4月8日 土曜日 あめ

昨日からずっと雨天曇天が続いています。うっとおしい・・・コロナ禍からずっと駐車場でのトリアージ診療をやっておりますので、屋外に出る(看護師さんに出ていただく)のに悪天候は大いに差し支えることとなります。晴れよ来い。さて、相貌失認症のお話です。マスクをするようになってからというものの、携帯ロック画面の顔認識解除ができなくなったとか、新しいOSにすると可能になったとか。大学への入構解除の時の顔認証で、所属する大学教授が毎回エラーになるんや・・・とかいう笑い話もありました。Aiの顔認証はマイナ保険証でも活用されています(今のところマスク装着患者さんの認識率はあまり良くないようですが)。そもそも私たち人間は、高い顔認識能力を持っています(よね)。お買い物で、数メートル先にいるマスクをした人物に対して、あーあの人って気づくことができます。顔(相貌)認識能力は側頭葉にある紡錘状回とか、扁桃体とかいう脳の部位によって担われるとされています。もちろんスーパーで云々というお話は、実際には顔だけではなく、歩き方、年恰好、姿勢、声、表情など色々な要素で成り立っていると思います。ただ、顔認識というのはある種独特な能力のようでもあり、特定の疾患ではその能力が失われてしまうこともあるようです。俳優のブラッドピット氏は自身が相貌失認症であると告白されているようです。そのためか、知っているはずの人に無視されたり、初対面のような態度を取られると受け取られ、傲慢な人格だと言われてしまうことがあるとのことです。COVID-19罹患後の稀な合併症としても報告されているようであります。患者さんの心理としては「私たちどこかで会いましたっけ?」と素直に聞くことが躊躇われるということがあるようです。人はうわべで解釈してはいけないという教訓を地で行く事例ですな・・・。