京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

人間は一本の管である

9月18日 金曜日

頭木弘樹さんの著書が面白い。大学生の時に潰瘍性大腸炎を患いその後の絶望と希望の日常を綴られたユーモアの書です。帯がまた秀逸で・・・「人間は、食べて出すだけの一本の管。だが、悩める管だ・・・。」口に始まり肛門で終わる一本の管なんだということですね。体調不良にも拘わらずなかなか医療機関にたどり着けず、医師にも本当のことが言えず・・という患者心理が描かれた冒頭部分からすぐに引き込まれる、一般の人にも、医療関係者にも必読の書ですねこれは。冠婚葬祭には会食がつきもので、ビジネスにもパワーランチとか、食べることは人間社会のベースになるアクティビティなのですが、それが消化器疾患をもつ患者さんたちにとっては、拷問以外の何物でもないのかもしれない(私の解釈です)ということ、なかなか普段は気づけないですよね。何気なく、ちょっとランチでも行きませんか?ということがプレッシャーになってしまうことがあるなんて・・・。世の中『知る』っていうことはとても大切なのだな~と思いました。

医学書院のシリーズ・ケアをひらくというシリーズです。

シパシパ

9月17日 木曜日

毎日外来診察をするということは毎日色々な方達とお話をするということになります。今はマスク越しになりますが・・。時々患者さんが他病院に行ってうちの処方についてこんなことを言われましたけど・・・と仰って来られるケースがあります。その多くはちょっと批判的な内容だったりします。そんな薬飲んでいたら〇〇になりますよ・・とかいうパターンです。イラチな私なんかは、すぐにムカっとしてしまうのですが、一呼吸置くことが大事です。冷静に考えると、結構その内容が当たっていることも多いのです。薬の効果には副反応がつきものですからある程度こちらもそれを承知で処方しています。その部分が患者さんにはきちんと伝わっていなくて、そこを突いて来られているだけなのですけど、やっぱりちょっと腹がたつのですね。でも大事な指摘だと思って飲み込む・反芻する・今後の処方と患者さんとのコミュニケーションに活かすというふうにしています(つもり・・・)。

患者さんとのお話といえば・・・目の不具合を訴えられる表現が実に色々あるのです。

目がシバシバする(これが自分の中ではメジャーな表現でした)・そこからの派生でしょうか、目がシカシカする、当地では・・・目がキシャキシャするも結構多いです。ネットで知ったのは、目がシパシパする、とかもありました。なんとなくわかるのだけど・・・

マスクといえば・・・今年大学などに入学した学生さんたちは、お互いにマスクをした顔しかほとんど見ていないだろうと思います。顔も声もパソコンの画面を通じてしか知らないかもしれないし、どんなコミュニティやお友達ができるのでしょうかね。それはそれで新しい人間関係作りに寄与する部分もあるのかもしれないなと思ったり。

人と人とのコミュニケーションってほんと難しいですー まとまりのない文章ですみません

こんめえ

9月16日 水曜日

秋の日はつるべ落とし 昨日の夜はそう呟きながら車を運転していました。7時ちょうどでもかなり薄暗い感じでした。つい30分前まで明るかったのに・・。ストン!と陽が落ちるような印象で、さすが昔の人は上手いこと言いますね。つるべって釣瓶って書くそうです。井戸の水を汲みあげるための縄に結びつけた桶のようなもののことです。ウィキによると、釣瓶落としっていう妖怪もあるそうです。

さてさて、世の中は色々なことが起こっているようです。総理大臣は変わるし、コロナは感染者が少なくなってきたので、東京をgotoにするだとか、インフルエンザ予防接種は優先順位っぽい感じをつけて前倒ししようとか、スポーツ選手の言動にスポンサーがどうだとか、昨日は厚労省からも今冬の発熱患者対応について一挙にたくさんのリリースがなされており・・色々なことがありすぎてちょっと疲れてしまいますね。ニュースは今や消費される商品の一部みたいな扱いを受けているなと感じることが多々あります。踊らされて消費するだけにならないようにしっかりとした”りてらしい”を持たないと!と考えています。コロナだって、少なくなってきている現状は10日くらいまでに起きたであろう出来事の結果であるということをついつい忘れてしまっていますね。東京や大阪ではこの数日で、Rtが微妙に増えてきているようですので、今緩めすぎるとすぐに ↑ のカーブになっていきますぞ・・・。早くこれも釣瓶落しになってくれないかな〜

