京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

武蔵あらわる!

3月4日 水 曇り・風強し

戦後70年の節目に・・という謳い文句でTVで取りあげられています、戦艦「武蔵」。 発見者はマイクロソフト共同創始者とか・・。フィリピンの近海で、海底約1キロ(だったかな?)にひっそりとたたずんでいたそうな。小学生の頃は戦艦が大好きで、たくさんのプラモデルを作っていました。武蔵はレイテ沖海戦でも、名鑑、大和・長門等とともに戦った伝説の艦船でした。巨大戦艦と言えば現代ではどちらかというと、小回りが利かずに縦横無尽に旋回する米戦機になすすべなく沈没させられたというような言い方をされていますが、子供の頃は大きな戦艦のかっこよさにただただ魅せられたものです。ニュースで繰り返し流されているビデオ映像には艦首の菊の御紋・・話は違うのですが菊の英語名;chrysanthemum・・・これがなかなか覚えられなかったんですよね、受験のときとか。懐かしい事とか、たわいもない妙なことを思い出させられたニュースでした。

 

 

 

 

 

 

プラモデル・・・この煙突(?)の後方にある三本の細い棒で構成されるマストの部分が難しかったのを思い出します。まずキットから切り離すのが難しく(どこからが部品なのかが良くわからなかった・・)、それに接着剤をつけて立てても、ぐら〜って倒れてくるんですよね。うまく組み立てたつもりでも次の朝起きると見事に倒れている・・・(泣)。

ところで戦後70年・・・いろんな事が話題となっていますし、今後ますます報道に取りあげられる機会が多くなってくるのでしょう。子供の頃は、戦艦とか零戦とかかっこいいなあで終わっていたのですけれど、今はそれなりに考えるところがあります。自分なりに日本の戦後に対する認識を改めて確認する今日この頃・・・。そんな折に、天皇陛下が訪れる事となったとのペリリュー島のお話。もうこれ以上は兵站も期待できない状況の中で、熱帯のジャングルで戦わざるを得なかった兵士達がどのような目に遭ったのか。国会で議論されているようないわば机上の議論だけではなく、リアルな戦争を想像しながら今後の私たちの行く末を考えなければならないと思っています。

意外な助っ人

3月2日 月 雨のち晴れ

春に3日の晴れなし

やっぱり今日も訪問診療の話題を一つ・・・

かろうじて何とかお一人暮らしをされている患者さん。最近までおられた伴侶の方も昨年施設に入られたため、現在あらゆる介護サービスを投入して何とか過ごしておられます・・・いわゆる ”カツカツでやっておられる” という印象がまさにその通り。もうホントにぎりぎりの線なのですが、これがまた何事もなく比較的安定しておられるのですね、ハイ。人間の身体って不思議です・・・医者が言ってはいけませんね、そんな事。

 

 

そんなお一人暮らしの頼りになる助っ人は・・・クロネコ君なのでした。往診のたびに指を差し出すと、ザラザラの舌でぺろぺろしてくれます。診察が済むまで布団の上で鎮座しておられます。そしていつも私は「よろしく頼むよ〜」って彼に(彼女だったか?)呼び掛けてお宅を後にするのであります。でもたいそう心強いそうですよ、ネコ君がいてくれるだけで。

There’s no easy way out

3月1日 日 あめ

いわゆる少年事件が皆の心を動揺させているようだ。何が彼らをそうさせているのか、背景の問題は何なのか?どうすれば凶悪事件を防ぐ事ができるのか? 色々な考えを持つ人々が議論している。学校や教育委員会や政治家はそれぞれの了見で、早期に原因究明に努めて・・とか厳罰化を・・とかいうコメントを発表されるのだが、そう簡単には事に対処できないのは皆感じているところであろう。大人は自分たちがかつて過ごして来た少年時代を現代に投影しようとしているのだが、それほどこどもたちの事をわかっているのであろうか?昭和後期のように平和で牧歌的な時代を過ごして来た我々の理解し得ないことがたくさんあるのだろうと思う。世界を取り巻く不穏な事件、貧困の問題、昔はなかったスマホやライン。昔ほど尊敬されなくなった先生たち(いろんな事に忙殺され、気を遣い疲弊する先生方・・これは大変不幸な事だと本当に思っている)。

boroboro

どこかの誰かが見つけて教えてくれるわけではないのだ・・・簡単な解決方法を。自分たちがそれぞれで考えて、ささいな事でも普段から実行して行くしかない、それぞれの立場でできる事を・・・それが結局は解決への近道なのだろう。終わりはないのだろうけれど・・

