京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

未だ知らない誰かのためにすること

4月26日 火曜日 雨

知っているようで、自分の預かり知らぬことは多いものである。自身のいないところで交わされている会話とか、会話にならない人々の気持ちとかを斟酌したり忖度したり・・・言葉の定義はよく知りませんが、最近はやりの単語のようです。自分の知らないところで、地球は回っているのだ・・・”それでも町は廻っている”っていうマンガが最近のお気に入りなのですけど。

前回の文章で取り上げた村のルポルタージュ番組では、齢90を数えるばあちゃんが、90度近くに曲がったお腰に、鍬と鋤を抱えて畑に向かう姿が映し出されていました。冬場に溜まった用水路のゴミや泥を取り除くのだそうです。自分ちの田畑はもう休耕地帯になっているというのに・・・。「自分ちの用水路で、流れてくる水が滞ってしまったら、下流の田畑が潤わないから」だとか。自分はもうすぐあの世に行ってしまうことはわかっているのだけれど(たぶん)、生きてる限り、まだ見ぬ誰かさんのために、できることをやりましょっていう気持ちは、尊いなと・・・。「誰に見られているわけでもないけれど、これだけはやっとかないと自分の心のおさまりがつかんのじゃ。」

東北復興のお偉い方が仰っていたこと・・やっぱそうだったんですね、お金の問題なんですよ、とどのつまり。こっちに火の粉が降りかかったら大変なことだ・・・みたいな、あっちとこっちの問題意識。でも、この構図、在日米軍基地と沖縄の問題にも通底することのような気がします。あっちには発電所と基地で、こっちは万博とかオリンピックでホクホク。ことの根本はお〜んなじ成り立ちで、私たちの心の中にもそんな考え方が潜んでいるんじゃないのかな・・よく胸に手を当てて考えてみましょ!

とある村のおはなし

4月23日 日曜日 晴れ

GWの前の週末は快晴である。朝、TVを見ていると国東半島の農村での、ため池運営についての番組が流れていた。御多分に洩れず過疎に向かう村なのだが、2年前に東北震災でリンゴ農園を廃業せざるを得なくなった40代くらいの御夫婦がそこに移住し、現在稲作をしているというお話である。当地は昔から日照りによる干ばつにやられていたため、100以上のため池が作られ、そこから農水路を使ってそれぞれの田を潤しているそうだ。移住後1年目は、まだその水をうまく引くことができずに、大部分の稲を枯らしてししまったそうで、2年目には住民の協力を得て、改良に取り組んでいるらしい。元々の住民の高齢化が徐々に進む中で、今後こういった移住の若い世代が地域の主役として頑張って行くのであろう・・。それなりに現実味のある過疎地域の一つの生存戦略ではないだろうか。そういったお話の裏には、様々な葛藤や対立など色々な問題が存在しているのだろうけれど、おらが村の縄張りをうち解いて外に向かって開放できるかどうか、新しいものを受け入れていくことができるかどうか、村の人たちも試されているのかもしれない。

そういえば、小生も新参者のうちの一人である・・・。何となくつけた番組に見入ってしまった理由には、自分と少しかぶる部分があったからなのかもしれないな。

力でね・・・

4月18日 火曜日

診療後は、月例の会議を終えて(これは毎月のお楽しみ業務です)その後地域連携の勉強会(ケアカフェと呼んでいます)に参加。色々な職種の方たちの貴重なご意見や情報提供・・・。同業種の先生のご苦労話を伺ったりして、小生もまだまだ弱音を吐いていられる状況ではないなと反省(別に弱音を吐いたことはないと思いますけど)。こういう場で発言するのですけど、いつも終わった後に、その内容について後悔しているワタクシ・・・。小心者決定戦があったら多分間違いなく一位になれる自信ありますよ!

