京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ投稿者: tsuyopon

感染症の実態

2月25日 火曜日

SARSの時には日本におりませんでしたので、その時の状況と今のそれがどの程度異なるのだろうと考えております。イタリアも韓国も感染者数が増えてきているという報道を目にしました。気になるは日本の状況ですが、未だによく見えてきません。ここ1−2週間が一つのヤマであるというような報道がなされていますが、それはその通りだと思います。医療機関もマスクやエタノールが入手できない状況が続いています。防護服やN95マスクも簡単ではないようです。準備しないといけないのですが、物流が途絶えてしまってはニッチもサッチもいきません。

ところで・・・中国と韓国の罹患者数が多いのは皆分かっていることなのですけど、その間の国の実態はどうなんだろう??

と書いていましたところ、四国で初めてのウイルス陽性患者の報道がありました。クルーズ船から下船された方で云々・・・居住市町村まで詳しく報じられています。う〜ん、地名からするとさほど大きな自治体ではないような気がして何とも複雑な気分になっています。きっと特定された人はかなり辛い立場に立たされていることだと推測します。改めて、彼ら彼女らはまずは被害者であることを確認する必要があると思います。裕福な人が豪華客船で旅行していたのだから自己責任で・・・などという言説もあるようですが、長年一生懸命働いて蓄えてようやくの思いで旅行に行かれた人もおられるでしょう。たまたまこの感染症の災禍に見舞われてしまった被害者の方達なのであるという視点をもう一度思い出しましょう。また、ウイルス検査もかなり限定的に行われている現状(この方針には必ずしも反対する立場ではありませんが)を考えると、同定されている方以外にも軽症で知らずに感染している方が他にいらっしゃる可能性も否定はできません。不幸にして陽性と同定されてしまった方々だけの特定と報道がなされてしまうという実態は何とかしてほしいものだと思います。

正しく怖れる

2月21日 金曜日

外来患者さんから度々質問されますので、その都度丁寧に回答しているつもりですが・・新型ウイルス感染症についてのお話です。ワイドショーから入手される情報がその大半だと思います。小生はそれらをウォッチしたりフォローしていないので何とも言えないのですが、想像するに感染症にさほど詳しくない方々の発言もあるのだろうと考えます。なので・・下記の日本感染症学会・環境感染学会連盟での2月21日時点での見解のプレスリリースをあげておきます。これだけ知っておけば結構かと思います。あとは、ワイドショー見て憂鬱な気分なんかにならずに!、なるべく不要な人混みは避けて、きちんと食べてきちんと寝て、楽しくのんびり過ごしましょう!(ご高齢の方向けのメッセージです)

covid19_mizugiwa_200221

開けなければこちらをどうぞ→http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/covid19_mizugiwa_200221.pdf

それから・・・街で咳き込んでいる人たちの中には、感染症だけではなく、肺気腫とか喘息の方々もいらっしゃいます。電車の中で咳き込んでいる人に攻撃的な言動をするというトラブルのニュースを見かけましたので、一言付け加えておきます。みんな仲良くしよ〜よ。

騒動の裏で

2月20日 木曜日

ニュースはコロナウイルス一色のようですが、もう一つ心配なことが生じております。ヒブ・・・ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型という感染症に対するワクチンの供給が1月から完全にストップしています。ワクチン溶解液の不備が発見されたためのようですが、未だに供給再開のメドがたっていません。ヒブに対するワクチンは細菌性髄膜炎や急性喉頭蓋炎などを劇的に減少させており、早期の再開を切望しております。通常生後2ヶ月から接種開始となりますが、まだ1回目のワクチン接種が受けられない子供さんやご家族には大変申し訳ないことです。2月末にはなんらかの発表があると聞いております。

