京都府与謝郡与謝野町 内科・外科・リハビリテーション科・在宅診療 いとうクリニック

ふくろうくんのブログ

そこそこのモノをつくる人々

4月26日 金曜日 カミナリ雨・・

早いものです。もうすぐ開院1年を迎えようとしています。去年の今頃は雪でおくれた建築工事の進捗状況と開院準備の予定をにらめっこしながらいつになるかなあ〜なんて考えていました。いろいろな機器の搬入を同時に進めなくてはいけないこともあり、やけにバタバタとしていたのを思い出します。機器と言えば・・・最近舞い込んで来るダイレクトメールや訪問が増えています。『そろそろ保証期間の1年が過ぎますので・・・メンテナンスの契約など如何でしょうか』ってやつですね。まあ各社横並びでメンテナンスビジネスがこうもまかり通っているのかと少し嫌になったりします。『万が一の故障に備えて格安なプランがありまして・・』 我々医者も、この病気はおそらくこのお薬で治りますよ。でも万が一の時に備えてこんなプランの保険に入っておきませんか?なんてやったらおそらく(というか確実に)とんでもない事になると思うのですが・・・。万が一にならんようにちゃんと治して下さいよ!っていうのと同じように、1年過ぎたからってすぐに保証プランに入らなくても良いように作って下さいよって言いたくなるのはおかしな話でしょうか?小さな検査機器から果ては大きなレントゲンや自動ドアに至るまで、身の回りにある機械はすべからく”万が一のもの”ばかりなのです。が、この世でたった一つだけ万が一も大丈夫ですよ・・・と位置づけられてきた、否これからも位置づけられそうなモノがあります。

Radioactive

ヒトハカクモオロカナイキモノナリ・・・・

医者と憲法

4月22日 月曜日 

まだまだ朝夕は冷え込むこのごろです。風邪の症状を訴えて来られる患者さんはまだ結構おられます。風邪・・の診察って結構難しいです。みなさんご存じないかもしれませんが、医学部の勉強で『風邪について』っていう講義は意外とないものなのです。難しい疾患については皆よく学ぶのですが、実臨床にでて最も良く遭遇する疾患について系統的な講義を受けた経験のある医者は少ないのではないでしょうか?不思議な現実です。学びなおすとかなり奥深いものがありますし、専門的な知識を要求されるのも事実です。さて、医師と憲法、まったく関係ないじゃないかと思われるかもしれませんが・・。さにあらず、憲法の最も大事な概念とはなんでしょうか?『すべて国民は個人として尊重される』という第13条なのですね。国民主権・人権尊重・平和主義は言わずと知れた三原則なのですが、国民主権も平和主義も個人を尊重するために存在している原則なのです。ところで医師の仕事、それはすべての人に平等に身体的、精神的、社会的健康を保証するために行っているわけですから、それは憲法の精神そのものな訳であります。そう考えると憲法って結構身近に感じるもので、最近少し勉強しています。このごろ改憲問題がときに新聞やニュースで語られるのを耳にしますが、ついこの間いわゆる一票の格差問題で選挙結果に対して違憲状態という高裁判決が次々に出たのを記憶しておられる方も多いと思います。よくよく考えると、違憲状態で選ばれた議員さん達が、憲法を改正しましょうよっていう旗ふりを行っているわけでして、なんだかブラックジョークです・・・。一票の格差問題って日本固有の問題なのかと思いきや、アメリカでも存在するのですね。しかし、ふたを開けてびっくりです。アメリカはペンシルベニア州の裁判でも同様の判決が出された事があるそうですが、その内容たるやさすが民主主義の国アメリカです。日本では一選挙区あたり現在最大で29万人もの差があるわけですが、アメリカでは2002年の一選挙区あたりの差が64万6380人対64万6361人の差がおかしいということで違憲であるという判決が出たそうです。さらにこのわずか19人の差を判決後9日間で議会の区割りを変更してその差なんと1人となったそうです!!いろいろな評価はありますが、こういう事をみるとアメリカってすごい!と思ってしまいます。

ひとり一票国民会議
ちなみに私のもつ選挙権の地域での私の一票の価値は・・・衆議院0.76票、参議院0.46票でした。興味のある方はご自分の選挙区の状況をこちらで簡単に調べる事ができます  http://www.ippyo.org/checker.html

なので・・・私は明日から電車代も電気代も公の性格をもつ料金は4割6分しか払いたくないなあ〜なんて考えております。だって自分の存在が0.46人前ですよって評価されてるわけですからね・・・(怒)まあ冗談はさておき、われわれこの問題にはもっともっと抗議の声を上げるべきではないかなと。

今日のいいね!

