京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ投稿者: tsuyopon

やっぱりか‥…

3月11日 火曜日 寒さは一段落

昨日のぼやきの続きですけれど、やっぱりかという感じです。ニュースサイトに「文科大臣が 論文を撤回して再提出を 云々」の記事。科学論文への政治介入は小生は断固反対でありますっ。科学論文とは一流の同業者である科学者の複数人による査読というピアレビューシステムを経て認められたものが掲載されているのです。しかも今回はその最高峰であるネイチャーという雑誌です。もはや日本の政治家が口出しするなどという国内問題ではなく、立派な世界トップレベルでのイシューになっているのです。それぞれの雑誌にはletters to the editorと呼ばれるようなコーナーがあり、掲載論文への疑義、批判などはそこで堂々と議論がなされれば良いだけの話です。結果として、アンフェアなことが発覚すれば、その研究者はその後の研究活動の道はほぼ断たれると考えて良いでしょう。それほど過酷な罰を受けることになります。それでおしまい、ただそれはそう証明されるまで、安易に批判やましてやワイドショーや国会レベルでバッシングする等、ちょっと他の先進国ではあり得ないと思います。一旦バッシングモードに入れば何でもありの我が国の悪い所ではないかなと思います。もちろん、今出回っている情報をもとに推測すると、かの論文の旗色は極めて悪い状況ではありますが・・・。

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世間が叩きだしたら何でもあり・・・っていうこの風潮、もしかするとこの国の病理かもしれません。

肩を持つ訳ではありませんが

3月10日 月曜日 さぶいっ!

そうです、ご存知の方はご存知のように、ついこの間テレビや新聞を賑わした「リケジョ」騒動・・・ぴたりっと静かになってしまっています。なんとなれば、論文そのものに疑惑が生じているということなのです。あれだけ大騒ぎをしたメディアも様子見を決め込んでおられるのですね。そしてコトの真偽の趨勢が決するに至るや否や、またぞろ大騒ぎしだすのではないでしょうかね。後だしジャンケンのようで、小生はその態度にやや不満を感じております。何が起こっているのか、まったくあずかり知らぬ立場ではありますが、大胆な発言をお許し頂けるのならば・・・おそらくSTAP細胞はできたのだと思います、経過はどうあれ。共著者のY大学の先生は非常に素直なコメントをされているのが今日のニュースに出ておりました。あとは所属のRIKENがどういう判断を下されるのかという所に注目したいと思います。どういう結果になるしても、交響曲贋作疑惑のようなスキャンダルで終わってしまうようなネタにはならないだろうなあと推測しています。

UP

論文のスキャンダラスな取り下げネタなんて、じつはそこかしこに存在しているのです。pubmedで”retraction”っていうのを調べると・・。風雪に耐えうる研究をして行くことの何と困難なことよ・・。なので、雪崩を打ってバッシングモードになっているときには、なおさら冷静に検証していく姿勢が大切なのではないかなと思います。誰かがインチキをしたぞ〜って叩いてしまうのは簡単なのですが、科学実験って、色々なファクターが入り込んできている世界だと思うんですよね(肩を持つわけではないのですけれど・・・)頑張れ、未来のリケジョ達よ!!

タショクシュキョウドウ

3月6日 木曜日 雨

今日は午後の診察が終わってから地域医療関連のシンポジウムを聴講してきました。少しおくれて到着したのですが、駐車場が一杯でビックリでした。たくさんの方々が関わっているのだなあと再認識。日頃お世話になっている方や、尊敬する先輩先生方も登壇されて色々なお話を聞くことができました。どれも成る程なあと思うお話でしたが、「すべての場合において本当に在宅療養が最良の解なのか、最近色々と考えるようになりました」っていうお話をされていた先生のご意見には納得。はたまた、介護支援専門員の方のお口からふと出た一言に唸りました。在宅患者さんが家に帰ってホッとされる瞬間は・・・「おうちの匂いとか、置いてある家具の位置なんかに安心感を感じられるのでしょうね」っていうコメント。家具の位置ですか・・・やはり現場を踏まれている方は感じられることが違うなあと思いました。何かとても実感を伴う感想で非常に印象に残りました。私なんかですと、そう聞かれてもそこまでリアルな表現はできそうにありません。今日はそれが聞けただけで、診療後にちょっとしんどかったのではありますが、参加した甲斐があったというものです・・・。

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最近しょっちゅう耳にするキーワード「多職種協働」とか「多職種連携」シンポジウムで聞くと簡単にできそうなのですけれど、これが実際には難しい・・・

発音がむずかしい・・・シリーズ

3月5日 水曜日 雨

気温の低い日の雨は最悪です。冷たいし寒い! ユーミンの曲で「冷たい雨」っていうのが思い浮かぶのですけれど、雨にうたれながら街をさまよえるくらいだから、あれはきっと真冬ではないはず・・。真冬のつめたい雨はダメです!

