京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

あれから18年

1月18日 木曜日 雪

6400人あまりの命を奪った阪神大震災から18年、月日の経つのは早いものです。当時私は大学での研修医を終えて、いわゆる一次出張と呼ばれる病院勤務をしていた頃でした。京都府内でしたが、早朝にかなりの揺れで起きたのを覚えております。本棚は前方に倒れて部屋に書物が散乱していましたし、すぐに病院に向かったところ、建物と建物の継ぎ目に大きなギャップができており驚きました。震源地がどこかはすぐにはわからなかったのですが、尋常ではない地震の規模なのではないかと感じました。その後は長田地区を中心に火災がおこっている映像がニュースで流されており、大変な事が起こっているのがわかりました。たまたま神戸の病院で当直をされていた先輩の先生もおられたようで、その後数日間は京都に帰ってくる事ができずに、現地でいろいろと活動をしていたというお話を伺いました。妻もその時にちょうど神戸にいたらしく、大変な目に会いながら何とか帰路についたということです(当時はまだお互いに知り合う前でしたが・・)。今日のテレビでは、涙なくしては見る事ができないような報道もあり、あらためて人々の心に残した傷跡を感じずにはいられない一日でした。本当に世の中には悲しい出来事が起こるものですね。普通の人にはとても耐えられないようなひどい悲しみに耐えながら、何とかそれをこらえて暮らしておられる人たちがいる事、決して忘れてはならないと思います。3.11の復興もまだまだこれからです。不幸な災害に遭いながらも力強く暮らしておられる方達に少しでも幸多きこれからとなりますように・・・。

できあがり

お正月のカレーの出来上がりでございます。らっきょうとキューちゃんは外せません・・

まだお正月気分??

1月11日 金曜日 曇り

比較的穏やかな一日でした。医師会の集まりで大先輩の先生が『外来は上手な聞き役にならないとダメだよ』と仰っていました。改めてふむふむと頷いた次第です。一見すると何も医学的意義のない患者さんの世間話であったとして、病気と関係のない戯言と切り捨ててしまえばそれまでなのですが、患者さんの体と心はやはり日々の環境とともにあるわけです。健康とは身体的かつ精神的かつ社会的にそれを満たしていなくてはならないわけですね。・・・とは言うものの、限られた時間で患者さんを診なくてはなりませんので、無制限の世界ではないのですが(困)。先の見えない時代なのだなあ・・・という実感を日々感じる事も多いです。まだ60代半ばのお元気な方が、時に将来の不安についてポロッとこぼされたり、何気ないと思われる周囲の言葉に過剰に反応してしまったり、ということはよく感じる事があります。何かそういう場面で少しでも役に立てる存在になれば良いなあと考える今日この頃でございます。という事で・・・新年の目標と致しましては

①無駄話を(わりと)ゆっくり聞ける外来

②いざという時に袖を掴まれる存在になること

②、意味不明でしょうか?内田先生の至言をもって表現すれば、『こいつとなら雪山に一緒に行ってもいいかなと思える人物になる』でしょうか・・。ま、道のり遠いですけど。

Snow angel

そろそろ雪かきで運動不足を解消したいところです(そんな事言っていいのか・・・)。かかってこいや、雪。

明けましておめでとうございます

1月8日火曜日 曇り

新年のご挨拶もやや時期外れの感があります。お正月のお休み気分でブログの更新をさぼっておりました。元来易きに流れる性格故、さぼり癖がつくとなかなか容易には修正できなかったわけであります・・・。ページを開いて下さった皆様すみません。今年の元日はとても良い天気でした。おかげで診察日初日には例によって雪かきをするお天気になったわけですが。穏やかな天気の新しい年の朝を迎えるのは何となく久しぶりのような気がしました。さて、定期的に購読している『週刊医学界新聞』の新春号のタイトルが目に飛び込んできました。” 2025年の医療と介護 ” 2025年と言えばいわゆる団塊の世代が後期高齢者の仲間入りをする年であり、減り続ける人口は1億2千万を割り込む事が予想されている年だとのことです。一方で右肩上がりの医療費をどうするのかという問題もあり、ますます難しい局面へと私たちは突入しつつあるようです。私もおおきなことはできないしがない町医者として、どのような事ができるのかゆっくりと考える一年にしようかなと思っています。誰かのことばですが、『世の中は、たった一人の優れたリーダーシップを求めるよりも、1割の賢い公民がいる事の方が数倍重要である。』一割の賢い公民たることができるように行動する事が今年の目標でしょうか・・・。

おせち?

