京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

二つの顔を持つ小説

7月27日 木曜日 晴れ

暑い暑い・・・あさは比較的涼しかったのですが、やっぱり暑かった、今日も。お仕事終わってから、近隣病院でのセミナーである木七レクチャー(もくしちレクチャーって読みます)っていうのに行ってお勉強をしようと思っていたのです。ちなみにこれは病院の研修医の先生方に行われる勉強会でして・・そこで小生も学んでおきましょうと考えていたのです。え?研修医の勉強をお前が・・・・?っていう方、おられると思います。はい、そうなのです。ほら、プロ野球選手だって、キャッチボールとか素振りとかするじゃないですか。何事も基本が大事なのですよ(ちょっと言い訳も入っていますが)。で、そのお勉強会ですが・・・お仕事が終わったら、なんだかどっと疲れてしまいまして、30分だけ眠ってから、なんて思ってたら完全に寝過ごしてしまいました。ま、それだけの今日のブログ・・・

ま、そんなこともあるさ・・って思いながら、ふと見てみた高橋源一郎さんの講義録、これがめっちゃ面白かった。国民的文学とされる漱石の坊ちゃん解題!!今なら、坊ちゃん文学賞っていうと青春文学の登竜門とされていると思うのですが、当時の知識人が読むそれは一味違ったのではないかと・・・。なんと坊ちゃんって政治小説だったのだそうです。坊ちゃん、山嵐、きよ・・・の会津・奥羽越列藩同盟の佐幕派 VS 赤シャツ、野だいこなどの西欧文化を取り入れようとする新政府軍の戦いとして当時は投影されたのではないかという読み・・・!小説ってこうやってじっくりと読み込まないといけないのですね。

なつやすみ

7月21日 金曜日 晴れ

梅雨も明けて、ちびっ子たちの大好きな夏休みがやって来たようです。気温はいきなりフルスロットルで、猛暑とか熱帯夜というような気象用語がニュースを飛び交っています。初診患者さんの主訴(今日は〇〇で病院にやって来ましたという主たる不調の訴えです)に「えらいんです」という悩ましい一語の入る率が著しく高まる時期でもあります。この言葉には含意が多過ぎて、そこから身体症状に結びつけていくのにちょっとした手間がかかるのですよ。(病院に行く時には、なるべく具体的な不具合を訴える言葉を用意された方が効率が良いように思います・・・)夏休みはもちろん楽しいことが目白押しで、子供達は大喜びなのですけど、いつもちょっと物悲しい気分が心の一部分を占めています。暑い1日が終わろうとしている時に、西の空を赤く染める夕日を眺めるとなんとなくもの思いにふけるのですよね・・8月6日、8月9日、8月12日とか8月15日のこととかがあって。たぶん毎年同じような話題を書いていると思うのですけど。今年も8月は関連の書物を読もうと考えています。今から少し予備知識を頭に入れながら過ごそうとしているところです。歴史には、その時の空気を変えたり、潮目の変わる一瞬の出来事があると言います。この時代ももしかすると後から振り返ると結構ターニングポイントとして振り返られることになるのかもしれません。ナショナリズムとグローバリズムの対立軸であったり、反知性主義と呼称されるようなムーブメントだったり。過去の世界歴史でのターニングポイントとして、満州事変から国連脱退までの日本の振る舞いが挙げられることが少なくないと聞いています。このあたりのお話をちょっとお勉強してみようかな・・今年のお盆は。

で、一回アップしてみたのですけれど・・・なんとニュースステーションに(違ったかな?タイトル)オダジマンが出ておられたのでビックリ・・・名コラムニストであるのですが、一躍全国区に・・(失礼な言い方お許しください)。

Honesty pays…

7月20日 木曜日 暑い・・・

毎日暑い日が続いています。梅雨も明けたようですし、さらにこれから夏本番となるのでしょう。地区の子供さんたちは、今日が一学期最後の日だったらしく、午後に車を運転していると、楽しそうに友達と遊んでいる姿が散見されました。自分の子供の頃のことを少し思い出しましたが、夏休みのはじめの頃って、宿題毎日きちんとやって・・とか思っているんですけど、一日が過ぎ、二日が過ぎていくうちに・・一週間を越えるともうちょっと諦めの境地になっていくんですよね。それで最終的にはもう投げやりな感じで、お休みの終盤を迎えることとなります(泣)。

今の政治の世界を見ていると、おんなじような投げやり感を感じてしまいます・・。ちょっとごまかしていただけのつもりの方便が、次の矛盾を生んで・・さらにその先に言い繕わないといけない事態を引き起こし、みたいな。そこで・・・冒頭のタイトルですよ!!

