京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

新しいフェーズへ

5月9日 月曜日

大型連休もなんだかあっという間に過ぎました。最後の日曜日に本屋さんをハシゴしてみたのですが、面白いのにたくさん出会いました。正確に言うと、面白そうなのに・・・ですね、まだ読んでいないので。机に積み上げておくだけでちょっとウキウキする。車での移動の時間は・・・平川師匠のトークであったり、タマキさんの歌だったり、HR/HM(ハードロック&ヘビーメタルって呼びます)で耳がツーンとなっていたりします。おしごとのほうでは、ちょ〜っと胸に秘めている目標も・・最近はやや(というか、サッパリ)棚上げなのでして・・自分の能力では、やっぱちょっと無理かもな〜なんて思ったりしています。でもまた、頑張ってみようかな・・・。

人口統計

新しいフェーズに日本が突入しているってご存知でした・・?

自分の同世代がこの国に何人くらいいるかってちょっと調べてみたのです。男女合わせて150万人くらいみたいです、我が年代は。ちょっと上の第1次ベビーブームを見てみると・・なんと、240万人だと。でもって、我が子の世代を眺めてみるというと、せいぜい100万人かそこらです。古代から日本(のみならず、全世界的に)はずっと右肩上がりの人口増加フェーズで来ていたのですが、2006年あたりを境に、急激な人口減少フェーズに突入しているようです。だから・・賦課方式の年金なんかは将来的に?な状況なのだとか。100万人ちょっとの若い世代に、その倍以上の私たちが支えてもらえるな〜んて、ちょっと妄想なのかもしれません。

人口減少はどこまで行き着くのか?っていう質問に、人口学者答えて曰く、6000万人だとか、はては3000万人だとか。3000万人というと江戸時代の人口レベルだそうです。このまま行くと人口が減ってきそうだってこと・・・そんなこと、分かっていたはずなのに、我々は・・・な〜んにもできずにここまで来てしまっている訳ですな。

sting like a bee

4月30日 土曜日

1974年10月30日に奇跡は起こった。「キンシャサの奇跡」と呼ばれるその物語は、世界ヘビー級王者ジョージフォアマンと、1967年にその座を不当に奪われたとされる「蝶のように舞い、蜂のように刺す」元王者のモハメドアリの伝説の一戦である・・・って書いてみましたけど、お休みに「アリ」っていう映画を見てみたのですね。アリと言えば、アントニオ猪木との異種格闘技でのアリキックとかしか知らなかったのですけど、その人生はアメリカという巨大国家を相手に闘った壮絶な一生という感じです。カシアス・クレイこと、モハメドアリはムスリムに改宗してアメリカ政府との間に確執が生じ、さらに兵役拒否をきっかけに法廷闘争(国家家権力との・・・!)に翻弄されるのですが、1人で闘い抜いて再び世界戦を実現させるのですね。映画では、ブラックムスリムのカリスマ的存在であるマルコムXが登場したり、ベトナム戦争当時のアメリカ社会の深部に迫るものがある。対共産主義の戦争、偏見、差別、国家機密・・・などに一個人が立ち向かうその様が描かれているハリウッド映画ならではの秀作・・・と思いました。

ali

ウィルスミスがアリ??って思ったのですけど、映画の終わり頃にはもうアリとしか見えなくなってるってくらいでした。でも・・アリって女性関係にはややだらしない・・いや奔放な感じなのですね。

その後、フォアマンは・・バーベキューマシンのキャラとして定着していましたし(何となく微笑ましいキャラです)、アリはアルツハイマー病を患ってアトランタオリンピックの聖火ランナーとして注目されていましたね。1960年のローマオリンピックで得た金メダルを彼は、その後にひどい人種差別を受けて川に投げ捨てたらしいのですが、36年後にアメリカ社会と和解するっていうことになったのです。彼と表向きはやり合っているのだけれど、裏で気脈を通じているというTVキャスターの役どころがとっても秀逸・・・!。諸々含めて・・ほんと、アメリカってつくづく懐の深い国だなあと思います。

世の中の基準とは?

4月26日 火曜日 晴れ

暖かくなってきました。でも朝方の家の中は結構気温が低かったりしています。往診で車の中は冷房をかけているのだけれど、患者さんのお宅に入ると暖房がうっすらと入っていたりする、今日この頃・・・。何が正しいのやら、何が標準なのやら、何が正常なのやら・・良くわからないなと思った午後の昼下がり。何かを判断するには基準が必要なのですね。思い起こしてみて下さい・・採血検査を受けました。はい、異常値が見つかりましたと。その異常の基準は何なのでしょうか?誰がどうやって決めているのでしょう?まさか神様が、これこれ以上はだめだよってささやいてくれる訳でもなし。結局のところ、正常だと思われる(あるいは健康だと思われる)人々をたくさん検査して、その95%に収まる数値を基準にしている訳なのですよ。どう思われます?