2013年が皆様にとって良い年となりますように。(出来上がりの写真は次記事にでも)

松井選手ごくろうさま

12月28日 金曜日 雨

今年も残すところあとわずかとなりました。去年までの職場でしたら今日が仕事納めとなりますが、今年はあと一日がんばります。いろいろあった一年でしたが、おかげさまで何とかやってくる事ができたと思います。感謝の念に尽きません。新しい年が皆さんにとりましても、平穏で幸せなものとなる事を祈っております。

松井選手、とうとうバットを置くことを決意されたのですね。膝の怪我等を乗り越えて頑張っておられたのでしょうけれど、やはり一つの時代が終わったような気がします。ちょうどアメリカ暮らしをしていたときに、ヤンキースに入団されて、イチローと松井の試合にも何度か足を運んだことがついこの間のように思われます。彼ほどスポーツ関係の記者に対しても紳士的に接していたと言われるスポーツ選手はいないのではないかと思います。結果を出せばあとは何をしても良いんだ、みたいなところのない本当に好感の持てる人物でありました。長い間ごくろうさまでした。それにしても引退会見、まったく涙をみせずに淡々とにこやかにこなしているのを見て、彼のすごい部分を再認識したように思いました。

2012年末

年下の松井選手ですがいろいろと教わるところが多いものです。私も・・・まだまだ頑張らねば

パシフィックリム

12月20日 木曜日 くもり時々雨、すごく時々晴れ

京都市内の方と電話すると決まって『天気どう?』って聞かれるのですが、予想に反して積雪はゼロなのですね。しかし気温は低く、いつ積もってもおかしくないですし、週末はまた雪マークがついているようです。患者さんともいきおい雪の話題は多いのですが、『除雪がはいってくれても、そのおかげで玄関口には押しのけられた雪がかえって積み上げられてる事も多いんですよ』『そうですよね。でも広報にはそれはしゃあないんです』っておことわりが書いてあるんですよね〜、などと笑いながら話しておりました。80才を過ぎたかたも頑張っています・・雪すかし。

〜デルトロ監督の新作来夏公開!〜

パシフィックリムという映画、地球を絶滅の危機に陥れる巨大生命体とたたかう人型巨大兵器・・日本びいきの監督らしく、宮﨑駿さんや高畑勲さんなどを尊敬しているのだそうです。出演する菊池凛子さんの子供時代の役を芦田愛菜ちゃんが演じてるようです。来夏のマストな作品かもしれません。

 

 

デルトロ監督と聞いて連想したのはベニチオ・デルトロなのですが、彼も結構な日本通らしく、新藤兼人監督の事を尊敬していて、対談ビデオなどに出ていたのを思い出します。ラテン出身の個性的な俳優で、ユージュアルサスペクツとかでも存在感のある、気になる存在でした・・。

mash up!

12月19日 水曜日 雨(みぞれ)

今日からまた寒くなるという天気予報です。

寒いとどうしても屋内にひきこもりがちなのですが、往診先の患者さんも寒いとどうも調子が悪い方が多いようです。早く来い、春!ノロウイルスがインフルエンザに先駆けて猛威を振るっているとのことです。なるほど胃腸炎症状の患者さんは多いです。残念ながら迅速検査は高齢の方と乳幼児しか保険ではカバーされません。しかし、ウイルスが特定されたところで治療方法に何か大きな違いが生ずるわけではありませんので、過度に心配せずにいることも大切かなと思います。

 

 

マッシュアップという手法で2つの曲から一つのサウンドトラックをつくるそうです。基本的に同じコード進行の曲でないとマッチしないのですが・・・ジョンレノンとVan Halen…..意外な組み合わせですが、他にもたくさんあるようです。

シネログ〜part1〜

12月14日 金曜日 晴れ

暖かい・・と感じる一日であった? ような気がします。とりあえず雪たちが、融けていく・・という意思を感じる事ができる日でした。夜はiTuneでレンタルした映画を見ておりました。『ディナーラッシュ』という2002年(だったかな?)のロードショウです。NYのトライベッカを舞台にした、ギャングが暗躍する時代を背景にしたもので、とあるイタリアンレストランでの一夜の出来事をマルチプロット的な視点で描いた秀作(あくまでも私的に)でした。カテゴリーはミステリーだったのですが、最後のどんでん返し的な場面までは、いろいろな登場人物のそれぞれの目線で描かれたヒューマンストーリー的な趣のある比較的静かな展開でした。それぞれのテーブルを担当するウェイターやウェイトレスと厨房のコックと、店のオウナーの関係がうまく描かれている感じです。それほど深い何かが視聴後に残るような映画ではないのですが・・・まあ、金曜日の夜という事でお許し頂ければと思います。お勧め度はそれほど高くありませんので悪しからず。

 

