京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

そのひと言云う前に

2月17日 火曜日

その対策が国を挙げての課題となっている認知症です。近隣の病院では「ものわすれ外来」という専門外来も設けられ、予約患者さんで一杯であると聞いています。製薬会社の宣伝効果もあってか、早い診断で早い治療を・・というのが一般の方々の認識になりつつあるのかもしれません。毎日の外来でも、我々の目からみても「この方がそんな心配をするかな」という方が、ご自身の症状を心配して専門外来の予約を依頼しに来られるというケースも少なからずあります。加えてテレビやラジオの健康番組等でも認知症特集などが組まれて、それを視聴した方々が、その身の将来を大変心配されて相談に来られるような場合もあります。認知症の薬剤も実際には数千億円のシェアがあるとも言われています。そんな国民的な大問題となりつつある認知症ですが、患者さん達の心配の出所は、一緒に住まれているご家族の何気ない一言であったりすることもあるようです。「もう〜そんなこと忘れて・・認知症になったんと違うか?」とか「ご近所の◯◯さんみたいに認知症になっても知らんよ」とか、なかば笑い話として仰ったのであろう、若いご家族の一言が、年配の方々の心にぐさりと突き刺さって、以来悶々と過ごしておられるなんていう例に結構出くわします。脅し文句のように、健康のことを気楽に言うのは少し考えた方が良いかなと思います。

アリセプト

人気作家の某新聞でのコラムが大きな反響を呼んでいるようです。日本人社会や日本語環境などの特有の問題でもあるのかもしれませんが、海外では、一旦言葉や文章にしてしまうと、もう取り付く島もなく批判、断罪されてしまうようなタブーとしての事柄があるということに我々はもっと意識的であるべきではないかなと思います。殊に、人種問題、ユダヤ、ナチスなどのホロコースト関連の話題には本当に注意して意見発信して行かなくてはならない事、小生も留学中に度々感じる事がありました。グローバル大学とか教育を論ずると、すぐに英語教育とかTOEFL何点とかいうことが話題にされるのですが、本当のグローバルな教育とはそういうことを教えたり、考えたりするという事ではないのかな・・・。政治家とか知識人とか言われる人々の言葉が軽いなあと思う今日この頃。

大は小を兼ねない

2月10日 火曜日

明日はお休み、と考えると何となく嬉しく元気が出るというのも如何なものか?!

訪問診療先の玄関口に新雪がこんもり。ズボズボと足跡がひとすじ、一方通行でついていたのだが、その脇に比較的小さめのショベルが置いてある。足跡をそのままトレースすれば入り口に達する事はできたのだが、小さなショベルを取りあげてザクッザクッとやってみた。あれれ?いつもやっている大きなショベルや除雪用具を使うよりも簡単で、腰にも優しいではないか。確かに歩みは鈍いのだが、サクサクとやっていると見る間に、1メートル四方程度の玄関口にすっぽりとスペースができた。なんだ、舌切り雀のはなしのようだが、やみくもに大きい事は良い事に違いない、なんて考えるのは結構過ちが多いのかもしれないな・・・。ウンウン、自然はいろんな事を教えてくれる。でもやっぱり私はそのうちそんな事を忘れて、また選ぶんだろう・・・大きな方を。

雪

それから!玄関の引き戸式の扉ですが、あれは一理ありますね。押し開く蝶番のドアだと向こう側の雪が邪魔で閉じ込められてしまう・・・。いろいろ感心する事いくつかあった一日。

でもそろそろ勘弁して欲しいな、雪。

ピークを過ぎた?