今日は得意のどうでも良い話題ですが・・・英語の発音は難しいなあっていうことです、ハイ。今ニュースを賑わしている二つの国。時事ネタは本ブログの守備範囲を逸脱しているのですけれど。まず一つ、ウクライナ。日本人的にはやはりウ・ク・ラ・イ・ナです。がっ、外国人の会話を聞いていると、ユークレイニアン◯×▲□▽・・・って言ってはります。ウクライナじゃなくってユークレイニアなんですね。もひとつ・・・こちらは実際にその国の人としゃべった時に理解できなくって、あぜーんとされた経験があるのですが。

「イーズレイル」

どこの国かわかりますか? そう、イスラエルなのでした。まずこちらは外国の人=アメリカ人・・みたいな感覚があったものですから(お恥ずかしい限りなのですけれど)、どこから来たの?って聞いたときの答えが「アイムフロム イーズレイル」って言われると、頭が真っ白になって、イズレイルってどこの州???みたいになってしまったわけです。体格の良いそのおばさまは、その瞬間から非常に気分を害されまして、「私の国を知らないお前さんは何モノぞ?」というような険悪な雰囲気になってしまったことは言うまでもありません。確かに、エルサレムを擁するイスラエルを知らない大学研究者ってちょっとあり得ませんよね、国際常識的に。ということで、英会話なんて小学生からしなくていいでしょっていう主義の小生も、やはりナショナルアイデンティティの根幹である主要国の国名ぐらいは渡航する前に一通り勉強してなくっちゃ・・と思っています(反省)。

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イスラエルはユダヤ教っていうことで、アンネの日記事件で話題になっていますよね。

往診・・その後

2月21日 金曜日

まだまだ体の芯から冷えるような日が続きます。インフルエンザはピークを越えたということのようですが、まだ中学校では学級閉鎖があるとも伺っていますし、大人の方もパラパラと来られたりしています。まだまだ気を抜かぬよう週末をお過ごし下さい。

さて、往診をさせて頂いていた患者さんがお亡くなりになられたり、ご入院された場合には、一旦それで往診は終了となりますし、その後のお宅に訪問することはないわけです。しかし最近、その後にご訪問することが幾度かありました。一度目は、ご夫婦共に往診をさせて頂いていたご家庭です。ご主人が入院されたため、奥様の診察をするために伺いました。奥様は認知症を患っておられるのですが、当初ご主人から往診に関わらせて頂いていたので、ご自分はそのおまけだという認識であったのか、私が訪問した時には少々びっくりした表情で「自分のために来て頂けるとは思っていませんでした」と仰っていました。その日は身体診察というよりもお話中心の訪問となったのですが、印象的なお言葉を耳にしました。「主人の病状のことや、その後の経過のことは私にはさっぱり教えてもらえなくて、この間もタクシーを呼んで見舞いに行ったのですけど、主治医の先生にもお会いできずに帰ってきたんです。もう80を過ぎてボケてしまったら人間って何の役にもならないんですね。」寂しそうな表情でそう語られていたのがとても心に残りました。もう一度は、寝たきりの母親をなくされた奥様です。奥様自身ももうかなりのご高齢なのですが、お母様をなくされてから「フーッと気が抜けたようで、いまだに母が休んでいた居間に向いかけては、あっもういないんだと思って引き返してくるんです」と言われて、相当疲れておられるのか、普段は良好に調節されていた血圧が跳ね上がっていました。外科医をしていた頃は、手術をして回復されたらさようなら、開業医になってからはもう少し長いおつきあいになりましたけれど、まだまだ自分の想像し得ない世界があるのだなあと考えさせられました。

flu statics

 

