3月31日 木曜日

今日で最後の3月でもあり、年度末でもあります。感染症のリバウンドはいよいよ確からしくなってきているようです(東京都知事の動向からの推察です・・)。ワクチンは推奨されていますが、同時にワクチンに反対する人たちの活動も耳にしています。私自身はもちろんワクチンを推奨している立場ですが、副作用への懸念を否定する立場ではありません。それはそれとしてあるがままをみて、客観的に判断するべきであると考えています。タイトルにしたFNDという疾患概念はFunctional Neurological Disorderと言うもので、色々な検査をしても明らかな異常(器質的疾患と言ったりします)がなく、身体が自分の意思に反して勝手に動いてしまったり、全身の疼痛や抑うつ不安症状を引き起こして、日常生活がままならない状態になってしまいます。ワクチンの後にこういった症状が引き起こされることで注目されていたのが、子宮頸がんワクチンです。現在は、当初副作用と考えられていた事象は、薬剤そのものの副作用ではなく、ワクチンストレスや強い疼痛の受容によって引き起こされる機能性身体症状と考えられています。子宮頸がんワクチンに限らず、最近のコロナウイルスワクチンでも少ないながら、こういった症状を引き起こす例があるようです。特定の医療行為に、大きなメリットが確認されている一方で、非常に稀ながら、不幸な反応を引き起こすこともあるというのは、何もワクチンに限ったことではありません。癌の手術でも、術後合併症という不幸な経過たどってしまうことがあります。十分に細心の注意を払って行うはずの医療行為が、逆に別の不幸を生じさせてしまうという現実がそこにはあるのです。最新医学の目覚ましい発展が脚光を浴びる中で、こういった不安定の上に成り立っているのもまた医学・医療であるのだ・・ということを、時に思い出していただきたいなと思っています。賛否あるのは承知しているワクチン接種ですが、自分の考えを自分の行動に反映させるのはもちろん良いのですが、他人を巻き込んではいけないと考えています。何かに反対するのなら、自分だけで・・・何かを推すのも自分の考えで・・・二つの足で私たちひとりひとりが立っていきたいものですね。