6月2日日曜日 曇り
予防接種、いわゆるワクチンというやつですが、最近ではHPVワクチンの副作用の問題などが取りざたされています。ニュース番組でも映像とともに取り上げられていました。思えば十年以上前にアメリカにいた頃は、子供たちを幼稚園や小学校に入学させるときに、おたふく風邪や水ぼうそうはもちろん、すでにB型肝炎のワクチンも必要事項であったことを思い出します。一日に両手両足の4カ所に同時接種されたことを覚えています。その頃の日本ではまだ同時接種などほとんど行われていなかった時代です。日本ではワクチンに対する副作用あるいは副反応の問題から、他の諸外国に比べると決して十分に取り組みが進んでいるとはいえない状況にあると思います。もちろん接種推進の意見を持つ人々もいれば、反対の意見を持つ人々もおられるでしょう。そんな中で国や自治体としての施策を決定していくのは難しいのでしょうが、予防できる病気に不幸にしてかかってしまい、重篤な後遺症に悩んでいる患者さんたちがおられるのも事実です。やはり病気による後遺症や、ワクチンによる副反応を論ずる際には、単純に人数を比較するだけではなく、その母数を考慮に入れて議論がなされるべきであると考えます。予防接種は、健康状態やアレルギー歴など十分な診察と問診とともに、かかりつけ医と相談してできれば接種することを考慮していただければと思います。京田辺市では成人の風疹ワクチンに対する助成金を決定したそうです。京都府の感染症情報HPをみると最近の1週間での罹患者数は15人とでておりました。丹後では発症例はまだ0のようです(あくまでも当地で発症した患者数で報告のあったものです。風疹は全例報告の5類感染症ではありますが)。すでに流行の兆しのある他の自治体ではようやくというべきでしょうか、助成金を決定しているところがあります。外国の官公庁のHPでは日本への旅行に関して、風疹感染のアラートが出ているとも聞いています。なんとか早く収束に向かってほしいと願います。
WHOで接種勧奨とされているB型肝炎ですが、日本ではまだ母子感染事業としての対策しかありません。医療者の間ですら、B型肝炎は血液を介した感染なので、一般社会ではうつるものではないという認識しか持っていない人も多いと思います。しかしウイルスキャリアの唾液や涙や尿を調べると一定の確率でウイルス粒子の存在が証明されていますし、実際に水平感染も報告が多数なされています。全世界で80%超の国々がユニバーサルワクチンを決定している中、日本はこのまま最後の後進国に甘んじてしまうのでしょうか・・・?