ということで・・・今日のタイトルは「混迷」でした。私の心の中の状態ですね、コレ。

予防接種についての続報

9月15日 火曜日

今日も朝はひんやり

さて、さっそく本題に入りましょう。今年のインフルエンザ予防接種の動向についてです。先週厚生労働省発信の情報がニュースで流れていたようです。65歳以上の定期接種対象者については10月1日から行い、それ以外の方は10月26日以降までお待ちくださいという内容でした。今の所それ以外の公式な情報発信は地元自治体からはありません。65歳以上を対象とする接種については、おそらく10月1日を基準として、最短の月曜日である5日から開始とかその辺りに落ち着くのではないかと予測しています。当院の接種開始日程も10月中旬と記載しておりますが、今後の自治体の公表に沿って開始する予定です。お知らせでもお伝えしておりますように今年は定期接種以外の方には事前予約をお願いしています。10月1日をめどに予約開始とさせていただく予定です。お手間とご不便をおかけしますが、薬剤確保のために必要な措置と考えております。ご了承ください。

秋が来てる

9月14日 月曜日

朝ウチを出るときの体感気温をいつも気にしているのですが、今日はヒンヤリでした。きっと10度台の半ばくらいの気温だったのではないかと思います。ヒートアイランド現象のある都会ではまだまだ蒸し暑いのかもしれませんが、この辺りはそろそろと秋が来ていますね。周りの田んぼも半分以上収穫が終わっています。まだ数日しか経っていないのに稲の切り株からは青い葉っぱが数センチ伸びていますけど。そろそろ連休があったよーな気がするけど・・と思って昨日眺めていたカレンダーによると来週前半のようです。あと1週間頑張らないと。

最近は外来診療の型についてお勉強しています。「同じ主訴には同じアプローチで」というのがスローガンです。外来診療の診断の決めてという統計的なデータがあるのですが、なんと6−7割は問診なんですね。まあそれはさほど実感とかけ離れた感じはないのですが(時には問診票を読むだけで診断99%してしまっていることもあります)。内科・外科・整形外科その他もろもろのご相談をお聞きするので、幅広くなるべく深く知識をつけておかないといけないです。まだまだ道半ばですけど・・・もう少し座学の時間を多めに取らないといけないなと思っているのですが、ついつい関係ない書物を手にとってしまい、気付くと→ zzzzzz…… あかんやん

how to become creative?

9月13日 日曜日

早朝から大坂選手の試合速報にくぎ付け・・・1セット目を2ブレークダウンで失い、あかんか・・・と思わされたのですが。やはりテニスはそのまま終わらないスポーツですね。2セット目は6-3で大坂選手が奪い返している⇐イマココ

さて、たまたま拾ったツイッターでの動画です。泣く子もだまるノーベル賞受賞者であるDr.利根川のスピーチです。はじめの一言でノーベル賞受賞者が”I dont feel I am a very creative scientist” 自分はさほど創造的な科学者ではないと思いますというメガトン級のジョークをぶちかましておられます。3つの条件のうちの最後のが秀逸なお言葉ですよね。

「少なくとも二つの異なる分野の、普段交わりのない立場からの知見を組み合わせて考えること」

コロナ禍の中で異なる分野の交わりが薄れてしまう心配をついついしてしまいました。他者との対話、異なる意見に耳を傾けることの重要性でしょうか。利根川先生素敵すぎる・・・

“If you force me to…”という言い回しとかも、なんかウィットに富んだ感じですきだな~

試合のほうは・・・ファイナルセット3-1でなおみ選手リード!!キター

日曜日の朝からちょっとホクホク(^^)