4月18日 木曜日 晴れ

おやおや明日の予想天気図には何やら不穏な縦じま模様が・・・寒暖の差が激しいためか、最近結構上気道症状を訴える患者さんが多いです。やっぱりこのごろ日本のお天気は変なのかしらん・・。そして、最近診察をした患者さんのお話が”良いな〜”と思ったわけでして。今年学校を卒業して就職する娘さんを持つお父さんの診察の時に何気なく『娘さん市内に出られるんですか?』って聞いたところ、『いや、地元の○○◯◯苑に就職するんですよ。お母さん大好きなんで地元に残って暮らすそうですわ』と。よかったですね〜と普通に返しておきましたが、内心すごく清々しい感じがしました。週刊誌をすこしめくれば ”今しかない起業家への道” とか ”他人に遅れをとるな” とかいう見出しの踊る今日この頃ですが、良いじゃないですか。お父さんと(?)お母さんが好きで地元に残ります! いいね!ボタンを心の中で連打しておりました。

Fb
平川克美氏曰く、現代は『移行期的混乱の時代である』と。まさしく右肩上がりの呪縛から解き放たれるべく、人は思考回路を反転させないといけないのではないかなと僕自身は思っています。実体経済とバブルの狭間に揺れ続けた過去20年間、いやそれ以上の経験を経て、我々はそろそろ学ぶべき事がある筈です。

すげえ人…

4月16日 火曜日 晴れ 暖かい〜

この世にはすごい人がいるなあと思う事が時々あります。最近亡くなった、ベネズエラのチャベス大統領もその一人です。幼くして共産主義、社会主義に傾倒していた彼は、その頃の夢である『将来大統領になる』ということを実現します。そして、かの有名な国連での演説です。2006年の国連総会で時の、某世界の覇権国の大統領を指して『悪魔』と呼んで、その国の外交政策を『悪魔のレシピ』と切り捨てたわけです。小生別にコミュニストでも何でもないノンポリ人間なのですが、こういう演説を聴くとただただ『すごいな・・・』って思ってしまいます。我が国の首相にできる芸当ではありません、もちろん。そして最近行われたベネズエラの元首の選挙では、やはりこの方の後継者が選出されたそうです。ベネズエラと言えば、言わずと知れた原油産出国でして、いろいろな思惑や利権の絡む組織票もあるでしょうに、この国の民はいわゆる反米急先鋒の(あ、言ってしまいました)、後継を選出したのですね。

こういうのを聞くと、一国の独立とは何かということを考えさせられます。同時に周辺国あるいは世界の国々と仲良くやって行くには・・・などなど (1:55 衝撃のthe evil came here…スペイン語がわかればもっと衝撃的なのでしょうけれど・・)

風疹とか鳥インフルとか・・

4月12日 金曜日 雨と風

4月半ばと思えない天気です。夕方はとても寒かったです!結構風邪症状の患者さんが多いように思われる今日この頃。H7N9というサブタイプのavian flu・・いわゆる鳥インフルエンザが話題になっています。ヒトーヒト感染はまだ確認されていないようですが、今後の推移を注意深く見守る必要がありそうです。数年前の新型インフルエンザの時の水際作戦騒動のドタバタを繰り返す事のなきように・・・。一方で、喫緊の課題の感染症は、と言えばやはり風疹でしょうか。妊婦の罹患するリスクについて一般に向けてアラートがなされていますが、医療機関としてもそれなりの対応が求められていると思われます。20代後半から30代の男性について特に抗体価の検査や積極的なワクチン接種が望ましいと考えられます。愛する伴侶や生まれ来る生命に対する責任としても・・。この年代の男性、わたしも仕事上しょっちゅう接触しています。彼らだいじょうぶなのかなあ・・と思っていた矢先に、やはり日病会なども病院職員はもちろんのこと、出入りする業者などについても同様の対応が求められるという声明を出しているということを聞きました。いろいろな人たちの交差点となるクリニックです。この場を介した感染症・・などということを未然に防ぐように私たちも気を配らねばなりません。

Uniqlo

消費税還元セールの禁止法案、とかいうニュースを目にしました。消費税増税を控えて、小売業者が上乗せ分を定価から差し引いて価格を据え置くことを禁じたり、下請け業者に値下げを迫る事を取り締まるための法律のようです。某衣料品メーカー大手の社長さんが、政府の価格統制だとお怒りのようです。この法案、一見政府が価格吸収のゆとりのない中小小売業者を救済するための目的のように思われるのですが・・・ひねくれ者の私はすこし眉につばをつけて事の成り行きを眺めねば・・・なんて思っています。

