京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

to go or not to go?

7月23日 木曜日

本当なら今日からでしたっけ? 2020オリンピックは一年延期されたわけですけど、まだまだ先行き不透明です。私だけかもしれないのですが、やらないといけないお仕事がブワーって積み重なると、頭の中が真っ白になって何も考えられなくなる現象が発生します。今でも年に2−3回そんな感じの時があります。そういう時どうするか・・? ” 寝る” が答えなのですが、あまりに予想通りで苦笑いです。さてさて・・・来年のオリンピック開催は如何に?

ところで、グレゴリー・ベイトソンという人類学者の提唱したダブルバインドという概念をご存知でしょうか?人が受ける命令で何々をするなというものがあったとします。それと同時にその人がそれを否定するような別の禁止命令を受けることによって発生する板挟み状態を言います。例えば、赤ん坊がニコニコしながらおいでおいでしている親の方に近寄って行くと、最後にその親がプイと横を向いて差し出していた手を引っ込めるような状態があげられます。また会社でも、会議では積極的に発言をしろと言われているのに、何かいうと生意気だ経験も少ないのにと否定されるという状況もこれに当たるのかもしれません。いずれにしろ、こういうダブルバインド的状況は世の中に溢れていると思います。今話題の政策でも、ある部署からは旅行に行きましょう、経済を回しましょうと言われる。一方では人混みを避けましょう、不要不急の外出は控えてくださいと言われている状況はまさにダブルバインドとなりますので、相応に人の心は圧力を受けてしまいます。心が不調になる人たちが多く発生しているのもやむを得ないと思います。これこれこういう対策をすると安心ですよ、と笑顔でキャスターが語りかける背景にはいつもオレンジとか緑の中に浮かぶマリモのようなコロナウイルスのイメージ画像が使われていますので、これも一種のダブルバインドになるのかもしれません。このテレビ画像というのは無意識に知覚されている分、余計に厄介なものかもしれません。私が、滅入っている患者さんにテレビではなくラジオからの情報収集をしてみてはどうですか?とアドバイスする理由です。ダブルバインドに悩まされている人にできるアドバイスは・・・

しばしそこから離れなさい・・一択

ほうどうのよは

7月22日 水曜日

今日1日労働したら明日から二日間お休みがいただける予定ですね。今日のお題は、報道の余波なんですけどね。先日芸能人の方の自殺の報道がありました。過去にもいくつか思い出す似たような事件は一つや二つあるのではないでしょうか。私もまだ10代の頃だったと思いますが、超売れっ子だった女性歌手がなくなるという事件をよく覚えています。特別にファンであったからではなく、あまりにも衝撃的な出来事だったからです。ことほど左様に人々の心に深く記憶付けられてしまうこの手の事件を考えるときに忘れてはならないキーワードがあります。「自殺報道ガイドライン」です。アメリカが離脱を表明している(!?)WHOの提唱しているガイドラインです。例えば、遺書を紹介してはならない、死を美化しない、手段を細かく報道してはならない、不要なBGMをつけた報道をしない・・などなど、してはならないことが挙げられています。一方で報道の際にすべきこともあるようです。例えば、同じような悩みを持っている方に対する相談先を紹介する、あるいは自殺以外の問題解決をする術を紹介することも同時に盛り込まれています。実際に有名人の事件をきっかけに全体の自殺率が増加することがすでに証明されており、メディア報道に影響を受けて自殺率が増えてしまうことを「ウェルテル効果」と呼ぶそうです。言わずもがなですが、ゲーテの著作にちなんで名付けられているわけですね。一方で、報道の仕方によっては、悩みをもつ人たちに解決の手段を与えるという正の効果や影響もあって、これは「パパゲーノ効果」と呼ばれています。ワイドショーをご覧になっている方達がおられましたら、ぜひこういう視点で番組をチェックしてみてください。BGMとか、その人をやたらと持ち上げて美化していたりとか・・・ありそうな気がしますがいかがでしょうか?もしあるのなら、その番組には罰点を挙げましょう。メインキャスターの方へは、お勉強不足なので ”もっと頑張ろう” のハンコをおしてあげてくださいね。

もいっこあった・・・報道の余波ネタ。Go to travelという言い回しの影響です。これを使う英作文の解答が増えそうな予感がします。文法的には別の語法を使う方が自然であると聞いています。go to travelの意訳として「迷走する・右往左往する」というのを広辞苑にあげておいてはどうでしょうか・・・(ちょっと皮肉にすぎるな、すみません)

つーことで・・・小生はこれあげておきますかね・・

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よりそいホットライン

与謝野町アラート!?