ほら、いるでしょう?身近な周りにも、ちょっと風変わりな人が。その人がもしも95%を外れたなら・・・直ちに「あなたは異常です」って宣告されるのですよ。なんてこの世は世知辛いのか・・・。血液検査みたく、数値化されるものならまだしも、人の気持ちとか・・・数値化されないものはどうして判断するのでしょうかね?

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その点、自然はいいですよ。青いものは青い・・・。美しいものは美しい。基準など要らぬ!

青い、旨い、美しい、気持ちいい、清々しい、心地よい、嬉しい、悲しい、せつない、つらい・・・などなど。別に基準など要りませぬ、ただただ・・・それをそうと感じる感性さえあれば良いし、感性は人それぞれでよかとたいっ!・・・って書きながら、TVで円広志さんの「とんでとんで・・」が流れていました。いい曲ですね。一発屋って笑い者にされている事が多いように思うのですけれど・・・小生は知っていますよ。

9回繰り返される ”とんで・とんで” のバックがとてもおしゃれな感じのコード進行で演奏されているって言うコト(笑)

 

 

学会参加報告

4月16日 土曜日

HPで告知しておりましたが、休診を頂きまして外科学会に参加してきました。思えばこの4年間、学会というものにはほとんど参加せずに診療して参りましたが、専門医資格の更新には不断のお勉強と、時々の学会参加が必要なのでありまして。思い切って今回はお休みを頂戴した訳です。手術についての熱い議論を聴きながら、「ああ、こんな世界でやってたんだなあ、数年前は・・・」などと感傷に浸っておりました。それから色々と外来に役立ちそうなセッションに参加したりして。

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こんな感じで、ブラックジャックがロゴに使用されていました。家族に見せてみると、さっそく梅田の本屋さんでブラックジャック名作40話を購入してきて読んでいました・・・奥さんが。何でも、これはというお話が、40の中に入っていなかったのだとか。お寿司屋さんのネタ(お寿司のネタではなくって、お話のネタっていう意味ですけど)がイチ押しで、読ませて頂くとなるほど!ええお話ですやんか。ぼくはと言えば、話題のタックスヘイブンっていう小説が目に留まったのでさっそく購入。結構おもしろい・・・。

新年度

4月13日 水曜日

記事の更新を怠っているうちに、冬は過ぎ、桜の木々は緑に色付き・・そして新年度もはや2週間が過ぎようとしています。言い訳をするようで何ですが、月末はいつも雑務で忙しく、おまけに今年はいわゆる診療報酬改定の年度でもあり、電子カルテの変更などなどありまして。そんな時に限って、訪問診療が立て込んでしまったりするので、ふうふう言いながらいろいろとやっておりましたよ、ハイ。常に何かを忘れているような気がして後ろを振り向き振り向きやっている今日この頃でした。一日のお仕事とか、その関連の業務とか、頼まれ仕事がある一定以上になると、小生の小さなキャパの脳味噌はそのメモリーを食い尽くしてしまい、なにも考えられなくなって飽和状態に達するのであります・・。むかしからそうだった(泣)。そうすると、一晩寝て空きメモリーを回復するしかないのです(その実、必要な事を go to the garbageにしてしまっているだけなのですけど)。起きると、めっちゃ必要な事以外は忘れているので、元気復活!!、などと喜んでいると、各所からクレームがやって参ります・・・。(話半分で聞いて下さいね)

sakura

加茂街道で撮影した五分咲きのサクラです。

4月から診療報酬は変わった事が幾つかあるのですが・・・一番有名なのは、外用剤(シップ薬)が1回処方で70枚までという上限が付いた事でしょうか。処方箋の書き方もすこし変えなくてはいけなくって・・ややこしい。在宅療養の関連もかなり変わりました。患者さんの御負担もそれに伴って増えたりしています。コストを考えながら最適の医療を提供することに変わりはありませんが・・。パナマ文書とか、消費税の話題とか、ほんと世の中の話題ったら、お金にまつわる事ばかりですね。

