京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

意外とすごい能力

5月12日 水曜日

AIの顔認識能力ってすごいと思いませんか?私の出身大学のエントランスには顔認識のシステムが取り付けられています。所属教室の教授の顔が認識されなかったという笑い話はこの際横に置いておくとしましょう。所有しているパソコンでも、スリープから解除するときに私の顔を認識してくれます。指紋認証よりもなんとなくあやふやな感じがするのですけど、ある国では町中に設えてあるビデオカメラで個人の顔を認識して居場所を特定するシステムが構築されているという話も聞きます。相当な精度なのでしょう。しかしながら、私たち人間の顔認識能力もそれに劣らず、というかそれ以上に鋭いのではないかと思っています。例えば、マスクをしていてもスーパーで知人と出会うと、かなりの確率でその人って認識できますよね。小生なんかはやや対人恐怖症的なところがあるのですけど(仕事中は何でかその恐怖症が解除されています)、顔半分隠れてるんやからマスクをしてたら大丈夫・・とか考えながらお店に行っても、すれ違う時に『ん?』っていう顔をされてしまい、特定されているなと思うことがしばしばあります。自分でも、何となく知り合いっぽい人が周囲にいるだけで雰囲気を感じることってありますよね。何なんだろう、そのセンサー。まだまだAIにはゆずらないぞっ脳味噌の代わり!

 

ところで芸能人の政治的発言が議論を起こしているようです。そんなこと言ってたら、ジョージ・クルーにとかデ・ニーロとかメリル・ストリープとかどないなんねんとか思いましたがそれはさておき・・・。基本的には言いたいことを言えないのは可哀そうだなと思います。所属事務所とかCMスポンサーとかがあるので大変なのでしょうね。芸能人だから黙ってろという批判をする人は論外だと思いますが、かと言って、声を上げている人が偉くて勇気があって、そうでない人は意気地がない・・的な議論もおかしいなと思います。言いたいけどあえて口を開いていない人もいると思いますし、歌や小説の作品に自分の考えを表現しているアーティストだってたくさんいます(ま、それが王道ですかね)。でも、言いたくても言えないとか、外をマスクとか帽子で身を隠しながらしか歩けないとか、純粋に可哀そうですので、そういった文化は変わっていけばよいなと思います。芸能事務所とか広告代理店とかなくなれば良いのにね~・・よう知らんけど。

どうします・・・こんなんありますけど (・Θ・;)  ↓

もうすこし冷静な論評をひとつ・・・

映画『マネーモンスター』のプレスカンファレンスの動画のようです。お隣はジュリアロバーツかな。字幕入れないと理解できなかったけど・・・。上のやつより冷静なコメントでございますね。

え?それで自分の考えは述べないのかって・・? そうですねー、話題になっている法案のことは何か月も前から存じ上げております(ひそかに国会ウォッチャーですからね)。いちばん鳴きのカナリアさんだったかもしれませんね(^^)

なんとなくもやもやとした気分ではありますが・・・みなさま今日も一日頑張りましょう。では

Have a nice day!

 

苦は楽の種・・・

5月12日 火曜日

家で過ごすことが多かったことでよかったことはいくつかあります。本がたくさん読めたこと、映画とかドラマをたくさん観ることができたこと、普段はあまり気の付かないところのお掃除ができたこと、あと良い音楽をいくつか見つけたこと・・でしょうか。いずれもまたここで共有してみたいと思っていますけれど、今日は音楽のご紹介です。

mxmtoon(なんてお呼びするのか全くわかりません)というアーティストのprom dressという曲です。ほんとにたまたま出会った曲なのですが、とても良いです。アメリカの高校生を描いたドラマで必ずと言っていいほど出てくる、卒業時のプロムというダンスパーティーみたいなの(知らんけど)でのちょっと切ない気持ちを唄っているようです。インディーズというのか、宅録系というのか、とりあえずspotifyでも検索できるのでそれなりにファンがいるのだと思います。ユーチューブでもオフィシャルビデオクリップがありますので、ご興味のある方はどうぞ視聴してみてください。それにしてもpromってなかなか私たち日本人には理解できそうでできない文化ですよね。ドラマでは卒業を控えた高校生の一大イベントのような感じなのですけど、アメリカの高校でのスクールカーストみたいな世界で、女子の羨望の的である男前アメフトプレイヤーがいて、主人公のgeekな設定のいけてない男子が、同じ女の子に恋をして・・・みたいなのよくありますけど。

そんじゃ今日も皆さん、Have a nice music and a nice day!