騒動と混乱

2月18日 火曜日

COVID19の事態が動いています。ほんじつ午前と午後は診察、その間は訪問しておりまして、夜には保険関連の会議に出席しておりました。長いいちんちが終わった・・・ふー。帰ってきてからTwitterをクリックしてみるといつも現れる”最近のハイライト”が目に入ってきてちょっとビックラぽん!。感染症のエキスパートでよくお勉強させていただいているイワタ先生の動画です。cruise shipの状況がカオスであるとの内容でした。TLは荒れているようです。彼の行動については医療関係者の間でも賛否両論あるようで、Pro-Con二分されているようでなんとも悲しいのですが、事実はやや深刻なようです。折しも明日は下船が始まるとの報道がありますので、その辺りの経緯や決定過程などやはり今後検証されるべきものとなるだろうと感じています。14日間の経過観察期間を設けるという当初の判断は正しいものだと思っていたのですが、その前提は船内での感染コントロールが適切になされていれば・・というものでしたので、今となっては14日間がただ単に過ぎてしまっただけで、Day0と同じ状況下で単に14日後に下船の決定が下されただけなのかなという疑問が湧いています。直前の検査で陰性が確認されたかたが必ずしも厳密なセーフティゾーンで14日間を過ごされたという訳ではないのであればその観察期間はあまり意味をなさなくなってくるのではないのでしょうか。賛否両論あるでしょうけれど、感染症専門家からみた現実を報告してくれた彼の決断と勇気には敬意を評したいと思います。折しも、クリニックからのアルコールやマスクの発注もいつ商品が納入されるのか目処が全くたたない状況となってきています。政府がリリースした”37.5度以上が4日間持続する場合は受診を”っていう情報が一人歩きしないことを願っています。他方では、決済された領収書が杜撰な管理下にあっても許されるのだとか、センター試験の問題作成担当者が例題集を出版しているという利益相反のニュースとか、なんだかちょっとめまいがするような情報で参っているただいまの小生(この時期、領収書と見積書と納品書とかにらめっこしながら思ってます)・・・もう寝るしかないようデス.

書けるひとになる!

2月17日 月曜日

奥さんに勧められてただいま読んでいます。”書けるひとになる!”ナタリーゴールドバーグ著 魂の文章術っていう本の復刻版のようですけど、文章術という言葉から想像するような作文の技巧についての書物ではなくって、書くための心がけ、あるいは魂について書かれたものなのです。読みながら思い出したのは、昔は作文書くのがとても嫌だったな〜っていうことです。なんでそんなに嫌だったのかは、だいたいわかっているのですけどあえてここでは申しません。誰かに評価されるから、とか読まれることを意識するから嫌なのかなって考えていたこともあるのですけど、これだけ当ブログが長続き(当社比)していることから、それは理由ではないことは自明なのです。ま、そんなことはさておき、この本読んでみると書くことがどんなに人にとって楽しく意味のあることなのかっていうことが実感できます。エッセイ集みたいな作りなのでとっつきやすいです。個人的にはニューメキシコ州アルバカーキとか、ミネソタ州オワトンナとかっていう地名が出てくるのでそこもツボでした。「思うように筆がすすまず、何もリアルに感じられないような状態になったら?とりあえず食べ物について書いてみよう」ってことだそうです。好きな食べ物、嫌いなもの、思い出の食べ物・・・確かに誰もみな、何がしかの食べ物にまつわる思い出ってあるような気がします。みなさんどうですか?食べ物にまつわること、聞かれたら2つや3つすぐに思い出しませんか?

52分の1の週末

2月16日 日曜日

朝からきたやまどおりに出て見たら、通行規制の真っ只中でした。通りに出てもだーれも走ってなかったのだけど・・・。去年は通り沿いの喫茶店の二階からたくさんのランナーが走っているのを眺めていたのですけどね。ま、雨だし COVID19感染症関連のこともありますから敬遠する方も多かったのでしょうか。3月に(?)予定されている東京マラソンとかその後のオリンピックなどのようなものも含めて、今後のマスギャザリングは開催そのものが問われているフェーズに入っているようです。私たちにできることは・・少しでも上気道炎の症状があって体調不良の症状があれば、仕事や学校は休むこと(休ませること、休んでいる人をあれこれ言わないこと)、症状のある人はマスクを着用したり、咳エチケットを遵守すること。神戸大学の岩田教授のブログです↓どぞ。

https://blogos.com/article/436490/

コラムが好きで時々買っている雑誌GQです。ファッションとか高価な時計とかはただ単に眺めるだけなのですけどね。ずっと編集長のコラムの写真を見ていて、この雑誌は神足裕司さんが編集長なのだなと思っていたのですけど、違ったことに気づいたこの衝撃・・・

 

