7月18日 木曜日 晴れ
東京大学解剖学教授であった養老孟司先生の著作を読んでいます。まだ途中なのですが、ふむふむなるほどなどと頷きながら半ばまでやって参りました。解剖学者なのですが、同時に昆虫好きとして世に知られている先生の物言いは、時にシニカルで斜に構えておられる印象だったのですが、その著作の方はと言えば、気持ちのよいくらい言い切りの連続で、そこまで断言して良いのだろうか(おそらく意図的にそうされているのでしょうけれど)と思う事しきりです。実は日本は世界に誇る資源国家だったのですというのはまさに卓見だと思いました。こうすればああなるという経済学的思想(脳の思想)と正反対に、環境重視の思想は身体の思想であると述べられています。私の要約がへたくそなのでおそらく何の事かと思われるでしょうけれど、まあ皆さんご一読あれ。直接的な何かが得られるものではないと思いますが、読んだ後にはほっこりと何かが心の中に生まれる事でしょう。日本人は「手入れ」が得意で、自然と共生しながら生きてきたこと、その過程では努力と辛抱と根性が培われてきたのだという事。古代中国の老荘思想とも通ずる考え方を理解することができます。
芥川賞と直木賞決まりましたね。今年のは2作とも読んでみようかなあと思っています(文庫化されてから・・・!?)。