京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

ゆるふわ考

6月2日 木曜日

昨日何気なく聞いていたラジオで、保険証が廃止される方向になりました、とのコメントが流れていました。色々とメリットはあるのだろうと思います。例えば・・・病院での保険証確認がより正確になります。今は職場が変わった後の一定期間に新しい保険証が発行されるまで、ちょっと不便だったりしますが、これが解消されることになりそうです。あと、服薬や診療行為の管理把握一元化ができるので、受けている診療行為が透明化されて、重複して処方を受けたりする可能性が逓減されそうです。一方で・・医療機関側は、まだ3−4割の普及しかなく、保険証読込みリーダーを導入したりハードの投資を敬遠してか、まだ実際に運用されているところは多くないようです(当院も導入していません)。普及させたい政府は、インフラ整備をした医療機関に診療報酬を上乗せしたのですが、実質患者さん側に負担がかかると言う批判を受けてか、すぐさまこれは撤回せざるを得なくなったようです。何かをするとポイント還元とかの宣伝も、よほど興味のない方でないと、まだ浸透しているとは言い難いのが現状ではないかと思います。マイナンバーだけではなく、カードを携帯する(させる)ことへの執念のようなものを感じるわけですが、それは何でなのだろう?と思ったりもします。ま、これだけの熱量を投じている施策ですので、今後何が何でも普及させていくのだと思います。かくいう私も申請取得していますが、今のところどこに置いてたかな・・・?状態です(^◇^;)  情報のデジタル化は今後必要になると思うのですが、何だか大臣が歌を歌ったり、マイナポイントとか、うさぎみたいなキャラ(マイナちゃんっていう名前らしい)を作って広報したりということより、もう少し普通に利便性とか将来設計を説明する方針でなされたらいいのになと思っています。ゆるふわキャラとか、あまり政府に言われたくないので・・・

 

 

マイナちゃん・・・なんでか”おめめ”は数字の1になってございます

ただ・・・だけ

6月1日 水曜日

今日は午後からおそとの日である。朝机に向かってお仕事をしていると、窓の方から何か小さな音が聞こえてきた。初めは気にも留めていなかったのだが、なんとなく耳障りなのでよ〜く見てみると、一匹の小さなハエが窓ガラスにへばりついていたのである。階下におりてアレでシューってやろうかなと思い席を立ったものの・・・何となくそのハエが外に出たがっているように見えるのが気になったので、シューっをやめて逃してやることにした。サッシの窓は互い違いの構造になっており、ガラス同士が重なると、一番端の部分には隙間ができないのでうまく誘導してやらないと逃げられない事になる。目の前のハエも、御多分に洩れずあっちに誘導するとこっちにきて、こっちに誘導するとあっちに逃げると言うイタチごっこ状態となってしまった。格闘(?)すること5分、紙束でホイホイってやってなんとかお空に旅立って行かれたとさ。ただそれだけのお話である。何も自分が虫一匹殺さない善良な人間である・・などと言いたいのではない。いやむしろ、逃してやったのだから、何か我が身にいい事があっても良いのでは・・・などと言う見え透いた魂胆が頭をもたげてくるような狡い人間ですらあるかもしれない。ただ、今日はそんな行動をしてみたという・・・本当にそれだけのお話である。何のこっちゃ・・・

さて・・・虫で始まった1日、穏やかに過ごせますように!

週末雑記

5月31日 火曜日

5月も終わりの日がやってきました。何度書いたかわからないこの言葉・・月日の経つのは早いですね。毎日雪と戯れていたのが遠い過去になってしまいました。今日はちと冷んやりしてますけど。日曜日の日本ダービーでは、武氏騎乗のドウデュースくんが頑張りましたね!さて、この週末は・・・向田邦子さんのエッセイを読んでみました。『父の詫び状』をきちんと読んだのは今回が初めてかもしれません。名エッセイといわれる所以が私のようなものでも理解できましたね。昭和の家の三和土で起こる出来事をめぐる物語(と呼びたくなるエッセイ)でした。今回はアンソロジーを購入したのですが、元の出典になる文庫本もオーダーしてみました。知的な文章とはこのようなことを言うのでしょう。ドラマも一度観てみようかな・・・。

 

 

画伯がとうとう立体造形美にも目覚められたようです・・・パトロネージ活動の一環としてこちらに共有させて頂きます🙂

なんのことかわからない記事

5月28日 土曜日

突然ですが・・・便通になやむ方は多いです。特にお年を召されてくると、食事の量が一定せず、運動量も少なくなり、腸管の蠕動も低下してくるため一旦便秘となってしまうと、お通じが硬くなりさらに出にくくなってしまうという悪循環に陥ります。そこで、お通じの状態を観察するためのブリストル・スケールというのがございまして・・・

