7月14日 火曜日

現在のことが2週間後に反映されるというのはなんとも居心地の悪いものです。今の流行状況は3月末によく似ていると言われます。検査体制(PCRの拡充、迅速化)や療養環境の変化(病院の整備)、患者隔離の手順(健常者に対する方法や退院までの要件緩和)、あるいは有効そうな治療薬(レムデシビルやデキサメサゾン)などの情報、整ってきている部分はもちろんありますから、3月末よりもゆとりが生まれており有利な背景があると思います。しかし、ちょっとした風向きで医療体制については容易に危機に瀕する状況になりうるでしょう。継続的で十分な対策が望まれます。前にも書きましたが、受け入れ医療機関の多くがこの数ヶ月間で被っている赤字はそれぞれ数億円をはるかに超えていると言われています。一部の病院で夏の賞与が大幅削減あるいはゼロになっているというニュースでもお分かりかと思います。今後どうなるかわからない状況でかなり困難な経営上の判断を強いられているのも事実なのでしょう。この辺りはやはり国全体として対応をしていただきたいことです。開業医レベルにどうして欲しいとか申し上げるつもりは一切ありません。自分のことは自分の責任でやっていくつもりです。ただ・・他の疾患も普通にある中で、多くの感染症患者さんを引き受けてくれて、ひいては世の中に安らぎを与えてくれる存在の病院を、そこで働く人も含めて大事にして欲しいと考えているだけです。どうか、感染症指定医療機関への手厚い対策と十分な医療資源の投入確保をお願いしたいと思います。一方で私たち個人レベルの対応策も引き続き継続していかなくてはなりません。もう緊急事態宣言はまっぴらだから・・・とか、もうじっとしているのはいやだから・・・とかいう理由で緩める生活様式というのは感心できません。前回書いた二兎、三兎を追うという理屈は、あくまでも冷静な状況判断に基づいて・・という枕詞がついています。リモートワークでも変わらない仕事の質が担保されるのであればそれは継続すべきですし、憂さ晴らしのような複数名での宴会や会食は控えるべきでしょう。地元の飲食店を応援するのであればやはりテイクアウトを積極的に利用するのが良いと思います(なんとかキャンペーンはやはり無理があるかなというのが私の本音です)。きちんと対応できていればリスクは2分の1にも、3分の1にも軽減できると思います。愚痴を言っても仕方がありません、自分なりに考えてやるしかないですね。そして、自分の考えも臨機応変、その時の状況判断と知見の蓄積に応じて変化させていきましょう。その考えを、別の意見を持つ人には無理に押し付けないようにしたいものですね。