7月21日 火曜日

畑仕事の際に・・マダニにご注意を!

以前にも書きましたが、マダニに咬まれて来院される方が今年はとりわけ多いような気がします。初めはごく小さな黒い点でしかないので、見た目では識別しづらいです。とはいえ虫眼鏡で見るとすぐにわかるのですけど。数日かけて吸血されるとかなり大きくなってくるので、そうなると誰にでも気づくことができるようになります。できれば小さな点の時に除去したいです。畑仕事や除草作業など、草むらでの作業後にはシャワーを浴びて入念に体のチェックをするようにしたいものです。作業前の予防策も入念に行いましょう。長袖長ズボン、足元はできれば長靴で固めて、首元にはタオルなどで侵入を防いでください。この時期当然熱中症に注意が必要です。長時間ぶっ続けはやめてください。適宜水分を摂りながら、あ・・この際はマスクは不要です。重装備の上にマスクをするとやはり息苦しくなりますし、危険なことすらあると思います。万が一、作業後にマダニに咬まれていることがわかった場合にはむやみに引きちぎろうとせずに、医療機関で処置をしてもらってください。丁寧に除去するか、皮膚ごと切除して縫合するなどの手当をすることとなります。無事に虫体除去されても、それで一件落着ではありません。皮膚炎が強く出ている場合には、マダニ関連感染症の一つである、ツツガムシ病やリケッチアなどの感染症の可能性がありますので抗生物質服用による治療を要します。皮膚炎が治ったとしても、まだまだ安心できませんよ!数日後に発症する、もう一つの関連感染症であるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)というものがあります。これはウイルス感染症ですので・・・もうコロナウイルスで学習されたみなさんはわかりますよね・・・治療薬がありません。とにかく早めに疑い、診断して対症療法を行うしかないのです。当地のマダニはこのウイルスを有している場合があることがすでにわかっていますので本当に注意を要します。もう一つ予防策を忘れていました。作業前には虫除けスプレーですね。ディートという成分を含んだものが良いと思います。子供さんたちのデリケートな皮膚にはイカリジンという成分を含んだものにしても良いでしょう。過去にイノシシなどの獣にやられた畑などでは特に注意を要します。

それでは・・・あと二日でお休みに突入しますね、暑さに気をつけてお過ごしください

医療新人類

7月20日 月曜日

また1週間始まります。

さてと・・今日は前々から書いておきたいと思っていたネタです。バブルが弾けた時のことを思い出してみましょう。そう、住宅ローンの怪しいのがたくさんあって、無担保、無審査は当たり前、どんどん貸せ〜みたいなことをやっていた金融業界の事情が暴露され、メガバンクにもその影響が波及していったという時代です。当時、政策新人類と呼ばれていた政治家さんたちがいました。重鎮の議員を相手に、旧い慣習にとらわれず、忖度しない政策を進めようとされていた(ように見えました・・傍目には)方達です。ま、それは置いといて・・現在私が注目している医療の世界で積極的に著書や発言をされている先生方の中にも「新人類」と呼びたくなるような人たちがたくさんおられます。だいたい30代から50代前半くらいの世代に属しておられ、多くは大学教授みたいな権威的な存在ではなく、在野の臨床家とも呼べるような方々です。毎日実臨床をしながら、後輩の指導を行い、一般向けにも情報発信をしておられます。大変勉強になりますので、著書もたくさん読んでいます。これからもどんどんと風通しの良いリベラルな医療界になっていくと良いな〜と思っています。白い巨塔はパターナルの最たるものですからね・・みなさんご存知でしょ(^^)

