京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

good enough

10月25日 土曜日 晴れ

文章更新が途絶えて久しい・・。そろそろ何か記さねば

ってことで、「good enough」なのである。私流の解釈かもしれないが、これは「まあまあ いいやん」とかいう意味なのかなと思う。つまり、完璧に良い(excellentな)わけではないのだが、足るを知るというか、そこそこ上等・・のような感じなのかな。齢80を過ぎて来られると、膝や腰が痛くなるって言う事なのだが、よくよく考えると人間の体って良くできているなと思わされるのである。そもそも、どこの家電製品に80年間も動き続けるものがあるだろうか。築30年の家屋と言えば、必ずやどこかの扉が外れたり、窓がガタピシ滑りにくかったりするのではなかろうか。最新のパソコンや携帯等に至っては、3年経てば立派な型落ち品となるわけで。体重の80パーセントもの重力を受け続け、時には飛んだりはねたりでその何倍もの荷重がかかっても、なお健気に働き続けてくれている・・関節。そう考えると多少痛くなったり、曲げにくくなったりするのもやむを得ないと考えるのは医者のご都合に過ぎるであろうか?もちろん病状は患者さんによってさまざま、慢性関節リウマチ等の疾患ではそんな事を言ってお茶を濁すわけにはいかないのであるが、そうでない概ね健康に過ごして来られてきた患者さんで、いわゆる変形性関節症というのは、病気なのか年齢とともに生じてくる変化なのか、線引きがむずかしい・・。鎮痛剤をたくさん飲むと痛みは収まるかもしれないが、代わりに胃潰瘍ができてしまったり、腎臓機能が影響を受けたりとその代償が高くつく事もあるので、なかなかに対処方法は難しい。そういう際には、時には考え方を切り替える事も必要なのかなと。まあまあ、ほどほどに歩けるし、じっとしてると痛みはないし・・・that’s good enough!! (ただし、果たして20年後同じ事を言い続けられるかどうか・・・自信はありませんが)

toeic

奥さんにそそのかされて受験してきました・・。結果は内緒ですが、一緒に受験したチビさんには完敗でした・・・(泣)丹後弁検定ならそこそこいけると思うのですけれど・・・。

むり・・

10月8日(だと思う) 水曜日

70歳代の男性が肺炎にかかり、基幹病院の先生方が見事入院治療で治して下さった。だが、悲しい事に男性の嚥下機能(のみこむちから)は急速に低下して、肺炎が治った頃には、まったく飲み食いができない状態になってしまった。病院は肺炎が治った段階で、次に控えている患者さんのために、治癒した患者さんには当然の事ながら退院をして頂かないといけないわけで、その後の栄養療法についてご家族に選択をせまることとなる。これまた当然の振る舞いである。しかし問題はそれからで・・・男性の介護の担い手は、ご高齢の奥さんであるのだ。栄養方法について、例えば鼻から管を入れる方法とか、胃ろうとか具体的に説明を受けられたのだが、自分では決められないと途方に暮れてクリニックにやって来られる事となる。無理もない、日頃から半分寝たきりのご主人に寄り添って、一生懸命介護なさっていた矢先にふって湧いたような災難である肺炎、そしてこれまた突然ご飯が口から摂れなくなったから今後どうするか考えて欲しいと言われたのである。我々は、常日頃からこのような栄養方法については熟知しているのであるが、一般の人々にとっては、話としては理解できるものの、何の事やら良くわからないというのが本音であろう。ましてやその決定が自分の一存にかかっていると言われても・・・。そして今日、その方の退院前カンファレンスが開かれるというので、色々な障壁はあったのだが、何はともあれ馳せ参じて来た。病院の先生の名誉のために断っておくが、このように各種医療関係者にお声をかけて頂いて、時間を割いて下さるのはまだまだ一般的ではなく、とっても有り難く参加させて頂いたというのが本当のところである。そこで決定すべき事は、とどのつまり胃ろうか、鼻から管か、その他か・・と言う事なのだが、これを決めるには、1時間あっても2時間あってもまったく足りないのである。やれやれ・・・ 勤務医をしていたころには、そんな事、想像のカタスミにもなかった事なのであるが、これが高齢化社会の現代医療の現実なのかな。改めて思い知らされる事となった。退院後の主治医として(勝手にそう小生が思っているだけかもしれないが)、思い切って提案をさせて頂いた。吉と出るのか否か・・・皆さん助けてね。

bunta

「俳優をやめた菅原です・・」だそうです。奇しくも、この間当ブログに書いていましたクウェンティンタランティーノと同じような趣旨の事を仰っていました。やっぱり映画はフィルムだっていうことのようです。

