5月24日 水曜日
さてさて水曜日、午前はおうち、午後はおそとの日です。朝から快晴ですので、気持ちよく一日過ごすことができればよいなと思います。さて今日は認知症という疾患についてひとこと。80歳後半までに伸びている平均寿命の一方で、現在では数百万人の罹患者がおられるという状況です。若年性認知症という少し特殊な状況を除くと、やはりご高齢の方の中での大きな心配事の一つとなっています。全世界的にそれは注目されており、様々な研究努力がなされています。治療薬の開発にも心血が注がれていますが、今のところ本邦で承認されている4種類の薬剤の効果は限定的でもあり、この分野はまだまだ苦戦が続いています。予防や発症後の進行抑止が重要であることは言うまでもありません。フィンランドでのFINGER研究というものから導き出された結論は、これらに有用な因子として、運動・栄養・生活習慣や認知啓蒙活動など多因子介入が重要であるとされています。実際には認知症を増長悪化させる可能性のあるものとして、糖尿病・肥満・高血圧・抑うつ・運動不足・喫煙などが挙げられるようです。特に後者になるにつれてその寄与度は大きくなっています。やはり中年期以降には、暴飲暴食を控えて、適度な運動を心がけ、他人との争いやストレスをなるべく少なくして朗らかに生きるということが大事なようです。最近診療で経験するのは、そこに過度な飲酒が加わるとかなり状況は悪くなることを実感しています。塩分・カロリー・アルコールが生活習慣を整えるためのキーワードです。