2月7日 土曜日 くもり

国立感染症研究所の発表する感染症週報などによると、インフルエンザの感染者数が下方に振れているとのこと。外来をやっていても、何となく患者さんの数が減ってきたのかなという気がする。他の感染症の動向を見てみると、毎年インフルエンザと同じようなグラフを示す感染性胃腸炎なども同様の兆しのようである。これからはノロウイルスにかわってロタウイルスが増加したり、春から夏にかけてはヘルパンギーナやアデノウイルスなどが登場することとなる。一方で溶連菌(冬に多い傾向はあるが)やおたふく風邪などにはあまり強い季節性はないようだ。手足口病などは明らかな季節性があり、夏以外には見られないと言っても過言ではない。開業医となって初めてわかるのだが、本当に同じような経過を訴えてこられる患者さんが同じ週に複数人おられるなあっていうこと。おそらく同じウイルスによる感染症なのであろう。全国規模で調査されているインフルエンザの抗体保有状況などを見ても、各ウイルス株によって多少の違いはあるが、大雑把に0−5歳の子どもたちや、お年寄りに抗体価の低い状況というのが見て取れる。今年も実際に、近くの保育所や幼稚園での感染が増加しているらしいと伝えられると、それから徐々に小学校・中学校などで学級閉鎖という話になっていったように思う。高齢者の集う施設での集団感染などの例が報道されるのも、まあそういうことなのだろう。かくして、毎年毎年微生物と人間の闘いは続いていくのである。前記の週報で水ぼうそうの感染者数が減少しているのは、昨年の秋から始まった定期予防接種の効果なのだろうか。B型肝炎の定期接種も決まったと聞くのだが、あとはおたふく風邪やロタウイルスなど行政の動きに期待をする今日この頃である。

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このところ暗いニュースが多かったので何となくブログの更新も怠っていたような・・・。この時代を分厚い雲が覆うような中で、インターネットを開くと極端な意見のぶつかり合いであったり、罵り合いであったり。今話題のピケティの言う(原典は読んでいませんが)”2極化された世界”の悪い側面が出ているような気がします(まあおそらく良い側面は無いのでしょうけれど)。双方が反対者の意見に耳を傾けること無く、我が方の主張ばかりが正しくて、やみくもにそれを通そうとするのは、まさに子どもの所作であり、幼児化した社会と表現される所以なのでしょう。「大人であるということは、たとえ何をすべきかがわからない時であっても、少なくとも何をするべきでないかがわかっている、ということである。」という内田師範のお言葉で(その通りであったかどうかは忘れました)締めくくることとしましょう。

ペコロスの母

1月27日 火曜日 雨

どうしてこうも雨ばかりなのだろう。今年はいつもにましてそんな気がしている。何が悲しいかというと、訪問診療をぬれネズミで行わねばならない事である。自分のブログのエントリーを眺めると、訪問診療や介護の関係と、感染症のネタが多い事に気付かされる。確かに自分の頭の中を占めている2大関心事ではある。そして今日は、夜の8時からEテレで、2人の男性の介護体験をテーマにしたドキュメントを視聴した。お一人は小生の師匠である(あくまでも心の・・ですが)平川克美さん、最近の著書「俺に似た人」という実の父親を介護された体験に基づいた私小説を紹介しながら番組は進行する。もうお一方は、ペコロスの母シリーズで有名な漫画家岡野雄一さんである。お二人の対談が淡々と進められ、合間に挿入されるそれぞれの介護体験で綴られた30分間の番組であった。タイトルは「リハビリ・介護を生きる 介護という贈り物 平川克美×岡野雄一」というものだった。再放送は来週の火曜日の午後1時だそうである。ご興味のある方はチャンネルを合わせてみて下さい。お二人の著書や著作を日頃から拝読している小生にとっては、ふむふむという感じで見ていたのですが、何せ30分という短い時間の番組ですから、一般視聴者にはちょっと物足りないものかもしれません。でも、介護ってそんなに感動やお涙頂戴のストーリーばかりではなく、淡々としたものなのではないかなって思うところもあります。

pekoros

訪問診療と一言で言っても、がんの終末期治療という、症状が時間とともに移り変わる、ある意味ダイナミックな医療と、慢性期疾患や加齢に伴う終末期医療という、いわば動と静の入り交じった世界です。その場その場で頭を切り替えないといけません・・・。

インフルエンザ VS 胃腸かぜ

1月25日 日曜日

週末にかけて、高熱と頭痛、関節痛の患者さんや、嘔吐下痢をともなう患者さんが明らかに増加しています。ひと昔前でしたら、ただ単純に「胃腸かぜですね」とか「流感ですな。家で水分と栄養をとって熱が下がるまで休養をとって下さい。」で終わっていたものでしょう。しかしながら医学の(?)発達とともに、その原因が特定され、さらには診察中に迅速キットで即座に原因ウイルスの特定までできるようになって来たわけです。一見すると、科学の進歩で大いに良いことですね・・となるのですが、現実はそれほど単純ではありません。患者さんによっては、とにかく原因が特定できないと安堵の気持ちが得られなくなってしまい、それが高ずるとインフルエンザキットで陽性が出たとたんに ”ああ良かった” なんて感想が出たりする事もあります。白黒はっきりさせることは非常に大事なのでありますけれど、検査そのものに100%の保証を求める事ができない事も冷静に考えておかなければなりません。実際には、熱が出た⇒検査をする⇒陽性だったらお薬を・・という流れだけでは解決できないグレーゾーンの症例の患者さんが半数くらいおられますので、個別の状況に応じて対応をしなくてはいけないと日々感じております。でもそれが難しい・・・

