京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ投稿者: tsuyopon

日本とアメリカ

9月11日 木曜日

セプテンバーイレブン で、ある。グランドゼロにはワンワールドトレードセンターなる命名を得たビルディングがほぼ完成となっていると聞く。その設計者は槙文彦さんという日本の建築家だとか。しかもその中の玄関ホールには亀岡在住の日本人彫刻家の作品が飾られているらしい。京都市内のとある病院での当直室で見たあのWTCビルの崩壊の瞬間は今でも忘れられない。あれからもう13年も経つのだな。イラク撤退を掲げて華々しく誕生したオバマ政権でさえいまだにアフガンからの完全撤退は達成できておらず、混乱は最近に至って増しているとの報道さえある。オバマケアなる、鳴り物入りで導入された新しいヘルスケアシステムも、色々な意見はあるがあまりうまく回ってはいないという見方が大勢のようである。キヨシローさんが訴えていた”世界平和”はいったい何時になったら叶うのだろうか・・・。

gunshot

もう一つのアメリカのダークサイドな事実、それはガンショットである。年間3万人以上が銃で命を落としているそうな。殺人事件に至っては日本11人 vs 米国1万1千人という統計があるらしい。各国それぞれに色々な悩みのタネがあるのですね・・・

目からウロコ

9月8日 月曜日

まだ突然激しい雨が降ったりする変な週末の天気であった。運動会シーズンで影響を受けたところもあったのではないであろうか・・。週末から明日にかけての小生の関心事・・錦織クンである。明日の早朝に決勝だそうな。世界シングルランキングを2人以上破っての堂々のファイナリストなので、優勝してもしなくても最大級の賛辞を送られてしかるべきなのかなと思っているのである。

ところで!民放で無料で視聴できるサッカーとかバレーとかと違って今回は、WOWOWの完全生中継という有料コンテンツとなっているわけである。なんだよ〜有料かよ、と思う方は多いと思うのですが、これが比較的静かに冷静に放映されており、多くのスポンサーへの都合からしょっちゅうしょっちゅうCMが流されるわけでもなく、見ていて非常に心地よいのである。おもえば、サッカーだとかバレーだとか、アイドルとかいろんな人物が出てきて、試合前2時間から放送が始まるようなシロモノとはひと味ちがうものでして、うん!コンテンツって、基本的に有料な価値あるものなのだ、と思わせられる出来事でもあったのである。WOWOW加入者も激増したとかいうことであるが、今回の錦織クンの大躍進は、コンテンツとその対価を考える上で、小生にして、とっても貴重な体験なのであった。でも、彼って確か小学生か中学生かで、既にフロリダのテニスアカデミーに移っているわけで・・純粋に日本人の快挙って喜ぶのはちょっとなあ(嘆息)

こんなのも、スポンサーがあったら決して見られないな・・(うるさいので要注意!?)。価値あるものにはやっぱりそれなりの対価を払うシステムを構築する必要があるのかな・・なんて思う、今回のUSオープンでした。ところで、昔の全米オープンの時にはアナウンサーがしきりに「NYフラッシングメドウからお送りしています」って仰っていたのですが、今は「アーサーアッシュスタジアムより」なんですって。結局場所は変わっていないのですけれど・・・何が変わったというのだろう。

 