ここでいう、3−5の状態に近づけるよう治療していくこととなります。水分が吸収されすぎると、1の状態、いわゆる鹿のフンのようになりますし、逆に7になると失敗しやすくなってしまいます。ご高齢の方で便秘をきたしてしまうと、腸閉塞症状や、ひどい時には腸管穿孔という重篤な状態になってしまうこともあります。訪問看護師さんたちは、こういったことにも目配りして対処してくれています。

鹿のフンってなんであんなになっているのだろうと思うのですが、あれが普通なので、特に身体に悪い訳でもないのでしょうね。草を食み、反芻させながら消化していく、長〜い消化管から生み出されるコロコロうんちですな。関係ないのですが、ユダヤ教で不浄とされる哺乳類って、「ヒヅメが完全に分かれている」と「反芻する」の両方を満たしていない動物なのだそうですね。牛は反芻するし、ヒヅメが完全に分かれているので浄。一方豚はヒヅメは完全に分かれているけど、反芻しないので不浄なのですね。ついでに水中の生き物だと・・・鱗とヒレがないとダメなのだそうです。

さてと・・・事務仕事、ペーパーワーク、雑務・・・こなしてきま〜す。皆さま良い週末をお過ごしください!

20年後の真実

5月27日 金曜日

プレ金です。昨日は診察中に「そろそろ雨が・・・」と願っていらっしゃった農作業従事の方も、夕方の恵みに感謝されていたことでしょう。今日は朝から曇りの空模様です。そろそろ梅雨入りの季節もやってきます。ないと困るけど、あると鬱陶しい・・・雨は皆から嫌われるけど、いなくなると懇願されるという難しい立ち位置ですね。とある会議に向けて色々と情報収集とかやっているのですが。昨日は日本医師会の運営する『地域医療情報システム』なるサイトに潜入して遊んでいました。人口統計をもとに各地域の20年間の医療需要などを予測するシステムのようです。そこに記載されている20年後の人口推計がえらいことになっていましてね。丹後医療圏でみると、労働生産人口がほぼ4割減になるのですが、20年後の65歳未満とそれ以上の人口比がほぼ0.6という、半分以上が高齢者ということになっています。総人口は2万人から1.2万人に減少します。4割減ですね。日本全体では2060年でもおよそ3割減と見込まれているので、それよりも15年早くにそれを凌駕する速度で人が減っていくという計算になります。ある意味最先端の地域のうちの一つという見方もできるかもしれません。とは言え、あと10年少しで1億人を割り込むとも推される総人口減少問題ですので、これは我が国全体で共有すべき最大の問題なのでしょう。20年後は私自身が高齢者のど真ん中なのですが、最も多い年齢別世代となりますので、自分ごととして捉えねばならないなとも感じています。さて・・どんな日本になっているのでしょうか。知恵を絞ってあらゆる世代が人生を愉しめる世の中であるために、自分も1人の社会の構成人員として、できること・やるべきことをやっていかねばなりません・・・(とは言え、20年後の世界を見ることはちょっと楽しみでもあります。)

師匠のお話拝聴

5月26日 木曜日

昨日の午後はおそとの活動をなるべく圧縮して・・・大学のオンライン講義に潜入してみました。仲野徹先生の特別講義があったのですが、とても興味深く聴講できてよかったです。参加者の名前から、これ誰だ?と思われていたかもしれませんが、謎の大学院生ということで・・・。今は名誉教授という立場ですが、まだまだお若いですから、これからますますご活躍されることと思います。よく知らないのですが、研究職にはもうつかれることはないのかもしれません。晴耕雨読+時々物書きの隠居生活を送られるのだとか・・・昔の基礎医学研究室での思い出話とか、ご自分の来歴についてもたくさんのお話を伺うことができました。医学部2回生に向けた特別講義であったようですが、50過ぎの私にも響くものがありました。おもしろく有意義に生きるための7つのヒントというのがあるのですが、特にアウェイに出る勇気を持つこと、とか考えすぎずにやってみる、行ってみることなどは特にこれからの自分にも当てはまることなのかなと思っています。えらい先生でも、時には些細なことで悩み、紆余曲折ありながらやって来られたのだな思いました。これから先生は医学関連以外の媒体でも旺盛に情報発信をされていくと思います。機会があれば是非読んだり見たり聞いたりされると良いと思います。元気づけられること間違いなしです。それでは今日も・・・平静の心で、全ての人に優しい医療に少しでも近づけるように努力したいと思います(なかなか難しいですけど・・・)。