夜郎自大な人間さま

9月29日 月曜日

週末の夜、家族で車に乗って家の近くを走っていた。突然・・・通りの横から2匹のネコがじゃれ合っているのか、くんずほぐれつしながらゴロゴロゴロ〜っと、道路に飛び出して来たのだ!あやうく子供達の前でひき逃げ犯になるところだった・・・(汗)おふざけもたいがいにして欲しいな〜・・・・

ネコ

週末に縦貫自動車道を走っていると、いままで気付かなかっただけなのかもしれないが、あまり見た記憶のない看板が建っていた。「シカ、出没!」・・って、逆じゃないの?って思ったのは小生だけだろうか。彼らがのほほ〜んと暮らしていた山中に橋桁を作って、道路を延ばしていったのは我々人間なんじゃないのだろうかと。彼ら(彼女ら)にしてみれば、「注意!ヒト・車暴走」なのである。だからして・・・しかたなく看板を作らなきゃいけなかった人が仮に、「シカさん、ごめんね!ちょっと通らせて!」って書いておいてくれたならば、私はその人に座布団1枚!、意味もわかるし、スピードも落とすし、なにより運転していてほのぼのとした気持ちになるだろうな〜って思った次第です。ま、そんなことしたら怒り出す人々がたくさんおられるのでしょうけれど・・・そのくらいのユーモア、持っても良いんでないの? 「狭いニッポン、そんなに急いでどこへ行く!?」

それほんまに?

9月26日 金曜日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140926-00010002-agrinews-soci

病院見舞い 生け花持ち込み禁止が波紋 日本花き卸売市場協会調査・・・

ということらしい。まじか・・。病室に生け花があると患者さんの心もなごみ、癒されて・・ではなかったのかな。花瓶の水にいろいろな細菌が繁殖するために、患者への感染を恐れるため、病院として禁止の措置を取っているところがあるとの事。関西では実に4割にあたる病院で生け花の持ち込みや院内での販売が禁止されていたとある・・。記事は花き卸側の立場として、市場調査を実施して今後の対応策を検討するという経済ニュースとしての側面を報じているのであるが、医療関係者としては少々異論のあるところではないだろうかと思う。だって、お見舞いに花束はつきものでして・・・看護助手さんが「あらまあ、きれいなお花ですねえ」とか言いながら、病棟の戸棚から花瓶を病室に持って行って活けてあげる場面をよく見ていた昔人間としては、そんなこといちいち取り締まる事柄かい!と思ってしまうのである。植物って、小さな小さな種子からあんなにも可憐な美しい花を実らせて、それこそ生命力の根源そのものを実感するものじゃああ〜りませんか。そりゃ何日も水を取り替えなかったり、アレルギーの患者にとっては害悪となりうるのかもしれないけれど、リスクがあるなら全面禁止にしましょうって言う”思考停止の思考回路”って最悪だと思うのだなあ。海外旅行行くのですか?デング熱を持ち帰るかもしれないから、渡航禁止にしましょうっていう対策と同じように思うので、仮にそんな事決定されたらみなさん怒り狂うのでは・・・?それを行うとこんなこんな、あるいはあんなリスクもあるけれど、こうしたらそのリスクは逓減できますよ、っていう筋道をつけていく方策を講ずるのが真のプロフェッショナルの仕事ってもんです!!花に罪はない。病室に花は飾ろう!(でもそれなりのルールは策定しましょうね)

ずいき

里芋の葉柄を”ずいき”って呼ぶんですね。知らなかった・・・ 訪問診療先でおばあちゃんが教えてくれた。うちのおばあちゃんもズイキの煮物をつくってたような気がする・・。どんな味だったのか覚えていないけれど、今食べると美味しいと思うんだろうな、きっと。

 