終わりは来る

2月27日 金曜日 雨

寒くなりますよ〜っていう天気予報におびえていた私は、朝起きておそるおそる窓の外を眺める。・・・よかった、積もってなかった・・・北海道では大変な天気のようでしたが、当地は大丈夫でした。ついこの間まで、朝起きて雪と戯れるのが日課でしたから、実感するのですよね〜 ”始まったものは必ず終わる”っていう故・大瀧詠一さんのお言葉を(^ ^) これってポジティブな場面にも、ネガティブな状況に陥りそうな場面にも使える便利な言葉だな。

たまには美しい音楽でも・・・どぞ

復活の秘策

2月26日 木曜日 くもり

往診の途中で幾つか立ち寄るコンビニエンスストアがあります。今日はこっち方面だからあそこのファミマで、とか明日はあちらのローソンでとか。だいたい珈琲とパンとか肉まんっていうメニューを選ぶんですけれど・・。ささやかな楽しみです。それぞれのお店で何故かしらよく出会う人がいるんですね。今日のお昼はそのうちのお一人で、かつて訪問診療をしていた患者さんのご家族の方と出会いました。お母様が施設に入っておられたのですが、容態が悪くなり、現在近くの病院に入院中。お父様も神経の難病で少し離れたところで入院中とのこと。その方はあっちへ行ったりこっちへ行ったり、お仕事の合間を縫って大変なご様子でした。かつて病院勤務の時には、患者さんの容態説明なんかでご家族を御呼びする事が度々あったのですが、当然のようにこちらの都合を優先して予定日を決めていました。今日のようなお話や状況を拝見すると、少し複雑な思いがあります。その時にはまったく考えも至らなかったのですけれど・・・。

肉まん

インターネット放送で見た経済討論番組で最後に司会者から「日本経済復活の秘策は?」と問われて、出席していた経済学者や討論者のそれに対する答え。一人は「市場を世界に!」・・まあこれはいわゆるグローバル市場主義っていうような、比較的多くの人々が頷く回答。次の人が「真の資本主義国家への脱皮」・・・一旦、日本は財政破綻をしてから再度大きなリセットの状態が来ると、いずれにしてもしっかりとした財政再建が必要であるという、ふむふむ成る程論。そのまた次のひとは「自信回復」・・・前者の財政破綻をニヤニヤ笑いながら聞いていた方なのですが、現政権のこの道しかない、自信を持って行けといういわば現状追認論。最後にフリップを掲げた人の一言・・「学校を創る」・・これから長期成長軌道に乗せて行くためには、近道はありません。特に若い人一人一人が付加価値をつける事ができて、豊かな情報発信や経済活動をすることができる能力を地道に育てる事、これが結局のところ近道なのではないでしょうか?という発言をされていました。みなさんのご意見はどの論者に近いでしょうか?小生が膝を打った発言内容は、最後のやつでした。そもそも一国の政策が経済に及ぼす事ができる影響力について、皆過大な評価をしているような気がしていました。かつてのリーマンショックがそうであったように、グローバル化したこの現代では、一度の世界恐慌が一国の経済を吹き飛ばしてしまうような事が起こりうるこの世の中です。小賢しい経済政策論に拘泥するのではなく、もっと根本的なところに目を向けて行きませんか?という呼びかけのように思いました。こういう論点って、一国の指導者に持って頂くべき、大局的な視点のように思うのですが・・・。何となく現役の経済学者がこんな文学的な表現をされたという事にとっても意外な感じがしたのですが。それでもこの方東大法学部主席で卒業という、GPIFの前の運用委員をされていた人なのですけれどね。

若者たちよ頑張れ!

2月24日 火曜日

暖かくなってきました。なんだかんだ言っても地球は公転しているのですね。ちょっと日の射す角度が変わるだけなのに・・太陽の力ってすごい。ニュースで言ってました、明日から大学の二次試験だそうです。みんな受かると良いのだけれど・・現実はそう甘くはないのです。高校受験のときには、浪人っていう結果になる事はほとんどないと思うのですが、思えば大学受験って、社会の荒波の第一歩っていう感じですね。そう!立ち向かわねばならぬのであります。もちろん、受験がすべてって訳ではありませんので、それ以外の道を選択する学生さん達にもこれからの人生に幸多きことをお祈りする今日この頃です。そういえば選挙権が18歳からとなることが検討されてるとか・・・。18歳っていうと、高校3年生の途中にその年を迎える人もいるわけ?ですよね。となると、例えば受験勉強中とか、そんなさなかに投票に・・とかいう事態になることも予想されたり、同じ学年でも友達には選挙権があるのに俺にはないぞ、とか。なんかすこし複雑・・・。何はともあれ、頑張れ!明日試験の人々よ!

