京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

いろいろ変わる4月

4月4日 金曜日

また明日から冬将軍が来るとか。まだまだインフルエンザの感染が続いているわけです・・・。アレルギーなのか風邪なのか・・・という症状の患者さんも結構おられます。まさかスタッドレスタイヤが必要な状況にはならないとは思いますが、週末は冷え込むようです。さて、4月からたくさんの事が変わりました。もちろん卒業生や新入生には、例年どおりの新しい出発の春なのですが。消費増税に関連しては、買いだめに走ったり並んだりする消費者と、駆け込み値上げをする小売り業者などの報道もあり、私たちの生活には大きな影響のある出来事です。さらにさらに、医療費も変わります。そもそも医療費には消費税はかからないのですが、われわれ医療機関の仕入れる薬剤や医療材料には消費税がかけられているという事もあり、その増加分は初診料や再診料などの医療費に上乗せされることになったのです。年金、社会保障など、現行の税制度では明るい展望が見えないということで、税制の再編という事なのですが、狙いどおり少しでも良い方向に転じて欲しいものです。

緩和

 

社会面のニュースも ”再稼働” ”解釈変更” ”冤罪再審” ”原発輸出” ”捏造疑惑” など色々と気になるキーワードが並んでいます。少し前に、故大平正芳首相が常々口にしていた「政治とは、明日枯れる花にも水をやることだ」という言葉を耳にしました。子供の頃は、「あ〜う〜」などという彼を小馬鹿にしたような人物評しか記憶になかったのですが、何と素敵な言葉を発した人なのだろうと思いました。間違っても身近な人々といがみ合う国づくりや、子供や、孫や、近所のお兄ちゃんや、おっちゃんを戦地に送り込むような国にはしないで欲しいと願うばかりです。

つめのお話

3月23日 日曜日 快晴

週間天気予報にお日様の印が連なっています。老若男女問わずに時々診せていただくのが爪の病気です。爪周囲炎とか爪囲炎とか呼称されるこの病気ですが、ひどくなるととっても痛いのです。爪の周囲にはいろいろな細菌が常在しており、小さなキズやささくれから細菌感染が生じてしまうのです。特に指先の組織は小さなコンパートメント(小部屋)状の構造をしており、また先端で行き止まりの場所ですから、化膿すると膿みの逃げ場がなくなり果ては赤く腫れ上がった”ひょうそ”と呼ばれる状態になります。こうなると切開処置をしないと治らなくなります。多くの場合に陥入爪と呼ばれるいわゆる”まきづめ”が合併していますので、そういう時には爪の処置が必要になることもしばしばです。しっかりと麻酔を施してから爪の一部と、巻き込まれた不良肉芽(にくげ)と呼ばれる組織を切除することが必要です。当然のことながら患者さんによって、炎症の度合いは様々な段階で受診されますので、初期ならば抗生物質の内服のみで経過をみることもありますし、すこし圧迫排膿をして薬を出して終わりのこともあります。いずれにせよ指先の炎症は早めの受診が良いですね。昔は巻き爪の根治手術として爪母と呼ばれる根元の組織を完全につぶしてしまう手術もしていたのですが、今はもうほとんどすることはなくなりました。根治手術をしなくてもその後必ずしも再発するわけではないようです。

つめ

 

中くらいの炎症で来られたときに、どこまで処置をするか、お仕事や学校にもっとも差し支えない範囲で、効率的に治癒させることができるかを考え、ほどほどに処置を施すのがポイントですね。ほどほどが難しい・・・というのは何事にでも共通でして。数日後に、あんまり良くならないんですけど〜って再診させていただくこともあります。そのときは素直にすみませんって、方針を修正して治療して差し上げます。そうして良くならないときにでも、もう一度来ていただいた時には医師として非常に嬉しいものです。多くの場合は他の医療機関に行かれることが多いと思うのですが、信頼してもう一度治療を受けてみようと言って下さっているのですから・・・。必要最小限の薬剤と費用で治療するのが良い医師であると考えていますので、少し足りないかな?と思うこともありますし、処方し過ぎかな?と迷うことも、時にはあります。そんなときには患者さんに、いついつまでにこうなったら◯◯してくださいねということを伝えるようにしています。

穏やかな日曜日(今のところ)

3月16日 日曜日 気温上昇

穏やかな一日です。今日は当番日にて最小限のスタッフさんたちとのんびり過ごしています。患者さんも多くなく溜まっていた雑用業務がはかどるはかどる。世間はよいお天気だったようです。花粉にお気をつけあれ・・。

消防訓練

 

先日消防訓練に参加しました。どんな町にも消火栓が一定の割合で備えられていて、いろいろと安全装置があるのですね。恥ずかしながら知らなかった。

http://blog.tatsuru.com/2010/10/

私のこころの師匠である内田樹先生の過去ログからひっぱってみました。学術論文とレポートの違いについて。僕もいまなら成る程なあ・・と思うのですが、自分が実行できていたかどうかはよくわからないです.

