1月26日木曜日 晴れ

雪が融けてきています。朝は坂道が凍てついており大変危険な状態だったとのことです。今日はスカッと晴れた気持ちの良い1日でした。さてさて、診察室はと言いますと・・・胃腸風邪が大荒れの一日、というかここ数日です。今回は嘔吐が主体で、あまり大腸の症状は強くなさそうです。発熱は3割程度の方にみられています。胃腸風邪・・・感染性胃腸炎とか流行性嘔吐下痢症という名前が付いていたりします。要するに、ウイルスが原因で発症する嘔吐や下痢、発熱といった消化器症状を主体とする症状を呈する感染症のことを言います。よく、ノロですか?って聞かれるのですが、ノロかどうかは厳密には検査をしないとわかりません。京都府の感染症のサイトを見てもノロウイルス感染症という項目は出てきません。

http://www.pref.kyoto.jp/idsc/index.html

例えばノロウイルス迅速検査キットを用いた診断は、3歳未満か65歳以上、あるいは特定の疾患で免疫抑制状態にある患者にのみ保険適応となっているため、確定診断が把握できないからだと思われます。ご存知の方もおられるかもしれませんが、ウイルスに対する特定の薬剤があるものは、現在ではインフルエンザ、水ぼうそう、エイズ、B型肝炎などごく限られたものしかありません。幸いにして(?)、ノロかどうかは治療上はひとまずあまり重要ではないのです。ひとまずと書いた理由は、3歳未満や65歳以上の方で、重症化することもありますので注意が必要であるという意味です。なので、普段の診察で特別に重篤な症状のない子供さん達にわざわざ保険適応でない検査を自費で施行することによりノロかどうかを確定づける意味合いがほとんどないのです。だから・・・病院へ行ってノロかどうか診てきてもらいなさい・・という助言はナンセンスなのですね。ただでさえ不安なお母さん達を、さらに惑わす一言となりますので要注意。嘔吐の懸念のある子供さん達には、すぐに病院に行ってお薬・・というよりも、まずはじっくりと少しずつ水分補給の手立てを考えてあげることとなります。ただし、慌てて飲ませてはいけません。子供さん達は、吐いて少しスッキリすると、すぐにゴクゴクと飲んでしまいますので、その直後に再度、今度はその倍ほど吐いてしまうことになります。すると、プラスマイナスゼロ以下になりますから、嘔吐されたら1−2時間は最低限様子を診た上で、スプーン一杯の水分から与えてみて、様子を見ることが良いでしょう。スプーン一杯がおさまって十五分ほどしてからまた一杯、そのうちに徐々に量を増やしていくことが重要です。その日の目標は、おかゆでしたら、上澄みプラスアルファくらいに置いておけば良いと思います。少し塩分や糖分は含んでいた方が吸収効果は高くなります。この辺りのノウハウはなるべく診察の時にお話するように心がけております・・・。

今の時期の診察は、慢性疾患の患者さんの診察を少し処方間隔を調整しつつ、急性疾患の患者さんにも診察時間を空けておかないといけないなあと思いながら、診療に当たっています。抵抗力の落ちた慢性疾患の患者さんと、急性期の感染症患者さんと、予防接種に来られる子供さん達の接点となる狭い空間なので、やはり色々と気を使わねばなりません。また、同じ発熱と咳などと言ったコモンな症状であっても、インフルエンザや胃腸風邪に混じって来られる細菌性肺炎や、心不全の患者さんを見逃したりせぬように細心の注意を払いつつ、在宅療養の受け持ち患者さんなどの管理も行う必要があり・・・結構大変な時期なのですね。はふぅ・・。

これが数日前、というか一昨日で・・・

これが今日。同じ場所とは思えない!