5月10日 火曜日

米国に激震が走っているとのことです。米国で女性の中絶権をみとめる「ロー対ウェイド判決」を覆す最高裁の草稿がリークされたというニュースです。リークされるということも前代未聞のようですが、これが実現すると州によっては望まない妊娠を強いられる女性が生まれてしまうということになります。世論調査では中絶を認めるという意見が過半数という統計もありますので、今回の最高裁の草稿は相当に踏み込んだ異例の動きと捉えられているようです。これに絡むのはやはり前政権のときに任命された最高裁判事の保守派の増員が関連しているのは想像に難くない所です。3名の若手保守派判事がねじ込まれるような形で最高裁判事のバランスが歪んでしまう結果になっています。それに加えてリベラルのアイコン的存在であったRBGことルース・ベイダー・ギンズバーグ判事の死去退任がさらに保守派を勢いづかせる一因となっているのだと思います。さすがに共和党の議員の中にもこれはさすがに看過できないと声をあげている人もおられるようです。女性の中絶権が否定されるというのは、よくよく考えると大変なことでして。もちろん州ごとの裁量は尊重されますので、とくにリベラルな東西海岸のブルーステイツでは中絶は合法となるのでしょうけれど、貧富の差の大きい米国で中西部の保守層の分厚い州では他の合法州に移動するすべを持たない女性たちの権利が大きく阻害される結果となりそうです。この草稿が現実のものとなるのかどうか・・・しばらくは目が離せない状況が続きます。私は個人的には女性の権利を守るという意味において、この動きには反対の立場を取るものです。ま、よその国ことなのでほっといたらいいのかもしれませんけどね・・・。なんでかよその国の政治的なことに意見するのは結構気楽にできるのですね。