GB

余談ですが・・多くの人たちが時間を切り刻んで、幼い子供さんを保育園に預けて働いたり、あるいはご高齢の方々が施設で集団生活をしながら成り立っている現実社会では色々な問題が生じているようです。多くの人が集う施設では、一旦集団感染騒動を生じてしまうと、保健所の監査、マスコミの取材、施設利用者への対応(感染予防策)、勤務者の健康状態の把握と欠員補充への対応など大変な事態となります。責任の所在を争う訴訟等も実際に起こっていると聞きます。なにせ相手は目に見えないウイルスですので、予防対策と言ってもどこまでいっても充分完璧ということはできません。情報化社会ですので、色々な情報が多くの人の耳に入るのは良いのでしょうけれど、危機感や恐怖を煽りすぎるようなことは好ましくないと考えます。エボラ出血熱などの一定の致死率をもつ感染症とはやはり分けて考えなければなりません。こういったことが乗じて、責任の押し付け合いという様相を呈してくると、施設側の萎縮に繋がり、結局しわ寄せは我々ひとりひとりに帰ってくるという事になるのですから・・・。

院内一掃

1月14日 水曜日 曇り

昨日、今日と雨にも見舞われず、比較的快適な訪問診療ができました。お天道様ありがとう・・・。そしてその間にDスキンさんに依頼して、院内の清掃を行いました。床のワックスがけとか、空調の掃除とか・・・ピカピカになりました。気持ちいい〜 (^^)

ベイマックス

復讐ではなく、寛容で世界を癒す・・・、日本贔屓の制作者の視点は新鮮。

さてさて、今日の目からウロコな話。

その①;二宮尊徳は本を読んでるのが目的ではなくって、彼は薪を運んでるんです。時に人はその本質が見えなくなるのです・・・養老孟司先生

その②;「えっ?インフルエンザ迅速検査陰性なのに、タミフル処方されるんですか??」っていう人に対して一言、「細菌培養検査も受けないのに、抗生物質処方されているのですか?!」

座布団1枚!!

今年も一年よろしくお願いします

1月9日 雨

遅くなりましたが・・

新年あけましておめでとうございます。新年はドカ雪とともにやって参りました。今年の冬は寒さひとしおという感じです。インフルエンザもそれなりに流行しているようですが、大爆発という感じは今のところはなさそうです。予防接種の恩恵なのでしょうかね。昨日は外科系の医師会の先生方との新年会がありました。日頃お世話になっている医療センターの先生方や、開業医の先生方多数集まり、楽しいひとときを過ごす事ができました。日頃あまり交流の機会が多いわけではありませんので、一年に一度の新年会は楽しみに参加しています。医療センターの若手の先生から、齢90をそろそろ迎えようとされる大先輩の先生まで、色々とお話をさせて頂きました。皆さんそれほど顔なじみな訳ではないのですが、ものの30分もするとそこここで大爆笑の盛会となるところが、やっぱり外科系っていいなあ・・・と思わされます。まあそこにはアルコールという触媒も一役買ってくれているわけですが(小生は自家用車で参加のため専らコカコーラとキリンレモンでしたが・・)。それにしても、皆さんお元気ですね、多いに刺激を受けた一日でした。小生も今年は、明るく楽しく朗らかな一年にしていきたいな〜と思います。みなさまどうぞよろしくお願い致します m( _ _ )m ペコリ

カーリーポテト

 

Macのくるくるカーリーポテト・・・おいしそうですね、いや、きっと美味しいですよ。近くの支店が何やら全国区になっていますが・・・(汗)。それにしてもこういう事案って、どうして堰を切ったように一斉に報道されるのだろう・・・ずっと前に生じた事件らしいのに。その方が何となく興味津々です、どなたか教えて下さいな。

