8月28日 水曜日 晴れ

今週は再び暑くなります。というお天気キャスターのお言葉ではありましたが、湿度がそれほど高くないためか、比較的過ごし易い日が続いています。昨年ようやく3万人を切った年間自殺者数ですが、ここ数日は有名人の事件がテレビを賑わしているようです。身内の方も有名人で、いつ面会するのかとか、憔悴しきった表情でとか、知っても知らなくてもよいような内容をよくも細かく報道するものだなあと思います。直に見てはいないのですが、色々と昨今の報道体制には批判もでているようです。我々医師の使命は、病気を治すことにあるわけですので、命を自ら絶つという行為にはとても敏感にならざるを得ませんし、最も忌むべき行為として啓蒙していかなくてはならないと思っています。WHOが自殺予防のための報道関係者の手引きを発表しているのはあまり知られていないことだと思います。10あまりの項目からなるその見出しから、メディアで扱う自殺報道では、世の中に与える影響の大きさから、相応の配慮がなされて然るべきとの姿勢が汲み取れます。一方で、日本で公的なデータとしての自殺者の数値などが公表されるようになったのは2010年だそうです。それまでは自殺予防対策を立てようにも正確な数値の把握すら困難であったと、ライフリンク代表の清水康之さんは言っておられます。彼らの努力もあって、徐々にその数は減ってきているようですが、先進国において日本や韓国は自殺者の割合がとても多いようです。いじめの問題や社会保障費の切り下げの問題、或は格差社会やマスコミ報道など、色々と考えないといけないことは多いですね。その当事者にしてみれば、相応の重大な問題を抱えておられたわけでしょうから、それを批判したりするつもりはありませんし、ただただご冥福をお祈りするばかりなのですが、そんなことをする必要がない社会を皆で知恵を出し合って作っていかなくては行けません。日常的な人付き合いの中でも、助け合ったり配慮し合ったりすることはとても大事なことだと思っています。政治家や政府、自治体に要求期待するばかりではなく、個人レベルでも日常的にできることは色々あるのではないでしょうか・・・。

今日は、生きたくても生きることができず56才の人生でこの世を去られた方のお言葉を聞くことにしましょう・・・。