当院での感染症診療を看護師さんがまとめてくれました。忙しい時間の中で、いつの間につくってくれたんだろう・・・。

?と思った2項目

2月18日 火曜日

少しサボっていると早くも2月が逃げてしまいそうな時期になってしまいました。今年はこの辺りの積雪はあまりないのですが、関東地方は大変なことになっています。群馬や山梨では車中に2泊もせざるを得ない人たちがいるとか。コンビニの食品も底をついているらしく、かなり危機的状況なのではと案じられます。そんなニュースもオリンピックにやや埋もれてしまった感もあるようで、それはそれで何とかレスキューを早急に確立して頂かないといけません。ウェブサイトの端っこで見かけた記事のなかにも?マークの灯ったものがありました。一つは、作曲家ゴーストライター事件関連のものなのですが、最近は聴力障害の認定疑惑にまで話は及んでいるようです。担当大臣が、認定制度の見直しについて言及されたそうです。すなわち、聴力があるかどうかの客観的検査を認定制度にとりいれてはどうか検討する、ということなのですが、それはそれでややこしい問題もあるのではないかと思いました。どういうことかというと、客観的検査とはおそらく聴覚刺激を与えて脳の反応をみる検査のことだと思うのですが、この場合、脳の反応は電気的信号や血流シグナルの有無として検出されるわけです。ただし、シグナルがあるからといってもそれがすなわち、意味ある情報として入力できているかどうかということは、また別物なのではないかなあと思います。つまり、何やら良く聞き取れない雑音をシグナルとして検出してしまうと、それをもって聴力があるという風に誤診される心配はないのかなあということを懸念します。聴こえているのに聴こえていないという詐欺はなくなるのですが、かわりに本当はきちんと聴き取れていないのに、聴こえているじゃないかこの野郎という事態が生ずる可能性はないかどうか、きちんと検証しなくてはいけないと思います。何もかも検査が万能と思われがちな風潮は、インフルエンザ迅速検査然り、慎重に取り扱わなくてはいけません。現にDNA鑑定でも誤審があったりするのですから・・。

二つ目の?は、決定された改訂診療報酬の在宅医療関連での新聞のコメントで・・・かくかくしかじかで、入院から在宅診療へのシフトをはかり、コスト削減にも寄与することができ・・のような論調を読みました。ホントに??って思いました。在宅診療はそれはそれで、かな〜りコストのかかるシステムなのですけれど・・・。何よりも必要なマンパワーがそれぞれ個別対応ですので、かなりのものとなるわけですし。コストありきの在宅シフトではなくて、”やっぱり最期は在宅で”の在宅シフトであってほしいな〜と思う今日のニュースでした。

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ゴーストライターに騙される取材者も取材者ですよね。ある程度しっかり取材をすれば、うさんくさいぞっ?!ていうシグナルは感じることができるのではないかなあと思いますけど・・・。それを聴覚障害の認定にすり替えてるような雰囲気もすこ〜し感じられます。まあひねくれ者の勘違いかもしれませんが・・。

真相は闇の中に

2月3日 月曜日

生暖かい風の吹いている一日でした。明日からはまた一級の寒波がやってくるそうな・・・やれやれ。さて巷のニュースはいろいろとありますが、大分昔の宗教団体の犯罪に関連する事件のニュースが目につきます。キャスターやゲストのコメントの方は口を揃えて「真相は未だ闇の中です」とか「真実に至るには云々・・」と仰るのですが、そもそもたった一つの真実がある筈ってのは多くの場合、我々の妄想なのではないかしらんと思ったりします。学校のいじめや自殺事件などの時にも思うのですけれど、誰の目にも映ってくる一つの真実なんて、この世にはないんじゃないのかな。生じた出来事はたった一つなのでしょうけれど、それに含意される意味って、見つめる人一人一人によって、違った受け取り方をするものでしょうから。それに、多感な中学生や子供たちの考えていることって、大人の価値観だけで一括りにしてその因果を説明できるって考えるほうが、やや傲慢なのではないでしょうか?・・・なので!万人が納得する事実が唯一どこかに存在するはずだっていう締めくくりをニュースの最後にされると、たぶん永久にそんな答えにはたどり着けないんじゃないかなと小生なんかは思います。

恵方猫

 

今日は往診途中の車の中でコンビニ恵方巻きを頂きました。東北東(でしたっけ?)にはあまり向いていなかったような気がしますけれど・・・

fluを診断するには医師は要らぬ・・・

1月30日

早いものでこの間年末だお正月だと思っていたらいつの間にか、1年の12分の1が終わろうとしています。病院はあいかわらず感染症との闘いのようです。

ところで!