長い1日

8月31日 日曜日 くもり

さてさていよいよ今日で8月も終わりである。夏休み最終日の日曜日は子供達もさぞ陰鬱な気分なのだろう(大げさか)。地区の草刈り行事である。何時からなのかよく知らなかったので、朝6時に起きてそわそわしていた。そのうちに眠くなってきて長椅子で二度寝。「ブーン、ブーン」という音ではたと目覚める。”始まってる!!” 大急ぎで長袖シャツに腕をとおして、首にはタオルを巻くという(不)完全防備で裏口の扉を開けた。毎年我が区がどの場所の担当だったかよく覚えていないので、既に従事しておられる方々の顔をみながらようやく見慣れたグループの界隈に到着し、何となく見よう見まねで草刈り(というより小生は刈られた草運び)に取りかかる。初めはやはりおそるおそる、である。何となく草むらから色々な生物が出てきそうで怖い・・・。ちなみに、周りをみてもこわごわやっておられる方は皆無である。なにも武器を持っていない小生は、専ら刈られた草を束ねて一カ所に山積みにするのが仕事。河川の土手は水面に向って斜面になっているので足場は相当不安定である。よいしょと拾い上げた草の束に、一筋刈りきれていないツルが混ざっているとその途端、思わぬ抵抗に遭い体勢を崩す事となる。こちら岸は斜面がなだらかなのでまだ良いが、対岸の方はかなり急斜面で、しかもその下はすぐに水面となっている。その代わり面積はやや少なそう。ローリスクローリターンかハイリスクハイリターンの選択か・・・などと、意味不明のたとえを思いながら作業を続ける。みれば80歳を数える患者さんも参加しておられるではないか。そういえば、2年前に初めて参加したときよりもあまり息が上がらなくなっているな、基礎体力がついたのかしらん?毎日座ってばかりの仕事でそんなわけもないか。むむ、草に混じってカマキリがいるではないか、それも白い・・・アルビノか?そこに留まってると草と一緒に焼却の憂き目だぞ、と追い払ってやる。なんて美しい心、生き物はみな友達だ(涙)。しかし、中にはマダニもいるかもしれない・・帰ったら速攻シャワーだな。10分も経つと初めの恐怖感はすっ飛んでおり、かなり大胆な行動に出ている。慣れるとはこういうことか、別に特段スキルが向上したわけでも、知識が増えたわけでもないのに、何か上手になったような気がしている・・・その瞬間草の中からマムシが出て来ないとも限らないのだが。「蛇蝎のごとく」とはよく言ったものだ。彼らは(彼女もいるか)まさに蛇蝎の如く忌み嫌われているのだ。実際咬まれると命に関わることもあるし、などと考えるとまた少し怖くなって、軍手にほころびがないかどうか確認する。30分以上経過すると、顔面からは日頃あまりかかない汗が滴り落ちて、やや気分が良くなってきている。これが脳内麻薬というものか・・? あたり一面は、草木や土などの匂いが立ちこめている。花粉のような白い粉も舞い上がっている。森林浴ということばから連想するような心地良い匂いとは言い難く、人いきれならぬ草いきれとでも言うのであろうか。あるいは小説によく出てくる”すえたような匂い”とはこういう事を指しているのであろうか・・・。いずれにしても総合的には、身体を使って土と戯れているというのは悪くはない気分でもある。畑仕事や草取りをしては、腰や膝が痛いと言ってやってこられるおじいちゃんやおばあちゃんの気持ちが何となく理解できる。うんうん、そんなことするから痛くなるのはあたりまえでしょう、と言って叱りつけるお医者さんにも味合わせてあげたいな、この気分。やはり人間は土を耕して、生き物と共生しながら現在までやって来たのである。45分、おそるおそる始めた草刈り(草運び)も何となく要領を得てきた。局所的に完璧に仕上げるよりは、何となく全体を整えて行った方が気分が楽になるし、心なしか仕事がはかどったような気がする。そう、まさにそれは”気”であるのだが、景気とはおそらくそういうものなのだろうな。そう考えると、アベノミクス万歳、どんどんやってもらえば良い。でも、よくよく検証すると、局所から完璧に仕上げて行った方が最終的に効率が良いのかもしれない。昨今行われている経済論争も所詮そんな所に行き着くのかな・・。何だ!みんな草刈りをすれば世の中の事が見えてくるっていう話じゃん。空想の世界からもどると、何やら女性の甲高い声が聞こえる、なじみのある周波数だなあと思いきょろきょろ。やはり、Y病院の看護師さんだった。目が合ったので片手をあげてご挨拶しておく。紅一点ではないが、女性は少数派である。当番日にて中途で切り上げたのだが、皆様ご苦労様でした。

一応医者のはしくれとして感じた事。”半袖はキケン” ”草刈り機械を扱う人はゴーグルを!” あるいは周辺を通る時には要注意。数年に1度は除草作業中に受傷した眼内異物で受診される方がおられると聞きます。かなりの確率で視力を失いますのでご用心を!!

草刈り

(写真はイメージです・・・)

帰り道にご近所の若奥様とすれ違った。「もう終わりなんですか?」「あ、いや当番日なもので早く切り上げさせて頂きました。よろしくお願いします」奥様も半袖でした・・・。

 

幕末ブーム再び

8月25日(月) まだ雨

今年の夏は暑いと思えば大雨。そしてまた雨。どうなっているのでしょうかね。恵みの水もほどほどで良いように思われます。1週間頑張って週末はぼ〜っと過ごす・・習慣となっています。武田鉄矢さんが幕末ゆかりの町をめぐるという番組をやっていたのを娘と見ておりまして、再び幕末ブームに火がついた小生です。あ、この番組はユーチューブだったかな?そして、鉄矢さん原作の「おーい龍馬」という漫画を購入したこの週末でした。土砂災害はまだまだ収束していないようです。

ceaser's salad

 

鉄矢さんの番組を見ながらチビさんがこしらえてくれました;シーザーサラダ。アメリカのレストランでパルミジャーノてんこもりにされちゃったという悪夢があるのですが・・・・。

お盆の総括?