息抜きのミュージックは・・加古隆さんのCDを聴いています。nhkのにんげんドキュメントの主題曲だったり、「新映像の世紀」のカッコいい曲とか・・。

そのマスク・・・

3月31日 年度末の一日

http://www.ajicjournal.org/article/S0196-6553(08)00909-7/abstract

暖かくなってきましたが、依然としてインフルエンザ、マイコプラズマ、溶連菌など・・微生物と人類の闘いは続いているようです。幼少児と毎日接する保育士さんや、介護施設の職員さん、それからわれわれ医療従事者などは、仕事柄感染者との接触の頻度が多い訳ですので、そういった感染症を”もらう”機会が多いはずですね。小生なども、あまりエビデンス(証拠)はないのですが、今年も2回ほどワクチンを自分でブチュッと打ったりしておりました。幸いにして今のところ罹患せずにおります。保育士さんなんかは、それこそ子供さん達と体当たりのお仕事ですから、そのリスクたるや、3倍も5倍もあるのでしょうね。インフルエンザもらわないほうがフシギ。日本死ねブログの記事ではありませんが、そこのところやっぱり考えてあげないと・・・、つくづく思うこの冬でした。小生ものど飴舐めながら、マスクをして診察を続けてみましたが・・・ありましたよ、そんなことの意味を問いかける論文が。

http://www.ajicjournal.org/article/S0196-6553(08)00909-7/abstract

マスクをしながら診察をすることで、かぜにかかることを防ぐ事ができたかどうか。結果は・・マスクをする事で、頭痛を感ずる事が増えたようですけれど、風邪を防ぐ効果は見られなかったとな・・。むしろ、もっと関係の深かった事項は、子供がいる人が、マスクの有無に関係なく風邪をもらっていたんだとさ。

ヤレヤレ、でもマスク・・・一応してますよ、今も。ずっとしてたので、何となくないと不安な感じ。頭痛は感じませんでした、幸いにして。

images

最近のお気に入りの漫画です。「きのう何食べた?」購入したのはずいぶん前なのですけど、最近読み始めたら・・・これは!

それから、読み物は若松英輔さんのもの。悲しみこそに人生の本質が宿るのデス。

 

 

 

足が動かなくなる日

3月30日 水曜日

お昼過ぎに院内で仕事をしていると、瞬間的な雨が窓を打っていた。そのあと外に出ると快晴・・・なんだこの天気。

今日は近くの病院で目の診察を受けてきました!? 結果は・・・心配なし。ちょっと気にしていた症状があったのですが、眼科の先生にしてみれば”杞憂”だったのではないかなと思います。普段の診療でも、傍目にみたら、ちょっとそれは心配しすぎ・・!っていうことがままあるのですが、いざ自分の事となるとなんだか落ち着かなくなる。この心理、患者さんなら尚のことなのでしょうね。ちょっとしたしびれ症状だけなのに、よくよく尋ねると「もうこの足が動かなくなるのかと心配で・・・」。自分の事や、特に自分の子供達の事になると必要以上に心配になってしまうという気持ちを理解してあげないと。

コメだ  甘っ

しっかし・・・炎上社会ニッポン・・とどまる所を知らないようですね。他人の不幸は蜜の味とは言いますが。メディアの一翼である週刊誌が頑張ってくれるのは良いと思うのですが、我々もそれをきちんと受け止めるだけの度量というものを備えなければ・・・。なれ合いになりましょうというつもりは毛頭ありませんが、他人の不幸を横目に溜飲を下げるようなこと・・終わりにしたいものですね。それよか、少しでも自分の立ち居振る舞いに気をつけて、誰に見られる訳でもないけれど、恥ずかしくない人生を送る事に専心したいものです!

久しぶりの投稿

3月23日 水曜日 また寒い

今年の春分の日は20日だったのですけど、年によっては21日のときもあるのだったかな・・。地球が公転するのに要する時間が365日きっかりではないのでそういう現象が起きるということだったかと思いますが。ま、そんなことはどうあれ、お休みはお休みなわけで、嬉しいなと・・。訪問診療の患者さん方もみな落ち着かれていたようで、ゆっくり・のんびり・ぼ〜っと・・・すごした連休でした。

相変わらずインフルエンザの患者さんはパラパラとお見えになるようです。なんだか今年は例年と違って、流行が遅くてダラダラと続くような印象ですね。もう春休みだというのに。

ガンダムカフェ

すこし前に行ってきましたよ・・・ガンダムカフェ

私はマジンガーZとか、レッドバロンとか、マグマ大使・ジャイアントロボ・キカイダー・レインボーマン・ウルトラマン・仮面ライダー1号2号、V3・宇宙戦艦ヤマト・・・とかしか知らないので、その真価が理解できていないのだと思いますけど。ま、楽しかったです、ハイ。

something different..

