6月17日 月曜日
ブログで取り上げたからにはしっかり落とし前をつけねば・・ということで厚労省のサイトに潜入!?してみました。「子宮頚がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」というファイルがあります。冒頭、積極的にはお勧めしていません、という見出し。接種にあたっては有効性とリスクを理解した上で受けて下さい、とあります(リスクについては、そう簡単に理解できないのでありますが)。一定の頻度で見られる、いわゆる軽度の副反応についての記述の後に、「まれに重い副反応もあります」という見出しで、アナフィラキシー(全身の重いアレルギー反応)が96万接種に1回、ギランバレという末梢神経の麻痺症状などに代表される症状を呈するものが430万接種に1回、ADEMという脳神経に重い障害を生じうる病気が430万接種に1回、マスコミで話題になっている持続的な痛みを訴える重篤な副反応については現在調査中となっていますが、これについてはまだ確かな数字は小生は掴みかねておりますが、20万〜200万接種に1回の間の数字である事のようです。これらの数字の多寡については、それぞれの御判断に委ねる事としたいと思いますので、コメントはここではしない事にします。クリニックを運営する身として、先週末からややうろたえ気味であった理由は、やはりこれらのことについてかかりつけ医と相談の上で・・の一言がどうなることやらと、思いやられたからであったかなと考えます。それこそ時間がふんだんにあれば何の迷いもないのですが、日常の業務の中でリスクとデメリットについてゆっくりと相談する時間が果たしてあるのだろうかと考えるとやや焦ってしまったわけです。これは反省しなければなりませんね、こんな事くらいで動じてはなりません。そこで感染症のオピニオンリーダーの一人である神戸大学の岩田先生曰く「今回の厚労省の決定をあえて支持する」との言。パピローマウイルスはいわゆる飛沫感染である風疹などとは違い、緊急性の弱いものであるから、感染経路をとりあえず断っておく事は不可能ではなく、明確な結論が出るまですこしペンディングでも良いのではないかというご意見でした。なるほど。でも一つの出来事でやはりドドーッと雪崩を打つ国民性の我々、十把一絡げに他の大切なワクチンに影響が出ないように同時に配慮する必要がありそうです。
某国連人道大使のシャラップ発言にはちょっと驚きました。あれがアフリカ諸国ではなく、先進国の大使の面前でなら、同じ発言はできなかったのではないかな?と勘ぐってしまいます。最近立て続けのいろいろな失言問題を考えるにつけて、つくづく内弁慶な国民性だなと思う事が多いです。この手の議論ってほんとに海外では一蹴される話題です。まさに取りつく島のない対応をされる事間違いなしです。アメリカで数年暮らした感想として言いますが、くやしいでしょうけれどそうです、おそらく。