9月18日 金曜日
頭木弘樹さんの著書が面白い。大学生の時に潰瘍性大腸炎を患いその後の絶望と希望の日常を綴られたユーモアの書です。帯がまた秀逸で・・・「人間は、食べて出すだけの一本の管。だが、悩める管だ・・・。」口に始まり肛門で終わる一本の管なんだということですね。体調不良にも拘わらずなかなか医療機関にたどり着けず、医師にも本当のことが言えず・・という患者心理が描かれた冒頭部分からすぐに引き込まれる、一般の人にも、医療関係者にも必読の書ですねこれは。冠婚葬祭には会食がつきもので、ビジネスにもパワーランチとか、食べることは人間社会のベースになるアクティビティなのですが、それが消化器疾患をもつ患者さんたちにとっては、拷問以外の何物でもないのかもしれない(私の解釈です)ということ、なかなか普段は気づけないですよね。何気なく、ちょっとランチでも行きませんか?ということがプレッシャーになってしまうことがあるなんて・・・。世の中『知る』っていうことはとても大切なのだな~と思いました。
医学書院のシリーズ・ケアをひらくというシリーズです。