 

やっぱりか‥…

3月11日 火曜日 寒さは一段落

昨日のぼやきの続きですけれど、やっぱりかという感じです。ニュースサイトに「文科大臣が 論文を撤回して再提出を 云々」の記事。科学論文への政治介入は小生は断固反対でありますっ。科学論文とは一流の同業者である科学者の複数人による査読というピアレビューシステムを経て認められたものが掲載されているのです。しかも今回はその最高峰であるネイチャーという雑誌です。もはや日本の政治家が口出しするなどという国内問題ではなく、立派な世界トップレベルでのイシューになっているのです。それぞれの雑誌にはletters to the editorと呼ばれるようなコーナーがあり、掲載論文への疑義、批判などはそこで堂々と議論がなされれば良いだけの話です。結果として、アンフェアなことが発覚すれば、その研究者はその後の研究活動の道はほぼ断たれると考えて良いでしょう。それほど過酷な罰を受けることになります。それでおしまい、ただそれはそう証明されるまで、安易に批判やましてやワイドショーや国会レベルでバッシングする等、ちょっと他の先進国ではあり得ないと思います。一旦バッシングモードに入れば何でもありの我が国の悪い所ではないかなと思います。もちろん、今出回っている情報をもとに推測すると、かの論文の旗色は極めて悪い状況ではありますが・・・。

gg

 

世間が叩きだしたら何でもあり・・・っていうこの風潮、もしかするとこの国の病理かもしれません。

肩を持つ訳ではありませんが

3月10日 月曜日 さぶいっ!

そうです、ご存知の方はご存知のように、ついこの間テレビや新聞を賑わした「リケジョ」騒動・・・ぴたりっと静かになってしまっています。なんとなれば、論文そのものに疑惑が生じているということなのです。あれだけ大騒ぎをしたメディアも様子見を決め込んでおられるのですね。そしてコトの真偽の趨勢が決するに至るや否や、またぞろ大騒ぎしだすのではないでしょうかね。後だしジャンケンのようで、小生はその態度にやや不満を感じております。何が起こっているのか、まったくあずかり知らぬ立場ではありますが、大胆な発言をお許し頂けるのならば・・・おそらくSTAP細胞はできたのだと思います、経過はどうあれ。共著者のY大学の先生は非常に素直なコメントをされているのが今日のニュースに出ておりました。あとは所属のRIKENがどういう判断を下されるのかという所に注目したいと思います。どういう結果になるしても、交響曲贋作疑惑のようなスキャンダルで終わってしまうようなネタにはならないだろうなあと推測しています。

UP

論文のスキャンダラスな取り下げネタなんて、じつはそこかしこに存在しているのです。pubmedで”retraction”っていうのを調べると・・。風雪に耐えうる研究をして行くことの何と困難なことよ・・。なので、雪崩を打ってバッシングモードになっているときには、なおさら冷静に検証していく姿勢が大切なのではないかなと思います。誰かがインチキをしたぞ〜って叩いてしまうのは簡単なのですが、科学実験って、色々なファクターが入り込んできている世界だと思うんですよね(肩を持つわけではないのですけれど・・・)頑張れ、未来のリケジョ達よ!!

タショクシュキョウドウ

3月6日 木曜日 雨

今日は午後の診察が終わってから地域医療関連のシンポジウムを聴講してきました。少しおくれて到着したのですが、駐車場が一杯でビックリでした。たくさんの方々が関わっているのだなあと再認識。日頃お世話になっている方や、尊敬する先輩先生方も登壇されて色々なお話を聞くことができました。どれも成る程なあと思うお話でしたが、「すべての場合において本当に在宅療養が最良の解なのか、最近色々と考えるようになりました」っていうお話をされていた先生のご意見には納得。はたまた、介護支援専門員の方のお口からふと出た一言に唸りました。在宅患者さんが家に帰ってホッとされる瞬間は・・・「おうちの匂いとか、置いてある家具の位置なんかに安心感を感じられるのでしょうね」っていうコメント。家具の位置ですか・・・やはり現場を踏まれている方は感じられることが違うなあと思いました。何かとても実感を伴う感想で非常に印象に残りました。私なんかですと、そう聞かれてもそこまでリアルな表現はできそうにありません。今日はそれが聞けただけで、診療後にちょっとしんどかったのではありますが、参加した甲斐があったというものです・・・。