今世間を震撼させている(?)インフルエンザの話題です。来る患者さん、来る患者さんの鼻腔にプラスチックの棒を差し入れて、くしゃみをさせながら検査しているのですが、本当にそれは必要なのかという問題提起なのであります。かなり大胆な提起(のつもり)ですが、そもそも論として、検査そのものの感度は90パーセントとかなのですね。つまり、インフルエンザがインフルエンザとして正しく陽性に出る確率が9割だっていうことです。「ああ、インフルエンザじゃないですよ・・」と言われても、実は10パーセントの確率でインフルエンザの可能性があるという訳です。たとえば、ご家族5人中3人がインフルエンザと既に診断されているという場合に、残りの2人のかたのどちらかが、39度の発熱と関節痛を訴えてクリニックに来られた場合に、もうこれはほとんどかなりの可能性を持って、検査をせずともインフルエンザと診断できる場合が確かにある訳ですね。まさにこれぞ、「この患者さんがインフルエンザであるという推論に、合理的な疑いを差し挟む余地のない程度の立証」じゃあないですか。検察庁もおそらくお墨付きを下さることと思います。それでも、やっぱり検査の結果がすべてだと言われると、それが陰性だった場合に「じゃあ、明日また39度のお熱が出たら、受診して下さいね」っていうことになるのならば、翌日果たして、その方は顔を真っ赤にしてブルブル震えながら、そしてまわりにもウイルスを飛散させながら、クリニックまで足を運んで頂くことになる訳です。どう思われますか?こういう時にこそ、医師の診断能力が問われているのではないかなと・・・このごろ私は強く思う訳です。無駄な検査も省略されますし、患者さんもおうちでゆっくりと療養できますし、何よりも院内のウイルス粒子蔓延もふせぐことができるのですからね。うん、明日からは私ももっと医師としての職能を活用して、まじめに仕事をするぞっ!と思いを新たにするところであります。ていうことで、べつに迅速キットで陽性がでなければインフルエンザだという診断ができないという訳では決してありません(きっぱり)。キットでないと診断できないと仰るのならば、医者なんて要りませんがな!〜もちろん、だろう診断だけではなく、他の重要な感染症や、疾病をきちんと鑑別することが重要なことであることは言うまでもありませんが・・・

flu test

 

もうわたくしなんて、真っ白な壁を見ていると、なんとな〜く、薄いピンク色の縦線が入っているような錯覚にとらわれる病気にかかってしまっています。受診してくれた患者さんのために何としてでも縦線を見つけるぞ〜〜みたいな、何か変な倒錯・・・何となく誘拐事件のときのストックホルム症候群のような心境!? おまけに最近小生、近いところが見えにくいのです・・(泣)

メタボ健診に思う

1月27日 月曜日

穏やかな一日でした。最近時々、働き盛りのかたの特定健診の結果を診察時に拝見することがあります。特定健診とは別名メタボ健診と呼ばれるもので、一時あんなものは役に立たないのではないかなどと槍玉に挙げられていたこともありました。確かにウエストが何センチだったかだけを取り挙げても無意味ですし、それ自体にさほどの意義は感じないのですが、健診自体は結局のところ、それを利用する人間次第かなあと思います。特定健診そのものに意義があるかないかを論ずることはあまり意味がなくて、それを有意義なものにするにはどうするかということを考えなければならないと思います。利用する人間の中でも最も重要なのはやはり医師だと思います。とりわけ、2次健診としての診察を担当する医師の役割はとっても大事です。30歳代、40歳代の元気な方が持って来られた検査で、時に見過ごせない数値を見ることがあります。そういう方にどのように病状説明を行い、その後の生活をして頂くのかということはひとえに、担当医にかかっているわけです。とりあえず数値を補正する薬を処方するだけ、などというのは一時期数値は良くなるかもしれませんが、そのうち忙しい毎日に紛れて、受診することもおろそかとなり、また元の木阿弥に・・という結果が見えてきますし、かといってその方の食生活や生活習慣にだらだらとお小言を並べ立てても、気を悪くしてかえって逆効果になるかもしれません。ことほど左様に現在健康な方への診察は難しく、その健診結果の取り扱いには慎重を期すべきものであると考えています。すぐに数値を改善することだけに力点を置かず、どうしたら長いスパンでご自分の健康に気を遣って頂くことができて、10年あるいは15年後に、動脈硬化の進行なく、合併症のない健やかな日々を送って頂くことができるか、ということを目標にしなくてはいけないと、自らを戒めております。やっぱり、お父さんには(お母さんもですが)、ちっちゃな子供さんたちが一人前になって巣立って行かれるまでは少なくとも元気で頑張ってもらわなければならないですしね・・・。いくら高スペックのパソコンを持っていても、使う側の頭が未だに32ビットならばそのパソコンは宝の持ち腐れになるっていう訳なのですから、やはり特定健診というハードに十分なソフトとなれるように、我々医師が活躍しなければなりません・・。