3月14日 月曜日 まだまだ寒い

昨日購入したデフレパードのDVD、なんとテイラースゥイフトとの共演であった。彼女のギター弾き語りが何とも素晴らしかった。

この組み合わせ・・・日本に例えるとどうなるのだろうか

いきものがかりのボーカルと、ラウドネスの共演・・・ちがうな。倖田來未と北島三郎・・・もっと違う方向だ。例える事はできませんね  (^^);

曲の間に挟まれているインタビューというか、かれらの雑談がまた面白かった。飾り気がなく、そのままの人間性が出ているのだ。ハリウッド映画にしても、グラミー賞やアカデミー賞などもそうだし、テレビのドラマだって。日本のそれは何やらそれらを真似ようとしているのは明らかなのだけれど・・違うのだな、何かが。自然と造りものの違いのような何かが。

3月11日

3月11日 金曜日

5年前のその日も金曜日だったように思う。週末を前に大きな手術もなく、夕方医局にもどった時に皆がテレビに釘付けだった。街をのみ込んで行く黒い大きな波。すぐそばを小さなトラックや乗用車がそこから逃れるようにして走っている。まるでミニチュアの災害モデルを上から眺めているような感覚であった。車は必至で波から逃れようとしているのだろうが、悲しいかなすすんでいる道路は必ずしも波の進行方向からは逃げる方向には向かっていなかった。その日は舞鶴の先生方と食事会をする予定だったのだが、誰もそのような気分にはなれず、誰から言うともなく、中止となった。5年もの年月は忘れ去るには短すぎる期間である。

閑話休題

医学の進歩は目覚ましく(使い古されたフレーズだな・・)、C型肝炎の新薬の出現はかつての主役であったインターフェロンを必要としなくなったらしい。奏功率も高く、C型肝炎はもはや治る病気になったのだ、と断言されるまでになった。助成金もある事から患者さん自身の負担は軽く、長年治療薬を待ちわびた方々に取っては大いなる福音である。新薬開発には莫大な投資が必要であるらしく、1錠6万円もするお薬で3ヶ月間の服用でおよそ600万円程度の治療費となる計算となる。もちろん差額は医療保険や公金で賄われる事となる。同様に、ある種の癌に適応となったあたらしい免疫治療薬も昨年に保険適応となった。これは1回の治療が100万円前後という恐ろしく高額の治療薬である。因に1年間の治療費に換算すると3000万をくだらない計算だ。その病気の罹患率で考えると、その適応患者数は膨大なものであると推測される。日本赤十字の國頭先生の試算によると、該当する疾患の半数の患者さんに投与すると仮定しても、およそ薬剤費だけで年間2兆円弱となるそうだ。年間医療費40兆円の中で、薬剤費が占める額は約10兆なのであるが、それだけでこの薬剤に費やされる額がいかに桁外れのものであるかが実感できるだろう。増大する医療費が政治課題に取り挙げられて久しい。どう転んでも予算総額はある程度決まっているのだから、あとは分配の問題である。どこにどう保険適応をつけて診療報酬を決めていくのか、大きな目で俯瞰的に全体を見ている人が誰かいるのだろうか・・?などとず〜っとこれまで漠然と考えていたが、今回の事を知って、そんなこと誰にもできないのではないだろうかと思うようになった。不治の病といわれたものから、かけがえのない命を救うという事は、誰の疑いを差し挟む事もできないほど絶対的に正しい事である。そんな奇跡のような薬剤を開発するためには、その陰に無数の研究開発の失敗があって、製薬企業も薬価の見返りがなければ達成できないものなのである・・・と言われれば、ただただ頷くしかないのである。比較的声大きくして、世間に訴えかけられる難治がん患者さんの声・・・に対して、声にもならない呻きのような言葉を発するしかない高齢のじいちゃんばあちゃん。どちらも同じ一人のいのちであり、大切な医療である。その実、それぞれのバックに付いている人々が働きかけているロビー活動には大きな差があるのではないだろうか。なにも製薬企業がどうだとか言いたいのではない。小生にも、大手製薬企業の研究開発に携わっている親友がいるのだが、彼などは小生の数倍も、がん患者さんを救おうという熱意に満ちあふれている人物である。自分たちの周りにいる困っている人達を助けたい・・その思いは共通である。科学の進歩は人びとの生活を幸福で豊かにするのだ・・などという牧歌的な時代はもうすでに終わっているということなのではないだろうか。とうとう私たちは終わることのない、難解な世界に突入してしまったのだと思う。

 

 

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