京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

pls stop bashing…and be generous.

4月11日 土曜日

話題の週刊誌を3週連続で購入しています。興味のある記事が一つでもあれば雑誌は買うという主義です。署名入りの記事リスペクトなので・・・応援する意味も込めています。自分に似つかわしいとは決して思えないGQとかもかなり買っています。やっぱり、頭の中の半分以上は感染症のことが占めています。それはお仕事と直結しているので仕方ないのですよね。当初成功しているように思えたクラスター封じ込め作戦も、東京の状況を見るとまた違ったアプローチが必要なフェーズに入っているようです・・・というか、入って久しいのでしょう。しかしながら、感染者が1名とか2名とかという地域にとっては相変わらず濃厚接触者の追求が重要視されています。それはそれで重要なことだとは思うのですが、間違っても犯人探しの様相にならないように配慮が必要だと思います。クラスター追跡は、その人を特定して、感染に至ったことを糾弾するためではなく、それ以降の感染者を作らないということが目的なのですから。何と言っても新型ウイルスの詳細はまだ謎に包まれている部分が多いのですから。つい2ヶ月前のニュースを思い出して見るとよくわかると思います。小生も自戒を込めて申し上げますが、当初はインフルエンザとさして変わることがないのではと思われていたわけですよね。それが徐々に変わってきて、今ではWHOで働く専門家にして、過去の事例を考えても最悪のパンデミックであるとさえ言わしめているのですから。感染が判明した人の過去の行動を叩いたところで、利するところはあまりないと思います。

ぼんさんがへをこいた・・

4月10日 金曜日

ニューヨークの知事の会見を見ていると、どうやらロックダウン効果が現れているようだということがわかりました。ウイルスは自分で移動することができず、自分だけでは生き延びることや複製していくことができないので、感染対象がいなくなればそれで終わりということです。要するに感染の対象となる人間同士が移動して接触しなくなれば流行は収束するということですね。よく考えるとシンプルな理屈です。要は、どれだけそれを徹底してできるのかということです。3週間、十分な食料とお金をあげるので家にこもってください。理由なく外に出たら罰則を適用します、という強硬手段にでた最たる国がお隣ですね。そこそこ強気な態度がニューヨークなどの欧米の都市です。我が国はどうするのか問われています。

国民みんなで・・「ぼんさんがへをこいた〜」っていうことですね、標準語では「ダルマさんが転んだ」でしょうか。関東では「インディアンのふんどし」とか「寿がきやの焼うどん」っていうのもあるそうです(Wikipedia調べ)。

臨界点のような印象です

4月8日 水曜日

暖かくなってきましたが、今日は風が強かったです。いずれはと思っていましたが、昨日の夜に管内での感染者が発生したと報じられたようです。また、首都圏の医療がより一層切迫感のある状態であると感じています。今後はそこから溢れてくるように、地方でもパラパラと散発的に患者の発生がみられていくことと予想しています。先日発せられた宣言と同等のことを国内すべてに適応して考えていく必要があると思っています。昨日までは地域地域でのグラデーションを持って対応すべきと書いておりましたが、考えを改めつつあります。ただ個人個人の対応や心構えは特に以前と変わるわけではありません。人混みを避けて、手指洗浄をしっかりと行うことが重要です。風に漂っているウイルスに感染するわけではありませんので、屋外での畑仕事や単独でのウォーキングは行っても問題ないと思います。ご身内に、流行地域である他の自治体から戻って来られた方がおられましたら、十分に体調をチェックしながら、1−2週間は極力公共の場から遠ざかる生活をしていただくようにお勧めください。今後は時々刻々と状況が変わると思いますので、あまり軽々しくは情報発信がしにくくなるのかもしれません。