shiba

最近しょっちゅう耳にするキーワード「多職種協働」とか「多職種連携」シンポジウムで聞くと簡単にできそうなのですけれど、これが実際には難しい・・・

発音がむずかしい・・・シリーズ

3月5日 水曜日 雨

気温の低い日の雨は最悪です。冷たいし寒い! ユーミンの曲で「冷たい雨」っていうのが思い浮かぶのですけれど、雨にうたれながら街をさまよえるくらいだから、あれはきっと真冬ではないはず・・。真冬のつめたい雨はダメです!

今日は得意のどうでも良い話題ですが・・・英語の発音は難しいなあっていうことです、ハイ。今ニュースを賑わしている二つの国。時事ネタは本ブログの守備範囲を逸脱しているのですけれど。まず一つ、ウクライナ。日本人的にはやはりウ・ク・ラ・イ・ナです。がっ、外国人の会話を聞いていると、ユークレイニアン◯×▲□▽・・・って言ってはります。ウクライナじゃなくってユークレイニアなんですね。もひとつ・・・こちらは実際にその国の人としゃべった時に理解できなくって、あぜーんとされた経験があるのですが。

「イーズレイル」

どこの国かわかりますか? そう、イスラエルなのでした。まずこちらは外国の人=アメリカ人・・みたいな感覚があったものですから(お恥ずかしい限りなのですけれど)、どこから来たの?って聞いたときの答えが「アイムフロム イーズレイル」って言われると、頭が真っ白になって、イズレイルってどこの州???みたいになってしまったわけです。体格の良いそのおばさまは、その瞬間から非常に気分を害されまして、「私の国を知らないお前さんは何モノぞ?」というような険悪な雰囲気になってしまったことは言うまでもありません。確かに、エルサレムを擁するイスラエルを知らない大学研究者ってちょっとあり得ませんよね、国際常識的に。ということで、英会話なんて小学生からしなくていいでしょっていう主義の小生も、やはりナショナルアイデンティティの根幹である主要国の国名ぐらいは渡航する前に一通り勉強してなくっちゃ・・と思っています(反省)。

tom

イスラエルはユダヤ教っていうことで、アンネの日記事件で話題になっていますよね。

往診・・その後

2月21日 金曜日

まだまだ体の芯から冷えるような日が続きます。インフルエンザはピークを越えたということのようですが、まだ中学校では学級閉鎖があるとも伺っていますし、大人の方もパラパラと来られたりしています。まだまだ気を抜かぬよう週末をお過ごし下さい。

さて、往診をさせて頂いていた患者さんがお亡くなりになられたり、ご入院された場合には、一旦それで往診は終了となりますし、その後のお宅に訪問することはないわけです。しかし最近、その後にご訪問することが幾度かありました。一度目は、ご夫婦共に往診をさせて頂いていたご家庭です。ご主人が入院されたため、奥様の診察をするために伺いました。奥様は認知症を患っておられるのですが、当初ご主人から往診に関わらせて頂いていたので、ご自分はそのおまけだという認識であったのか、私が訪問した時には少々びっくりした表情で「自分のために来て頂けるとは思っていませんでした」と仰っていました。その日は身体診察というよりもお話中心の訪問となったのですが、印象的なお言葉を耳にしました。「主人の病状のことや、その後の経過のことは私にはさっぱり教えてもらえなくて、この間もタクシーを呼んで見舞いに行ったのですけど、主治医の先生にもお会いできずに帰ってきたんです。もう80を過ぎてボケてしまったら人間って何の役にもならないんですね。」寂しそうな表情でそう語られていたのがとても心に残りました。もう一度は、寝たきりの母親をなくされた奥様です。奥様自身ももうかなりのご高齢なのですが、お母様をなくされてから「フーッと気が抜けたようで、いまだに母が休んでいた居間に向いかけては、あっもういないんだと思って引き返してくるんです」と言われて、相当疲れておられるのか、普段は良好に調節されていた血圧が跳ね上がっていました。外科医をしていた頃は、手術をして回復されたらさようなら、開業医になってからはもう少し長いおつきあいになりましたけれど、まだまだ自分の想像し得ない世界があるのだなあと考えさせられました。

flu statics

 