 

 

 

ワクチン開発の現在

5月11日 月曜日

現在例の感染症に対してキーとなると言われているワクチンの開発がどの程度進んでいるのか、皆さんの興味のある事柄であると思います。およそ90社が開発に着手しているようです。英国、米国ではすでに3段階の2段階まで終わろうとしているものがあります。そこから先が結構高いハードルなのですけど、いずれワクチンはできるであろうと大方の学者は予想しています。ワクチン開発の主流は抗原抗体反応を利用したものなのですが、最新の技術を利用したDNAワクチンというのもあります。まだこれは具体的に臨床応用したものはないので未知数と言えば未知数なのでしょう。ちなみに大阪大学と大阪府が共同で開発しようとしているのはこの範疇に属するものです。ところで、もとの3段階の臨床試験に話は戻りますが、そこから先は千人単位の健常者に実際に投与してみて、副作用がないかどうか、実際に感染予防効果があるのかというのを評価することになります。千人単位の対象者で実際の自然感染が発症する確率は数人程度でしょうから、その効果の確認が非常に困難であろうということは想像に難くないですね。あと、いったんそれで開発された場合でも、次には薬剤の大量生産とその後の分配の問題もあります。開発国と輸入国のパワーバランスとかも影響するでしょうからそこにも困難な問題は山積しているといえますね。実際に映画コンテイジョンではワクチンの取り合い騒動が描かれていました。ま、とにかく希望をもって今後の開発状況を見守りたいと思います。

ところで・・・千人単位を集めて効果を確認する際の困難性を非常手段を用いて乗り越えようとしている国があります・・・アメリカですね。なんと有償のボランティア(ボランティアと呼んで良いのかな?・・・この場合)に、感染が発症するかどうかをただただ眺めるだけではなくて、実際に病原体に暴露させようとしているらしいのですね。ま、控えめに言っても人体実験ですけど。その対価はいくらか?・・・書かないことにします。周りを見渡すと・・・お隣の国もそういう荒技持っておられそうな感じがしますよね。

以上、ジャーナリスト神保哲生さんと免疫学者・宮坂昌之先生の対談で得た情報をもとに書いてみました。

それではみなさん今日も・・Have a nice day!

よろしくねの圧力

5月10日 日曜日

現在、外来をしているとコロナに相当メンタルを傷めている方がいらっしゃいます。むりもないです。幸か不幸か私たちは法的強制力を持たない言葉で、私権の制限を伴う生活や経済活動の自粛を求められ1か月が過ぎようとしています。みなさんの心の中には、私のせいで感染が広がってしまったらどうしよう?という不安にやられている方が少なくないと思います。自分が罹患する心配よりも、他人へうつしてしまう心配のほうが精神を蝕む度合いが高いのだなと感じています。万が一、自分が絡む感染者が発生してしまったら、ほらあなたの自粛は甘かったんですよ・・・って責められそうで怖いですよね。先日営業自粛のためテイクアウト対応のみで活動されている飲食店店主さんがおっしゃっていたことが印象的でした。『とにかく、みんな自分のところから感染者をだしたくないとその一言ですよ』 この思い、実は私たち医療者も相当程度考えていることと一致します。さらには現在議論されている学校休校の延長か解除か問題も、突き詰めるとその問いに行き当たるのではないでしょうか。仮に、休校解除したときに、不幸にして児童や学生から感染者が発生した場合に沸き起こる世論のレスポンスって容易に想像されますね。『ほら、だから・・・』 そもそもこの感染症ってチキさんの言葉を借りると”ワンストライクアウト”の疾患だということなのです。つまり、それまでどんなに念入りに気を付けた生活や行動をしていても、ちょっとした気のゆるみでたった一度だけウイルスとの接点を持ってしまうと、ハイ!感染成立 (やや誇張していますけど)なのです。そんな状況をみなさんひしひしと感じているので、自粛要請ですよ、みなさんよろしくね~っていう圧力!!!を感じ続けてはや1か月ですもの、これはきついですよ。逆に強制的にこうしなさい!って言われて、いざ悪い方向に行ったとしても、まあ仕方ないかっていう扱いを受けたほうが気が楽ですからね。ただこの強制力を伴わない自粛要請も小生は、法的強制力のない自由の保障という観点からはとても価値のある大事なことだと考えています。これを生かすも殺すも私たち次第なのかな。みんながある一定のリスクを引き受けて、思っていたことと逆のことが生じた場合にも、何かの政策決定をした人や行動をした人を非難する方向に向かうのではなく、寛容な気持ちで住みよい社会をつくっていく意思を持つことが求められているのではないでしょうか。