ゆっくりと危機管理社会をつくりたい

7月19日 日曜日

ここ1−2年の間に、私たちの社会に色々な歪みが次々に出て来ているような気がします。今回の新型コロナがそれに拍車をかけたのは間違いなさそうです。3月から徐々にというか、一気に全国を襲った不況は観光業界に前月比マイナス99%みたいな驚愕の数値を叩き出しています。多業種の方々が困難に直面していると思いますが、数字だけでいうとその最たるものではないかと思います。件のキャンペーンもそういう数字に裏打ちされた、背に腹は変えられぬ事情があるのは事実でしょう。かといって感染症が広がるのに歯止めをかけなければならない・・政府の右往左往ぶりもやむを得ないのかもしれません。私たち一人一人にできることをよく考えて行動に移していきたいと思います。地元でできる消費活動は地元でしましょう!他の人の立場やそれぞれの事情を思いやる心のゆとりを持ちたいものです。地域社会の安心を少しでも確保できるような対策を今後私たちの業界でも検討していく予定になっています。自分たちだけのことだけでなく、皆さんにできることを考えていくという思いを仲間たちで共有しています。頑張りたいと思います!(こんな真面目なこというキャラじゃなかったのにな・・・)。ところで・・・右往左往する政府と先ほど述べましたが、ある意味自業自得なんじゃね?とも思っています。ここから先はオフレコですが(笑)・・・公文書が簡単に書き換えられる、それで犠牲者が身内に出ても無関心、なんとなく飛行機買うのには数兆あるいはそれ以上のお金が簡単に出ていくのに、数億円の補助金をつけるのにも色々と制限がかけられる、補助金がようやく出たと思うと、何やら委託先が怪しげ(?)だったり、今回のGO Toだって事業総額1.6兆円の18%に該当する約3000億円が事務依託費だそうです。う〜ん、信頼して任せてくれという方が無理筋なのかな・・・なんて思ったりする気だるい休日の朝です。さらに昨日は有名人の事件もありました。とかく生きづらい世の中になってしまっています。自己責任社会はある程度重要だし、無責任社会はもってのほかですが、例えば経済格差の問題だって根っこは生まれながらにして格差を生じてしまっている現実に目配りが足りなかったのかもしれません。家の懐事情の問題で進学を諦めないといけない学生さんたちがいるという現状を改善することはとても大事だと思います。自己責任社会を実現するには、土台の公平性や公正性が一定程度担保されてないといけません。受験制度をいじくったり、なんとかポートフォリオとかやる前にまずは国を信頼できる土台作りを叶える必要があるのではないでしょうか・・。みんなが信頼して任せられる行政制度を整えることが、ゆっくりではありますが、もっとも堅牢な危機管理社会を実現する道につながるのではないかと思います。ま、そのためにはやっぱり、自分たち一人一人の行動を見直すことにもつながるのかなー。めざそう「任せてブーたれる社会から、引き受けて考える社会へ」(^^)b

では、久しぶりのお天気に感謝しつつ・・・良い休日をお過ごしください。

リベラルな職場

7月18日 土曜日

平川師匠が仰っていたことについて最近うなづくことがあった。ひとことで言うと、世の中に「リベラルな会社はない」ということである。多くの人は元来リベラルな職場を望んでいると思う。フラットな人間関係で、みんなでワイワイしながら仲良く仕事ができる職場があれば良いのだろう。しかしながら、リベラルの対義語はパターナルなのだが、多かれ少なかれ職場や会社はパターナルなものだと言うことだ。私も実はなるべくリベラルな職場環境を求めていたし、今もそれを作りたいと考えている。例えば今の環境で言うならば、職員に一律の制服を強制しないという方針はそこから来ているのだ。外から見るとまとまりがないとか、統一感がないとか見られるだろうというのは百も承知である。しかしながら、見た目の統一感よりも、自分の好きな衣服で気持ちよく仕事ができる方が、患者さんにも気持ち良さが伝わるし心地よさを感じて頂けるだろうと考えている。職員たちからは逆に、先生決めてくださいよ・・と戸惑いの声が多いのも事実なので、ある程度は決めているが、本当はみなバラバラに自分の好きなものを着用して働いてくれれば良いと考えている。制服を決めるというある種強制的な力を伴う作業に気乗りがしないということもある。そういう作業をしていると、なんだか自分がヒトラーの元で動くゲシュタポにでもなったかような気がしてくるのだ・・・大げさだが。自分にさほど美的感覚の良さを感じられないというのもある。ともあれ、もちろん実際に居心地が良いクリニックを運営できているかどうかは皆さんの判断することであろう。何よりも自分が誰かに何かを強制されるということがとても嫌なタイプだったのだと思う。開業を決めたのも根っこはそこだと自分では考えている。話は逸れたが、社会一般にも職場というものは大なり小なりパターナルな要素を含んだ居心地のよくないものだという認識は持っておいても損はないと思う。サポーターをしているミシマ社という出版社の配信してくれたウェブ会議を視聴して思いを新たにしている土曜日の朝である。さてと時間が・・・なんだか言いたいことが言い切れない尻切れトンボの今日の文章ですが。

皆さん良い週末をお過ごしください!

