考えさせられることがありました。こういうのを読むと本当に日常生活がちょっと怖くなったりします。そういえば、シリーズもののドラマを週末に続けて観ることをbinge watchingというそうですね。まさにそれを地でいく感じの日曜日でございました。さて、今週も穏やかな良い1週間になりますように・・・

読み返してみた

4月15日 土曜日

朝から雨模様です。思い切って濃いコーヒーを飲みながら、タブレットじゅんさんのゆるいトークを聴きながら書いてます。ライダー原作者の他の作品を振り返ろうということで・・・昨日は009を引っ張り出して読み返してみました。1巻のはじめの部分ってあまり意識していなかったのですが、1960年代に書かれたこの作品のテーマって、冷戦構造下における世界大戦の抑止とか、武器ビジネスへの批判が起爆剤になっていたのですね。悪の枢軸である死の商人が描く未来戦争計画の中で、戦闘兵器として開発されるサイボーグがチーム009です。全世界からスカウトされて集められサイボーグにされた9人の孤独な戦士の物語です。未完の名作なのですけど、もう一度通して読んでみようかな・・・。

 

腹から音楽

4月14日 金曜日

金曜日は何となくうれしい気分になりますね。翌日がお休みだった勤務医の時代の名残りかも(というか多分そう)。お腹の底から音楽が聞こえてくるという患者さんが来たらどうなるだろう。そういうお話が現実であったそうです。まあ昨今ソーシャルメディアの情報は鵜呑みにしない方が良さそうなのですけど、これは本当なのかな? とある救急病院の待合室で男性が持つスマホの音量を上げてみると確かにお腹から音楽が聞こえてきます。最後にレントゲン写真でイヤホンが写っている画像が示されます。救急診療での思わぬレントゲン映像というのは古今東西、医者あるあるですが、映像と音源という二本立てモノは現代ならではということですね。このかた、内視鏡をしたのか、出てくるまで待ったのかどうか・・・。私ならどうするだろう?(ちなみに幼児の水銀電池誤飲は直ちに治療介入必要です)

おいしい話

4月13日 木曜日

タイムラインの一番上に”ステロイド”が上がっていたので、なんだろうと思ってクリックしてみました。初めのリンクに国民生活センターのツイートです。花粉症に効果があるとの謳い文句で販売されている健康茶に医薬品成分であるステロイドが含有されていることがわかったという内容です。今年は花粉の飛散量が多くて、例年よりも症状がひどいという方が多いのは確かです。花粉症の治療方法は、抗ヒスタミン剤という分類の薬剤で症状コントロールをするというのがスタンダードであるかと思います。発症初期からなるべく早い段階で服用を開始して、シーズン通して内服を継続するのです。スギやヒノキの花粉が舞う期間ずっとやらないといけないので、薬嫌いの方にはちょっと厄介ですね。そういう心理に結構ハマるのが、このお茶が・・・とか、このサプリが・・・という宣伝句となるのでしょう。薬の中には眠気を催す副作用があったりするのは確かなので、一度服用してやめてしまう方もおられるかと思います。私はなるべく診察時には副作用の少ないタイプを選んだり、鼻水・鼻詰まり・目の痒みなどの中で具体的にどの症状が問題となっているのかを問診して薬剤選択をするようにしています。もちろん一度処方したお薬が合わなくて、再診時変更することもあります。毎年服用されている方は、ご自分に合うものをあらかじめ見当がついている場合がありますので薬剤選択は比較的容易にできることになります。要は、一度飲んだものが合わなかったからといって、完全にやめてしまわずにいくつか試みるということが肝心であろうと思います。さて、件の健康茶には微量のステロイド成分が含有されていたそうです。ステロイドは免疫抑制作用がありますので、花粉症がよくなるのは当たり前です。眠気の副作用はありませんので、患者さんにしてみれば、お茶を飲むだけで花粉症が良くなった、これは素晴らしい・・・となるのは当たり前でしょう。ところが、ステロイドの長期服用はその方の副腎皮質ホルモンの分泌を抑制しますので、花粉症の時期が終わった時点で急にやめると離脱症状が出て体調不良が懸念されるということになります。もちろん特定の疾患で、ステロイドによる治療を継続的にされるという場合はあるのですが、その場合は医療機関への定期通院で安全に十分な効果があることをモニターしながら施療されているので問題はありません。それどころか、他に代替療法のない疾患の場合には大変貴重な治療薬ということになります。今回の問題は、他に有効な薬剤があるのにもかかわらず、さらに患者さんはその薬剤が含有されていることを知らされることなく、ただの健康茶だと思い込んで飲んでいるということがいけないのだと思います。それぞれが検証されているわけではないのですが、同様に「飲むだけで血糖値が下がる」とか、「飲むだけでダイエットができる」という宣伝句にはちょっと一息ついてよく検討した方が良いのかもしれませんね。健康茶・・・飲用されている方は医療機関にご相談を!となっています。

2024年問題

4月12日 水曜日

一生懸命歩くと汗ばむような気候になってきました。昨日は運転しながらのラジオで話題になっていた「2024年問題」になるほどな〜となりました。年間時間外労働時間960時間以内とする働き方改革が徹底されるはずの年が2024年となるわけです。日本トラック協会のサイトをのぞいてみるとそれに向けたアクションプランが掲げられています。過労死抑止の基準となる月あたり時間外労働80時間を上回らないようにするための施策が徹底できるようにするためには、業界の努力のみならず、消費者側の意識改革も必要なのだ思います。働き方改革の一環としての施策なので、労働者にとって有益なものかと思いきや、時間外労働の減少は減収につながるわけでもありますので、手放しでは喜べない状況なのだそうです。また、荷待ち時間や荷物の積み下ろし作業の分担などの問題もあって運送業界は人手不足と労働環境改善に非常に難しい問題に直面されているようです。この労働時間改善の問題・・・私たち医療関係者の世界でも取り組みをしていくことになっており、人ごとではないのですけど。まあ開業医はそれには直接縛られないので良かったのやら困ったことなのやら・・・・。

地図

4月11日 火曜日

昨日の夜は私の趣味の一つである「地図を見る」をしながら過ごしていました。地図と年表を特に意味なくパラパラとページを繰りながら眺めるのが好きなのです。地図はその時の気分によって日本地図か世界地図かを選びます。最近は東京の都市図を眺めることが多いです。都営〇〇線とか、東京メトロ〇〇線とか鉄道の路線図を見たりして、ほとんど滅多に行ったこともない街をエア散歩しています。昨日は渋谷から神宮外苑と新宿御苑をお散歩してみました。結構な距離ですけど多分歩こうと思えば歩ける範囲のように思います。その前はイスラエルからパレスチナ自治区周辺を探索してみました。距離を隔ててヨルダン川西岸とガザ地区に分かれています。エルサレムには三宗教の聖地が近接して並んでいます。インターネットで見る写真付きの地図にはバンクシーのアートがところどころに紹介されており、今どきの解説だなあと思いました。小説とかフィクションの書物での活字を読むのと違って、夜中に眺めていても眠くならないので不思議です・・・。

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