5月14日 木曜日

昨日比較的年齢の若い力士の訃報を聞きました。当然のことながら、報道での情報しか存じませんので、実際の経緯がどうだったのかは私にはわかりません。発症後2-3日の間、ご本人が訴えていたにも拘わらず、発熱の相談窓口や医療機関への初診のアクセスができなかったのはある程度真実であろうと思います。現在一般的には、日本の医療はギリギリのところまで行ったが、何とか持ちこたえたよねという論調であると思います。私もそのように考えていました。ただ、今回の一件を知ってから、彼の場合にだけ、たまたまの不運が重なっただけなのではなく、やはり日本の医療、実は部分的なほころびを起こしていたのではないかという考えにかわりました。適切な初期診療へのアクセスができなければ、たとえ体力のある若者でも命を落とすことがあるということを私たちは学ばなければならないと思います。今回の感染症騒動で私自身は、この国はほとんど何にもしてくれなかったなと感じています。政権がどうとかいう批判をしたいのではなく、この国は何にもできなかったのだなという実感を持っているということです。そう感じたのだから仕方ありませんよね。で、自分でできることは何なのか、柄にもなく真剣に考えましたよ。自院でもいろいろと無い知恵を振り絞って対策を講じたつもりです。泣く泣く自粛要請に従っている地元の飲食店の経営者の皆さんもよく存じておりましたので、できるだけテイクアウトも利用しました。皆さんも自分なりにできることを精一杯なされたことと思います。でももうこれ以上グチるまい!・・・前を向いてますワタクシ(^^) で、感染者数が小康状態を見せつつある現在、私たちがしないといけないことを冷静に考えないとなりません。

そこでもしも私が総理大臣だったらどうするかなと考えてみました・・・、何を荒唐無稽なと思われるでしょうが、しばしこの大風呂敷におつきあいくださいね。

まず大前提に日本版CDC(疾病予防センター)を創設することを急務と考えます。医師・看護師・歯科医師・薬剤師・獣医師のほか病理、遺伝、統計、免疫、法医学などのオールスターを任用して、どんなに政権がヘタレでもきちんとした対応指針を発出できるようにすることが大切です。それから、政策判断の切先が鈍る可能性のあるオリンピック開催はまずもってあきらめましょう。そうですね、あとは順に・・・ ①医療介護に携わる施設に対する十分な防護具を確保すること 各施設が持ちこたえられる限りの最低2か月間の物資備蓄をなるべく早く調達しよう。製造から保管と輸送という一連のサプライチェーンを含めて考えることが必要である ②指定医療機関のハード面を整備しよう 医療従事者が十分に守られるようにゾーニングをしたり遮蔽をしたり、遠隔病室監視のシステムなどの整備に補助金を出そう ③入院病床の確保以外にも、軽症者の一時収容施設を建設整備すること いざとなればこの施設は災害時の避難場所や仮設住宅にでも利用できるようにしよう(もう地震や大雨の時に学校の体育館で段ボールで避難所生活を強いるのはやめようよ!) ④再流行の際にもある程度登校が継続できるような学校環境整備を整えること 授業や給食が遮蔽板で仕切られた場で行えるように、空調もきちんと整備をしたりすることを自治体にも支援して早急に進めよう(もう子供達にはしわ寄せを食わせないぞ!)

ちゃちゃっと考えただけで以上のようになりましょうか。あとは経済活動から見た対策委員会を発足するも必要でしょう。第一波ではとにかくほとんどすべての活動自粛をせざるを得なかったのですが、次にはどういうことが感染リスクを上げて、どういうことなら大丈夫なのか、すべての歌舞音曲を禁止することではなく、感染は防いだが経済で死ぬようなことがないようにしなくてはなりません。緊急事態宣言をはじめとするいろいろな発令に関する数値的な基準作りも進めたいですね。ハイ、決して余計な法案の議論に割いている時間は一分たりともありません。そんな時間があるのなら、すこしでも今まで不眠不休で働いてくれた官僚のみなさんを眠らせてあげてください!!いいですか、G7始め欧米各国は第二波に備えて本気で対策を打ってきますよ!コロナでも日本が諸外国の後塵を拝することのないように・・・がんばろーや。

政策立案に関わる人たちに向けて繰り返します。感染者数の減少がみられるこの時間にこそ、万が一第二波が来た場合や、もしもコロナと他の自然災害などが重なった場合にはどうするのかなど、プランAに安穏とすることなく、プランBやプランCを想定しておくことに専念しましょう。頼む!お願いやから・・・

それではちょっと頭を冷やしてから、今日も診療頑張りましょう、みなさんお元気で Have a nice day!