法学部の二人と京都と二人のオカザキ

9月12日 土曜日

カリフォルニアの山火事がサンフランシスコを火星のようにしているとのニュースを見ました。そもそも山火事がたくさん発生する背景には気候変動の問題があるのではないかというのが専らの解説のようです。トロピカルストームが発生して、それまでの熱波で乾燥していた山林に落雷がきて火事が発生するのだとか。映像をみると真っ赤に染まる早朝のサンフランシスコの空が写されています。そういえば昨日は9.11でした。以前にも書いたことがありますが、その時私はちょうど京都のとある病院の当直室で束の間の休息をとっておりました。机の上には当時大学院で携わっていた研究の成果をまとめるべく論文のドラフトとかその資料が積まれていました。傍らでつけていたTVに映されていたNHKのニュースの速報の最中に、2機目の突入が起こったように記憶しています。その後は一晩中、のちにテッシーの愛称で呼ばれたあの方がずっと解説しておられたのを覚えています。ビルが真下に崩れ落ちていくシーンが衝撃的でした。当然論文は手つかずでそのまま一日を過ごしたのですけど。来年でもう20年が経つのですね。その後いろいろなことがあったこの20年間でした。

法学部の二人と二人のオカザキってのはですね・・・平野啓一郎さんと岡崎琢磨さんの著書を読んでいたのですが、お二人ともプロフィールを読むと京大法学部卒と書いてあるのです。岡崎琢磨さんの作品は「タレーランの事件簿シリーズ」が有名だと思います。シリーズの文庫本の表紙がラノベ風でずっと気になっていたのですけど、最近ようやく手にしてみました。この間読んだ短編がとても面白かったので。それから最近、岡崎体育さんの音楽とかをよく聴いていたので、京都の岡崎つながりで、法学部と京都と二人のオカザキか・・・と思ったものでついついタイトルに書いてしまいました。ただそれだけなんどす。

 

揺らぐ?くれでぃびりてぃ

9月11日 金曜日

昨日は話題になっている口座の不正出金問題について詳しく解説を聴きました。今回の事案は件の口座に関わりのない人でも関連する銀行にアカウントを持つ人であれば誰でも被害に遭う可能性があるという話です。調べてみると・・わたしたちの街の銀行も”今回の件で云々”ってHPに書いてあったので早速私も口座チェックを行うことにしました。銀行の窓口に人がたくさん並んでいました・・みたいなことを述べておられるのも見ましたけど、まあ銀行の方もすぐに対策はされているようですし、過去の履歴で不正がわかればその時点できちんとした対応をしてくれると思いますので、駆けつけ騒ぎにする必要性は全くありませんけどね。最近はキャッシュレス決済がすすみ、それに加えてみなさんもポイントカードなどの登録も色々と複数個されているのではないかと思います。個人情報はおろか、口座番号などの管理も含めて注意が必要となりますね。口座番号と暗証番号に加えてキャッシュカードがあれば3つのハードルになるのですが、今回の事案は口座番号と暗証番号の二つをクリアすれば他のチェック機構を働かせなくてもよかったということが問題であったようです。リバースブルートフォース攻撃って初めて聞きました。自分が仮に誰かの銀行の番号を聞いて知ったとします(普通色々な場面で自分の口座番号を教えることありますよね)。その後、悪事を企む人が、例えばネットバンキングでその番号に適当な暗証番号を当てて不正をはたらこうとしたと仮定しましょう。通常ある一定回数エラーを生ずるとそのログイン画面は一定時間ロックされますので、そう簡単には口座破りできないわけです。これはみんな知ってることかなと思います。リバースブルートフォース方式というのは、そのアプローチと逆になります。すなわち、たくさんの口座番号と名義人の組み合わせを入手した悪い人がそのリストを作って、一方でありそうな番号の組み合わせのリストを作成します。そこで銀行のサイトにアクセスして、今度はパスワードだけを固定しておいて、そこに次から次へと口座番号と名義人を当てはめてヒットさせていくわけです。これだと回数制限のロックは何の意味も成さなくなりますので多くのリストを当てはまれば当てはめるほど、どれかがヒットする可能性が出てくることになります。うわ〜・・・やろうと思えば何だってできる!っていう学校の先生の教え・・・ほんまやね。こういう悪いことはコンピュータにプログラムしてロボットにさせてしまうと、罪悪感も薄れてしまいますから、むしろ達成感すら感じてしまうのかもしれません・・。最近ログイン画面にでてくるあのパズルみたいなやつって面倒臭いけど大事なステップだったのね。誰かが、「今は1ピースだけのパズルが多いけど、そのうち32ピースとか出てくるんだろうな」って呟いてたのをみてかなり笑ってしまいましたが、現実になるのかもしれませんね。現金と商品の直接手渡し交換から、キャッシュレス決済の間に横たわるわたしたちの課題を再認識した1日でした。さてと・・今日は金曜日ですよ TGIF!