雑記

4月7日 火曜日

今日は緊急事態宣言がなされる予定であるとのことである。特定の都道府県に対してより一層の活動自粛が要請されることとなる。当院周辺はその対象地域とはなりそうにはないが、全国一斉のニュースに接していると、今まさに自分たちの周辺がそんな状態になっているような気がしてくるものである。流行地域とそれ以外の地域でグラデーションがあるのは当然のことである。印象的な報道に心荒んでくるのだが、冷静にこの地域でしなければいけないことを考えるのが重要であろう。そんなことを含めて日々の診療の際のアドバイスを心がけている(つもり)。とは言うものの、私たちが考えている以上に、流行地域との間の人的交流があると思うので、散発的に患者さんが発生することは十分考えられる。やはり都会に子どもさんが下宿生活をしていたりすると心配で様子を見に行きたくなるのが親心というものであろうし、逆に入学した途端に緊急事態宣言で1ヶ月間休校になったりすると、地元に帰っておいで・・となるのも理解できることである。十分に注意しながらではあるが、一定程度こういったことは理解してあげても良いのではないかと思う。こういう時期だからこそ、そういった人たちを責めるのではなく、理解して協力して行きましょうという態度でありたいものである。今当地で私が一番心配していることは、病床を有する病院や高齢者のケア施設などでの感染者の発生である。特に普段介護施設などとの関わりのある立場としては、そういった場所で感染者が発生した際にどういったマネジメントをしていく必要があるのか、医師の立場でどういう助言をすべきなのか、ちょっと本格的に考えておかなくては・・・。

後から振り返ると

4月5日 日曜日 さむ

昨日より最高気温が10度近く落ち込むそうです。みなさん明るく引きこもっていますか?すみません冗談にもならないコメントで。メディアでは盛んにstay at homeと繰り返されていますので、小生のデスクトップの片隅に常駐している渋谷スクランブル交差点前のライブビューも人影がかなり少なくなってきています。一方で、旅行者を相手にしているお店や、飲食店、悪者にされつつあるライブハウスや接客を伴う夜間の飲食店などの経営者さんたちの悲鳴は切実なものとなっているかと思います。売り上げがなく、人件費や維持費などの経費のみが積み上がっていく恐怖は想像にあまりある状況です。早く補償をしてあげてほしい・・・。キャッシュフローとっても大事なんです、というか生命線なのです。

ところで、この困難な状況も数年後に振り返ると、一つの時代の転換点だったなあと評されることになるのではないかと考えています。というか、そうあらねばならないと思います。まず1番は、私たちの公衆衛生の観念がより一層進むことです。シンプルですけど、外から帰ったら手を洗うとか、人前でせきをするときのお作法とかを定着させないとなりません。手前味噌ですけど、うちの奥さんおうちの設計図考えるときに、外から帰ったときにこの場所に洗面所があった方が、手を洗うときに・・とかって昔からずっと言っておられたのですよね。なんたる慧眼・・・(内輪話ですみません)。2番目には、働き方や学び方の見直しでしょうか。無駄に人が集まる必要はなく、ワークフロムホームで誰でも家に居ながらにして、子育てとか家事をしながらお仕事もできるというようなことや、本気で勉強をする気持ちがあれば、出席とか取らなくても、オンラインで授業を受けることができるようにする(そうすると、社会人になってからでも何度でも繰り返し、必要性を感じたときにすぐ学びの場に接することができる)ことも大事なのかなと思います。3番目に感じていることは、国民をリードする政治家を真剣に選ぶという文化も大事でしょう。いわゆる三バン(地盤・看板・・・)とかいうあれですね、そんなことで選ぶのではなく、本当に信頼に堪える人材を考えないといけないです。よく台湾の状況がそのお手本として語られているようですが、小生には詳しいことはわからないのでその是非の判断はみなさまそれぞれに委ねることとします。でも、後ろからペーパーを渡されてでしか答えられないような人に政策判断を任せるのはもうよしにしましょう。4番目には、いつ何が起こるかわからないという危機感をある程度普段から持っておいた方が良いのかなと思います。私的な生活面でもそうですし、事業所としても有事の際の対策は色々と講じておくことで、リスクの低減と地域社会への貢献を共生させていくような考え方が有効なのではないでしょうか。

さて、新型肺炎一色の感染症の現状ですが、他のものもちょっと見ておきましょうか。グラフは国立感染症研究所の発表してくれているウィークリーリポートの第5類感染症の項目から拝借しています。四角のぽっちで赤い線の目立つのが今年の状況です(過去10年間のグラフです)。

今年は流行が抑えられています。ワクチンのあたり年だったのではとか、それこそ新型肺炎で皆の衛生意識が高まった効果だとか言われていますが、もう少し検討の余地がありそうです。