当院での感染症診療を看護師さんがまとめてくれました。忙しい時間の中で、いつの間につくってくれたんだろう・・・。

?と思った2項目

2月18日 火曜日

少しサボっていると早くも2月が逃げてしまいそうな時期になってしまいました。今年はこの辺りの積雪はあまりないのですが、関東地方は大変なことになっています。群馬や山梨では車中に2泊もせざるを得ない人たちがいるとか。コンビニの食品も底をついているらしく、かなり危機的状況なのではと案じられます。そんなニュースもオリンピックにやや埋もれてしまった感もあるようで、それはそれで何とかレスキューを早急に確立して頂かないといけません。ウェブサイトの端っこで見かけた記事のなかにも?マークの灯ったものがありました。一つは、作曲家ゴーストライター事件関連のものなのですが、最近は聴力障害の認定疑惑にまで話は及んでいるようです。担当大臣が、認定制度の見直しについて言及されたそうです。すなわち、聴力があるかどうかの客観的検査を認定制度にとりいれてはどうか検討する、ということなのですが、それはそれでややこしい問題もあるのではないかと思いました。どういうことかというと、客観的検査とはおそらく聴覚刺激を与えて脳の反応をみる検査のことだと思うのですが、この場合、脳の反応は電気的信号や血流シグナルの有無として検出されるわけです。ただし、シグナルがあるからといってもそれがすなわち、意味ある情報として入力できているかどうかということは、また別物なのではないかなあと思います。つまり、何やら良く聞き取れない雑音をシグナルとして検出してしまうと、それをもって聴力があるという風に誤診される心配はないのかなあということを懸念します。聴こえているのに聴こえていないという詐欺はなくなるのですが、かわりに本当はきちんと聴き取れていないのに、聴こえているじゃないかこの野郎という事態が生ずる可能性はないかどうか、きちんと検証しなくてはいけないと思います。何もかも検査が万能と思われがちな風潮は、インフルエンザ迅速検査然り、慎重に取り扱わなくてはいけません。現にDNA鑑定でも誤審があったりするのですから・・。

二つ目の?は、決定された改訂診療報酬の在宅医療関連での新聞のコメントで・・・かくかくしかじかで、入院から在宅診療へのシフトをはかり、コスト削減にも寄与することができ・・のような論調を読みました。ホントに??って思いました。在宅診療はそれはそれで、かな〜りコストのかかるシステムなのですけれど・・・。何よりも必要なマンパワーがそれぞれ個別対応ですので、かなりのものとなるわけですし。コストありきの在宅シフトではなくて、”やっぱり最期は在宅で”の在宅シフトであってほしいな〜と思う今日のニュースでした。

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ゴーストライターに騙される取材者も取材者ですよね。ある程度しっかり取材をすれば、うさんくさいぞっ?!ていうシグナルは感じることができるのではないかなあと思いますけど・・・。それを聴覚障害の認定にすり替えてるような雰囲気もすこ〜し感じられます。まあひねくれ者の勘違いかもしれませんが・・。

真相は闇の中に

2月3日 月曜日

生暖かい風の吹いている一日でした。明日からはまた一級の寒波がやってくるそうな・・・やれやれ。さて巷のニュースはいろいろとありますが、大分昔の宗教団体の犯罪に関連する事件のニュースが目につきます。キャスターやゲストのコメントの方は口を揃えて「真相は未だ闇の中です」とか「真実に至るには云々・・」と仰るのですが、そもそもたった一つの真実がある筈ってのは多くの場合、我々の妄想なのではないかしらんと思ったりします。学校のいじめや自殺事件などの時にも思うのですけれど、誰の目にも映ってくる一つの真実なんて、この世にはないんじゃないのかな。生じた出来事はたった一つなのでしょうけれど、それに含意される意味って、見つめる人一人一人によって、違った受け取り方をするものでしょうから。それに、多感な中学生や子供たちの考えていることって、大人の価値観だけで一括りにしてその因果を説明できるって考えるほうが、やや傲慢なのではないでしょうか?・・・なので!万人が納得する事実が唯一どこかに存在するはずだっていう締めくくりをニュースの最後にされると、たぶん永久にそんな答えにはたどり着けないんじゃないかなと小生なんかは思います。

恵方猫

 

今日は往診途中の車の中でコンビニ恵方巻きを頂きました。東北東(でしたっけ?)にはあまり向いていなかったような気がしますけれど・・・

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