便利は長続きしない?

9月10日 木曜日

新型コロナの影響で最近は会議とか学会が軒並みオンラインで開かれるようになっています。開業医にとっては、学会のために休診をして出かけて参加するという形態が取りにくいので、オンライン開催はむしろ大歓迎です。会期終了後のオンデマンド配信だって非常に便利です。いっそのことこれが定着してくれないかなとさえ思います。会議もそうですね。診療の合間に車を飛ばして参加して、またギリギリになって戻ってきて・・みたいなことがなくなれば何と素晴らしいのでしょうか。学会とか薬品のお披露目会などがオンラインになると、打撃を被るのは会場施設ということになるので、コロナが収束してもこのシステムが定着するとは思えないですけどね。9月末には京都府医師会の主催する学会が開かれるようです。個別の演題発表も見てみようと思いますが、メインシンポジウムのゲノム医療と遺伝医療のセッションがとても楽しみです。医療倫理を含めたお勉強をしようと思っています。

ワクチン開発の臨床試験に副反応で一時中断というニュースが流れています。政治家が非常に前のめりになって支援していくのはわかるのですが、やはり新しい薬剤の開発は公正中立で圧力のない状況下でなされることが大切ですね。日本でもあれだけ慎重だったワクチン行政なのに、コロナになると一斉に推進論一辺倒なのは、何となく「君らな〜・・・」と思ってしまうのでした。

気をつけよう

9月9日 水曜日

ニュースで流れてきました不幸な事故です。4歳の子供さんがぶどうを喉に詰めたという出来事です。ぶどうが危険であるというのは兼ねてから指摘されていたとは思うのですが、まだまだ徹底的に十分に周知されているとは言い難いですね。一口ゼリーが危険であるというのは一時盛んに喧伝されましたので、みなさんある程度ご存知かと思います。過去の統計・報告を見るとお菓子や果実が件数が多いようです。ゼリーとか団子、りんごやぶどうなどが上位になっています。大きめのぶどうや、一口サイズのトマトなどを食卓に出すとき、お弁当に入れるときには半分に切っておいた方が良いようですね。子供さんやご高齢の方の場合には特に注意が必要です!

消費者庁のサイトってあまり見たことがないのですが、色々と有益な情報が盛り込まれているようです。おヒマなときにご覧ください👉https://www.caa.go.jp/ トップページに並んでいるキーワードも見てみると面白いです。食品ロスをクリックするとこんな大賞が催されていたりします。👇

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/efforts/assets/food_loss_chirashi.pdf

ふむふむなるほど〜ドギーバッグ普及委員会ってのがあるんだな・・・。ドギーバッグってのはですね、レストランで食べ残した食品を入れてもらうコンテナーのようなものの呼称です。あ・・コンテナーってこんなやつのことですよ

コレジャナイ・・・

日本のレストランで、「じゃ、残りは持ち帰りでお願いします」って言ったとしたらどうでしょう?多分店員さんは⁇になるのではないでしょうかね。もう10年以上前になりますが、私たち家族がアメリカに住んでいた頃にはすでに普通に持ち帰る文化だったのですけどね。

 

ところで・・・昨日の夜の時間は最近好きなオーストラリアのドラマをネットフリックスでみました。強い意思と正義感をもつ女性ジャーナリストが国家レベルの情報統制と戦いながら闇を暴いていくというストーリーです。その手のことをネタにした作品はたくさんありますが、ジェンダーの問題とかパワハラの問題などがエッセンスとして散りばめられていたり、中国とアメリカがキープレイヤーとして出てくることなどが今どきの脚本だなという感じです。ジャーナリズムとは、時の権力におもねることなく、世の中に真実を明らかにして知らしめることだと思うのですが、ともすると最近は「そうはいっても、国の舵取りをするためには色々とあるんだし、清濁合わせのんで・・・」というフレーズで締めくくられがちです。忘れそうになる真理をちょっと思い出させてくれる快作でした。次はシーズン2に・・・(いそがしいゾ・・・)。

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