少し前に往診途中に車窓から撮った桜です。この間テレビで、日本って素晴らしいよね、四季があって・・みたいなことの取り上げられ方をしていたのですけど、地球上の同緯度の国々(南北それぞれ)、たくさんありますから・・・。そんでもって、来日されている某国副大統領が、”戦略的忍耐”の時代は終わった・・平和は力によってのみ初めて達成されるとか仰っているようです、マジか・・・。

食べない方が良いもの

4月11日 火曜日 さむっ

夜は食物アレルギーに関する講演を聴取した。5年前と比べて、大きなパラダイムシフト・・だが、まだまだよくわからないことも多い分野であるという印象。民間療法にどっぷり浸っておられる方へのアプローチはなるほど同感・・だった。

さて、ニュースで乳児ボツリヌス症のことが流れていました。熱に強いボツリヌス菌が蜂蜜を食べることによって体内に入り、菌が産生する毒素によって発症します。腸管粘膜の未発達な乳児期には、蜂蜜を食べさせてはいけません。

あと妊婦さんが生チーズを食して感染する可能性のあるリステリア菌にも注意が必要です。こいつは加熱により予防できるのですが、いわゆるナチュラルチーズとか生ハムなどの食品は妊娠中は避けた方が無難なのだと思います。

厚労省のサイト

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000070272.pdf

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000161404.pdf

これらを参照ください。

 

明日は、真央ちゃんの引退の記者会見だそうですね。今さらながら、ソチ五輪のフリー演技は感動的です。彼女ほど、いわゆる敵のいない人物も珍しいなと・・・。

巨星たち

4月10日 月曜日 晴れ

今日はちょっと寒かったですね。最近は風邪の流行もひと段落のようですから、診察もさほど大慌てでやる必要もなくのんびりです。私たちの業務が忙しいということは、すなわち病気の人が多いってことで、そのぶん医療費もかさんでいるっていうことにつながりますので、財務省や厚生労働省もピリピリされますでしょうし、ま、喜ばないといけないですね、のんびりってやつを。忙しい=喜ばしいということにならない、倒錯した業界に棲み着いてかれこれ、20年余。商売繁盛で笹持ってきてはダメな・・・私たち、当たり前ですね。そ、医療は商売ではないのです。そこんとこ、きちんとわきまえてやらないといけないのです。

「もし私たちが空想家のようだと言われるならば、救い難い理想主義者だと言われるならば、できもしないことを考えていると言われるならば、何千回でも答えよう”その通りだ”と。全ての人間が自分の卑しさを乗り越えながら、前進することが可能なのだと答えよう」フィデルカストロと袂を分かった、チェ・ゲバラ(彼もお医者さんですよね)はカストロの追悼集会広場に、「 ”現れて” そう言った・・・」。

アメリカの一度は捨てられた英雄、モハメド・アリは震える右手で、アトランタオリンピックの聖火を握った。

カストロ、リンドバーグ、ケネディ、ゲバラ、アリ、力道山・・こんな人々はもう出てくることはあるまい。昨日、荒野の七人を見ながら(奥さんが購入してくれてたやつなのですけど)、スティーブマックイーンやユルブリナーを見ながら・・・確信しました、昔のものって、シンプルに良いなと。

 

最強の映画・・・?

4月7日 金曜日 雨

最強の二人・・っていうのを観てみました。

最強の・・映画のうちの一つでした。対比的に描かれたストーリー・・・健常者と障碍者だったり、富豪とスラム出身の若者だったり、建前と本音だったり、奔放と束縛、ふざけと真面目、自然と人工物・・・そして、男と女もそのテーマだったような気がします。根底には、イスラム移民の生き様が描かれているような・・そんな作品ですね。スラムで育ったイスラム系の有色人種の若者が、フランス富豪の頸髄損傷を負ってやや屈折した生き方を選んでいる人の介護人となって互いに心通わせるっていうプロット。

マセラッティの爆音が・・・カッコよい

まあ、あんまりうまくお伝えできませんが・・とにかく良い作品でした〜。

で、夜にインターネットを見ると、シリアにミサイルが放たれたとのこと・・。シリアからの叫びっていう書物を読んでいた矢先にて・・衝撃的。ロシアとアメリカとアサド大統領がどうだこうだっていうわけ知り顔のニュースですけど、ことここに至るまでの当地の悲惨な出来事を、もっと伝えておいてしかるべきだったのではないのでしょうかね。こんなニュースばっかりだから、ミサイルを撃つとかってことにあまり現実感も感じられなくて、即座に爆撃を支持するとか表明してしまったりしているようですが。過去の大量破壊兵器の存在を錦の御旗に踊ってしまったことのおさらいもしていないのに・・・。我が国の北のいざこざに飛び火しなければ良いのだけれど。

おっと、最近ちょっとかなり前のめりの内容が・・って思われてるかもしれませんが。今年は”ちゃんと自分の考えを表明できる人になること・・”目指してますんでね(悪しからず)。でも、意見の異なる人の声にもしっかり耳を傾けるっていう方針ですので誤解のなきように。医療もまさしく、自分から見てぜ〜んぜん違った考えの人の意見をいかに聞いて差し上げるかっていう作業の連続なのでして、両者には共通項があるのですぞ。

