京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック
生活習慣病とは毎日のよくない生活習慣の積み重ねによって引き起こされる病気と定義されます。
日本人の3分の2近くがこのために亡くなっているとされています。
具体的な病気の種類は下のようなものがあります。
ご存知の通り血糖値が高くなる病気です。
原因は何らかの理由で、血糖値を下げるはたらきを持つインスリンホルモンが出にくくなったり、ホルモンが体に作用しにくくなるために生じます。
高血糖による毒性のために、全身の血管に障害が起こります。それにより、網膜(眼)や腎臓(じんぞう)や神経(しびれや痛み)が障害されます。
とりわけ重要な事は、全身の比較的大きな血管がやられることで、10年から15年という年月を経て、脳卒中や心臓発作などで生命を脅かされる状態になる可能性がある事です。
治療には、(1)飲みぐすり(2)注射薬などがありますが、最も大事な事は食事療法と運動療法です。
飲み薬では最近インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬)という新しいお薬も開発されていますので、これらをうまく使用していくことが重要です。
当院ではこれらの内服薬や注射薬を処方して、糖尿病患者さんの生活サイクルに合わせた無理のない治療を行っています。
高血圧の基準は収縮期血圧(上の血圧)が140以上、もしくは拡張期血圧(下の血圧)が90以上の状態をいいます。
血圧が高いままで放置していると、血管と心臓に負担がかかるために、動脈硬化を引き起こして脳卒中を招いたり、心臓発作や心不全症を生ずる事があります。
また腎臓にも負担がかかるために腎不全症から人工透析などによる治療を必要とする場合があります。
治療は薬物療法が主体となりますが、やはり食事と運動は大切です。とりわけ塩分を控えめにした食事を心がけたり、体重オーバーの患者さんは体重コントロールを行うだけでも血圧の調整を行う事ができることもあります。
当院では1日1回タイプのお薬や、2種類のお薬を一つにまとめたタイプの配合錠というお薬を有効に使う事で、なるべく少ない数のお薬で良い血圧調節ができるようにお手伝いしております。
脳卒中とは脳に重大な問題が生ずる病気の総称です。
出血性(血管が破れて出血する事による)の脳卒中は脳出血ですし、虚血性(血管が詰まる事により起こる)の脳卒中は脳梗塞と言います。
脳出血の症状は、突然発症する頭痛や半身の麻痺、脳梗塞の症状は、片方の手足や顔面がしびれたり、動かしにくくなったり、しゃべりにくくなる事によって始まります。
脳卒中も動脈硬化や高血圧や糖尿病など他の生活習慣病と密接な関係があります。
脳卒中を起こさないためには、普段から血圧や血糖値やコレステロール値を良好に保っておくことが重要です。
また非弁膜症性心房細動という不整脈(脈拍が不規則で早くなる病気です)の際には、心臓内で血流のよどみができて、血液の固まりを生ずる事によりこれが脳の血管に流れていって血管につまりを生じて脳梗塞を起こす事が知られています。
この場合は抗凝固療法といって、血液を凝固しにくくするお薬を内服しておくと予防することができます。
生活習慣病から重大な合併症を起こさないようにするためには、まずその病気の存在に気づき、自覚をするということから始めなくてはなりません。
怖いからという理由で目をそむけていると、ますます怖い状態を引き起こして、後々に痛い目に遭うということにつながります。
定期的な健康診断を有効に活用して、ご自分の体調把握に努めてください。
もしや?という症状や数値異常があるときには、是非とも我々にご相談下さい。
その方の状況(年齢、併存疾患、家庭環境、社会的環境、そして患者さんの希望)を十分に考慮してともに治療を進めていきたいと考えています。