2bをどうするのか

7月17日 金曜日

昨日の夜の新型コロナ対策分科会後のニュースで放送されていたのは極めて大事な記者会見だと思いました。座長の尾身先生が新型コロナウイルス感染症の検査に関する現在の問題点についてのまとめをして下さいました。医療関係者・福祉介護などの事業所管理者、あるいは渡航移動を伴う事業や興行経営者の方は必見の内容だと思いました。現在のPCR検査については大きく3つのカテゴリーに分けて考える必要があります。

①有症状者(症状があり、検査前確率が高い群)に対する検査

②(会議では2a)無症状者だが検査前確率が高い群に対する検査

③(会議では2b)無症状者かつ検査前確率が低い群に対する検査

①についてはかなり体制が整っていると思いますし、②の場合にも現在東京では三密を発生するような環境で働く人たちに対して重点的に行われていると認識しています。その結果多くの陽性者が報告されているのはご承知の通りでしょう。クラスター内や濃厚接触者で無症状の方に対する検査もこのカテゴリーに入ります。今回の記者会見ではさらに、高齢者施設や医療機関での積極的な検査もこのカテゴリーに区分けされています。検査前確率は高くなくても、一旦感染者が発生すると死亡症例が発生してしまう可能性が高い群にも検査は積極的に行う指針が示されました。被災地の方々についても、特例的に検査を考えていくとの視点から今回はここに分類されています。最後の部分(尾身先生のパートの)では、現在多くの議論がなされている③に対する検査の考え方がわかりやすく説明されています。民間企業や個人レベルで、海外渡航や興行を行うなどの個別の事情に応じて、各々の負担で検査を行う際の注意点が述べられています。私自身は医療機関の管理者でもありますし、高齢者施設に関わる医師でもありますので、特に②と③についての知見を元に今後の自院のあり方を再度見直していこうと考えています。是非一度皆さんもゆっくりと会見を聞かれてみては如何でしょうか?

 

 

 

 

 

モノを見て過ごす

7月16日 木曜日

15日を過ぎるとやらないといけないことがある。出退勤管理簿の整理である。ついこの間までは管理される側、タイムカードを押す側であったのに・・この変わりようは予想していなかった(いつまで言うてる?!)。いつぞやの会議であったか、医療従事者の権利保障のお話になった時に、とある病院長が、従業員の権利がそれほどまでに守られているのに、私たち経営者の権利はどう保障されているのか?という問題提起をされたことがあった。労働環境の整備をしなければならないという文脈での議論の中であったと思う。経営者の権利という言葉そのものが少し違うかな?と感じたのを記憶している。経営者に求められているのは権利ではなく義務であったり、配慮であったりするものだと感じているからだ。15日を過ぎて、ふとそんなことを思い出したので書いてしまった・・。ところで今、何を一番気にしていますか?と問われたら、2−3割の人は「今日の感染者数」とか答えられるのではないだろうか?それほどまでに私たちの心に棲み着いてしまっているこの問題。 SNSやウェブサイトでの投稿を見ていると、そこまでに対立しなくても良いのにと思うことがある。例えば、PCR検査についての意見の対立が、左右イデオロギーの対立になってしまっていたり。”たかが”ウイルスの検査なのにそこまで言わなくても・・みたいな状況である。マスクをしていないことを注意された人が切れてつかみ合いの喧嘩になっているビデオが投稿されていたりもする。シニカルな冷めた目線でこのようなことを書いている訳ではない。当事者としてコロナウイルス対策には真剣に取り組んでいるつもりであるし、つかみ合いの喧嘩をしている人たちの気持ちもよくわかる。でも敢えて言いたくなるのだ、そこまでせんでもええやん・・・。”たかが”ウイルスにやられてしまうのが人間であると言うのがよくわかったこの数ヶ月だったな。一発の爆弾でもなく、ましてや核戦争でもなく”たかが”数10kbの塩基配列からなる、自分たちだけでは複製もできず、移動もできないただの核酸の集まりの”物体”にやられてしまったのだ・・。養老孟司さんの文章を読んではっとさせられた。私たちはヒトを見ることをし過ぎてはいないだろうか?対人のグローバリズムは、いかに人に受け入れられる動画を作るか?と言うことに腐心するユーチューバーを大量に産み出しているし、ちょっとした些細なひとりの発言が過剰なまでに炎上する社会を作り出しているのだ。対物のグローバリズムをもう少し意識してみよう。今日の感染者数を一旦脇に置いて、今日の裏庭の草花とか、今日の道端のカエルたちとか、今日の雲の形とか・・・モノを見ることに傾注してみても良いのかもしれない。ちょっとここらで、一回息継ぎしましょ。