よーれんきん の愛称(愛称は変か・・?)で人口に膾炙されつつある有名な細菌感染症です。真夏以外、通年で見られる感染症ですね。今年もやはり多いです。

りんご病です。2−3週間前には数名当院でも診断していました。

胃腸かぜっていうやつですね。ロタとかノロも含んでいるはずです。全体的に今年は少ないようです。

ロタウイルスに限ってみると、今年は本当に劇的に少ないです。これなんかみると、コロナ対策がうまく作用しているのでは?という推論も説得力があると感じられます。

オリンピック肺炎とか言われていたらしく、昔は4年周期で大流行が見られたということなのですけど、もう今ではあまり関係なく通年で毎年ある程度見られています。抗生物質が効きますのであまり怖がる必要はありません。

 

それでは、いかに予防接種が大事かということが一目でわかるグラフを・・どうぞ

どうでしょうか・・・2014年10月から定期接種化された水ぼうそうですが、2015年以降全くアウトブレイクを認めていないですね。

それでは保育所などで流行する水ぼうそうと並ぶ代表的疾患であるおたふく風邪はどうでしょうか。

2010年に見られた爆発的な流行を上回る感染はありませんが、最近でこそアウトブレイクは見られないものの、毎年一定数の感染者が報告されています。ちなみに以前の予測では2020年、すなわち今年が流行年になるのではないかという予測がなされていましたが、さてどうなるでしょうか?コロナによる休校措置なども影響を及ぼすのかもしれませんね。早くおたふく風邪の定期接種化がなされることを常々望んでいます!!

それでは最後に、かつて人類を滅ぼしてしまうのではないかと恐れられ、フレディ・マーキュリーの命を奪ったHIVです。今年も年初からの累積200例の感染者が報告されています。大都市では今なお無視できない感染症の一つです。

なが〜い表をご覧くださってありがとうございました。

では・・have a nice day!

東京とか大阪とかの医療従事者にとどけよう

4月3日 金曜日 晴れそう

当面は毎日感染者の増加から免れないと思われる状況です。逼迫する感染防護物資や不足するかもしれない治療資材の不安を抱えながら患者さんのケアにあたっている都市の医師・看護師・薬剤師・放射線技師・事務員・検査技師・建物メンテナンス担当者・清掃担当者・・みなさんに応援の声が届きますように。間違っても(実際にあるそうですが)医療従事者の家族が嫌がらせや差別を受けたりすることのなどがありませんように・・・・

実際に診療をしていて本当に嬉しいと感じるのは、ありがとうの言葉や、労いの言葉だったりします。あ、私には・・大したことしてませんのでお気遣い不要です!!

当院での対応の現状です

4月2日 木曜日 あめ

感染症流行への対策として当院でもいくつか新たに取り組みをはじめています。急性期患者さんをなるべく待合室に停滞して頂くことがないように、特定の診察待機場所、あるいは自家用車車内での待合をおすすめしています。また、院内での感染症伝播が生じないように、手で触れるものを撤去しました。院内閲覧雑誌や給水装置を中止しています。また、慢性疾患に対する定期処方のための診察も感染症流行期のみに限り、病状の安定している患者さんには簡素に取り扱いできるような対策をすすめています。

風邪症状(発熱・せき・頭痛関節痛)の患者さんには、来院時にその旨受付で申し出て頂きましたら、マスクをつけて頂き、院内所定の場所もしくは駐車場車内での待機をお願いしています。また、診察後の経過観察については、電話での確認を積極的に行い、安心に自宅療養していただけるように配慮します。

日々の生活と感染症対策、また子供さんへの対応などお忙しくストレスの多い毎日が続きます。当院でもできる限りの対応を心がけたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

良いバナ二つ

4月1日 水曜日

新職場の第一日目を過ごされた方も多いことでしょう。自分の時ってどうだったかなって思ったのですけれど、大学卒業して初日の病院勤務のこととか、もう忘れてしまったな・・・なんでやろ。毎日ネクタイして白衣着ていくのが窮屈だったのは覚えてる。

では・・・良いお話(良いバナ)二つあげてみますね。

泣ける・・・

医療従事者って、何も医者とか看護師さんとか、受付さんとかだけじゃないのですよね。いろんな人で成り立ってるんだなこれが。職業に貴賎の区別無し!

