5月18日 火曜日

昨日からワクチンが高齢者の方対象に始まりました。初めは一定に抑えた接種者数で、徐々に予約者を増やして行く設定です。先日来、1日100万人を目標に・・と言うスローガンが新聞紙面を踊っていますが、そのうちの0.001〜0.005%部分ぐらいを自分自身が担っているのかと思いながら自己肯定感を高めることにしています。一通り接種までこぎつけて感じるのは、やはりこのワクチンの特殊性は、薬剤保管と取り回しの複雑さにあるのだと実感します。保管の温度や薬剤溶解後の有効時間、1瓶当たり6−7人への接種の必要性などがあるのでインフルエンザのようには簡単にはいかないです。その辺りの事情が接種予約・薬剤搬送などいわゆるロジスティクスの部分の困難性に直結してきます。ロジが全てと言っても過言ではないでしょう。私が考える理想系は・・・大型ディープフリーザーを兼ね備え、すぐに住民票にアクセスできるシステムがあり、ある程度の人数と駐車スペースが確保できる限定的な施設で、予約なしで、いつでも・・・というものです。この施設の候補、自ずと限定されてきますよね、そしてそこに勤務医であろうが開業医であろうが、少々の日常の仕事を犠牲にしても分担して出務すると言う、短期間集中的なやり方が望ましいと思います。さて、昨日は実際に接種はあっという間に終わり、その後15分間の観察時間の滞在を経て、皆さん元気に歩いて帰られました。実際には、私たちが恐れているアナフィラキシー反応という強いアレルギーの発生する頻度は25万人に1人とされていますので、今回の町全体の対象者である7−8000人だと理論的にはかなり稀な発生率と見込むことができるでしょう。しかし、接種のたびに、万が一に備えて酸素とか点滴とかエピネフリンという救急対応物品や薬剤をすぐに手に取ることができるように傍に準備して臨んでいます。東京都は1日60回の接種をする医療機関に補助金を出すという案があるようです。実際に診療などそのほかの業務を行いながらの60回接種ができる施設は限定的でしょうね。1時間あたり7−8人を8時間続けてこなしてようやく目標に到達する理屈です。どんな医療機関を想定しておられるのだろうか・・・・謎

最後に一言・・・ワクチンとは「打ったから、みんなでわいわいやっていいよ〜」ではありませんので・・お気をつけください。引き続き感染対策はしっかりと!