8月18日〜21日にかけて・・

お盆休みを頂戴しておりましたので、復帰第1週目は少し体が重い・・。

今年のお盆は(も?)比較的じ〜っとしておりました。それはそれなりに理由もあるのですけれど。まあ動きのない休日もそれはそれで良いわけでして・・。しかしながら、大雨は京都を襲って行きました。先日の台風などと言い、自然災害の恐ろしさが最近とみに感じられます。幸いクリニック周囲の地区はそれほどの状態ではなかったのですが、今後はこういった自然災害への対応も十分に考えておかないといけないと考えさせられます。往診先では、「福知山の状況は大変ですね〜、ちょっと前のことから連続して・・・」と会話は続いたのですが、その方が遡られた出来事は、福知山線の列車事故までに至りました。小生はというと、せいぜい花火の事故まで。そんなことを下書きにしていると・・広島での土砂災害。言葉を失います。何かいろいろと変わってきています。この世を取り巻く環境が・・。

 

なくなられましたね。ロビンウイリアムスさん。芸達者な63歳。まだ見た事のない名作がたくさん。ドイツのニュース番組では何やらかれの代表作にちなんで、デスクの上にまたがってアンカーマンがニュースを読んでいたそうな。何ていう作品なんだろう・・・。そういえば、ハンフリーボガートの奥さんだった人もこの世を去られました。何やら寂しい感じの漂うこの夏休みでした。

時代遅れでいいや

8月11日 月曜日 台風一過

台風一過が快晴で・・・とならないのが夏台風なのでしょうか。

我が丹後半島ではそれほど大きな被害は耳にしなかったです。周りの田んぼも稲が倒れる事無くスックと立っていました。よかったよかった(小生の知らない所で被害があればスミマセン)。

8月はヒロシマ・ナガサキに始まり、御巣鷹山・終戦の日に至る、考えるところの多い時期です。ネットニュースを見ていると・・・「看護学科増設に、将来の過剰が心配」とか「2025年の大介護時代に備えよ」とか、いわゆる将来予測もの、あるいはこうしたら得だよものが氾濫しています。時代に乗り遅れる事無く、予見通りに事が進むとそれはそれで良いのでしょうけれど、そう簡単にはいかないのが世の常ではなかろうかと思うわけです。早くに逝ってしまった賢人達は今の世の中をどうご覧になっているのでしょうかね。

最近ちょっと自分のキャパに不安を感じてきた今日この頃ですが・・・お盆休みに、先人の英知を頂き、再度充電したいなあと考えています。◯ ◯ ◯ ◯ ◯!

今日くらいは

8月6日 水曜日 晴れ

このところ不穏なニュースばっかだ・・・。

朝から、某研究者の自殺報道、アフリカでは致死的感染症の拡大、ティーンエイジャーの殺人、イスラエルとハマスのパレスチナでの戦渦・・・・そこで使われる武器が日本製だったりするのかな、将来。そんなはずはないですよね。でもでも、今日は黙祷を捧げる日であります。ノーモアヒロシマ

ドーム

往診先でサムラゴウチさんのニュースがテレビに写っていたような気がします・・・あれって、悪い冗談だったのかニャ?

裏の田んぼで・・・

7月30日 水曜日 晴れ

快晴です。午前中の診察を終えて裏口を出ると、何となく稲の先端が白っぽく見えたものですから近寄ってみました。白い小さな花が咲いているように見えました。何もしらないものですから、白い花が咲くのか・・と思って往診に出たわけです。

イネの開花

帰ってきて再び見てみると、小さな花が引っ込んでおりました。何と短い時間の命なのだなあと思って、少々ネットで調べてみました。どうやら朝に花開いたと思っていた白い小さな物体は、6本の雄しべだったようです。その根っこに小さい雌しべがあった筈なのですが、注意力散漫な小生には気付く事ができず。稲の花には花びらやがくはなくて、のちに籾殻になる部分(えいとよばれる2枚から成り立っています)が7月末から8月初旬のとある日(よく晴れた午前中の2時間程度)に開いて、そこから出てくる雄しべと雌しべが受粉をするそうです。受粉をしたものから再び閉じていくのだそうな。・・・ってことは、今日の白い花を見る事ができたのはその貴重な1日のうちの数時間だったってことなのでしょうか? 何となくうれしいな

5時間後

白い花が消えてるでしょう?

