5月7日 木曜日
昨日はウイルスの悪口を書きましたので、今日はより中立な立場でヤツらを論評してみましょうか・・。そもそもウイルスとは生物なのか物質なのか?どう思われますか。実はヤツらは物質であると定義されています。生物の定義である3条件は次のようになります。①外界と膜で仕切られている②代謝を行う③自分の複製を作る ヤツらは自分たちだけでは自己複製ができません。宿主となる細胞に入り込んで、そこにあるものを利用して複製していくのです。自分は自己複製のためのマップをもってはいるのですが、タンパク質合成の仕組みをもっていませんので、それを宿主の細胞から奪い取って利用しているのです(なんとも厚かましい)。まあこれは生物の定義をヒトが勝手に決めただけなので、ヤツらにしたら異論があるかもしれませんね。一方で、ウイルスというと病原体としての悪い側面から論じられることが多いのですが、じつは人間はそれをいろいろなことに活用しているのです。例えば、がん治療に応用されるような創薬にウイルスが用いられていたり、最近ではウイルスの一種であるファージと呼ばれるものの性質を利用して、リステリア菌とかサルモネラ菌などの食中毒を防ぐための食品添加物として米国では実際に利用されているとも聞きます。敵であり仲間でもあるウイルスについての知識を深めていくと、それはそれで興味深いものとなりますね。
動画ソムリエでもある奥さんから教えてもらいました、これ↓ 感染症指定医療機関で頑張っている医療者の皆さんへとどくと良いな・・・
最近は患者さんの診察の最後に『それではお互いかからないように気をつけましょうね』という言葉をかけることが多くなりました。今までは一方的に『それではお大事に』だったのですが、今は何となく同じ地平線上に立っている感覚があります。ちょっといいな・・と思っています。アメリカでは、お別れの最後にstay safe!というそうです。
それでは3日ぶりの診療です。みなさん have a nice day and stay safe !