Honesty pays in the long run.

正直は引き合うのです、とどのつまり・・・

いろんな生き物のこと

7月17日 月曜日 お休みの日

この世で最も個体数の多い生物は何だと思いますか?

オキアミだそうです。オキアミといえば、小型のエビみたいな形態で、鯨の餌だったり、冷凍された塊を魚釣りの時の撒き餌として使ったりのあれです。南極大陸の冷たい海底にほど近い部分に超!大量の生息地帯があるのだそうです。潜水艇が潜行すると、あたり一面がオキアミだらけで前方確認不可能の状態になるらしいです。彼らが食べられた後には、小さな魚は大きなものに、大きなものはそのまた大きなものたちに食べられて、その捕食者たちの食物連鎖で大きな生態系が成り立っていくわけです。してみると、私たちの生命の幾ばくかの部分はオキアミによって支えられているとも言えるのかもしれません。南極といえば、海水温の上昇がこの数年間の中で2度(水温で)もあるらしく、サメやカニや諸々の上位捕食者たちが、冷温海水によって維持されていた安全地帯に侵入してきているらしく、こんなところにも生態系のほころびの原因となりうる一旦がかいま見えるそうな。数日前に目にしたニュースで、南極大陸から融解して切り離された大きな氷山ができたという話を耳にしましたが、いくつかのpros & consはありますが、やはり温暖化は進んでいるように思われます。すくすく育つパンダの赤ちゃんだとか、九州の災害現場で懸命に働いてくれる災害救助犬とか、人間を取り巻く生き物のニュースをよく目にした一週間だったなあと・・考えています。ぼんやりの休日・・・

The New YorkerのDaily cartoonに掲載されていたマンガが秀逸でした。

東の村上春樹、西の・・

7月13日 木曜日 晴れ

佐藤正午・・・ということらしい。直木賞にノミネートされているそうな。2作だけ読んだことがあるのだが、いずれも不思議な読後感のある作品だった。アンダーリポートはちょっと推理小説っぽいテイストもあってよかった。「5」は、何のことやら・・っていう展開になっていくのだけれど、最後には一見ありふれたようだが、味わいのある冷めないスープに落とし込まれていく・・。佐藤さん・・直木賞とっちゃうんでないかな!

今日はC型肝炎の最新治療についてのご講演を拝聴。疲れたので深夜食堂のDVD見ながら寝オチしていく予定なリ・・・。

含蓄

7月4日 火曜日 警報鳴ったよ・・

7月4日に生まれて・・・の7月4日は、午後から大雨洪水警報の町内放送が鳴り響く1日でした。午後はほんと土砂降りで・・、往診のカバンを雨避けにして走って車に乗り込んだというトホホな一日。さてさて、医師会から「微生物薬適正使用の手引き」なるものが送られて来ましたよ。微生物薬・・すなわち抗生物質と称される薬物のことですね。一般的には”化膿止め”とか表現されます。風邪を引きました〜病院に行きました〜お医者さんから〜抗生物質出しときましょう・・・っていうお話はよく耳にしますよね。その抗生物質っていうやつをちゃんと使いましょうっていうお触れが届いたわけです。抗生物質は、端的に言うと細菌感染症にしか効果を発揮しませんので、その多くがウイルス感染症である風邪には、部分的な効果しか期待できないでしょうって言うことなのですね。にもかかわらず、世間一般で風邪には抗生物質でしょうって言う間違った観念が浸透している現実に鳴らされている警鐘です。こういったお触れが医師会から送られていることには隔世の感を抱かずにはいられないのですけど。風邪には抗生物質!とか、頭を打ったらなんでもCT!(CTの被曝リスクと検査の利得の評価ということです)とか・・過去のゴールデンスタンダード(とされていたこと)への再評価の時期がやって来ています。choosing wisely…我々市民には、いろいろとchooseしないといけない場面が日常的にあるわけでして、含蓄ある言葉ですね。そうそう、一昨日は首都が、まさにそのchoosingな1日であったわけなのですが、果たしてchoosing wiselyだったのか、choosing foolishlyだったのか・・・いつ私たちは悟ることになるのでしょうか。いつのまにか忘れちゃってるんですよね、その評価とか決算を。このスローガン、国民的なスローガンにしなくっちゃ・・って思っています。