 

 

おどろいたこと

5月9日 土曜日

昨日の夜は今はやりの(?)オンライン会議をしてました。わりと議論は盛り上がりまして、終わったらちょっと疲れた感じでしたが、ひと仕事残っていたのでそれを終わらせて、夜は遅くなってたのですけど斉藤和義さんのベリーベリーストロングのライブ版を見てました。斉藤さんなんかやせた感じだけど・・これは3年前の映像か。しかし迫力あるなー彼のライブ演奏。それからもっと驚いたことがありました。もうかれこれ10年前くらいでしょうかね、アメリカNYのコロンビア大学移植外科に見学に行ったことがあるのです。同い年のドクター・サムスタイン(ユダヤ系なのかな?)にトコトコとついて回っていたのですが、夜中に彼がアテンディングとして呼び出されて、ぼやーっとした表情で寝ぐせをつけながら現れるのですけど、数分後には” It’s show time!”とか言いながらかなりのハイテンションで手洗いをされていたり。そうかと言えば、チェコとかカナダからのフェローが、『もう3日くらい家に帰ってないな~離婚寸前カモ』とか言いながら、タコ部屋みたいな小部屋で仮眠をとりつつグラフトの到着を待っている・・・みたいな状況をみて、外科医の生活って、どこの国も同じじゃんって感じたことを思い出しています。それでですね・・・現在そこの主任教授をしておられるドクター・ケイトー(実は日本人なのですけど、ケイトーって呼ばれておられます)がCOVID-19に罹患されていたらしく、重症肺炎からECMOをふくむ重症ケアを受けておられたそうなのです。なんと無事に回復されて、病院内で歌も歌えるようになりましたっていう記者会見を普段診療されているプレスビテリアン・ホスピタルのロビーのような所で開いている動画が公式ホームページにアップされていました。ECMOを要する肺の状態のCTって本当にもう絶望的な感じの所見に見えるのだけど、スーパー外科医は治癒力もスーパーだったのです。小児の肝移植とか、多内蔵移植を手がけておられる先生のおかげで助けられた子供の命はたくさんあると思います。ほんとによかったな~(^^) 亡くなる方もおられるのだが、一方で奇跡とも思える生還をされる方もおられる。無症状でいつかかったのかわからないような人もいれば、数時間の間に重症になってしまう人もいる。何によって左右されているのだろうか、まだまだ分からない点が多い新型ウイルスによる病態です。

バンクシーの作品がいろいろな解釈議論を呼んでいるようです。賞賛説と風刺説に分かれているようですが、何かを賞賛しながら、別の何かを風刺するという手法なのではないかなというのが小生の視点です(あ、これはどちらかというと風刺説になるのかな)。ま、芸術作品とか小説や映画の解釈って、別に正解があるわけではなく、読み手や受け取り手が10人いれば10通りのやり方があっていいのではないのかな・・・そんなに相手をやり込めてしたり顔のツイートばっかしなくてもって思ってしまいました。

連休が終わったと思ったら、すぐに週末が来たので何となくうれしい・・それではみなさん

have a nice weekend!

意外な落とし穴?