フィルムとか紙カルテとか・・

9月23日 火曜日 快晴

雲一つない日というのはこういう日の事を言うのであろう。朝起きて、自転車で街を駆けたが、気持ち良い事この上ない。家の近くの球技場では、朝の早い時間にすでに歓声が起こっている。私といえば、仕事関連の雑用で書類運びをしていただけなのだがそれでも何となく心が軽やかな感じがするものであった。最近の読書は小説モードからノンフィクションモードに切り替わっているため、小生のメンターの先生方の著作を寝っ転がりながらつまみ読みをしているような感じ。路地裏資本主義とか、弱さの思想とか・・・相変わらず時代に逆行しているな。合間に”小さいおうち”・・これは映画化されているから皆さんご存知だろう。つい最近までは、尊敬していた先輩と、まったく正反対のイデオロギーであった事がわかったり、ちいさなことでショックをいちいち受けていたのだが、人生せいぜいあと40年(あるのかな??)、つまらぬことだと思うようになった。あれこれ考えたところで、地球は回り続けるのである。

k-b

クエンティンタランティーノが言っていたひとこと。「ほとんどの映画が35ミリで上映されなくなったって事は、我々が闘いに負けたという事だ。デジタル映写なんて皆で巨大なテレビを見ているようなものである。皆はそれでも良いのかもしれないが、映画はもう既に死んでいるのだ。」私たちの業界では・・紙カルテはもうすでに死んでいるのだ。白衣に刺した万年筆など、もう何の役にも立たぬ・・・

ヒラメの子はヒラメ?!

9月19日 金曜日

スコットランドの独立に関する住民投票のニュース・・・どうやら独立派は敗北のようである。さまざまな背景や現実について無知ではあるのだが、スコットランドにはアバディーンやエディンバラ等イギリス有数の都市が含まれているというではないか。日本に例えるならどの程度の規模なのであろうか?九州、四国?いやいやあるいは沖縄の独立・・などを想像すれば良いのであろうか?いずれにしても「えらいこっちゃ」なことである。なんでそうなったのかなあ〜と思っていると、あるテレビの解説者曰く、「結局のところ、自分たちの事は自分たちで決めたいという住民の意思」が作用したということもあるようで。! なんだ、小生の開業のきっかけとなった思いと似てるんじゃないの?と思ったりもする。この間の学生さん達に質問されて、ちょっと戸惑った内容・・・” 先生なんで開業しようって決めたんですか? ” その時は、いやいやそんな、話し出したら1時間あっても語り尽くせないよ〜って笑ってごまかしたのであるが、とどのつまり「自分のことは自分で決めたい」とか、「自分のはたらき場所を勝手に決められたくない」とか、そんな思いがあったのも事実かな・・・。思わぬ自己分析に至った今回のスコットランド投票事案。

new flag

北アイルランド イングランド ウェールズで構成されるとしたら上記のような国旗になっていたそうな・・・。う〜ん、やや拍子ぬけな感じ。上ばっかりみて働く必要がないように、独立したつもりだったけど・・・ソウデモナサソウ。上ばっか見ないようにヒラメを脱出したつもりが・・やっぱヒラメのまんまの小生でした(泣)。

学生さん

9月14日 日曜日 快晴

昨日は診察中に裏の田の稲刈りが行われていたようである。診察終了後にはすっかり刈り取られたようで、まっすぐな刈り跡が幾何学模様のように残っていた。よくもまあこんなにきれいにまっすぐに行えるものだと感心する。往診先の方と話す内容にも必ずその時々の出来事がでてくるのだが、こうして過ごしていると毎年毎年春が来て、地元の祭り、田植え・・その後暑くなっては夏野菜。秋には稲刈りで冬には雪すかしと春に収穫する作物の作付けなど、四季の移り変わりと共に生きているのだなあと実感する。9月初めには、これまた恒例の医大学生さん達が病院見学に来てくれた。あ、何も当院に興味を持って来てくれているのではなく、地域医療の学習の一環での見学実習なのであるが。今年も2グループの方々を受け入れたのだが、患者さんへの対応があるので、満足いく案内ができたかどうか心もとない。学生さん達は皆まじめで、いろいろな問題意識を持って実習にあたっておられたように思う(われわれの学生の頃を思い出すと・・恥ずかしいばかりである)。後半の学生さんは、私と話している最中に意識を失っておられましたが・・よほど疲れておられたのでしょう。