あ〜我が家でヒットチャート急上昇の1曲でした。甲斐よしひろさんって次長課長の一人の人に似てますね・・

ところで、2月25日って毎年試験の日って決まってるんでしょうか?今日奥さんに言われて思い出したのですが・・自分たちの結婚式の日がたまたま◯◯年前の、同じ日でして、その日にチェックインした時に聞かれたんですよねホテルフロントで、「明朝の合格弁当はいかが致しましょうか?」って・・。何聞いとるのよ・・30近い結婚式当日の男の人つかまえて(ヤレヤレ)。

そのひと言云う前に

2月17日 火曜日

その対策が国を挙げての課題となっている認知症です。近隣の病院では「ものわすれ外来」という専門外来も設けられ、予約患者さんで一杯であると聞いています。製薬会社の宣伝効果もあってか、早い診断で早い治療を・・というのが一般の方々の認識になりつつあるのかもしれません。毎日の外来でも、我々の目からみても「この方がそんな心配をするかな」という方が、ご自身の症状を心配して専門外来の予約を依頼しに来られるというケースも少なからずあります。加えてテレビやラジオの健康番組等でも認知症特集などが組まれて、それを視聴した方々が、その身の将来を大変心配されて相談に来られるような場合もあります。認知症の薬剤も実際には数千億円のシェアがあるとも言われています。そんな国民的な大問題となりつつある認知症ですが、患者さん達の心配の出所は、一緒に住まれているご家族の何気ない一言であったりすることもあるようです。「もう〜そんなこと忘れて・・認知症になったんと違うか?」とか「ご近所の◯◯さんみたいに認知症になっても知らんよ」とか、なかば笑い話として仰ったのであろう、若いご家族の一言が、年配の方々の心にぐさりと突き刺さって、以来悶々と過ごしておられるなんていう例に結構出くわします。脅し文句のように、健康のことを気楽に言うのは少し考えた方が良いかなと思います。

アリセプト

人気作家の某新聞でのコラムが大きな反響を呼んでいるようです。日本人社会や日本語環境などの特有の問題でもあるのかもしれませんが、海外では、一旦言葉や文章にしてしまうと、もう取り付く島もなく批判、断罪されてしまうようなタブーとしての事柄があるということに我々はもっと意識的であるべきではないかなと思います。殊に、人種問題、ユダヤ、ナチスなどのホロコースト関連の話題には本当に注意して意見発信して行かなくてはならない事、小生も留学中に度々感じる事がありました。グローバル大学とか教育を論ずると、すぐに英語教育とかTOEFL何点とかいうことが話題にされるのですが、本当のグローバルな教育とはそういうことを教えたり、考えたりするという事ではないのかな・・・。政治家とか知識人とか言われる人々の言葉が軽いなあと思う今日この頃。

大は小を兼ねない

2月10日 火曜日

明日はお休み、と考えると何となく嬉しく元気が出るというのも如何なものか?!

訪問診療先の玄関口に新雪がこんもり。ズボズボと足跡がひとすじ、一方通行でついていたのだが、その脇に比較的小さめのショベルが置いてある。足跡をそのままトレースすれば入り口に達する事はできたのだが、小さなショベルを取りあげてザクッザクッとやってみた。あれれ?いつもやっている大きなショベルや除雪用具を使うよりも簡単で、腰にも優しいではないか。確かに歩みは鈍いのだが、サクサクとやっていると見る間に、1メートル四方程度の玄関口にすっぽりとスペースができた。なんだ、舌切り雀のはなしのようだが、やみくもに大きい事は良い事に違いない、なんて考えるのは結構過ちが多いのかもしれないな・・・。ウンウン、自然はいろんな事を教えてくれる。でもやっぱり私はそのうちそんな事を忘れて、また選ぶんだろう・・・大きな方を。

雪

それから!玄関の引き戸式の扉ですが、あれは一理ありますね。押し開く蝶番のドアだと向こう側の雪が邪魔で閉じ込められてしまう・・・。いろいろ感心する事いくつかあった一日。

でもそろそろ勘弁して欲しいな、雪。

ピークを過ぎた?