 

 

コンフリクト

4月5日 水曜日 晴れ

いつの間にやら暖かくなっており、往診にもジャケットが不要となってきた。二十四節気でいう晴明であるところのこの日は、春分から数えて15日目であるとな。何やらお外に出ると気分が良い・・。一方で、世の中必ずしも気分の良い話題ばかりではなさそうである。少し前に、当ブログでも触れていた日本の研究出版物の凋落傾向の話題・・浪速大学の仲野先生が触れられていた。最新の研究をリードされている先生には、予想を超えてはるかにより深刻な事態として受け止められているようである。確かに、その一因は研究開発に投じられる資金の不足に帰せられるようなのだが、かと言ってそれを増やせば必ずしも解決されるとも考えられない・・というところがその事態をより深刻にさせているように感じられる。ただでさえ、台所事情の厳しい我が国の予算であるからして、資金不足すら解決の見通しはないのであるが・・。まあ、今の所こんな危機感はごく一部の人々にしか共有されておらず、いつかきた道をこれからも辿っていくのかもしれないなと、小生などはいつもの如く悲観的に眺めている。ほんの数十年後にはほぼ確実に一億を割り込んでいくであろう我が国の人口を考えると、世界第何位とかの経済規模を維持することすらおぼつかないであろうと思っているが、そんなことは間違っても政治家の人たちは口にはしない(できない)であろうし、メディアもそんな勇気はないのだろう。もちろん、そう言った悲観論を打ち破るような奇跡的な未来が来てくれると良いとは小生も思っているが、たといそうはならなくとも、そんなにふさぎ込む必要はないのだろうとも思っている。だって、地球上に約200の国があったとして、経済統計の上から順番にしか幸せが実感できないというわけではないのだから・・。もし仮にそうだとするならば、100位以降の国々の人が可哀想でならないのだけど、絶対そのくらいに位置しているところの人たちも私たち以上に幸せ感を感じてる人・・いますよ、たくさん(^ ^)

なんでだろう・・・いまのお仕事の形態になってから、本当に世界で起こっている不幸な出来事が気になって仕方がないのだ。NHKの映像の世紀はそんな大切なことを教えてくれる(加古さんの音楽と、山田孝之さんのナレーションでまずやられてしまうんですよね)。

〜昔の記憶が薄れてしまうと、若者は、戦争とはロマンチックな冒険だと、考えがちであった・・・

〜 弱いものたちを犠牲にしてはいけないのだ!!

でも、一見一様に見える世界の紛争も、よくよく考えると微妙な温度差があるな。ヨーロッパとかアジアは、宗教とか民族の対立が多いのだけど、ラテンアメリカにいくとその原因は貧富の差だったり、治安の問題だったりする(それに麻薬のビジネスがプラスα!)。しかもそんなラティーノの世界観の形成に、アメリカはロサンゼルスが一枚噛んでるような気もしたり・・・。私たちが考えている以上に、この世界とは・・暴力とか、差別とか、貧富の差とか、〇〇とかに支配されているのかもしれない・・・( ~ ~);

??なんでこんなに力んでしまっているのだろう・・・ワタクシ、また明日から平常営業に戻りマス

観てきたお〜

4月2日 日曜日 晴れ ちょっと寒い

わけあって、一人の週末でした。朝からお仕事をしてから、思い立って・・・行ってきました ”この世界の片隅に” 。涙するのかな・・と思ってたけれど、泣かなかったです。色々と考えさせられるシーンが多い映画だったのですけど・・・えっと、何から書けばいいのかよく分からないですね。印象的だったのは、空襲にくるB29を迎撃している迫撃砲???っていうのか何かよくわかりませんが、要するに撃ち落とそうとしている大砲の弾がことごとく、手前で爆発して届いていないのがなんともやるせなかった・・・。主人公のすずさんが、初めて見た飛行機雲が、そのB29の残していったものなのですけれど、日本人が初めて見たであろう飛行機雲は、それだったとされているそうです(町山智浩さんの解題から教えていただきました)。物語は、原作の結構メインの部分が少し割愛されているようにも思いました。一方で、兵隊さんが、戦の合間に本土に戻ってきたときに彼らが謳歌する特権的なこともうまく描写されていました。その当時でないとよく理解できないシーンもいくつかあって・・大人な映画でもあります(あ、これ観た人でないと意味がわからないと思います)。映画を通して象徴的に描かれていた植物が、タンポポなのですが・・白と黄色が二つ描かれていまして、これがどういう意味を示しているのか?最終的に、初めから弱くて、ふわっとしたような弱い存在で描かれていたすずさんが、終戦を目の前にして、一番強い存在として憤るシーンが心に残りました。もひとつ、配給物資の一つの砂糖がそこをついてきている場面では、背景にカブトムシが美味しそうに樹の蜜を舐めなめしている描写があったり・・。ツボなシーンが他にもたくさんありそうな、そんな感想を抱いて帰ってまいりました。そしてストーリーは最終的に、初めから予期したその日(!)に向かって進んで行きます。でも・・なんとなく全編通じて心がざわついていたのは、世間が何やら騒々しいからなのかもしれません、教育勅語とか、銃剣道とか・・・・。