storm

四季の出来事と言えば、台風や大雨なども最近はその被害規模が大きくなっているようで、これは困りものですね。

日本とアメリカ

9月11日 木曜日

セプテンバーイレブン で、ある。グランドゼロにはワンワールドトレードセンターなる命名を得たビルディングがほぼ完成となっていると聞く。その設計者は槙文彦さんという日本の建築家だとか。しかもその中の玄関ホールには亀岡在住の日本人彫刻家の作品が飾られているらしい。京都市内のとある病院での当直室で見たあのWTCビルの崩壊の瞬間は今でも忘れられない。あれからもう13年も経つのだな。イラク撤退を掲げて華々しく誕生したオバマ政権でさえいまだにアフガンからの完全撤退は達成できておらず、混乱は最近に至って増しているとの報道さえある。オバマケアなる、鳴り物入りで導入された新しいヘルスケアシステムも、色々な意見はあるがあまりうまく回ってはいないという見方が大勢のようである。キヨシローさんが訴えていた”世界平和”はいったい何時になったら叶うのだろうか・・・。

gunshot

もう一つのアメリカのダークサイドな事実、それはガンショットである。年間3万人以上が銃で命を落としているそうな。殺人事件に至っては日本11人 vs 米国1万1千人という統計があるらしい。各国それぞれに色々な悩みのタネがあるのですね・・・

目からウロコ

9月8日 月曜日

まだ突然激しい雨が降ったりする変な週末の天気であった。運動会シーズンで影響を受けたところもあったのではないであろうか・・。週末から明日にかけての小生の関心事・・錦織クンである。明日の早朝に決勝だそうな。世界シングルランキングを2人以上破っての堂々のファイナリストなので、優勝してもしなくても最大級の賛辞を送られてしかるべきなのかなと思っているのである。

ところで!民放で無料で視聴できるサッカーとかバレーとかと違って今回は、WOWOWの完全生中継という有料コンテンツとなっているわけである。なんだよ〜有料かよ、と思う方は多いと思うのですが、これが比較的静かに冷静に放映されており、多くのスポンサーへの都合からしょっちゅうしょっちゅうCMが流されるわけでもなく、見ていて非常に心地よいのである。おもえば、サッカーだとかバレーだとか、アイドルとかいろんな人物が出てきて、試合前2時間から放送が始まるようなシロモノとはひと味ちがうものでして、うん!コンテンツって、基本的に有料な価値あるものなのだ、と思わせられる出来事でもあったのである。WOWOW加入者も激増したとかいうことであるが、今回の錦織クンの大躍進は、コンテンツとその対価を考える上で、小生にして、とっても貴重な体験なのであった。でも、彼って確か小学生か中学生かで、既にフロリダのテニスアカデミーに移っているわけで・・純粋に日本人の快挙って喜ぶのはちょっとなあ(嘆息)

こんなのも、スポンサーがあったら決して見られないな・・(うるさいので要注意!?)。価値あるものにはやっぱりそれなりの対価を払うシステムを構築する必要があるのかな・・なんて思う、今回のUSオープンでした。ところで、昔の全米オープンの時にはアナウンサーがしきりに「NYフラッシングメドウからお送りしています」って仰っていたのですが、今は「アーサーアッシュスタジアムより」なんですって。結局場所は変わっていないのですけれど・・・何が変わったというのだろう。

 