5月8日 金曜日 晴れ

暖かくなってきました。話題は相変わらずコロナ関連が多いのですが、意外にこの時期忘れられがちな注意事項があります。一つは食中毒への警告、もう一つは脱水症状への注意喚起です。特に最近はテイクアウトの食品を食べたり、昨日の作りおきとか食べ残しを・・ということが多くなっているのではないでしょうか?カンピロバクターは鶏肉に付着している細菌の一つで、夏場に食中毒原因菌として報告が増加するものです。鶏卵からのサルモネラ菌もあります。熱に強いウェルシュ菌は、例えばカレーを煮込んだ後にも少数存在していることがあるため、常温で半日保存しておいたら・・・ということもあります。などと偉そうなことを言っているのですけど、わたしも食品の保存にやや無頓着なところがあります。自省も込めてお伝えしておきます。あと、寒暖の差もあり、急に気温が上がったりする日がありますので発汗や不感蒸泄量が増えてくるため、意外と脱水症状も発症することがあるのですね。真夏だとみんなある程度気を付けるのですが、まだそれほど体も暑さに順応しておらず、気を付けていないような今の時期にも侮れないことの一つであると思います。コロナにも気を付けて、でもコロナだけではないのでそれ以外にも留意してお過ごしください。それでは

have a nice day!

生物と無生物の境界

5月7日 木曜日

昨日はウイルスの悪口を書きましたので、今日はより中立な立場でヤツらを論評してみましょうか・・。そもそもウイルスとは生物なのか物質なのか?どう思われますか。実はヤツらは物質であると定義されています。生物の定義である3条件は次のようになります。①外界と膜で仕切られている②代謝を行う③自分の複製を作る ヤツらは自分たちだけでは自己複製ができません。宿主となる細胞に入り込んで、そこにあるものを利用して複製していくのです。自分は自己複製のためのマップをもってはいるのですが、タンパク質合成の仕組みをもっていませんので、それを宿主の細胞から奪い取って利用しているのです(なんとも厚かましい)。まあこれは生物の定義をヒトが勝手に決めただけなので、ヤツらにしたら異論があるかもしれませんね。一方で、ウイルスというと病原体としての悪い側面から論じられることが多いのですが、じつは人間はそれをいろいろなことに活用しているのです。例えば、がん治療に応用されるような創薬にウイルスが用いられていたり、最近ではウイルスの一種であるファージと呼ばれるものの性質を利用して、リステリア菌とかサルモネラ菌などの食中毒を防ぐための食品添加物として米国では実際に利用されているとも聞きます。敵であり仲間でもあるウイルスについての知識を深めていくと、それはそれで興味深いものとなりますね。

動画ソムリエでもある奥さんから教えてもらいました、これ↓ 感染症指定医療機関で頑張っている医療者の皆さんへとどくと良いな・・・

最近は患者さんの診察の最後に『それではお互いかからないように気をつけましょうね』という言葉をかけることが多くなりました。今までは一方的に『それではお大事に』だったのですが、今は何となく同じ地平線上に立っている感覚があります。ちょっといいな・・と思っています。アメリカでは、お別れの最後にstay safe!というそうです。

それでは3日ぶりの診療です。みなさん have a nice day and stay safe !

読書レビューです

5月6日 水曜日 夜は雷雨だった

それではお約束通り、最近読んだ本のレビューを。タイトルは『インフルエンザ・ハンター ウイルスの秘密解明への100年』ロバート・ウェブスター著(岩波書店)です。原書も見てみましたが、翻訳書ではいくつかの図表が割愛されているようでした。ちょっと長くなりましたが・・どぞ。