機会がございましたら、皆様ご覧あれ・・・。

で、映画の前のトレイラーを見ていると、やっぱり見たくなった・・・ラ・ラ・ランド

名誉のために・・

3月31日 金曜日 雨

今日からプロ野球が始まるとな・・。地元出身の糸井選手がんばれ〜っていうことですが・・・。

あまりにも最近母校の不祥事が悲しすぎるので、そうでもないところもアピールしないと・・。広島大学の救急集中治療医学教室(であってるのかな・・)の教授の志馬(しめ)先生は、その昔小生の麻酔科ローテーション時代に教えていただいた先生です。こんなに偉くなられるなんて・・その頃には想像だに・・あ、いえいえそう思っていましたよ。はじめっから。

(このビデオクリップ・・ちょっとうるさいですよ、お気をつけて)

その頃に手術室にいたちょっとベテランの看護師さんが、しめ先生のことを、「ああ、おシメのことか・・・?」って仰っていたのは、たぶん愛情や信頼の裏返しなのだと思います・・ハイ。小生は、先生とはすこしの間でしたけれど、肝臓の阻血の実験(だったかな?)を一緒にさせて頂いたのが思い出されます。ミスチルが好きなのかな・・・。知識も腕も(おこがましいですが、性格も)信頼できる先生でした。Youtube勝手に貼り付けてしまいましたけど・・・ダイジョブですよね・・・(^ ^);

さ、ルパン三世・・・テレビでやってんの見よっと。金曜日の夜だもの。

 

 

ノンフィクションなう

3月30日 木曜日 晴れ

もうすぐ桜の季節だというのにふさわしい暖かい一日であった。

TOKYO FMの延江浩さんの最近の出版を読んでいる。「愛国とノーサイド」愛国とは、ライトウイングとも解される国士の頭山家、ノーサイドは・・Yumingの(というかその旦那の)松任谷家のことである。昭和という時代の表と裏を描いたノンフィクションの内容のようだな・・。いろんな人がいろんなつながりで描かれており、なんともビックリ・・。私の頭の中のトレンドは・・・ミステリー小説からノンフィクションのモードに切り替わりました〜 ^ ^

昭和という時代

大きな綿菓子をみんながそれぞれの方向から、お互いによく見えない角度で、ペロペロと舐め合っていたような・・・。気がつくと大きな綿菓子は真ん中の割り箸一本を残して甘い蜜の部分が全く消失してしまっているのである。平成の今は、もっと明るく(少なくともパッと見は)、情報化が進み(受け取り方次第ではあるが)、お互いの人間関係は希薄になり(お買い物は見ず知らずの人間同士が無言でやり取りするコンビニで)、うんと住みやすくて公正な社会に・・・なったのかな?

ジャッキーチェンがヌンチャクで卓球してた・・・

国連本部で開かれている核兵器禁止条約交渉に、日本の政府は不参加だったというニュース。空席の日本のブースに置かれていた折り鶴の羽に ” wish you were here “の一文。そんな芸当、おもてなし大国の日本でもできませんよね。なんとも言えない気分になりました。wish you were hereって、ピンクフロイドと、アヴリルラヴィーンの楽曲にそのタイトルのものがあるそうな(ピンクフロイドのは聴いたことあったけど・・・)。ま、そんな特徴的な一文ではないので、それらを含意して書かれたのではないのだと思うのですけど。

 

 

 

なんだか、こんな日本でいいのかしらん・・・。

 

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