エレンの部屋

2月15日 どよーび

エレンの部屋が面白いよ。アメリカ版徹子の部屋というか(だいぶん違うと思うけど)。そもそもEllen DeGeneres showというタイトルのテレビ番組で、・・の部屋っていうのは勝手なウィキペディアのネーミングかもしれないけど(ま、そんなことはどうでも良い)。ツイッターのビデオクリップにはセリフのサブタイトルも出るので英語の聞き取り勉強にもオススメです。

todays clipですが、グゥイネスパルトロウのインタビューの内容も・・・日本の百歩先を行ってる内容!本音と建前とか、日本の女優然としたこうあるべき振る舞いとかくだらないかなって思ってしまう。前日のもなかなか泣かせる内容でした。エレンの立ち位置が好きです。ちなみに上のホスト役の人はエレンではありません。 ↓ watch this!

ね!

 

CDCを速やかにつくるべし!

2月14日 バレンタインデーとかいう日なのであったな

コロナウイルスの新規感染者の情報が重なって発表されたようである。水際対策は初めからかなり限定的なものであるというのは医療関係者の衆目の一致するところであったかと思うのだが、現状の認識は専門家の中でもかなり温度差があるように思う。もうすでにかなりの拡大が起こっているのだから・・という見方と、まだ特定の地域内での封じ込め対策に尽力すべきであるという見方。今回は、水際対策という困難な要求に向き合いながら、なおかつ武漢から帰還された方々の健康状態の監視と一定の行動制限を施しつつ、クルーズ船の適切なマネジメントという困難なタスクが行政機関に降りかかってきたわけである。色々な意見や提言がなされているが、やはりこういう事柄は政治家の方々がそれぞれの思惑や独自の限られた情報収集を元に発信するような事柄ではないのであろう。そこは米国に習って・・・純粋に科学的見地に立って中立不偏の立場から疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention)を独立した機関として日本も立ち上げるべきである。

言ったつもりと聞いてない

2月13日 木曜日

風邪症状の患者さんの診察で、微妙に新型肺炎案件が影響を投げかけてきています。どのくらいワイドショーを見ておられるのかわからないのですけど、明らかに情報が錯綜、紆余曲折して受け取られているような印象のこの数日です。季節性インフルエンザとか、溶血性連鎖球菌感染症(俗にヨーレンキンと呼ばれています)とか、その他諸々の感染症の流行があるものですから患者さんにしたら心配が募るのは仕方のないことかなと思い、それぞれの疑問に合わせて応答しているつもりです。ただし・・そこはそれ、診察につきものの「言ったはずですけど」と「そんなこと聞いてないよ」モンダイ。私たち医療者は言っていることが必ずしもそのまま受け取られていないかもしれないという前提で診療をすすめなければなりません。コレハホントニムズカシイ・・・

 

インフルエンザ流行状況について

2月11日

新型コロナウイルス関連のニュースで持ちきりですが、ご存知のようにインフルエンザも流行期に入っています。近隣の小中学校では学級閉鎖・学年あるいは学校閉鎖などの措置を取られたところもあると聞いております。この時期、不特定多数の人々が集まる会合や宴会などに出席される際や、マイクロバスなどでの集団観光旅行などの際には十分な注意をされるようにお願いします。感染予防の上で手洗いの重要性が強調されていますが、一方でもっと大事なことは発熱や上気道炎症状(喉が痛い、鼻炎、咳)などがある場合には、休養をとり活動を控えることでもあります。日常診療の場面では軽い症状だからインフルエンザ検査で陰性の結果が出ると、少し無理をしてでもお仕事に行くつもりであるとおっしゃる方もおられます。検査でも偽陰性という現象、つまり本来は感染しているのだが検査で検出されない場合がある訳です。感染症流行期での理想的な対応とは、少しでも感染可能性のある場合には外出勤務を控える、公共の場での咳エチケット、有症状者はマスクを着用する(予防者の側のマスクの効果は限定的です)などの注意事項をもう一度確認したいものです。

今のところ京都府のインフルエンザ感染症動向は例年よりやや抑えられている傾向です。

新型コロナウイルスでは・・・https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

ジョンズホプキンス大学が世界の感染者動向マップを作成しています。記事執筆時点で日本の感染者は26名、近くのダイアモンドクルーズシップには135名と記録されています。南北アメリカや豪州、欧州など全ての大陸にすでに感染者が同定されているようです(知らなかった)。

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