それからこれも、なるほどな〜って感じです

マスクの紐のところって痛痒くなりますよね!

えくもって何じゃ?

3月30日 月曜日

子供達の人気者が亡くなられたようです。昔は土曜の夜八時といえば・・・でしたよね。で、そのあと刑事コロンボ見ておやすみ〜みたいな。入院される前にはご家族に愛犬の世話を託して出てこられたそうです。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

で、”えくも” が話題になっています。ECMOとは何でしょう。Extracorporeal membrane oxygenationという体外循環式膜型人工肺という医療工学機器ですね。肺炎に限らないのですが、呼吸機能が低下して、肺での酸素交換が悪くなり、低酸素血症となった際に血管にカテーテルを差し込んで、人工的に血液ポンプを回し、その回路内に静脈血の酸素化を行うという人工肺のことです。「エクモを回して・・・」などと簡単に言われていますが、それほど簡単な医療行為ではありません。人工肺を回す・・・酸素を吸うみたいに鼻にチューブをちょっと差し込んで・・とか想像されるかもしれませんが、違います。大腿部の太い血管にカテーテルを2本差し込みます。これには外科医が2−3人で取り掛かります。その上で1本のカテーテルから血液をポンプで体外に引き出してきて、大きな機械に繋いで酸素化を施したのち、もう1本のカテーテルで体内に血液を戻します。当然循環状態が変化しますので、集中治療担当医がつきっきりで血圧の管理などをしなくてはいけません。看護師もそう多くの患者を担当することはできません。機械の管理は臨床工学士が行います。延べ人数にして10人以上の医療従事者が一人の患者にかかりっきりとなるのですね。そんな患者さんが一つの病床に数人いるだけで現場の混乱は容易に想像できます。大学病院でも平常時にこのような膜型肺を稼働させるのは年間に10人もいないと思います。東京の病院ではもう集中治療担当医が声も上げられないくらい疲弊しているのではないかと想像します。何か協力できることがあれば良いのだけれど・・・ま、小生にできることはこの地域の人たちの平穏と安心を保証できるように精一杯頑張ってお仕事に励むことだけですね。

〇〇とますくは使いよう・・・

3月29日 日曜日

朝から首都圏の雪情報とか、人手がないとかというニュースを目にする。暗い雰囲気の年度末である。自粛せよというが、何も気分まで落ち込む必要はないじゃあないか。せめて明るく引きこもろう!冗談やふざけたりせずに自粛せよ・・ではなく、こんなときこそ明るくユーモアを持って毎日過ごしたいものである。

さてさて、昨日はマスクとか感染防護の資材の不足について申し上げましたが、何もマスクの有効性を否定しているわけではないです。ただ、限られた資源なのであれば、優先度の高いところから利用していって、なおかつ利用するなら正しく使いましょうということなのです。保育所とかでも園児のマスクを指示されているようです。お母さんたちは忙しい家事や仕事の合間をぬって手作りされているとも聞きました。さて・・・園児にマスク、どの程度有効性があるのでしょうか?園児に「他人と距離を空けましょう」などといっても通じませんよね、当たり前のことです。ベタベタ甘えたりじゃれ合ったりするのが幼児です。当然きれいなマスクをつけて登園しても、ものの数分で手で引っ張ったり、鼻水でくちゃくちゃになってしまったり、嫌がって外したものが床に落ちてしまったりするのではないでしょうか?これはあくまでも小生の想像ではありますが。濡れてしまったガーゼの手作りマスクは、ウイルスや微生物を通さないどころか、吸着してしまった上に口と鼻に密着した状態を作り出してしまう可能性があります。感染性を高めてしまう可能性はないのでしょうか?それならいっそ、30分ごとに流水で手を洗いましょーってやって、換気をしましょうって窓を開け放すような配慮のほうが重要ですし、それである程度の対策となっているようにも思われます。マスクは内側はおろか、外側にもなるべく触れずに、脱着はゴム紐の部分だけに触れて行うことで100%の効果が発揮されるというものです。園児のマスク・・・冷静に検討してみてはいかがでしょうか?

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