手のひらを太陽に

7月15日 火曜日 晴れ

ひょんな事から食事をごちそうになりました。お腹が満腹になるまでいただきました、ありがとうございます。この間の当番日の昼食には何年ぶりかのウナギ丼を頂いたのですが、先月ウナギに関するニュースがネットにあったのを思い出して、すこし調べてみると・・・。なんと絶滅危惧種に指定されていたのですね。国際自然保護連合(IUCN)という団体が、いわゆるレッドリストという絶滅の恐れのある種に指定をしたそうです。これはワシントン条約も保護対策の際の参考にしているため、将来ウナギの輸入に制限が加わる可能性があるとのこと。このニュースから我々が受け取るべきメッセージは、「だから今後、密猟ウナギ等が流通しなくなり、値上がりして食べられなくなるぞ!」ではなくて「美味しいウナギを将来まで楽しむには、安くたくさん、だけではなく消費者としての行動も考える必要があるようですね」なのだと思います。養殖ウナギなどと言っても、所詮野生の稚魚を乱獲しては、それを養殖業者に流通させているわけなのですから、消費者の口に入るものはすべからく”野生の”ウナギという事になります。コンビニの入り口には、土用の丑!予約受付中・・なんていうのぼりがはためいていますが、どうなのかな。ヨーロッパウナギに至っては、EUからの輸出は原則禁じられている筈なのに、なぜか国際流通ルートにその大部分がのっかているらしく、しかもその流通先の大部分は我が国であるとか・・・。

unagiinu

消費者としての賢い行動を心がけないとって思いました。悠久の時間を共有してきた地球上の、なが〜い歴史の中で、我々はいまという一瞬を間借りして住まわせてもらっているだけなのですから・・・。ミミズもおけらも、カエルもフクロウもそしてウナギも、みんなみんな生きているんだ友達なんだ〜・・・やなせたかしさん作詞だったんですね、手のひらを太陽にって。

抗生物質はむづかしい

7月11日 金曜日

台風一過。秋の台風シーズンとは違い、快晴とはいかないのであった。でも当地にそれほど影響をおよぼすことなくそれてくれたのはよかったよかった。参加しているメイリングリストで最近抗生剤に関する話題が上っている。抗生剤・・・青カビから生まれた世紀の発明・・・それはペニシリンである。今までに、われわれ人類が、どれほどの恩恵を被っているのか計り知れないものがある。でもでも、その使い方はと〜っても奥の深いものなのです。一口に抗生物質と言っても、現在には多種多様の性質・特製を持ったものがあるわけであり、その使い方はひとえに我々医師の裁量によるわけである。効果の強いものや弱いもの、いろんな微生物を殺すものや、一定の種類の微生物にしか効果を持たぬもの。その疾患や、宿主(患者さんの特性)に応じて使い分ける必要があるわけである。小生はこれをめっぽう苦手にしておりまして・・・ややこしい事この上ない。ひと昔前、研修医の頃に遡って、いわゆるオーベンと呼ばれる先輩医師の外来補助についていた頃の事を思い出すと・・・風邪の患者さんには、いわゆる「セ◯ゾ◯・ム◯ス◯・ロ◯ソ◯ン」という三種の神器的になされていた処方があった。翻って今、小生のカルテには、いずれの薬剤も風邪の患者さんのファーストチョイスには上がって来ないのである。風邪症候群に抗生物質は不要である・・というのは、すでに我々医療従事者の間では常識になりつつある。のであるが、なかなか世間的にはそう一筋縄ではいかぬわけでありまして・・。ここまで書いても、一般のみなさんには何の事やら合点がいかぬ事でしょうね。我々医師達は、ある一種類の細菌を・・・原爆で焼け野原にするのが良いのか、短銃で狙いを定めてパンパンうつのが良いのか(ちょっとこの表現は語弊があるか・・)という議論をああでもない、こうでもないと繰り返しているのであります。患者さんにしたら、自分の病気が治ったか治らなかったのか、2つにひとつ。その裏っかわで、医師達はその治療が、必要最小限で、必要最小コストで、必要最小リスクで治ったのか、あるいは結構な紆余曲折を経て、いろんなリスクをかいくぐって、運良く治ったのか・・・はたまた、はなっからそんな”治療”なんてなくても自然治癒したはずの病気なのか・・・・そんないろんなことと取っ組み合いながら日々過ごしているのであります。なんて切ない・・・   でも、ペニシリンが臨床で使われ出したのって、まだたかが5〜60年前の事なのですね。ビックリ!

生まれて始めて購入したレコードだったかな? YMOとスネークマンショー・・・教授、治療頑張ってね。

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