話は1918年にパンデミックとなったスペイン風邪に始まる。当時の世界人口約18億人の実に30%が感染し、5%以上の約3000万人がそれにより命を落としたとされるモンスターウイルス、H1N1亜型インフルエンザウイルスによる人類史上最悪の災禍である。ちなみに現時点での全世界におけるCOVID-19による死亡者数は24万人であることを考えるとその規模の大きさが理解できよう。当時第一次世界大戦の戦後処理策を検討していた、米国大統領のウッドロウ・ウイルソンも感染し、もしかすると脳炎まで起こしていたのではないかという逸話は印象的である。我々はそれから時を経て約90年後に、この時のH1N1亜型ウイルスと非常によく似たウイルスである、新型インフルエンザウイルスによる21世紀初のパンデミックを経験するまでに、アジアかぜ、香港かぜ、さらに1997年に香港で発症した鳥インフルエンザなどを経験することとなる。筆者は60年代より、インフルエンザウイルスの探索や研究にかかわっており、当時のエピソードなどを踏まえてその過程を本書に活写している。今でこそ明らかとなっている事実であるが、インフルエンザウイルスはその種々の亜型を水禽の生体内に宿しており、それが各国の市場で扱われることとなる家禽に伝播し、ブタなどの中間宿主を経て人間に感染症を引き起こしている。その途中でウイルスの遺伝子分節の交雑と呼ばれる組み換えを経て、より強靭なウイルスとなり1997年には香港で、2000年代にはベトナムなどで、非常に致死率の高い鳥インフルエンザとして姿を現すこととなる。物語は1967年に(私の生まれた年!)著者が当時気鋭の科学者であったグレーム・レイバーと、オーストラリアはNSWの海岸を歩いている際に、マトンバードという渡り鳥の数羽の屍体を目撃することから始まる。これをきっかけに彼らは家族らを連れた大掛かりな調査旅行(という名の冒険旅行のような感じ)を経て、マトンバードの個体からH6N5型の鳥インフルエンザの同定に至る。その後、野鳥とりわけ渡り鳥におけるインフルエンザの感染調査がなされることとなるのだが、時代は折しもアジアかぜや香港かぜと呼称されたパンデミックが発生していた頃に重なる。彼らの活動は必然的に、中国や香港などのアジアでの生鳥市場や豚などの食肉処理場に場を移していくこととなる。その過程では異なる種の動物の間で(これにはヒトも含む)ウイルスの亜型間にどうやら類似性が認められることだけでなく、交雑と呼ばれるウイルス間の遺伝子の組み換えが生じていることが明らかとなる。かくしてアジアの生鳥市場や家畜飼育場はウイルスの温床であることが分かってきたのである。1990年代までには鳥→豚の感染経路を疑う学者はいなくなったが、あらたな問題提起として、鳥→ヒトの感染経路の証明に研究の焦点が移っていくこととなる。1997年5月21日香港のクイーンエリザベス病院で亡くなった少年から検出された、それまでアヒルや鶏からしか検出されたことのなかったH5N1亜型のウイルスは、鳥からヒトへの感染が発症しうるのか?という問いへの動かぬ証拠(smoking gun)となった。恐怖の新型ウイルスの出現の瞬間である。話は徐々に生鳥市場などの感染対策に触れていくこととなるが、そこでは市場を完全に閉鎖、殺処分、検疫を行い鳥インフルエンザのパンデミックを防いだ香港の業績にも論及されている。著者はそういった政策のバックアップに必要な、業者への経済的補償の重要性にも触れている。今や私たちは遺伝子情報をもとにいろいろなウイルスを作成する技術を手にしており、1918年に流行したスペイン風邪のウイルスを複製することも実際には行われている。これにはバイオテロなどへの悪用の懸念から、慎重な議論がある(著者はこれを評して“パンドラの箱を開けた”と表現している)。いま世界は奇しくも新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われているのだが、物語ではこれから先、H5、H7型の新型インフルエンザがアウトブレイクした場合に人類に起こる壊滅的な打撃から自らを守ることを見据えた対策を講じていく必要があると締めくくられている。

ふーつかれた。よっぽどstay at homeで時間があるんだなって?そうなんですよね。これを読んだ小生の感想は、やはりウイルス学者は現在起こっているパンデミックについて明らかに予想し私たちに警鐘を鳴らしていたのだなということです。もちろん、コロナウイルスが・・とかいう予言ではないのですが、パンデミックウイルスへの対策に重要性を見出していたと思います。それに気づいていたのはもしかすると一部の映画監督だけかもしれません(これはやや大げさですが)。しかし今回のことで、わたしたちは一つのウイルスの出現が、それまで私たちが築き上げた世界を一変させてしまうくらいの破壊力をもつのだ、ということを学びました。ここで覚醒しなければ私たちの未来に明るいものはないでしょう・・・。