きつねの次はネズミ・・・

4月9日 火曜日 雨

アメリカに住んでおりました時に、屋内に止めていた自家用車が故障した事がありました。ディーラーに引っ張って行ってもらって修理した時に、サービスマン曰く『ケーブルが切れてたんですよ。おそらくネズミかイタチの仕業でしょうね』。アメリカのネズミは歯も丈夫なんですね〜とか思った記憶がありましたが。最近耳にしたニュースで・・・福島の原子力発電所の冷却装置が止まってしまったのは、配電盤に侵入したネズミが原因でしたっていうお話がありました。う〜む、日本のネズミも侮れないのだなあと思ってみたり。一方で、ハイテクの結集された科学技術がたかがネズミ一匹にやられるなんてっていう思いがあったりもします。遊園地の乗り物事故の悲しいニュースなどを見るにつけても、やっぱり人の造った物ってこわれることがあるんだなあ〜という事を感じます。物事を斜めから見てしまうクセのある性格のひん曲がった私なんかは、この世に絶対的な信頼を預けられる物なんてないよねって心のどこかでいつも考えているような気がします。明日は何が起こるかわからないぞ・・なんていう感じです。そんなこんなでいると、数日後に原発の放射能低減装置(アルプスっていうそうです)が誤停止したトラブルで、その原因が作業員の操作したスタイラスペン(いわゆるタッチペンってやつですね)のペン先が太すぎて、別のところに触ってしまったのが理由でしたっていうニュースがありました。その後の対策について記者に問われた会社の担当者曰く、『今後はマウスに変更します』・・・って妙なオチでした。

Buick

これがネズミにやられた愛車、ビュイックくんです。見たことない車やなあ・・ですって?心配ご無用、新たな貿易交渉が締結された暁にはドド〜ッと押し寄せてくる事と思います!?

ごんぎつねの謎

4月5日 金曜日 晴れ

快晴のお花見日和でしょうか?近くの板列神社の桜はほぼ満開でした。明日からは大荒れの天気であると聞きます。今年の入学式では果たして桜吹雪はみることができないのでしょうか・・・。1年のうちのわずか数日間しか咲き誇る事のない花びらなのに、何ともこの世は不条理なことで一杯ですね。不条理と言えば、うちの奥さん一押しのお話『ごんぎつね』。いたずらもののごんは、兵十が捕まえたうなぎを逃がしてしまいます。その後に、葬式をしている兵十の家の前を通りがかったごんは、そのうなぎが実は病に伏せる兵十のかあさんに食べさせてやるために捕まえた大切なものだった事に気づきます。それからというもの、ごんは罪滅ぼしにといろいろな貢ぎ物を黙って兵十の家の前に置いておきます。そうとは知らない兵十は、家の前をごそごそしているごんを見つけて、うなぎの敵と、銃で撃ってしまいます。そして倒れたごんのそばにいつものようにおいてある貢ぎ物を目にした兵十はすべてを悟ります。もちろん今となっては取り返しのつかない結果となってしまっているわけですが・・・。小学校の格好の教材となっているこの物語の語るところとは?さてみなさんはどうお考えでしょうか。最後の一文『兵十は、火縄銃をぱたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました。』のなんとも、後にのこしていく余韻。我が家の今の話題の一話でした。

さくら

相変わらずニュースでは株価が上がった事とか英語の教育特区ができるとかっていう話題です。よくよく考えると、株価が上がってもその株主って必ずしも日本人とは限らないわけで、某国産自動車メーカーやリース会社の大手も半分以上の株主は欧米人であったりします。英語のできるエリートさん達が一流会社に就職した後に起こるであろう事、僕が経営者の立場なら、エリートさん達で思いっきり就職のレベルのハードルをあげた後に、英語を母国語とする国の中から比較的安い労働賃金の外国人を雇い入れて、その賃金レベルを大幅に下げますね。すると結果として・・・能力の高いエリートさん達を安い賃金で雇い入れる事が達成できるわけです。うーん、バカなものの浅知恵かもしれませんが意外に的を射ていたり?!

Is this the real life?