何となく最近は「フィクションのモード」スイッチが入っているので、小説読みのペースが上がっています。小生はフィクションモードとノンフィクションモードが交互に入れ替わるのです。ついこの間は、元新聞記者の方の事件記事にもとづいた作品を読みふけっておりました。ノンフィクションの魅力は何と言っても迫力ですね。真実は何物にも代え難く訴えてくるものがあります。フィクションは他人の人生の疑似体験というのでしょうか、乏しい自分自身の人生経験に豊かな何かを与えてくれるような気がします。ま、そのわりにあまり成長してない自分自身なのですけれど・・

男前に一票!

1月25日 日曜日 夜から雪が降っています

今日は一日かかりつけ医認知症対応力向上研修会というのに出席していました。がん緩和ケア、うつ病、糖尿病、認知症とかかりつけ医の守備範囲は広がる一方です。京都市内や南丹、舞鶴、綾部などからも講師の先生方が来られ、丹後、北丹地域の医療者のレベルアップを図るという目的で行われた会です。日頃在宅診療は認知症ケアと無縁ではないのでありまして、小生も診療能力増進のため、頑張ってお話を聞いてまいりました。既に丹後地域の高齢者率は30%に達しており、少子高齢化が叫ばれる日本社会の最先端を突っ走っているのです。2040年には40%を超える住民が65才以上になるという予測もあります。う〜む、どう考えても病院は足りないし(入院病床数という意味で)、医療難民と呼ばれるような方が少なからずでてくるのではないかという懸念を容易に想起することができます。巷間メディアでも問題提起はなされていますが、未だに私たちの意識には「そうはいっても、今の生活が精一杯だし・・」というような思いがはびこっているのではないでしょうか。遠くない未来にきっとそういう時代は来るのでしょうけれど・・・。さて、会での講演で、とある医療機関の認知症専門外来を訪れた初診患者の最終診断の内訳が提示されました。約3分の2は何らかの認知症に属する疾患という診断、残りの3分の1のうち結構な割合で、まったく認知症診断基準にかからないどころか、むしろインテリジェンスも高い普通の人々であったそうな。このような患者さんの少なからずが、テレビでの啓発番組をみて自分もそうなのではないかと心配になって受診した方々であったのだとか。うんうん、テレビの健康ものって、そう言えばやたらと大げさな見出しや、音響効果でもって視聴者を怖がらせるという手法の「脅し演出」が多いですよね。あれもどうなのかなと・・不必要な受診患者を増やしてしまうだけだったり、仕方なく施行される検査にも無駄なものがないとは言い切れない訳で。そういえば、小生の外来でも、テレビに触発されて、全くする必要のないと考えられる検査をリクエストされる、という場面も珍しいものではありません。もちろん不要な検査は納得して頂くまで十分説明をするのですけれど。

smoking hazard

 

欧米の煙草の包装は脅し手法そのものでした。これはまあ理解できるというかたは多いと思いますが。

東京都知事選のニュースがネットやメディアを賑わしています。選挙の度に思うのですけれど、候補者の政策を調べて、天秤にかけてその結果投票行動に反映する、という人ってどの程度いるのでしょうか。そもそも政策の良否なんて一寸調べたくらいでは素人にはわかりませんし、これには賛成だけど、あれはどうかなあということもあるでしょうから、政策で投票するというのは、実際にはそう簡単なことではありません。なので・・・何となくこの人は信用できそうな気がする、みたいな「男前に一票!!(これが女性の場合もあるのですけど)」というのが決めてっていうことが多いです・・・私のばやい。

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