医師の資質

5月5日 火曜日 晴れそう

昨日の夜はお気に入りのラジオ番組で、国立国際医療研究センターの大曲先生のインタビューがあったので聴いておりました。もちろんまだまだ気を抜けない状況ではあるのですが、大分ゆったりとした口調でお話をしておられたように感じました。4月上旬の状況からするとある程度のゆとりが出てきているようです。ほんとによかった。この一か月間はとくに医療態勢を支援するのに全力を投入する期間だったと思います。それがある程度達成されつつある今、医療以外の領域、特に経済分野への目配りが必要となってきます。さらに重要なのは、関係者への差別意識の問題があります。病院とその関係者や感染者を見る目がとても厳しいように思います。これは真実かどうかは存じませんが、ある地域では感染した患者さんが特定されて、住民からの非難を浴びたために引っ越しすることを余儀なくされたということもあると聞きます。医療に携わる者として、曲がりなりにもこの感染症の特異性と困難性を知るものとして、このようなエピソードは端的に言って最低だなと思います。悲しみの感情しか湧いてこなかったです。この国の民度はこんなものなのかと思いました。私はそんな地域や国に住みたくないなと考えています。新型コロナウイルス危機は、私たち人間にとって、より賢くなっていくチャンスになるのかあるいは、より分断を深めて狭量な世の中を作っていくのかの試金石を与えてくれているように思います。このちょっとした猶予期間に私たちは是非ともそういったことについての学びを進めていかなくてはいけないと思いました。

https://www.tbsradio.jp/479720

とくに後半の部分(44分以降)、必聴かなと思います。大曲先生の語り口はソフトで、その考え方には患者さんへの優しさがあふれている感じです。治療のエキスパートであるだけでなく、その周囲への目配りもできることが医師としてとても大事なのだなと改めて感じました。

先生のご紹介されていた日本赤十字の啓発動画です。

https://youtu.be/rbNuikVDrN4

明日は・・・・ウイルス感染症の代表的病原体であるインフルエンザの研究を綴った書物を読んでみましたのでちょっとレビューしてみたいと思います。それでは have a nice day!

 

開陳するのは恥だが

5月4日 月曜日

・・・役にたつ っていうことで(タイトルから続いています)、今日はちょっとした失敗談をご披露しましょうか。もしかしたらみなさんのお役にも立つかもしれません(especially for Jukensei-san…)。時々英語で書かれた文章を読むように心がけているのですが、ずっと誤解していた句に最近気付かされたのですね。それはこんなやつです。….my loving wife… さて、どう理解されますか? ずっと私これを、私の愛する妻と解していたのです。ところが本当は、私を愛してくれている妻という意味であることがわかりました。文法用語で解説すると、現在分詞が名詞を修飾する場合には、その名詞と分詞の関係は主語と述語の関係が成立しなくてはならないということになります。すなわち、wife(名詞)とloving(分詞)は主語述語のつながりになるわけです。「妻が愛している」というわけですね。お手紙などで、最後に差出人として ” your loving friend “とひとこと書いておくと、あなたを思う親友よりみたいな意味合いでちょっと良いですね。 はー勉強になった・・・ということで、小生高校生からやり直しが決定しました。娘とかに偉そうに英語を教えてあげるわとか言ってたのですけど、しゅんたろうになっています。愛する妻・・が言いたいのであれば…my beloved wife…とかになるのかな(ちょっと自信ないけど)。

https://twitter.com/AnthonyHopkins/status/1256989440603328513?s=20

アンソニーホプキンスさん・・・ピアノもお上手なのですね。go gentle about your dayも味わい深い表現です。映画インターステラーでなんども呟かれていた詩の中にも出てくるそうです。Do not go gentle into that good night 穏やかな夜に身を委ねてはならない・・・

なかなか、今の状況にしっくりくる表現に出くわしたところで・・ have a nice day!

 

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