4月2日 火曜日 くもり時々雨

70〜80年代ポップスを振り返る時はしばしばあるわけですが、最近時々ドライブの時に聞いているこの曲、『Bohemian rhapsody』であります。いわずとしれたクイーンの名曲です。衝撃的な歌詞の一文で始まるこの曲、中学生の頃に当時流行のレンタルレコードショップでレコードを借りてきたのを覚えています。楽曲を作成したフレディーマーキュリーはもうこの世にはいないのですが、その歌詞にはいろいろな注釈がついておりました。世の中の不条理を謳ったものではないかなと大まかには思うわけですが、クイーンのこの楽曲が収められていた『A Night At the Opera』は名盤中の名盤でしたね。Nothing really matters…そうそう、そうですよね。白地に一見孔雀のようなデザインのジャケット(だったような気がします)のLPは今でも記憶に焼き付いております。ギタリストのブライアン・メイは6ペンスコインをピックにして弾く何ともウォームなサウンドを奏でる名演奏でしたが、試しに私もコインをピックにして弾いてみましたが、やはり技術が伴わないと・・と自覚したのを覚えております。なんで、これを思い出しているのかよくわからないのですが・・・

本音を明かすと・・・小生はメタル小僧でして。人様には言えない音楽の趣味をもっております。そう、『うるさいなっ』て一蹴されるようなやつです・・・

そう・・こんなやつとかです 。

桜のつぼみはまだ固く・・

3月29日 金曜日 晴れ

年度末、最後のお仕事であった方から携帯電話に着信履歴が入っておりました。夕方の診察後に急いで返信したところ、『たった今新天地の街に着いたところです。出る前に一言ご挨拶をと思いまして・・・』というお返事でした。彼とは3年間あまりの付き合いでしたが、学年はかなり離れているのですが、手術の事や、論文の事など色々と教えてもらったり刺激を受けたりしました。この地を離れるのは大分ショックだったようですが、前向きにやって行くと思います。世間でいうところの、医局内での立ち回りは決して器用な人間ではなかったのかもしれませんが、ずっとエールを送り続けたいなあと思っています。そうです、もう私も永遠に送る立場の人間となってしまったのですね。というか、今から送られる立場になったら非常にまずいわけでして・・・(汗)。いろいろ書いてきましたが、やはりお別れの春全開でした。与謝の海病院ももうすぐ北部医療センターの呼称に変わります。新しい時代の幕開けを素直にお祝いする事にしましょう。パソコンのメールには、2年前に新天地に旅立って行った研修医だった先生からの近況メールを頂いておりました。いやいやこんな私の指導をいまだに懐かしく思ってくれる方がいるなんて有り難い事です。思えば私には、自分の事を弟子と認めてくれるような自他公認の師匠がいないということをコンプレックスのように思う時期がありました。今では、こういった身近な後輩達や、書物の中の人たちが色々な事を教えてくれるのだなあと考えています。

信長のシェフ

家族に触発されて読み始めたコミック達です。信長のシェフも聖☆おにいさんもとっても面白くハマっています。

どこでも同じ味

3月28日 木曜日 くもり

気がつけばもう月末、そして年度末です。決算などはもう終わっているのでしょうけれど、人事異動や入学などのお引っ越しでお忙しい方も多い事でしょう。そういえば、最近ある患者さんのお孫さんが無事志望校の一つに合格して春から一人暮らしを始めるんだというお話を伺いました。桜の季節は新生活の始まる時期でもあれば、お別れの季節でもあるのですね。電気屋さんなどのチラシで新生活応援セールなどという見出しを見ると、ちょっと寂しい感じがするのはそのせいかも知れません。朝刊の見出し3つ。・・2040年には全都道府県で高齢者人口比率3割超・・高齢化の波は確実に押し寄せているようです。私もこの中に入ってるんだなあと妙なところが気になっていたり。当然介護などの支援の問題が発生してくるであろう事は容易に想像できるのですが、その問題は都市部で特に顕著になるのではないかという事を予測する方もおられます。地方ではすでに顕在化している高齢化対策に取り組んでおり、徐々に対応がなされているのですが、一言で30%と言っても都市部では総人口数が多いですからその絶対数は地方と比べ物にならないわけですね。・・鳥取県がスタバのない最後の都道府県・・県知事は記者のインタビューに答えて曰く『スタバはないが砂場(スナバ)ならあるよ』と。お見事です。良いじゃないですかいつでもどこでも同じ味じゃなくって!!・・がんリスク、遺伝子診断に道・・発ガンや生活習慣病の発症につながる遺伝子の特定は将来現実のものとなるのでしょう。あらかじめ発症する可能性のある病気に対する備えや心構えができるのはとても良いことなのですが、個人情報としての遺伝子とどうつきあって行くか、社会の中での智恵が必要とされています。例えば生命保険の契約の際に特定の遺伝子変異を持つ人への扱いが変わったりする可能性はないのかなど、身近なところでの心配の種は尽きません。

すりねこ

橋立にいた通称すりネコくんです。すぐにヒトの足にすりすりして来るんです。

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