 

今年一年有り難うございました

12月30日 火曜日 晴れのち雨

今年は暦の関係ではやくから長期のお休みをとっておられる方も多いのではないかと思う。クリニックは往診を抱えている事もあり、あまり長期はお休みできないので、30日の午前中まで外来を開けていた。職員のみなさん年の瀬までおつきあい頂き、ありがとう・・・。ものの1週間も経つとまた再び何もなかったかのようなもとの生活にもどるのであろうが、やはり年末年始というのはひとつの区切りであり、心あらたまるものである。今年は多くの方をお見送りせねばならなかった一年であった。在宅診療を行う医師にとっては、それは当たり前の仕事なのであるが、中には予期せぬ時期に旅立たれた方もおられた。人それぞれに人生があるように、最期もまたひとそれぞれであるのだなあと思う。来年も、家族と住み慣れた環境の中で余生を過ごしたいと考えて、在宅療養を希望される患者さんの手助けを少しでもできればと考えている。

門松

今年一年、お世話になった方々

色々と有り難うございました。来る年2015年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

something left behind

12月25日 しらない外国人の誕生日

唐突ですが・・・魅力的ですね、夜中のラーメン。患者さんには偉そうな事を言っている割に、私の食生活は褒められたものではありませぬ・・・。もちろん普段は野菜多め、品数を多く、腹八分を心がけてはおりますが。時にやってしまうのですね、夜中のラーメン。単純に味がおいしいとかだけではなく、禁断の◯◯◯ 的な感じがその食欲を満たしてくれるのでせう。but,,,往診の忙しい日は、前日の残りおきのおにぎりをダッシュボートに放り込んでハンドルを握ります。今日は・・・愛車のバッテリーが上がってしまったようで・・(汗&涙)。

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年末ですので、患者さんが多い感じです。電子カルテの”診察 未”欄に人数がpile upして行くに従って・・職員一同スイッチオンとなる雰囲気が感じられます。なんとか多くの患者さんの待ち時間が少なくて済みますように・・ということは逆に診察時間が短くなるという事ですね。仕方ないのだけれど、診察時間が終わった後に残る一抹の違和感・・・何かを切り捨ててしまったやうな感じ。1日24時間は神に与えられたものですので、いかんともし難いわけですが

 

静かだった朝

12月17日 水 朝晴れ その後 吹雪

”よしぎゅう”が値上げをなさるそうな・・。大学下宿生の花形定番夜食である牛丼の草分け的存在である。徹マンのあとは仲間の車で洛北高校前の吉牛に行って、勝者が敗者に再分配するというのが定番であったのだが。80円の値上げで380円になるそうだが、当時いくらだったのかは記憶にない。その頃は、今と違ってメニューもそんなにバラエティがなく、せいぜい並盛りか大盛りの違いとか、牛皿を追加するとか、生卵を頼んだり、お漬け物をショーケースから取り出して丼が配食されるまでにつっつくとか、せいぜいそんなものだったなあ。紅ショウガをてんこもりにしながら食べていた先輩の顔が懐かしく思い出される。あの頃はプールバーというビリヤード屋さんも流行っており、試験勉強の息抜きに先輩の運転で連れて行ってもらったのを覚えている。ひたすら懐かしい。それにしてもぱっとしない大学生活だなあ・・・こう書くと。

早朝出動

早朝はこんな感じだったのだが、午後の往診はまさに暴・風・雪・・・悲惨な状況だったな・・

6年前からのおつきあいだった患者さんが旅立たれました。仕事柄、少なくない数の患者さんとのお別れが日々あるわけなのですが、自らの御意思で、その日その時にこの世にお別れを告げられたのだなあと思わざるを得ないケースがあります。その前日に、実は入院中のあの時にねえ・・・っていう感じで、御自分の思いを吐露されました。いつも紳士的な振る舞いで行動され、ご自分の意志で納得する方法での治療を選択されていた方なのですが、実は心の中でそういう事を考えていらっしゃったのだなあと。改めて患者さんの心の奥底を本当に理解するって言う事がどれだけ難しい事なのか思い知らされました。私には永遠にそんなことは無理なのかもしれない・・・安らかにお眠り下さい・・。

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