1月10日 日曜日
結構な積雪です。今日は朝からオンラインセミナー視聴の予定です。話題はやはりCOVID-19です。アメリカミネソタ州で活躍されている日本人チャプレンの方が話題になっているようです。ミネソタ州は私の思い出の街ですが、現在コロナ感染症の数は一日当たり8000人程度とのことです。北の州境をカナダに接していますので相当に寒く、氷点下10度を軽く下回る日が珍しくはない都市です。ちょっと年配のかたは『卵売りのところやな』って仰います。その旋律には馴染みはあるのですが、歌詞にはピンときませんでした。なにせ1950年のヒット曲のようですので。ただ特別養鶏業が盛んな街かというとそうでもなく、なぜその歌詞に卵売りが採りあげられたのかは謎のようです。ちなみに缶詰ソーセージのSPAMの会社がオースティンという州内の街にありましたね。話を戻しますが、日本人チャプレンの関野さんという方のヤフーニュースでの記事を読んでいろいろと考えさせられるところがありました。チャプレンというお仕事は、亡くなりゆく患者さんのご家族の傍らに寄り添い、悲しみを受け止め、ともに看取るという施しをするお仕事です。彼はキリスト教の牧師という立場でそれを行っていますが、イスラム教の聖職者も病院内にはおられますし、仏教の家族にも対応できるように整備されていると思います。アメリカという国は、医療保険制度が国民皆保険ではなく、受けられる医療に経済的な格差が大きく反映されることが知られています。ただ、行われている医療にはこの話題に限らず、分業体制が行き渡っていますので、医師は診療だけ、看護師は患者ケアだけ、ヒトや機材の搬送はロジ担当が行い、薬剤の取り扱いはすべからく薬剤師が行います。日本では看護師さんが検査後の患者さんを迎えに行ったり、点滴薬剤を作成したり、医師が検査の予約に院内を奔走するなどという場面が珍しくありません。患者さん家族のグリーフケアはやはり医師や看護師の役割です。役割というものの、彼ら彼女らにそれを行う余裕があるときのみなされますが、まだまだそのようなケアはおざなりにされているのが現実です。コロナ関連のテレビ番組やネットでは、先進医療を誇る日本で数百人の重症患者で直ちに医療崩壊なんてありえないじゃないか・・という意見が散見されます。ご意見は一見ごもっともなのですが、中からの意見はすこし異なるのではないかと思います。つい一年前までは、余剰病床は無駄な医療費の象徴としてとりあげられており、とにかく空床を作るな!、効率よく医療を行え!という掛け声の下で、ギリギリの運営を強いられてきていたのです。ほら見たことか、というつもりはありません。当時(わたしも勤務医で管理職的なお仕事をしていた時には、頑張って無駄をなくそうとして奔走していました)病院挙げて、皆が効率化を美徳と考えて一生懸命努力していたのですから。しかしですね・・・感染症が今の状況になったからと言って、急に病床を空けろ、感染症に回せ!と言われても急に対応できるはずがないのです。病院がもっと負担すべきであると考えられる方たちに申し上げたいのは、欧米が何万人という患者に対応できている(できているのかどうか疑問というはなしもありますが)のは、無保険でそもそも切り捨てられている人たちがいたり、もうこれ以上できる医療はありませんので人工呼吸器を外します・・と宣言される患者家族に、癒しを提供できる潤沢な体制がもともと整っていたという現状などにも思いを馳せて頂きたいということなのです。
それでは講演の時間となりました。ちょっとお勉強してまいります。今日は成人式のようです。感染対策にはくれぐれもご留意頂き、終わってからの二次会はほどほどに!
わたくしの与太話はさておき、最後に希望のある(と思うのですが)ワクチンの情報です。東大医科研の石井先生の解説記事ちょっと読んでみてください。いろいろ理解できることが多いと思います。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2101/08/news066.html