長い1日

8月31日 日曜日 くもり

さてさていよいよ今日で8月も終わりである。夏休み最終日の日曜日は子供達もさぞ陰鬱な気分なのだろう(大げさか)。地区の草刈り行事である。何時からなのかよく知らなかったので、朝6時に起きてそわそわしていた。そのうちに眠くなってきて長椅子で二度寝。「ブーン、ブーン」という音ではたと目覚める。”始まってる!!” 大急ぎで長袖シャツに腕をとおして、首にはタオルを巻くという(不)完全防備で裏口の扉を開けた。毎年我が区がどの場所の担当だったかよく覚えていないので、既に従事しておられる方々の顔をみながらようやく見慣れたグループの界隈に到着し、何となく見よう見まねで草刈り(というより小生は刈られた草運び)に取りかかる。初めはやはりおそるおそる、である。何となく草むらから色々な生物が出てきそうで怖い・・・。ちなみに、周りをみてもこわごわやっておられる方は皆無である。なにも武器を持っていない小生は、専ら刈られた草を束ねて一カ所に山積みにするのが仕事。河川の土手は水面に向って斜面になっているので足場は相当不安定である。よいしょと拾い上げた草の束に、一筋刈りきれていないツルが混ざっているとその途端、思わぬ抵抗に遭い体勢を崩す事となる。こちら岸は斜面がなだらかなのでまだ良いが、対岸の方はかなり急斜面で、しかもその下はすぐに水面となっている。その代わり面積はやや少なそう。ローリスクローリターンかハイリスクハイリターンの選択か・・・などと、意味不明のたとえを思いながら作業を続ける。みれば80歳を数える患者さんも参加しておられるではないか。そういえば、2年前に初めて参加したときよりもあまり息が上がらなくなっているな、基礎体力がついたのかしらん?毎日座ってばかりの仕事でそんなわけもないか。むむ、草に混じってカマキリがいるではないか、それも白い・・・アルビノか?そこに留まってると草と一緒に焼却の憂き目だぞ、と追い払ってやる。なんて美しい心、生き物はみな友達だ(涙)。しかし、中にはマダニもいるかもしれない・・帰ったら速攻シャワーだな。10分も経つと初めの恐怖感はすっ飛んでおり、かなり大胆な行動に出ている。慣れるとはこういうことか、別に特段スキルが向上したわけでも、知識が増えたわけでもないのに、何か上手になったような気がしている・・・その瞬間草の中からマムシが出て来ないとも限らないのだが。「蛇蝎のごとく」とはよく言ったものだ。彼らは(彼女もいるか)まさに蛇蝎の如く忌み嫌われているのだ。実際咬まれると命に関わることもあるし、などと考えるとまた少し怖くなって、軍手にほころびがないかどうか確認する。30分以上経過すると、顔面からは日頃あまりかかない汗が滴り落ちて、やや気分が良くなってきている。これが脳内麻薬というものか・・? あたり一面は、草木や土などの匂いが立ちこめている。花粉のような白い粉も舞い上がっている。森林浴ということばから連想するような心地良い匂いとは言い難く、人いきれならぬ草いきれとでも言うのであろうか。あるいは小説によく出てくる”すえたような匂い”とはこういう事を指しているのであろうか・・・。いずれにしても総合的には、身体を使って土と戯れているというのは悪くはない気分でもある。畑仕事や草取りをしては、腰や膝が痛いと言ってやってこられるおじいちゃんやおばあちゃんの気持ちが何となく理解できる。うんうん、そんなことするから痛くなるのはあたりまえでしょう、と言って叱りつけるお医者さんにも味合わせてあげたいな、この気分。やはり人間は土を耕して、生き物と共生しながら現在までやって来たのである。45分、おそるおそる始めた草刈り(草運び)も何となく要領を得てきた。局所的に完璧に仕上げるよりは、何となく全体を整えて行った方が気分が楽になるし、心なしか仕事がはかどったような気がする。そう、まさにそれは”気”であるのだが、景気とはおそらくそういうものなのだろうな。そう考えると、アベノミクス万歳、どんどんやってもらえば良い。でも、よくよく検証すると、局所から完璧に仕上げて行った方が最終的に効率が良いのかもしれない。昨今行われている経済論争も所詮そんな所に行き着くのかな・・。何だ!みんな草刈りをすれば世の中の事が見えてくるっていう話じゃん。空想の世界からもどると、何やら女性の甲高い声が聞こえる、なじみのある周波数だなあと思いきょろきょろ。やはり、Y病院の看護師さんだった。目が合ったので片手をあげてご挨拶しておく。紅一点ではないが、女性は少数派である。当番日にて中途で切り上げたのだが、皆様ご苦労様でした。

一応医者のはしくれとして感じた事。”半袖はキケン” ”草刈り機械を扱う人はゴーグルを!” あるいは周辺を通る時には要注意。数年に1度は除草作業中に受傷した眼内異物で受診される方がおられると聞きます。かなりの確率で視力を失いますのでご用心を!!

草刈り

(写真はイメージです・・・)

帰り道にご近所の若奥様とすれ違った。「もう終わりなんですか?」「あ、いや当番日なもので早く切り上げさせて頂きました。よろしくお願いします」奥様も半袖でした・・・。

 

TOPへ