1500年前のこの辺り

12月13日 木曜日 晴れのち曇り

ようやく晴れ間が覗いておりました。屋根からぽたぽたと落ちてくる雪解け水が何となく嬉しいお昼どきでした。春はまだ遠い(というか、真冬はこれから)ですが、首を長くして待つ事にします。京都の工事では掘り起こせば遺跡にあたるらしいのですが、京都縦貫自動車道が延長されている近くの工事現場で、およそ1500年前のものと推測される石棺が発掘されたそうです。往診先の患者さんのご家族の方が発掘に携わっておられるのですが、『今日で終わり!』という日に”あった〜”となったそうです。石棺の中には2体の人骨が抱き合うようにして安置されていた様子が窺えるそうです。下さった写真には、肋骨のように見えるきれいな湾曲がそのまま維持された人骨と思われるものと、椎体(背骨)のように見える幾つかの円柱状のものが写っております。古墳時代に埋葬された人なのでしょう・・・すごいですね。市内の工事現場も遅々として進まない(ように感じられる)場所がありますが、こういうのを聞くと仕方がないのかなとも思います、が、遅れてる理由は必ずしもそれだけではないのかもしれません・・・。

遺跡

古代のロマンです。実際に発掘された現場に居合わせた人たちの驚きや感動はすごいものでしょう。

絵に描いた餅!?

12月11日 火曜日 くもり時々みぞれ

朝から駐車場の雪かきを行いました・・・汗だくです。若い中高生諸君!登校前の一仕事しませんか?筋トレで体を鍛えるかわりに、見返りも手にする事ができて一石二鳥ですよ〜(以上広報より)

宮城県 行方不明者の集中捜索 http://bit.ly/X32FER まだ1300人もの行方不明の方がおられるのですね。避難所暮らしを続けておられる方も・・・やっぱり次の選挙の争点は『東北地方の復興』がまず第一であると考えました。そのためには経済が第一・・納得はするのですが、そうこうしているうちにいつしか本来の目的を忘れてしまうのが世の常です(歴史は語る)。やはりここはお題目もストレートに『復興第一』で突き進んでほしいものだなあと考える今日この頃です。トリクルダウンの理論では、結局、末梢に暮らす人々にはなにも滴り落ちてくるものはなかったのです。

干支

昨日のタイトルの一言、結構タイムリーでした。活断層の証明ができない事は、決して『ない事の証明』ではないのです。

absence of evidence is not evidence of absence

12月10日 月曜日 雪!!

とうとうやってきましたね、冬の大将軍です。公式発表は知らないのですが、15センチは上回っていたように思いました。思えば去年は1月の年明けから数週間、街は雪の下に埋もれていました。さてさて今年はどんな冬になるのでしょうか?雪かき(雪すかし・・っていう表現をされます)の悪夢に悩まされる季節がやってきたという事ですね。じたばたしても始まらないので、ここは覚悟を決める事が求められます(涙)。前置きはさておき、訳の分からないタイトルですみません。いつぞやのアメリカの対イラク戦争がひとしきりしたあとに、しばしば目にした語り口です。『(大量殺戮兵器が)存在する事の証拠がなかったからといって、存在しない事が証明されたわけではない』っていう事、何やら勝手な言い訳のように聞こえたのですが、あながちそうとも言えないように思える事もあります。医療にはその治療薬や治療方法についての満点の証明がない事でも、いろいろな事を勘案して、一応効果がありそうだとして行われている事が幾つもあります。逆に言えば、100%の証明がなされている事だけで治療を行おうとすると、持ち玉は極端に限られてしまうという事になるのでしょうか。完全に証明されたデータはないけれど、過去の経験からみるとおそらく一定の因果関係はありそうだなあということで認められている治療方法は少なからずあると思います。一世を風靡した(今でも大変重要な概念ですが)EBM(Evidence based medicine),客観的証拠に裏打ちされた医学、のある意味対局と言える概念かも知れません。しかしながら経験で裏打ちされる事のない無機質なデータのみに基づいた理論ほど、人を納得させるのに困難なものはないのではないでしょうか?まああの先生が勧めてくれる治療だからなあ・・っていう考え方にも一理はあろうかというものです。そもそも、まことしやかにデータで理論付けされている『眉唾もの』だって巷にはあふれていますよね。◯◯ダイエット・・とか、癌に効くキノコを煎じた飲み物だとか、果ては放射線の除去にイソジンを飲めば良いとか。例えば、医者に余命宣告を受けた末期がんが治った!!などというセンセーショナルな見出しの踊る雑誌や書物には、必ず落とし穴があると言っても過言ではないかと思います。そもそも、ある種の臓器にできる癌(例えば皮膚がんや腎臓がんなどがその代表だと思います)では、自然消退といって、自己の免疫反応で治療を行わずして腫瘍が小さくなって行くという現象がたくさん確認されています。このようなケースにたまたま行われた食餌療法などが、よく効いた!と解釈される可能性はおおいにあるわけですね。ということで、一見客観的に見えるデータでも、その他の情報と同様に、すぐに鵜呑みにせずに一旦冷静に遠くから目線で眺めなおしてみることの重要性を再確認したいなあと考えている今日この頃です。

初積雪

とりあえず今朝の風景です。絵心ない構図ですねしかし・・・写真の才能なし

TOPへ