7月4日に生まれて・・っていう映画を見るといつも、人間って何回も同じ過ちを繰り返すんだなあと思わされます。だって、この映画とか、デビッド・フィンケル著作の「Thank you for your service」とかマイケル・J・フォックス主演のCasualties of warとか・・帰還兵の憂鬱なストーリーってこの数十年間の持続的なテーマなんだもの。

たくさんの師匠に出会った一日

6月28日 水曜日

午前中しんさつ〜・・終わってすぐに駆けつける一件、それなりにやはり反省することのある1日。そのあと往診〜、それからちょっと読書〜地域医療にそのお仕事を捧げられ、難病に倒れられて今年3月に亡くなられた先生のお仕事を読む。〇〇にたかるなっていうインパクトのあるタイトルの著書のある先生です。〇〇の部分に入る単語は、もちろん・・・医療です、ハイ。なんとなくそれだけで、仰りたいことの3割・・いや5割はわかる気がします。〇〇に入る単語は、今の世の中いろいろと応用が利きそうです。

そんだけ崩壊しとるってことで・・・

日本一小さな本屋さん・・隣町書店でして。

無理やり作っていただいたナポリタンは、予想外にスパイシーで美味しく

平川さんの手触りのある書物を手にとることができて・・・直接のメモ書きとかあって。

サインも頂くことができて・・・

師匠の交遊の界隈の名越先生(バンキシャとかに出ておられる、あの名越さんです)の書籍も購入して

やっぱりサインを頂いて・・・

だから有意義な日が、なおのこと重要な1日になったのであります。シアワセ・・・

カエルの跳躍

6月26日 月曜日

毎朝1日の始まりに行うこと、それは路頭に迷っているカエル君たちの誘導である。クリニック裏の田んぼから飛び出してきたカエルは駐車場で前後不明になり、立ち往生しているのである。皮膚も乾燥して、かなりぐったりしている者達を田んぼにうまく誘導してやるのだ。まだ体力に余力の残っている者は、かなりの跳躍力を見せるのだが、中には瀕死の重傷者達も存在する。ところでカエルって、自分の体調の10倍ほどの長さも飛び越えるのだけれど、大きな体のやつは、2,3回の跳躍で、しばらく力を失うようだ。そして、数秒間のちに再び大きく跳躍する。おそらく筋力が回復するのだろうが、その回復力たるやかなりのものである。カエルの筋肉を研究すると走り幅跳びの選手の記録向上に役に立ちはしないだろうか・・・。なんて、もう研究されてるだろうな。

そうそう、東京でのお勉強のご報告でした。医学書院っていう出版社の主催する教育セミナーに行ってきたのであります。講師の先生方は名だたる総合診療の名医ばかりです。今までに行ったことのあるセミナーとか講演会とは違って、講師に大学教授は一人もおられませんでしたし、ネクタイをしている人が誰一人おられませんでしたね。フランク、風通しが良い、偉いのに低姿勢・・っていう先生方ばかりで、楽しかった。それにしても、自分自身の診察(特に身体所見の取り方)について、深〜く考えさせられた1日であった。すぐにその気になる私は、早速今まで見向きもしたことのない身体診察の教科書を(サパイラです)をポチるのであった。 

右奥でお辞儀をされているのは山中先生です

闘魂!の徳田先生の講義がこれです。日帰りで慌しくって全くゆっくりとできなかったけれど、濃厚で有意義な1日でした。有意義だったもう一つの理由はまた明日!

