3月25日 月曜日 雨

内向きではない、世界に開いた経済成長戦略も良いのですが、やはり医療経済の将来は心配です。わたしには詳しい事はわかりませんが、関税撤廃を原則とするなんとやらの交渉による波及効果として、混合診療の解禁が現実のものとなるという報道は後を絶ちません。混合診療とはとりもなおさず、保険診療と保険外診療を同時にうけることができることを言うのですが、現在の法律ではこれは禁じられております。たとえば癌になった時に、日本の保険制度で認められている薬剤を使った治療が無効であった場合に、保険外の薬剤で仮に海外で認可されている薬剤があった場合に、これを自費で使おうとすると、その病気に対する保険部分の診療も自費で賄わなければならないということになります。これを解禁して自費部分は自費で賄い、その他の保険適用部分は保険を使用して良いですよということになるわけですから、その事自体は大歓迎な訳ですが、本当にそれで良いのかどうかは一考の余地があるように思われます。ある薬剤を保険適応とするためには、その効果を確かめるための臨床試験が必要なわけでして、実際これが非常に費用と時間のかかる作業なわけであります。しかし、一旦混合診療解禁となって、経済的にゆとりのある患者さんたちが自由に新規薬剤を使ってくれる、という状況になった場合に、ともすると製薬会社がその薬剤を保険適応にするための手間ひまをかける事へのインセンティブや動機付けが失われてしまうのではないかという懸念が生ずるわけです。実際にアメリカでは、皆保険制度が導入されるまで医療費が高騰し続けたというマサチューセッツ州のことや、逆に公的機関が診療報酬を決定するというスタンスを維持し続けたメリーランド州が医療費抑制に成功してきた事などを眺めてみても、その危惧が絵空事ではない事を物語っているように小生には思えてなりません。私たち医師にとって、患者さんの診察をする前に『あなたはどちらの民間保険に加入していますか?』などという馬鹿げた問いから始めて治療方針を決定するなどという哀しい現実にならないように世の中の事を見て行かなくてはいけないなあ、と思いながらニュースを眺めておりました・・。あれれ・・やっぱり今日もネガティブな内容になってしまったでしょうか?すみません。

Toefl

大学入試の前提にTOEFLですか・・・やな感じです。勉強の動機付けって別にグローバルに通用できる人間になろうっていうことばかりではない筈ですよね。みんなが同じ事考えて同じ方向見てたら気持ち悪いです。だいいち、英語苦手って思ってる子達にとっては最悪のアナウンスメントじゃあないですか・・。お前達は勉強しなくていいって宣言されてるのと等しい感じがするかも。ただひたすら星空が好きで天体の勉強をする人がいたり、百人一首が好きでそればっかり暗記してる人がいたり・・いろいろあってぜんぶ良い・・(みつをさん的に表現するとこうなりました)。ぼくって本当に誰かから何かを押し付けられる事が嫌いな人間みたいです・・・。