4月8日 月曜日

三寒四温を経て徐々に暖かくなり、気づくと桜が咲いています。春は嬉しい季節でもあり、慌ただしい季節でもあります。新しい年度を迎えて、学校や職場が変わったり、持ち場が変わったり、役職が変わったり新しい環境での生活を迎えられる方もあることでしょう。一方で、特別生活には直接的な変化はないけれど、季節の移ろいを実感しておられる方もおられることと思います。役職といえば、私は認知症サポート医というのを担っております。その役割は、国立長寿医療研究センターの行う養成研修を終了したものが、かかりつけ医への助言などの支援を行ったり、専門医療機関と地域包括支援センターなどとの連携を行う任務です。平たく言うと、これから迎える高齢化社会において、認知症に対する長期的な対策として、認知症患者さんとそのご家族を地域社会全体で支援していくための啓蒙活動を行うということになります。具体的に関係者連絡会や、地域での啓発活動(会議とか講演など)を積極的に行っていかなくてはなりません。普段の診察や何気ないみなさんの会話でも、「最近物忘れとか増えてきまして・・認知症ですわ」とか、「家族にも認知症になるで、とか言われています」とかいう表現をよく耳にすることがありませんか?。ご本人たちは何気なく、笑いを誘う感じで認知症という疾患を出しておられるのでしょう。もちろんそこに悪意はないわけです。しかし、こういうのを聞くと少し悲しい気がします。患者さん当人やそのご家族がそれを耳にすると、どういう気持ちになるだろうかと考えてしまいます。かくも偉そうに述べている私自身も、それ以外のことでは同じような失敗をたくさんやっていると思います。実際に社会に起こっている問題も、自分の身に直接降りかかることがなければ、ついつい他人事として見てしまうっていうことありますよね。色々な身体的あるいは精神的疾患を有する方々の気持ちを損なうようなことがないよう十分に気をつけて毎日を過ごしたいものです。自戒を込めて・・・。