感染症再考

5月25日 水曜日

今回の流行のニュースまで知らなかったです、サル痘という感染症。地球から撲滅されたという種痘と同じタイプのウイルスに起因する感染症のようです。そこまで感染力が強いわけではなく、この感染症にも有効な種痘ワクチンもすでに存在しますので、さほど強く恐れる必要はなさそうですがかなりの話題になっていますので、日本で感染者が報告されるとまたひと騒動になりそうです。一方で新型コロナの方はと言えば、まだ収束からは程遠い状況のようです。幸いゴールデンウィーク後の急増は今のところ免れているようですが。昨年末頃の抗体保有状況の調査から、オミクロン株の流行後ではアメリカ国民の罹患率はすでに50%以上というデータがあったかと思います。ティーンエイジャーに限ると70%以上の保有率であったようです。すなわち現在までに、半分以上の米国国民がコロナに感染しているようだということになります。最近のニュースではしきりとマスクからの離脱が謳われているようです。確かに3回のワクチン接種による予防効果と、オミクロン以降の新規変異株、特に強い感染力を持つようなものは出現していないことや、そこそこ効果の見込める抗体医薬品の開発もすすんでいたり、当初のような社会的制約による感染予防効果が薄れていることからウイルスとの共存社会への移行が進められているのが世界的な状況かと思います。とはいえ罹患後の後遺症の解明はまだまだ十分とは言えませんし、今あるのも結局はこれまで取り組んできた行動制限とかワクチンとかの積み重ねの上にあるわけですから、安易な過去の検証と称して一律に行動制限を緩めてしまうのも良くない事かと思います。常に科学的見地に立脚して、冷静に、周囲に流されないひとりひとりの考え方と行動が問われるのは今後も変わらない真理であろうと思います。

ある文献より

5月24日 火曜日

ヒトゲノムプロジェクトってお聞きになったことがあると思います。1990年にアメリカとイギリスが中心となって、ヒトの全遺伝子を解明しようという試みで、ヒトゲノム計画とか呼ばれたりしています。すでに遺伝子の全ての塩基配列はインターネットでアクセスできるデータベースに収められています。それとも少し関係するこの論文なのですけど・・・生後5週間の子供が異常をきたして病院を受診したところ、それから16時間後にはその子の遺伝子配列が同定されて正確な診断に至り救命されたとのことです。チアミン代謝異常と言われる疾患であったようですが、その子のいとこが10年前に同様の症状で脳症を発症して、集中治療の甲斐なく亡くなられていたという背景があったようです。遺伝性の疾患ですので、おそらく同じものであったと思われますし、逆に言うとその方がいたからこそ、この症例での迅速な遺伝子検査になったとも考えられます。従兄弟がその子を救ったとも言えるのかと思います。まさにこれこそが、科学技術の発展の恩恵ですね。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2100365

a decade has passed.

5月23日 月曜日

当院が産声をあげて、はや10年となりました。10年前にどんな出来事があったのか少し調べてみました。前日には東京スカイツリーが開業しているようです。リーマンショック後、まだ5年あまりですので当時の株価は1万円前後でした。消費税は長く据え置かれていた5%から8%に上げられています。その年の年末には民主党から自民党が政権を奪還しています。山中教授のips細胞でのノーベル賞受賞もこの年であったようですね。月日が経つのは早いものです。10年間、自分自身がどうであったのかも考えてみました。ずいぶん変わったように思います。診療のスタイルや内容は結構変わりました。学んだことも大きいですし、初めての開業医としての仕事の経験も徐々に蓄積されていきますので、当たり前と言えば当たり前かもしれません。10年ひと昔とはよく言ったものだと実感します。自分自身体調にも恵まれて、なんとか無事にやって来られたことにひとまず感謝しています。さて、次の10年・・・どうなるのでしょうか。また、世の中はどう変わっていくのでしょうか。当たり前のことですが、自分が歳を重ねるということは、段々と残される時間が短くなっていくということでもありますので、限られた時間を大事に、自分がこうあるべし・・と思うことを地道にコツコツとやっていくのが良いかなと思っています。新しい週が始まります。みなさん良い1日をお過ごしください!

median or paramedian

5月20日 金曜日

今日は朝からめっちゃコアな講演動画をみてみました。本ブログを訪れていただいているかもしれない(!?)奇特な医療関係者の方にちょっとご紹介しておきましょうかね・・・。全身麻酔手術の際に鎮痛を目的として併用されることがある硬膜外麻酔の方法論についてのものです。脊髄の傍にある硬膜外という空間に針を刺して薬剤を注入するのですが、この方法に大きく二つあって、そのどちらの方法を用いるのかということを歴史的な事実を含めてお話されているようです。ほとんどの医師がmedian-, midline-approachという方法を選択するようですが、話者はもう一方の方法を解説して、それが如何に有利な点があるのかを説明しています。私もその昔麻酔科を学んでいた時には、前者のメジャーな方法を行っていました。今ならこの動画を見て、異なるアプローチをしてみたくなるのかなと思いました。つくづく今はこのような動画も日本の片田舎でいつでも視聴できるという幸せな時代であることを再確認しました・・・。ネタ元はこれです ↓

 

 

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