2月7日 土曜日 くもり

国立感染症研究所の発表する感染症週報などによると、インフルエンザの感染者数が下方に振れているとのこと。外来をやっていても、何となく患者さんの数が減ってきたのかなという気がする。他の感染症の動向を見てみると、毎年インフルエンザと同じようなグラフを示す感染性胃腸炎なども同様の兆しのようである。これからはノロウイルスにかわってロタウイルスが増加したり、春から夏にかけてはヘルパンギーナやアデノウイルスなどが登場することとなる。一方で溶連菌(冬に多い傾向はあるが)やおたふく風邪などにはあまり強い季節性はないようだ。手足口病などは明らかな季節性があり、夏以外には見られないと言っても過言ではない。開業医となって初めてわかるのだが、本当に同じような経過を訴えてこられる患者さんが同じ週に複数人おられるなあっていうこと。おそらく同じウイルスによる感染症なのであろう。全国規模で調査されているインフルエンザの抗体保有状況などを見ても、各ウイルス株によって多少の違いはあるが、大雑把に0−5歳の子どもたちや、お年寄りに抗体価の低い状況というのが見て取れる。今年も実際に、近くの保育所や幼稚園での感染が増加しているらしいと伝えられると、それから徐々に小学校・中学校などで学級閉鎖という話になっていったように思う。高齢者の集う施設での集団感染などの例が報道されるのも、まあそういうことなのだろう。かくして、毎年毎年微生物と人間の闘いは続いていくのである。前記の週報で水ぼうそうの感染者数が減少しているのは、昨年の秋から始まった定期予防接種の効果なのだろうか。B型肝炎の定期接種も決まったと聞くのだが、あとはおたふく風邪やロタウイルスなど行政の動きに期待をする今日この頃である。

スクリーンショット 2015-02-08 13.02.24

このところ暗いニュースが多かったので何となくブログの更新も怠っていたような・・・。この時代を分厚い雲が覆うような中で、インターネットを開くと極端な意見のぶつかり合いであったり、罵り合いであったり。今話題のピケティの言う(原典は読んでいませんが)”2極化された世界”の悪い側面が出ているような気がします(まあおそらく良い側面は無いのでしょうけれど)。双方が反対者の意見に耳を傾けること無く、我が方の主張ばかりが正しくて、やみくもにそれを通そうとするのは、まさに子どもの所作であり、幼児化した社会と表現される所以なのでしょう。「大人であるということは、たとえ何をすべきかがわからない時であっても、少なくとも何をするべきでないかがわかっている、ということである。」という内田師範のお言葉で(その通りであったかどうかは忘れました)締めくくることとしましょう。

ペコロスの母

1月27日 火曜日 雨

どうしてこうも雨ばかりなのだろう。今年はいつもにましてそんな気がしている。何が悲しいかというと、訪問診療をぬれネズミで行わねばならない事である。自分のブログのエントリーを眺めると、訪問診療や介護の関係と、感染症のネタが多い事に気付かされる。確かに自分の頭の中を占めている2大関心事ではある。そして今日は、夜の8時からEテレで、2人の男性の介護体験をテーマにしたドキュメントを視聴した。お一人は小生の師匠である(あくまでも心の・・ですが)平川克美さん、最近の著書「俺に似た人」という実の父親を介護された体験に基づいた私小説を紹介しながら番組は進行する。もうお一方は、ペコロスの母シリーズで有名な漫画家岡野雄一さんである。お二人の対談が淡々と進められ、合間に挿入されるそれぞれの介護体験で綴られた30分間の番組であった。タイトルは「リハビリ・介護を生きる 介護という贈り物 平川克美×岡野雄一」というものだった。再放送は来週の火曜日の午後1時だそうである。ご興味のある方はチャンネルを合わせてみて下さい。お二人の著書や著作を日頃から拝読している小生にとっては、ふむふむという感じで見ていたのですが、何せ30分という短い時間の番組ですから、一般視聴者にはちょっと物足りないものかもしれません。でも、介護ってそんなに感動やお涙頂戴のストーリーばかりではなく、淡々としたものなのではないかなって思うところもあります。

pekoros

訪問診療と一言で言っても、がんの終末期治療という、症状が時間とともに移り変わる、ある意味ダイナミックな医療と、慢性期疾患や加齢に伴う終末期医療という、いわば動と静の入り交じった世界です。その場その場で頭を切り替えないといけません・・・。

TOPへ