5月23日 土曜日

14年ぶりに国内で感染者が確認されたという狂犬病の話題です。日本では長期間にわたって発症はなかったのですが、他のアジアの国を中心としてまだ数千名の死亡者が発生しているようです。狂犬病はイヌなどの哺乳類にかまれることで感染するのですが、今回の感染者は実際に咬まれた時期から8ヶ月程度経過した後に発症したと報道されています。致死率の非常に高い疾患なので、アジア諸外国(特にインドは多いようです)に渡航される際には事前に予防接種を受けておくことが望ましいと思います。

もうひとつ、子宮頸がんワクチンと言われる、ヒトパピローマウイルス(HPV)9価ワクチンが製造販売の認可を受けたとのニュースです。副反応の問題で、現在もまだ積極的勧奨を控える通知がなされている同ワクチンですが、今までの薬剤は2価、4価のものでした。今回承認されるものはさらに5つのウイルス型に対応しうるもので、海外では主流のものです。現在子宮頸がんワクチンは安全性や有効性が証明されており、WHOも推奨しています。日本産婦人科学会は9価ワクチンの早期承認と定期接種化を求めて運動していたのですが、当院でもこの2-3年は一例も接種はしていないのが現状です。同ワクチンで予防ができると考えられている子宮頸がんは、発症年齢が比較的若く、子育て世代の母親たちが罹患することもあり、別名マザーキラーと呼ばれることもあるようです。定期接種の対象者は小学校6年生から高校1年生の女性です(海外では男性を対象者に含めているところが数多くあります)。

http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=4