たまにお出かけ

6月25日 日曜日 曇り

東京で総合診療の教育を受けてきた。正確に言うと、これから受けるのである。朝は駅にある喫茶店のミニモーニングを頂く・・・(そ言えば、昔ありましたね、ミニモニっていう女の子のグループ)。久しぶりに手に取った龍さんのエッセイの頁を繰りながら。半分に切ったトーストに添えられていたのは、マッシュポテトの上に、デミグラスソースと目玉焼き(半熟の)がのせられた小皿である。ちょっとデミグラスソースがかかっているだけで何となく腹持ちが良いものだ・・。車窓からは、中部地方の山々に雲がかかっているのが見えているが、この調子だと富士山は望めないのかもしれないな・・・。手に取った朝刊には神戸で講演をする総理大臣の発言や、「遠隔診療の未来」といった記事に目が留まる。確かに、この一年の間に手元に来るメールで、それに関する内容のものが増えているように思う。未来投資会議なる政府直轄の会議で2018年の診療報酬改定の俎上に上るとか。今後高齢化する我が国において、慢性疾患の治療からドロップアウトする患者さんたちをこうした効率的なシステムで拾い上げ、健康状態を維持して病気の悪化を防ぎ、ひいては医療費抑制につなげようということなのだろうか。確かに、日頃から40歳から50歳台の働き盛りの方々の治療継続状況は悪く、これを何とかしないとって思っていたところである。小生はそれに対しては、なるべく状況が許す範囲内での処方日数の延長や、職場検診を最大限活用して、病院検査を必要最小限度に抑えて、診療に関わる費用を抑えようということを心がけてきたつもりである。それなりに効果はあるだろうと思っているし、実際、そういう方々に情理を尽くして“今の”健康状態への留意を促せば、徐々にわかってくださる方が多いとも感じている。確かに、遠隔診療システムが普及すれば、物理的制約から通院がおろそかになってしまう方には便利だろうと思うのだが、必然的にそれへのアクセスは、会社がはけてからとか、休日とか、えてして医療機関側にも負荷とそれなりのコストが伴って来るというのは想像に難くない。アクセスするにはやっぱり順番待ち、とか予約するのが何日か後の何時・・ということになると、やっぱり面倒だよね、ということになりかねない。2018年の改定というと、まさに来年の4月であり基盤整備がそれまでに十分に行えるとは思い難い。そうか、それでメールがたくさん来てるのだな。でもジブンにはちょっと今は手は出せそうにないや・・。日常診療で手一杯かな。

やっぱり見えませんでした・・日本一のやま(泣)

ダイバーシティ

6月20日 火曜日

月に一度、異業種の方と懇談する日であった。小生の心の中ではリフレッシュの1日であり、自分の行動の座標軸のリセットをする1日でもある。こういう仕事をしていると、ともすると独りよがりであったり、常識から逸脱した判断や行動に陥りがちなのだと思っているので、そういう観点から適切に助言をいただく貴重な機会でもある。イエスマンばかりを傍らにはべらせるとどういう事になるのかということを、わかりやすく体現してくださっている方が世の中にはおられますので、自らを世間の目に晒すという意味でも大切なことである・・・あ、偉そうなこと書いてますね、はずかし。とまれ・・・医師という仕事をする上で、今本当に大切なことだなと考えているのは、多様性を尊重するってことです。多様性・・・ダイバーシティってことなのですけど、潜水夫が住んでいる街のことではないのです、ハイ。特に、在宅医療などで、人の生死が問題となる意思決定過程では、決して自分自身の価値観を押し付けるのではなく、むしろそれを一旦排除した上で、患者さん個人個人の思いに寄り添う(あんまり好きな表現ではないのですが・・)ことが必要なのかなと、考えております。自分が ”それって常識じゃん” って考えていることが、決して他人には常識ではないのだなってことに最近ますます敏感になってきております。医師とは、健康第一とは考えていない人の思いも汲んでいかないといけないのであります。

この間、行ってきました「ハタカフェ」 途中でちょっと呼ばれたり、それなりにバタバタと慌ただしく・・・だったのですが、一緒に行っていた家族には”申しわけございません” ですし、待ってくださった患者さんにも”申しわけございません” でして、結局サンペイさん状態の一日でした。おまけに、ハタさんマグも売り切れていたんです・・泣  ふう。

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