9月13日 木曜日 晴れ

夜はかなり過ごしやすくなって来ました。夜診が終了する頃にはあたりは暗くなっており、確実に季節の移り変わりを実感します。

さて、日頃予防接種業務にも積極的に取り組んでいます。日本ではワクチンの暗黒時代(言い過ぎかな?)があり、公費負担のワクチン事業が積極的にすすんでいなかった側面があるのですが、昨今の啓蒙活動などにより徐々にその役割を取り戻しつつあるように思います。VPD (vaccine preventable diseases; ワクチンで予防できる疾患という意味)という概念があります。一度感染してしまうと、無視できない後遺症を発症してしまう細菌やウイルスによる感染をワクチンで予防しましょうという事です。もちろん一定確率でワクチンの副反応も起こりうるわけですが、それはワクチンによるメリットをして凌駕しうる範囲内であると考える医療者が多数になってきています。最近は同時接種や不活化ワクチンなどについての知識の豊富なお母さん達も増えており、われわれも最新の知識を学ばなければなりません。9月からはかつて生ワクチンしか存在しなかったポリオの不活化ワクチンも始まり、冬のインフルエンザの季節を控えて、ますます予防接種の役割は大事になって来ました。

ワクチンと言えば、接種の際には必ず母子手帳を持参して頂くようにしています。過去のワクチン歴や、疾病の罹患歴を確認する事も非常に大事なことです。ぱらぱらと見せて頂くわけですが、ところどころにお母さんの手書きのコメントが入っているページがあるわけですね。小さな日々の進歩や成長について、本当に暖かい、愛情にあふれたまなざしでお子さんを見守っておられる様子を感じることができます。小学校の高学年くらいの時期に、『自分の母子手帳を見てみよう。』みたいな授業があっても良いのかもしれませんね。こんなに自分の事を思っていてくれたんだなと、また別の視線で親のことを眺められるようになるかもしれないなあと思ったりします。

よさお3

近くのお家の窓に、また灯がともっています。Y病院にお世話になっていたとある患者さんが元気に退院されました。ほっとしました。関係者のみなさまどうもありがとうございました。