MSGならぬESG

7月15日 水曜日

先日、ESG経営という言葉を聞きました。この概念今まで知らなかったのですが、Environment-Social-Governanceの略です。これからの企業経営に欠かせないと考えられている考え方です。簡潔にまとめると、環境に対する配慮、人権や社会への配慮あるいは労働環境への配慮、それらを企業ガバナンスの柱に掲げていくということなのでしょうか。ジェンダーや差別問題など、今起きている色々なムーブメントもこの概念に収斂していくのかなと感じています。すでに欧米主要先進国ではアップルなどの企業をはじめとして、これからの企業経営の指針に掲げているそうです。自社に繋がるいくつものサプライチェーンもこの理念を遵守していることが条件になっています。エコバッグに矮小化することなく、環境問題に向き合っていかなければならないという認識を新たにしました。これからの世界はこの問題を避けて通ることができないと思います。そうはいっても温室効果ガス削減・・難しいよねという逃げ口上は今回のコロナ問題で許されなくなったようにも感じます。実際に経済的なロックダウン状況で温室効果ガスは数パーセント減少しているということが誰の目にも明らかになったというわけですから。つまり、やればできるのですが、やろうとすると経済に大ダメージなのでできなかったということなのですね。でもこれに対処できなければ、将来の地球環境や私たちの次の世代に大きな禍根、課題を残すことになります。かつては右肩上がりの成長をどう分けるのか・・ということがドグマであった社会が、損失をどう分担するのか・・ということにすり替わっているのが現状だと思います。認めないといけないのに、認められない症候群ですかねこの現象。実体経済とマネー経済の虚構の間にできてしまった格差を解消することにも繋がるこれからの大きな課題だと思いました・・。あきらめずにやらなくてはいけないことがあるっていうことですニャ (=^ェ^=)

状況判断は変わるもの

7月14日 火曜日

現在のことが2週間後に反映されるというのはなんとも居心地の悪いものです。今の流行状況は3月末によく似ていると言われます。検査体制(PCRの拡充、迅速化)や療養環境の変化(病院の整備)、患者隔離の手順(健常者に対する方法や退院までの要件緩和)、あるいは有効そうな治療薬(レムデシビルやデキサメサゾン)などの情報、整ってきている部分はもちろんありますから、3月末よりもゆとりが生まれており有利な背景があると思います。しかし、ちょっとした風向きで医療体制については容易に危機に瀕する状況になりうるでしょう。継続的で十分な対策が望まれます。前にも書きましたが、受け入れ医療機関の多くがこの数ヶ月間で被っている赤字はそれぞれ数億円をはるかに超えていると言われています。一部の病院で夏の賞与が大幅削減あるいはゼロになっているというニュースでもお分かりかと思います。今後どうなるかわからない状況でかなり困難な経営上の判断を強いられているのも事実なのでしょう。この辺りはやはり国全体として対応をしていただきたいことです。開業医レベルにどうして欲しいとか申し上げるつもりは一切ありません。自分のことは自分の責任でやっていくつもりです。ただ・・他の疾患も普通にある中で、多くの感染症患者さんを引き受けてくれて、ひいては世の中に安らぎを与えてくれる存在の病院を、そこで働く人も含めて大事にして欲しいと考えているだけです。どうか、感染症指定医療機関への手厚い対策と十分な医療資源の投入確保をお願いしたいと思います。一方で私たち個人レベルの対応策も引き続き継続していかなくてはなりません。もう緊急事態宣言はまっぴらだから・・・とか、もうじっとしているのはいやだから・・・とかいう理由で緩める生活様式というのは感心できません。前回書いた二兎、三兎を追うという理屈は、あくまでも冷静な状況判断に基づいて・・という枕詞がついています。リモートワークでも変わらない仕事の質が担保されるのであればそれは継続すべきですし、憂さ晴らしのような複数名での宴会や会食は控えるべきでしょう。地元の飲食店を応援するのであればやはりテイクアウトを積極的に利用するのが良いと思います(なんとかキャンペーンはやはり無理があるかなというのが私の本音です)。きちんと対応できていればリスクは2分の1にも、3分の1にも軽減できると思います。愚痴を言っても仕方がありません、自分なりに考えてやるしかないですね。そして、自分の考えも臨機応変、その時の状況判断と知見の蓄積に応じて変化させていきましょう。その考えを、別の意見を持つ人には無理に押し付けないようにしたいものですね。

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